mission 15:desperate struggle ~コロシアム~
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……と、ダンテがぐいとあたしを引っ張り、体に押し付けるように引き寄せた。
「ちょ、ダンテ!触らせてもらえないからって強引すぎな……!?」
そのまま耳を手で塞がれると同時、暗闇の中に何発もの火花が弾けた。
片耳は強く押さえられ、もう片方の耳もダンテの体に押し付けられてほとんど音が聞こえないものの、この火花はこれまでに何度も見ているからわかる。ダンテが放った弾丸による、マズルフラッシュだ。
「フェティッシュが一匹いたもんでな」
無理やりちゅーとか、胸揉むとかそういうのかと思っていた自分が恥ずかしい。逆にそれをあたしが期待してるみたいじゃない。
恥ずかしさをごまかすように、暗くてわかりづらい状態のダンテの顔付近を見上げる。
「んんん!他にはいない、よね?」
「ここにはな。
……んで、これは何だ?」
落ちた瓦礫や細かい石などを踏み抜きながら、あたしを連れて奥に行ったダンテが指したのは、壁際に密集した岩塊に光る石。ペンライトくらいの明るさだ。
『それは魔光石。暗闇で光る不思議な石だよ』
「ロジャリーのフローライトみたいな?」
イギリスにあるロジャリー鉱山は美しいフローライトが取れる事で有名だ。
希少価値が高いものは、目の前にある魔光石とやらと同じく、光るものが多いと聞く。あれは不純物のレアアースが入ってるから光るらしいんだけど……。そのへんはよくわからないや。
だってあたし、理数系じゃないもの。科学も化学も数学同様苦手。
『元は魔界に存在するなんの変哲もない石が、人間界で放置されたことで光るように変化した……みたいなやつ』
「魔界の石すごいね!?これ取ればライトの代わりになる?かなぁ……」
岩に組み込まれて取りづらそうだが、ダンテなら怪力でそこから外せるだろう。
そう思い口に出せば、さっそくダンテが指を岩にめり込ませて無理やり石を取った。……うわほんと怪力。
「ほらよ」
「ありがと。……ダンテのお尻にでもはさんどこ」
ダンテのお尻付近に手を伸ばす。たぶんこの辺かな?
コートをかき分け、ズボンのあたりをさわさわ、明かりがあってもちょっと見づらいなぁ。
あ、お尻なでちゃった。ダンテのお尻硬い。
「お、おいこらディーヴァ」
「えー。コートの割れ目から見えるダンテのズボン後ろに挟んどくだけよ?何も生のお尻そのものじゃないよ。
蛍みたいにお尻光ってるダンテの後ろついて歩こうかなって思って」
「ンなとこ挟んだら邪魔!
暗闇が怖いのはお前なんだからディーヴァが持ってろ」
「ぶーーーー。魔界産の石なんて縁起悪そうなのにぃ」
「ただの石!
だいたいケツ撫でてどうする。撫で返されても文句言えないぞ?」
わざとじゃないんだから、人のお尻に手をやるのやめてほしい。ダンテの手の甲をつねっておいた。
「先の通路は瓦礫で塞がってるな。てことは、下か」
持ってみたら意外と明るいそれを手に、ダンテと共に進む。
行ける場所は、階段の下のみだ。地下なんてロクな事がない。こういう悪魔だらけのところなら尚更だ。
「明かり持ってるのあたしだし、先行しようか?……こわいけど」
「いやいい。オレは明るくなくてもなんとかなるし、ディーヴァはここで少し待て」
言うが早いか、手すりから飛び降りるかのようにして、ダンテが下に降りて行った。
あたしもダンテくらい目がよかったらいいのに、と思いつつもダンテの目の良さは人外レベルだったのを思い出した。普通に2.0でいいや。
その時、何か生き物の雄叫びが響いた。
「えっ何?」
どう考えても悪魔の雄叫びだ。
続いて刃物同士がぶつかる音に、鋭い何かが空を切る音。
そして下の階いっぱいに炎が燃え上がり、ダンテと炎を吐く悪魔の姿が照らし出された。
ダンテが言った言葉の意味がわかった。下にファイヤーダンスするフェティッシュとやらがいたんだ。行かなくて良かったと思う。
「ったく、こんな狭いところで火なんか吹きやがって……」
戦闘が終わったのか、ぶちぶち言いながらダンテが上に迎えにきた。
呼んでくれれば自分で階段を降りていくのに、わざわざ戻ってきて抱っこして連れてくとか、かなり過保護だと思う。
「魔光石あっても見えづらいだろう?階段でこけたら大変だ」ってことらしい。こんな階段くらいじゃ転ばないよ!たぶん。
逆に、暗闇で戦えるダンテがすごいのだ。
ダンテって視力が良いだけじゃないもんね。何てったってすごいのは、暗闇で見えちゃうその目。
夜、ソウイウコトする時、暗くしたってダンテは見えるんだってわかった時の恥ずかしさったら!ああやだ。思い出しちゃった。
「行くのはこの青い扉の先?」
「ああ、そのようだ。魔光石ないと開かないらしい。それより、この壁壊せそうなんだが、壊してもいいか?」
よーく目を凝らしてみると、反対側の壁には亀裂があり、そこから小さく蝋燭の火だろう、光が漏れていた。
「いいかって……ダメって言っても壊すんだから言わなくてもいいよ。
ただし、お隣に住んでいたのは悪魔でしたー、は困るんだからね?」
「わかってる、っよ!」
アラストルどころかイフリートも使わず、拳ひとつで壁を破壊したダンテ。便利屋稼業の一端で、建物の解体作業とかやるといいんじゃないかな。絶対儲かる。
壊れた壁のその向こうは悪魔はおらず、代わりにたくさんの樽や使われていない鎧兜が並ぶ物置部屋だった。
隠れるのにはちょうどいい場所だろうけど、ダンテと一緒にいた方が今は安全なので使う機会はないかもしれない。
「特に何もない部屋か、骨折り損のくたびれ儲けで残念だ」
「壁より硬い拳持ってるから骨折ってないじゃない」
「言葉の綾だよ!」
「ぷえ。
……なんか嫌な音聞こえてくる」
鼻の頭をむぎゅりとつままれつつ、次の扉の向こうに耳を傾けてみる。うーん、つい最近聞いたような鋭い音が聞こえてくるなぁ。
それを聞いたダンテの唇は弧を描き、そのまま無言で扉を開け放ってしまった。開けるの早いよ!
