mission 14:mouth-to-mouth ~キスの雨が降ってくる~
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時間はネロアンジェロとグリフォンがやりとりをした少し前に遡る。
冷たい空気が流れる洞窟。その水辺。
岩場にぶつかり打ち上げられた水没船が一隻。
その中ではダンテが意識のないディーヴァを抱えて奮闘していた。
ディーヴァには酸素が必要だ。一刻を争う。
ダンテが船底に空いた穴から出口に飛び込むと、そこはちゃんと船の外側で、障害物もなく水面がすぐ見えていた。
あたりはかなり薄暗くなっているようだが、船の水中よりは明るい。
松明の炎の光が差し込んでいるのか、水面付近ではゆらめく炎がたゆたっていた。
水面の上になにが潜んでいようとも、悪魔の鋭い鎌がオレの首を落とさんと待ち受けていようとも、ディーヴァを失うよりははるかにましだ。
これ以上ないほど強く、水を足で蹴り上げる。
鯉の王様の名を冠するモンスター。あいつが飛び跳ねる強さも霞む勢いで、水面を飛び出した。
「ぷは、」
水から顔を出せば、船は洞窟の奥に座礁し、すでに航行不可能なレベルに大破していた。
この船は水流に流され水没しつつ進んできたはずだ。
だが、魔の気配が増してきている事を本能で感じとるに、再びマレット島の磁力という名の魔力に吸い寄せられたようだ。
「はあ、はあ……」
焦ったオレの呼吸が荒いのとは反対に呼吸のないディーヴァ。
まだ死んでない。死なせるものか。焦るな。焦ってはダメだ。
水のない場所までびしょびしょのままのディーヴァを運ぶ。意識がなく濡れた体いつもより重く、冷たい体は早く温めなくてはならない。
運んだ岩肌は固くて痛いかもしれない。自分のコートを敷いた。
ふかふかベッドがこれほどまでに欲しいと思ったことが、かつてあったろうか。
「ディーヴァ、おい!起きろ!ディーヴァ!!起きろって……!」
酸素不足が過ぎたディーヴァは、顔面が青いを通り越して真っ白だ。吐き気が出づらい程度に、何度もその体を揺らして呼びかける。
やばい、心臓が動いてない。そんな、まさか。呼吸だけじゃない、心臓が止まっている……!
死神になんて連れて行かせるものか。どうせ死神なんてのは、デスサイズやヘルバンガードみたいな悪魔だろ?
そんな奴ら、来た端からぶっ飛ばしてやる。
ディーヴァを揺らして思い出した。
前に、意識をなくした人間を助ける方法についてテレビ放送をディーヴァと一緒に視聴した事を。
「心肺蘇生……そうだ、心肺蘇生だ」
いやまて、心肺蘇生とは、どうやるのだったか。
あの時は隣に座るディーヴァにいたずらを仕掛けるのに命をかけていたから、きちんと見ていなかった。
ああ、こんなことならもっとしっかり観ておけばよかった。
他でもない、ディーヴァの生死に関わるなんて思わなかった……。
ディーヴァの事以外に活用しない脳の記憶媒体に鞭を打ち、どこかにあるであろう記憶を引き出す。
胸……胸の骨付近を……揉む、いやちがう。揉むんじゃない。違うだろオレ。
『きゃっ!違うよダンテ、胸を揉んじゃだめぇ……。
揉むんじゃなくて、止まった心臓を手動で動かすために強く押すの!心臓の鼓動と同じ動きで、ぐっぐっぐっ、とね』
思い出した!
「たしか、胸骨とやらの圧迫、だっけか……」
胸の骨を強い力で圧迫する?……押す?オレのこの悪魔の力でか??
ディーヴァの骨が折れるだろが!!
「痛かったらすまん、ディーヴァ!」
気道とやらを開かせる姿勢にして、マウストゥーマウス。ディーヴァの唇を塞いで空気を送り、胸骨を折れないくらいの絶妙な力加減で圧迫する。……クッソ難しい!
『うひゃあ、マスターちゅーしてるう!』
「ばかやろ、これは人工呼吸っていうんだよ!!
