mission 13:sunken ship ~脱出~
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ダンテの動きからは出口を探して焦っているのとは違う雰囲気が伝わってくる。
それはあたしの不安や恐怖を煽るには十分で。動悸が激しくなってきて、ただでさえ呼吸ができない状況なのに余計に酸素を使ってしまいそうだ。
(いったい何が起きて……?)
脳を使ったら更に酸素を使う。だから、あまり思考を働かせてはいけないのだけれど、一度気になりだしたら考えは止まらない。
見えない恐怖より見える恐怖の方がずっといい。
その瞬間、ダンテが激しく体を回転させて足を振るう動きがあった。
暗くて見えにくい水中の中、目を薄く開ければ。
(あ、悪魔……っ!!!?)
倒される寸前ではあったが、瞳孔が開ききった悪魔の死に際の顔がドアップで飛び込み、次いで蹴りを放っていたらしいダンテの瞳とバッチリ目が合った。
がぼっ……!?
悪魔のドアップなんてものを間近で見てしまい、ついびっくりして口が開いた。口が開けば空気ももれる。
まさかとは思ったけれど、悪魔との戦闘をしていたなんて……。
ついでに、もれた空気を取り返そうと自然と酸素を取り込もうとして鼻に水が入った、痛い。
ぬるま湯ならまだしも、冷たい水が鼻に入ると頭にまで突き抜けるようにすごく痛い……って、痛がっている場合ではなかった。
苦しい。肺が苦しくてたまらない。頭より肺のほうが深刻。
普通は酸素で満たされなくてはならない肺に水が入り、咳き込みそうになる。
咳き込めば余計に肺へ水が流れ込んできて、溺死に繋がるだろう。
一度水を受け入れてしまった気管支は、水を拒む機能が停止するからだ。
咳き込まんとする瞬間、ダンテがあたしの鼻をつまみ噛み付くかのような勢いで唇を合わせてきた。
「んん゛〜〜〜っ!!」
咳き込みたい苦しさごと飲み込まれ、酸素も足りていない。
暴れたい思いを封じ込め、ダンテにしがみつく力だけがやわく、しかし時に強くなる。
微量。本当に微量な酸素がキスにより送り込まれ、止まり始めようとした生命活動が再開する。
それは窒息よりも窒息に近く、意識を手放してしまったほうがラクかもと思うほどの少ない酸素で命が繋がれたのと同じ。
逆にさらに苦しい。苦しさで涙が浮かぶ。
浮かんだ涙は流れたそばから水と同化し、泡のように溶けて消えた。
(うぐ、苦し………。むり、むりむりむり!)
なにもキスが無理なのではない。
この状況でキスが恥ずかしいとかそういう考えはひとつも浮かんでこない。
ダンテから得られる酸素の量が極端に少ないからなだけ。
むしろダンテの魔力も一緒に与えられているのではないかと思うほど、力は湧いてくるようだったし口の中がとても熱く感じた。
舌を入れられているわけでもないのに、だ。
しかし、キスで酸素共有なんて、やはり素人には難しかったのだ。
絶対量が足りない……。
てもダンテの分の酸素だって脱出には必要なのだ。2人仲良く溺死なんて勘弁。
(あんなに練習したのに……)
無駄な抵抗だったのかも?
でも、あの練習がなければ溺れ死にそうなこの瞬間に唇が合わさっただけで何故?と、もっと暴れていたかもしれないし、ほんのちょっぴりの酸素すら得られなかっただろう。
それにあのキスの連続は、きっと気が動転し始めたあたしを、ダンテが慰めようと行動した結果。
キスで……なんて、ダンテらしい考え。
絶対量の酸素は足りてないかもしれないが、ダンテから微量の酸素が与えられたからだろうか。抵抗の力は徐々になくなりダンテに身をくったりと預けてしまう。
霞んでいく視界で捉えたダンテは、こちらに酸素を明け渡しながらもいつの間にか移動を再開しており、目だけは出口方面だろう前方を見据えていた。
大丈夫の意味を込めダンテの体を小さく突けば、彼はようやく唇を離し、水中という落ち着かない場所だったがゆるりと頭を撫でてくれた。
動くスピードは速いのに、そこだけがいつもと同じゆっくりさで、ひどく安心できたのを覚えている。
全身がどこか筋肉痛に似た倦怠感に包まれるのを感じながら、ダンテに全てを預けた。
(チッ、本気で全部水没してやがる)
結界の解けた砲甲板から出て、下へと向かうべくさらに深く潜る。
上に出られないなら、最初に船に侵入した時の穴を目指すほかない。つまり船の最深部、船底だ。
水、水、水。
すべてが水没したそこには、またもやブレイドが我が物顔で遊泳している。
その一番向こうに光が見えるが、ブレイドを無視してここを強行突破するのはまず無理だ。
オレはよくてもディーヴァに爪のひとつでも当たってみろ、とんでもないことになるぞ。
だが、時間はない。
酸素不足でディーヴァの目がどこか虚になってきている。
その都度、頻繁に酸素を与えられるようキスを続けて気をしっかり持たせているが、ディーヴァも思っているであろうその量には限界もあるし、なによりこの冷たい水の中だ。
人間の、しかもディーヴァのようなが弱い女性の生命活動は鈍る。
意識が遠のいてきているスピードが緩やかなものから、徐々に速度を上げている。
(迷ってる暇が惜しい!)