「嘘でしょー!ここに来てまたこれ!?」
そこにあったのはつい最近見たばかりの絶望の空間。
床からは飛び出してはこないようだが、狭い円形の通路には壁から針が飛び出してくるカラクリが施されている。
しかも動かないでいれば、端の壁に設置された無数の針へ体が吸い込まれ、串刺し待ったなし。
それを見た瞬間嫌な思い出が甦り、へなへなと力が抜けたあたしはその場に座り込んでしまった。
「あたし無理、さすがに無理」
「わかってる。待ってろ」
あたしの様子を見て、さすがのダンテも無理やり連れて行くことはしなかった。
動く床の手前、ダンテの様子を覗き見しながら待つだけのこの時間も、実は怖いけど。
「紋章あるな、つけとくか」
なかなか狭い回廊となっているのか、ダンテの声がここまで響いてくる。
ひやりとした床が容赦なくあたしの不思議な体温を奪っていくが、ダンテの声が聞こえている分気持ち的にはまだいい。
顔だけひょっこりと出し回廊を覗くと、ダンテがちょうど狭まった通路から飛び出す針をスレスレでかわして戯れていた。
「ちょ、ダンテ!触らせてもらえないからって強引すぎな……!?」
そのまま耳を手で塞がれると同時、暗闇の中に何発もの火花が弾けた。
片耳は強く押さえられ、もう片方の耳もダンテの体に押し付けられてほとんど音が聞こえないものの、この火花はこれまでに何度も見ているからわかる。ダンテが放った弾丸による、マズルフラッシュだ。
「フェティッシュが一匹いたもんでな」
無理やりちゅーとか、胸揉むとかそういうのかと思っていた自分が恥ずかしい。逆にそれをあたしが期待してるみたいじゃない。
恥ずかしさをごまかすように、暗くてわかりづらい状態のダンテの顔付近を見上げる。
「んんん!他にはいない、よね?」
「ここにはな。
……んで、これは何だ?」
落ちた瓦礫や細かい石などを踏み抜きながら、あたしを連れて奥に行ったダンテが指したのは、壁際に密集した岩塊に光る石。ペンライトくらいの明るさだ。
『それは魔光石。暗闇で光る不思議な石だよ』
「ロジャリーのフローライトみたいな?」
イギリスにあるロジャリー鉱山は美しいフローライトが取れる事で有名だ。
希少価値が高いものは、目の前にある魔光石とやらと同じく、光るものが多いと聞く。あれは不純物のレアアースが入ってるから光るらしいんだけど……。そのへんはよくわからないや。
だってあたし、理数系じゃないもの。科学も化学も数学同様苦手。
『元は魔界に存在するなんの変哲もない石が、人間界で放置されたことで光るように変化した……みたいなやつ』
「魔界の石すごいね!?これ取ればライトの代わりになる?かなぁ……」
岩に組み込まれて取りづらそうだが、ダンテなら怪力でそこから外せるだろう。
そう思い口に出せば、さっそくダンテが指を岩にめり込ませて無理やり石を取った。……うわほんと怪力。
「ほらよ」
「ありがと。……ダンテのお尻にでもはさんどこ」
ダンテのお尻付近に手を伸ばす。たぶんこの辺かな?
コートをかき分け、ズボンのあたりをさわさわ、明かりがあってもちょっと見づらいなぁ。
あ、お尻なでちゃった。ダンテのお尻硬い。
「お、おいこらディーヴァ」
「えー。コートの割れ目から見えるダンテのズボン後ろに挟んどくだけよ?何も生のお尻そのものじゃないよ。
蛍みたいにお尻光ってるダンテの後ろついて歩こうかなって思って」
「ンなとこ挟んだら邪魔!
