mission 15:desperate struggle ~コロシアム~
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その時、闇に包まれた空に禍々しく強大な魔力の塊が光となって姿を現した。
魔力の塊は空間ごとぐにゃりと歪み、血のように紅い三つの目の形にかわる。これが魔帝の魔力……?圧倒されそうだ。
「ヒッ……!」
ディーヴァの口から小さな声が漏れた。
カタカタ震えるディーヴァを抱きしめ、なるべく見えないようコートの中に招き入れる。
かたやグリフォンは嬉しそうに喉を鳴らしていた。
「おお、ムンドゥス様……」
だがグリフォンに、ゴミでも前にしたような言葉で返すムンドゥス。
『グリフォン、失望したぞ。生かす価値もない』
懇願虚しく、魔帝はその恐るべき強大な魔の力を手下たるグリフォンに振りかざして、オレに見せつけてきた。
力を与える?いや、死を与えている!
グリフォンの雷が遊びに思えるほどの、雷撃だ。
生かす価値もない、その言葉通り容赦なくグリフォンを襲い、焼き尽くすその力。
「ガ、ガァァァァァアア゛!!!」
たとえ悪魔でも苦しむ姿は見たくない。ましてや、ディーヴァはこの悪魔と言葉をかわしているのだ。
「あ、いや……!
ひどい……やめて、やめてよ……!」
苦しむグリフォンの姿に顔を歪ませ、目にこぼれ落ちそうな涙を浮かべるディーヴァ。
その手が、グリフォンに伸ばされる。
だめだ、お前をあいつに触れさせるわけにはいかない。お前まで怪我をする。
オレは泣かれるのも叩かれるのも覚悟でディーヴァを押さえつけ、自分の元にとどまらせた。
「グリフォンさん……!」
「!!
………天使、俺はあの歌を、あの……続きが、聞きたかっ………、」
グリフォンの姿が一瞬、細面の男の姿に見えた。
こちらに必死に手を伸ばす彼の、壊れかけの仮面から見えた顔には、涙の粒と笑みが浮かんでいた。
それは一瞬のことで、声も出せなくなった鳥の姿のグリフォンは苦しげに身をよじり続ける。
雷が、魔力がより強く、激しくなる。
これはオレが冗談まじりに考えたあぶり焼きチキンどころじゃない。
くしゃくしゃに丸めた紙のようにグリフォンの体を潰す魔帝の凶悪な魔力の前に、その体はシャボン玉を割ったようになくなる。
いとも容易くグリフォンを消炭として消した!仲間なのに!!
コアも魂も何もかも一緒に粉々にされたようで、あれではもうこの世のどこにも存在はできない。
特殊な血溜まり……レッドオーブだけを残して、消えてしまった。
「……ほう?天使が悪魔に情けをかけるとはな!いいぞ、より深く絶望するがいい!
絶望は獲物の味をより濃くする……」
ディーヴァの悲しみと絶望に反応したか、魔帝の目がこちらをちらと向く。
何がなんでもディーヴァを喰らおうというのか。
どこまで通用するか分からないが、空に浮かぶ三つ目へ銃口を合わせる。
『フハハハハ……!』
だが、撃つ前に魔帝の姿は耳障りな声とともに闇に溶けて消えた。……デスサイズたちの声の方が何倍もマシだな。
「ちっ、誰がディーヴァをてめぇなんかに食わせるか」
魔帝の声が自分に向いた事に恐怖を覚え、顔面蒼白、低体温気味に陥っていたディーヴァの震えが止まった。
奴が消えたからかと思ったが、それは違った。
パサ……。
ディーヴァの前に、一枚の大きな風切り羽根が落ちてきた。
それは、どこからどう見てもグリフォンの羽根そのもの。とても弱いが、あの特徴的な赤い魔力も帯びている。
オレの元からゆっくりと出て、それを大事そうに拾い上げたディーヴァの目からは、パタパタと涙が。
「そんな……グリフォンさん……」
その場で膝を折り、ディーヴァばとうとう本格的に泣き出した。
ディーヴァを慰めたい気持ちも大きいが、今のオレははらわたが煮えくりかえりそうだった。
どこにこの感情をぶつけていいか分からず、頭ン中ぐちゃぐちゃだ。
ディーヴァのことはそっと撫でるくらいしかできず、片方の手は無意識に胸元のアミュレットをつかんでいた。
「あの三つ目、だな」
「……う゛ん゛」
今、オレはかつてないほど恐ろしい顔をしているだろう。ディーヴァには直接見せられない。
常人より鋭い歯が、噛み締めた唇に食い込むのを感じる。
「勝ったの?大したものね」
背後から雷と共に落ちてくるかのように、トリッシュが現れたが、それすら気にかける余裕はない。
オレの胸の内は、ムンドゥスへの憎しみといかりでかつてないほど溢れかえっていた。
「ムンドゥス……汚ねぇ事しやがる。自分の仲間を虫ケラのように!