ディーヴァを自分のコートで覆い隠すように抱き込みながら泳ぎ、悪魔の中を真っ正面から突っ切る。
自分がダメージを負うリスク?上等だ。いくらでもかかってこい。
そのまま倒さずに逃げ切れれば何よりだ。
見つかってすぐ爪が飛んでくる。ディーヴァにあたらなければそれでいい。体の至る所に刺さったそれを気にせず、出口に向かって泳ぎ続ける。
だがもちろん、そう簡単にはいかなかった。
出口へのルートを邪魔するように、立ち塞がるブレイド達。
その目はニヤニヤと下卑た笑みを浮かべているように見え、通りたくば倒して通れ。そう語っていた。
逃す気はゼロ。これはもう、応戦する他ない。
その間にも絶えず飛んでくる爪を弾き飛ばしつつ、ニードルガンに込められるだけのありったけの魔力を込めて撃ち出す。
(お前らとっととどっか行け!!)
倒すのにそう時間は掛からなかったが、数十秒。たった数十秒されど数十秒。確実にロス時間が発生してしまった。
(ん?ディーヴァ……?).
ディーヴァの気配が希薄だ。
すぐ隣にいるのに希薄、という表現も変な気がするが希薄としかいいようがなかった。
見ればすでに意識はなく、水を多量に飲んでしまったというより、呼吸を我慢しすぎて酸素不足で意識を落としたといった方がしっくりくる。
(起きろ、起きろって……!
くそ、あと少しで脱出だってのに!)
泳ぎながら唇を押し付けても、ディーヴァは当たり前だが無反応。
こうなってはキスで、なんてもう無理だ。
水温と徐々に同化していくディーヴァの体温にゾッとする。
このままでは魔帝ではなく、死神にディーヴァが連れ去られてしまう。
なによりも恐ろしいこと。
それは大事な人を救えずに目の前で失うこと。愛する者を死なせてしまうこと。
(いそげ、オレの足!うおおおおお間に合え!!)
泳ぐスピードに力が入る。
暗闇の水中に帯のように差し込む光。
オレが最初に船へと侵入したあの穴、その光の中に飛び込んだ。
●あとがき
ダブルの意味……船からの脱出、キスしまくり地獄からの脱出(?)をしたかった夢主。
ダンテは嬉しくても、あの状況でキス練習なんて夢主的には嬉しくなかったというね。
それはあたしの不安や恐怖を煽るには十分で。動悸が激しくなってきて、ただでさえ呼吸ができない状況なのに余計に酸素を使ってしまいそうだ。
(いったい何が起きて……?)
脳を使ったら更に酸素を使う。だから、あまり思考を働かせてはいけないのだけれど、一度気になりだしたら考えは止まらない。
見えない恐怖より見える恐怖の方がずっといい。
その瞬間、ダンテが激しく体を回転させて足を振るう動きがあった。
暗くて見えにくい水中の中、目を薄く開ければ。
(あ、悪魔……っ!!!?)
倒される寸前ではあったが、瞳孔が開ききった悪魔の死に際の顔がドアップで飛び込み、次いで蹴りを放っていたらしいダンテの瞳とバッチリ目が合った。
がぼっ……!?
悪魔のドアップなんてものを間近で見てしまい、ついびっくりして口が開いた。口が開けば空気ももれる。
まさかとは思ったけれど、悪魔との戦闘をしていたなんて……。
ついでに、もれた空気を取り返そうと自然と酸素を取り込もうとして鼻に水が入った、痛い。
ぬるま湯ならまだしも、冷たい水が鼻に入ると頭にまで突き抜けるようにすごく痛い……って、痛がっている場合ではなかった。
苦しい。肺が苦しくてたまらない。頭より肺のほうが深刻。
普通は酸素で満たされなくてはならない肺に水が入り、咳き込みそうになる。
咳き込めば余計に肺へ水が流れ込んできて、溺死に繋がるだろう。
一度水を受け入れてしまった気管支は、水を拒む機能が停止するからだ。
咳き込まんとする瞬間、ダンテがあたしの鼻をつまみ噛み付くかのような勢いで唇を合わせてきた。
「んん゛〜〜〜っ!!」
咳き込みたい苦しさごと飲み込まれ、酸素も足りていない。
暴れたい思いを封じ込め、ダンテにしがみつく力だけがやわく、しかし時に強くなる。
微量。本当に微量な酸素がキスにより送り込まれ、止まり始めようとした生命活動が再開する。
それは窒息よりも窒息に近く、意識を手放してしまったほうがラクかもと思うほどの少ない酸素で命が繋がれたのと同じ。
逆にさらに苦しい。苦しさで涙が浮かぶ。
浮かんだ涙は流れたそばから水と同化し、泡のように溶けて消えた。
(うぐ、苦し………。むり、むりむりむり!)