暗闇が怖いのはお前なんだからディーヴァが持ってろ」
「ぶーーーー。魔界産の石なんて縁起悪そうなのにぃ」
「ただの石!
だいたいケツ撫でてどうする。撫で返されても文句言えないぞ?」
わざとじゃないんだから、人のお尻に手をやるのやめてほしい。ダンテの手の甲をつねっておいた。
「先の通路は瓦礫で塞がってるな。てことは、下か」
持ってみたら意外と明るいそれを手に、ダンテと共に進む。
行ける場所は、階段の下のみだ。地下なんてロクな事がない。こういう悪魔だらけのところなら尚更だ。
「明かり持ってるのあたしだし、先行しようか?……こわいけど」
「いやいい。オレは明るくなくてもなんとかなるし、ディーヴァはここで少し待て」
言うが早いか、手すりから飛び降りるかのようにして、ダンテが下に降りて行った。
あたしもダンテくらい目がよかったらいいのに、と思いつつもダンテの目の良さは人外レベルだったのを思い出した。普通に2.0でいいや。
その時、何か生き物の雄叫びが響いた。
「えっ何?」
どう考えても悪魔の雄叫びだ。
続いて刃物同士がぶつかる音に、鋭い何かが空を切る音。
そして下の階いっぱいに炎が燃え上がり、ダンテと炎を吐く悪魔の姿が照らし出された。
ダンテが言った言葉の意味がわかった。下にファイヤーダンスするフェティッシュとやらがいたんだ。行かなくて良かったと思う。
「ったく、こんな狭いところで火なんか吹きやがって……」
戦闘が終わったのか、ぶちぶち言いながらダンテが上に迎えにきた。
呼んでくれれば自分で階段を降りていくのに、わざわざ戻ってきて抱っこして連れてくとか、かなり過保護だと思う。
「魔光石あっても見えづらいだろう?階段でこけたら大変だ」ってことらしい。こんな階段くらいじゃ転ばないよ!たぶん。
逆に、暗闇で戦えるダンテがすごいのだ。
ダンテって視力が良いだけじゃないもんね。何てったってすごいのは、暗闇で見えちゃうその目。
夜、ソウイウコトする時、暗くしたってダンテは見えるんだってわかった時の恥ずかしさったら!ああやだ。思い出しちゃった。
「行くのはこの青い扉の先?」
「ああ、そのようだ。魔光石ないと開かないらしい。それより、この壁壊せそうなんだが、壊してもいいか?」
よーく目を凝らしてみると、反対側の壁には亀裂があり、そこから小さく蝋燭の火だろう、光が漏れていた。
「いいかって……ダメって言っても壊すんだから言わなくてもいいよ。
ただし、お隣に住んでいたのは悪魔でしたー、は困るんだからね?」
「わかってる、っよ!」
アラストルどころかイフリートも使わず、拳ひとつで壁を破壊したダンテ。便利屋稼業の一端で、建物の解体作業とかやるといいんじゃないかな。絶対儲かる。
壊れた壁のその向こうは悪魔はおらず、代わりにたくさんの樽や使われていない鎧兜が並ぶ物置部屋だった。
隠れるのにはちょうどいい場所だろうけど、ダンテと一緒にいた方が今は安全なので使う機会はないかもしれない。
「特に何もない部屋か、骨折り損のくたびれ儲けで残念だ」
「壁より硬い拳持ってるから骨折ってないじゃない」
「言葉の綾だよ!」
「ぷえ。
……なんか嫌な音聞こえてくる」
鼻の頭をむぎゅりとつままれつつ、次の扉の向こうに耳を傾けてみる。うーん、つい最近聞いたような鋭い音が聞こえてくるなぁ。
それを聞いたダンテの唇は弧を描き、そのまま無言で扉を開け放ってしまった。開けるの早いよ!
「嘘でしょー!ここに来てまたこれ!?」
そこにあったのはつい最近見たばかりの絶望の空間。
床からは飛び出してはこないようだが、狭い円形の通路には壁から針が飛び出してくるカラクリが施されている。
しかも動かないでいれば、端の壁に設置された無数の針へ体が吸い込まれ、串刺し待ったなし。
それを見た瞬間嫌な思い出が甦り、へなへなと力が抜けたあたしはその場に座り込んでしまった。
「あたし無理、さすがに無理」
「わかってる。待ってろ」
あたしの様子を見て、さすがのダンテも無理やり連れて行くことはしなかった。
動く床の手前、ダンテの様子を覗き見しながら待つだけのこの時間も、実は怖いけど。
「紋章あるな、つけとくか」
なかなか狭い回廊となっているのか、ダンテの声がここまで響いてくる。
ひやりとした床が容赦なくあたしの不思議な体温を奪っていくが、ダンテの声が聞こえている分気持ち的にはまだいい。
顔だけひょっこりと出し回廊を覗くと、ダンテがちょうど狭まった通路から飛び出す針をスレスレでかわして戯れていた。