オレの母親と兄弟の時もそうだった」
「一緒にいたはずのバージルと離れ離れになっちゃったんだよね……」
「ああ、離れ離れになった挙句、オレはオレで、バージルはバージルで深傷を負った」
ギリギリと噛みしめすぎて、歯が割れそうに軋む。
いかつい顔のオレをみかね、ディーヴァが握りすぎているオレの拳をそっとあたたかい手で包んできた。
ああ、ディーヴァはすごいな。ただ手を握っているだけでもオレは救われた気分になった、
相手を思いやるがゆえの人間の怒りを、そして心を初めて知ったとでもいうように、トリッシュが驚いた顔でじっとこちらを見つめていたことはディーヴァもオレも、わからないままだった。
「母の話を思い出す。弱者のために戦った、勇気ある父の話を」
おとぎ話になるほど世界に浸透した話。
だがその真実は全世界でただひとり、母しか知らない父の話。
トリッシュとディーヴァ、二人の顔をちらりと見てから続ける。
「ディーヴァもこうして酷い目に合わせられたんだ。ぜってぇゆるさねぇ」
そうだ。特にディーヴァだ。
亡くなった母はもう戻ってこない。
だが、ディーヴァはまだここにいて、オレと生きている。ディーヴァをすべての悪魔から、脅威から守りぬきたい。
だから、奴がオレの大切な人にこれ以上危害を加えるというなら……。
「父の名に誓って奴に死を!」
自分の拳を受け止め、握りしめる。
強く、強く、まるで憎い仇を手の中で握り潰すかのように。
魔力の塊は空間ごとぐにゃりと歪み、血のように紅い三つの目の形にかわる。これが魔帝の魔力……?圧倒されそうだ。
「ヒッ……!」
ディーヴァの口から小さな声が漏れた。
カタカタ震えるディーヴァを抱きしめ、なるべく見えないようコートの中に招き入れる。
かたやグリフォンは嬉しそうに喉を鳴らしていた。
「おお、ムンドゥス様……」
だがグリフォンに、ゴミでも前にしたような言葉で返すムンドゥス。
『グリフォン、失望したぞ。生かす価値もない』
懇願虚しく、魔帝はその恐るべき強大な魔の力を手下たるグリフォンに振りかざして、オレに見せつけてきた。
力を与える?いや、死を与えている!
グリフォンの雷が遊びに思えるほどの、雷撃だ。
生かす価値もない、その言葉通り容赦なくグリフォンを襲い、焼き尽くすその力。
「ガ、ガァァァァァアア゛!!!」
たとえ悪魔でも苦しむ姿は見たくない。ましてや、ディーヴァはこの悪魔と言葉をかわしているのだ。
「あ、いや……!
ひどい……やめて、やめてよ……!」
苦しむグリフォンの姿に顔を歪ませ、目にこぼれ落ちそうな涙を浮かべるディーヴァ。
その手が、グリフォンに伸ばされる。
だめだ、お前をあいつに触れさせるわけにはいかない。お前まで怪我をする。
オレは泣かれるのも叩かれるのも覚悟でディーヴァを押さえつけ、自分の元にとどまらせた。
「グリフォンさん……!」
「!!
………天使、俺はあの歌を、あの……続きが、聞きたかっ………、」
グリフォンの姿が一瞬、細面の男の姿に見えた。
こちらに必死に手を伸ばす彼の、壊れかけの仮面から見えた顔には、涙の粒と笑みが浮かんでいた。
それは一瞬のことで、声も出せなくなった鳥の姿のグリフォンは苦しげに身をよじり続ける。
雷が、魔力がより強く、激しくなる。
これはオレが冗談まじりに考えたあぶり焼きチキンどころじゃない。
くしゃくしゃに丸めた紙のようにグリフォンの体を潰す魔帝の凶悪な魔力の前に、その体はシャボン玉を割ったようになくなる。
いとも容易くグリフォンを消炭として消した!仲間なのに!!