魔力も与えてるけどな……っ!」
同時に初めてディーヴァと出会った時と同じように、自らの魔力も注ぎ込んでいく。
天使のディーヴァに悪魔の力。あまり与え過ぎれば毒になる。
初めての力の譲渡の時のようにうまくいけばいいが、そうでない場合だってあるのだ。
こちらもさじ加減がとても難しい。現に、ディーヴァが成長しないままなのは、オレの魔力のせいなのだから。
大量に飲み込んだであろう水。気管に多少なりとも入り込んでいるであろう水。
多分、詰まっているそれを吐き出させれば、ディーヴァの鼓動はもちろん、呼吸も復活する。
「飲んだ水、吐け!!」
唇を強く押し付けて空気を送るとディーヴァは咳き込み、飲み込んだ水を吐き出した。
同時に鼓動も復活する。
「はぁ……よかった」
ひとまず安心して力が抜けた。だが、目を覚さなくては何も意味がない。
確かに、眠るディーヴァは美しい。
よく出来た人形のようで、美しい。こんなに美しい人形ならば一生手元に置いておきたいくらいだ。
けれどオレが好きなのは動かなくなったディーヴァではなく、こちらにあたたかな笑顔を向けてくれるディーヴァだ。
唇を押しつけながら、その小さな体をガクガクと揺すった。
冷たい空気が流れる洞窟。その水辺。
岩場にぶつかり打ち上げられた水没船が一隻。
その中ではダンテが意識のないディーヴァを抱えて奮闘していた。
ディーヴァには酸素が必要だ。一刻を争う。
ダンテが船底に空いた穴から出口に飛び込むと、そこはちゃんと船の外側で、障害物もなく水面がすぐ見えていた。
あたりはかなり薄暗くなっているようだが、船の水中よりは明るい。
松明の炎の光が差し込んでいるのか、水面付近ではゆらめく炎がたゆたっていた。
水面の上になにが潜んでいようとも、悪魔の鋭い鎌がオレの首を落とさんと待ち受けていようとも、ディーヴァを失うよりははるかにましだ。
これ以上ないほど強く、水を足で蹴り上げる。
鯉の王様の名を冠するモンスター。あいつが飛び跳ねる強さも霞む勢いで、水面を飛び出した。
「ぷは、」
水から顔を出せば、船は洞窟の奥に座礁し、すでに航行不可能なレベルに大破していた。
この船は水流に流され水没しつつ進んできたはずだ。
だが、魔の気配が増してきている事を本能で感じとるに、再びマレット島の磁力という名の魔力に吸い寄せられたようだ。
「はあ、はあ……」
焦ったオレの呼吸が荒いのとは反対に呼吸のないディーヴァ。
まだ死んでない。死なせるものか。焦るな。焦ってはダメだ。
水のない場所までびしょびしょのままのディーヴァを運ぶ。意識がなく濡れた体いつもより重く、冷たい体は早く温めなくてはならない。
運んだ岩肌は固くて痛いかもしれない。自分のコートを敷いた。
ふかふかベッドがこれほどまでに欲しいと思ったことが、かつてあったろうか。
「ディーヴァ、おい!起きろ!ディーヴァ!!起きろって……!」
酸素不足が過ぎたディーヴァは、顔面が青いを通り越して真っ白だ。吐き気が出づらい程度に、何度もその体を揺らして呼びかける。
やばい、心臓が動いてない。そんな、まさか。呼吸だけじゃない、心臓が止まっている……!
死神になんて連れて行かせるものか。どうせ死神なんてのは、デスサイズやヘルバンガードみたいな悪魔だろ?
そんな奴ら、来た端からぶっ飛ばしてやる。
ディーヴァを揺らして思い出した。
前に、意識をなくした人間を助ける方法についてテレビ放送をディーヴァと一緒に視聴した事を。
「心肺蘇生……そうだ、心肺蘇生だ」
いやまて、心肺蘇生とは、どうやるのだったか。
あの時は隣に座るディーヴァにいたずらを仕掛けるのに命をかけていたから、きちんと見ていなかった。
ああ、こんなことならもっとしっかり観ておけばよかった。
他でもない、ディーヴァの生死に関わるなんて思わなかった……。
ディーヴァの事以外に活用しない脳の記憶媒体に鞭を打ち、どこかにあるであろう記憶を引き出す。
胸……胸の骨付近を……揉む、いやちがう。揉むんじゃない。違うだろオレ。
『きゃっ!違うよダンテ、胸を揉んじゃだめぇ……。
揉むんじゃなくて、止まった心臓を手動で動かすために強く押すの!心臓の鼓動と同じ動きで、ぐっぐっぐっ、とね』
思い出した!
「たしか、胸骨とやらの圧迫、だっけか……」
胸の骨を強い力で圧迫する?……押す?オレのこの悪魔の力でか??
ディーヴァの骨が折れるだろが!!
「痛かったらすまん、ディーヴァ!」
気道とやらを開かせる姿勢にして、マウストゥーマウス。ディーヴァの唇を塞いで空気を送り、胸骨を折れないくらいの絶妙な力加減で圧迫する。……クッソ難しい!
『うひゃあ、マスターちゅーしてるう!』
「ばかやろ、これは人工呼吸っていうんだよ!!
魔力も与えてるけどな……っ!」
同時に初めてディーヴァと出会った時と同じように、自らの魔力も注ぎ込んでいく。
天使のディーヴァに悪魔の力。あまり与え過ぎれば毒になる。
初めての力の譲渡の時のようにうまくいけばいいが、そうでない場合だってあるのだ。
こちらもさじ加減がとても難しい。現に、ディーヴァが成長しないままなのは、オレの魔力のせいなのだから。
大量に飲み込んだであろう水。気管に多少なりとも入り込んでいるであろう水。
多分、詰まっているそれを吐き出させれば、ディーヴァの鼓動はもちろん、呼吸も復活する。
「飲んだ水、吐け!!」
唇を強く押し付けて空気を送るとディーヴァは咳き込み、飲み込んだ水を吐き出した。
同時に鼓動も復活する。
「はぁ……よかった」
ひとまず安心して力が抜けた。だが、目を覚さなくては何も意味がない。
確かに、眠るディーヴァは美しい。
よく出来た人形のようで、美しい。こんなに美しい人形ならば一生手元に置いておきたいくらいだ。
けれどオレが好きなのは動かなくなったディーヴァではなく、こちらにあたたかな笑顔を向けてくれるディーヴァだ。
唇を押しつけながら、その小さな体をガクガクと揺すった。