なにもキスが無理なのではない。
この状況でキスが恥ずかしいとかそういう考えはひとつも浮かんでこない。
ダンテから得られる酸素の量が極端に少ないからなだけ。
むしろダンテの魔力も一緒に与えられているのではないかと思うほど、力は湧いてくるようだったし口の中がとても熱く感じた。
舌を入れられているわけでもないのに、だ。
しかし、キスで酸素共有なんて、やはり素人には難しかったのだ。
絶対量が足りない……。
てもダンテの分の酸素だって脱出には必要なのだ。2人仲良く溺死なんて勘弁。
(あんなに練習したのに……)
無駄な抵抗だったのかも?
でも、あの練習がなければ溺れ死にそうなこの瞬間に唇が合わさっただけで何故?と、もっと暴れていたかもしれないし、ほんのちょっぴりの酸素すら得られなかっただろう。
それにあのキスの連続は、きっと気が動転し始めたあたしを、ダンテが慰めようと行動した結果。
キスで……なんて、ダンテらしい考え。
絶対量の酸素は足りてないかもしれないが、ダンテから微量の酸素が与えられたからだろうか。抵抗の力は徐々になくなりダンテに身をくったりと預けてしまう。
霞んでいく視界で捉えたダンテは、こちらに酸素を明け渡しながらもいつの間にか移動を再開しており、目だけは出口方面だろう前方を見据えていた。
大丈夫の意味を込めダンテの体を小さく突けば、彼はようやく唇を離し、水中という落ち着かない場所だったがゆるりと頭を撫でてくれた。
動くスピードは速いのに、そこだけがいつもと同じゆっくりさで、ひどく安心できたのを覚えている。
全身がどこか筋肉痛に似た倦怠感に包まれるのを感じながら、ダンテに全てを預けた。
(チッ、本気で全部水没してやがる)
結界の解けた砲甲板から出て、下へと向かうべくさらに深く潜る。
上に出られないなら、最初に船に侵入した時の穴を目指すほかない。つまり船の最深部、船底だ。
水、水、水。
すべてが水没したそこには、またもやブレイドが我が物顔で遊泳している。
その一番向こうに光が見えるが、ブレイドを無視してここを強行突破するのはまず無理だ。
オレはよくてもディーヴァに爪のひとつでも当たってみろ、とんでもないことになるぞ。
だが、時間はない。
酸素不足でディーヴァの目がどこか虚になってきている。
その都度、頻繁に酸素を与えられるようキスを続けて気をしっかり持たせているが、ディーヴァも思っているであろうその量には限界もあるし、なによりこの冷たい水の中だ。
人間の、しかもディーヴァのようなが弱い女性の生命活動は鈍る。
意識が遠のいてきているスピードが緩やかなものから、徐々に速度を上げている。
(迷ってる暇が惜しい!)
ディーヴァを自分のコートで覆い隠すように抱き込みながら泳ぎ、悪魔の中を真っ正面から突っ切る。
自分がダメージを負うリスク?上等だ。いくらでもかかってこい。
そのまま倒さずに逃げ切れれば何よりだ。
見つかってすぐ爪が飛んでくる。ディーヴァにあたらなければそれでいい。体の至る所に刺さったそれを気にせず、出口に向かって泳ぎ続ける。
だがもちろん、そう簡単にはいかなかった。
出口へのルートを邪魔するように、立ち塞がるブレイド達。
その目はニヤニヤと下卑た笑みを浮かべているように見え、通りたくば倒して通れ。そう語っていた。
逃す気はゼロ。これはもう、応戦する他ない。
その間にも絶えず飛んでくる爪を弾き飛ばしつつ、ニードルガンに込められるだけのありったけの魔力を込めて撃ち出す。
(お前らとっととどっか行け!!)
倒すのにそう時間は掛からなかったが、数十秒。たった数十秒されど数十秒。確実にロス時間が発生してしまった。
(ん?ディーヴァ……?).
ディーヴァの気配が希薄だ。
すぐ隣にいるのに希薄、という表現も変な気がするが希薄としかいいようがなかった。
見ればすでに意識はなく、水を多量に飲んでしまったというより、呼吸を我慢しすぎて酸素不足で意識を落としたといった方がしっくりくる。
(起きろ、起きろって……!
くそ、あと少しで脱出だってのに!)
泳ぎながら唇を押し付けても、ディーヴァは当たり前だが無反応。
こうなってはキスで、なんてもう無理だ。
水温と徐々に同化していくディーヴァの体温にゾッとする。
このままでは魔帝ではなく、死神にディーヴァが連れ去られてしまう。
なによりも恐ろしいこと。
それは大事な人を救えずに目の前で失うこと。愛する者を死なせてしまうこと。
(いそげ、オレの足!うおおおおお間に合え!!)
泳ぐスピードに力が入る。
暗闇の水中に帯のように差し込む光。
オレが最初に船へと侵入したあの穴、その光の中に飛び込んだ。
●あとがき
ダブルの意味……船からの脱出、キスしまくり地獄からの脱出(?)をしたかった夢主。
ダンテは嬉しくても、あの状況でキス練習なんて夢主的には嬉しくなかったというね。