コアも魂も何もかも一緒に粉々にされたようで、あれではもうこの世のどこにも存在はできない。
特殊な血溜まり……レッドオーブだけを残して、消えてしまった。
「……ほう?天使が悪魔に情けをかけるとはな!いいぞ、より深く絶望するがいい!
絶望は獲物の味をより濃くする……」
ディーヴァの悲しみと絶望に反応したか、魔帝の目がこちらをちらと向く。
何がなんでもディーヴァを喰らおうというのか。
どこまで通用するか分からないが、空に浮かぶ三つ目へ銃口を合わせる。
『フハハハハ……!』
だが、撃つ前に魔帝の姿は耳障りな声とともに闇に溶けて消えた。……デスサイズたちの声の方が何倍もマシだな。
「ちっ、誰がディーヴァをてめぇなんかに食わせるか」
魔帝の声が自分に向いた事に恐怖を覚え、顔面蒼白、低体温気味に陥っていたディーヴァの震えが止まった。
奴が消えたからかと思ったが、それは違った。
パサ……。
ディーヴァの前に、一枚の大きな風切り羽根が落ちてきた。
それは、どこからどう見てもグリフォンの羽根そのもの。とても弱いが、あの特徴的な赤い魔力も帯びている。
オレの元からゆっくりと出て、それを大事そうに拾い上げたディーヴァの目からは、パタパタと涙が。
「そんな……グリフォンさん……」
その場で膝を折り、ディーヴァばとうとう本格的に泣き出した。
ディーヴァを慰めたい気持ちも大きいが、今のオレははらわたが煮えくりかえりそうだった。
どこにこの感情をぶつけていいか分からず、頭ン中ぐちゃぐちゃだ。
ディーヴァのことはそっと撫でるくらいしかできず、片方の手は無意識に胸元のアミュレットをつかんでいた。
「あの三つ目、だな」
「……う゛ん゛」
今、オレはかつてないほど恐ろしい顔をしているだろう。ディーヴァには直接見せられない。
常人より鋭い歯が、噛み締めた唇に食い込むのを感じる。
「勝ったの?大したものね」
背後から雷と共に落ちてくるかのように、トリッシュが現れたが、それすら気にかける余裕はない。
オレの胸の内は、ムンドゥスへの憎しみといかりでかつてないほど溢れかえっていた。
「ムンドゥス……汚ねぇ事しやがる。自分の仲間を虫ケラのように!
オレの母親と兄弟の時もそうだった」
「一緒にいたはずのバージルと離れ離れになっちゃったんだよね……」
「ああ、離れ離れになった挙句、オレはオレで、バージルはバージルで深傷を負った」
ギリギリと噛みしめすぎて、歯が割れそうに軋む。
いかつい顔のオレをみかね、ディーヴァが握りすぎているオレの拳をそっとあたたかい手で包んできた。
ああ、ディーヴァはすごいな。ただ手を握っているだけでもオレは救われた気分になった、
相手を思いやるがゆえの人間の怒りを、そして心を初めて知ったとでもいうように、トリッシュが驚いた顔でじっとこちらを見つめていたことはディーヴァもオレも、わからないままだった。
「母の話を思い出す。弱者のために戦った、勇気ある父の話を」
おとぎ話になるほど世界に浸透した話。
だがその真実は全世界でただひとり、母しか知らない父の話。
トリッシュとディーヴァ、二人の顔をちらりと見てから続ける。
「ディーヴァもこうして酷い目に合わせられたんだ。ぜってぇゆるさねぇ」
そうだ。特にディーヴァだ。
亡くなった母はもう戻ってこない。
だが、ディーヴァはまだここにいて、オレと生きている。ディーヴァをすべての悪魔から、脅威から守りぬきたい。
だから、奴がオレの大切な人にこれ以上危害を加えるというなら……。
「父の名に誓って奴に死を!」
自分の拳を受け止め、握りしめる。
強く、強く、まるで憎い仇を手の中で握り潰すかのように。
