mission 0:nightmare began ~地獄へのバカンス~
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ハンティングトロフィーと化した悪魔の首を手に帰り、扉を開けるとけたたましく電話が鳴り響いていた。
保護した鳥はその音にビビるばかりだったのか、与えられた布の上で小さくなって震えている。
…悪いことしたな。
この様子だと、相当の時間鳴り響いていた事だろう。
「はいはい今出ますよ…」
ここまで来ると、ダンテが受話器を上げるまで切れる事はないだろう。
この時間の電話だと、悪魔に襲われて困っている、だとかそういう話の可能性が高い。悪魔狩りをしにいったところなのに、またも悪魔狩りだったとしたら、そんな願ったりな事は他にない。
悪魔に襲われぬ世の中が一番理想であるが、いるものはいるのだからしかたない。悪魔に襲われる人間がいるのもしかたがない。
ダンテは緩慢な動きで、セクシーな女性ポスターの胸部分にフォースエッジをかけ直すと、机をバンの叩き、その衝撃で受話器をあげた。
狂宴とはなんだ。ディーヴァが手に落ちたとはどういう事だ。
ディーヴァの事は心配だが、とりあえず今は目の前の依頼だ。
「devil may…」
「遅い!アンタなんですぐ出ないのよ!」
耳がキーンとした。
鼓膜の破れてしまいそうな大音量のこの声はレディの物。
「ワリィ、悪魔ぶっ飛ばしに行ってたもんで。…なんかあったか?」
レディの息がやけに切れている。それに電話してくるならディーヴァのはずで。
電話向こうからも、ディーヴァの気配はひとつも感じられなかった。
嫌な予感しかしない。
「なんかなんてもんじゃない……!不覚だった……!!
ディーヴァが、ディーヴァが悪魔に……っ!!」
「…ディーヴァが…どう、したんだ……?」
ドクン、心臓が、呼吸が嫌に早くなる。
「悪魔に攫われたの…っ!!!
私が付いていながらごめんなさい………っ」
「な……っ!?そ、そ、んな……」
嫌な予感が的中した。
狂宴の意味も、手に落ちたという意味もわかった。
レディの謝罪がよく聞こえない。
声が遠くなる。
目の前は真っ暗闇、異次元空間に放り出されたかのように歪んで見える。
うまく立っていられず、ダンテは床に膝をついた。
また…また失った……?
瞳孔が揺れる。
視界が定まらない。
デビルハンターともあろうものが、過呼吸でも起こしてしまいそうだった。
うるさい心臓を無理やり落ち着かせ、呼吸を整える。
流れ伝う嫌な汗を拭い、ダンテは受話器の向こう側に声を届けた。
「お前が…レディが悪いわけじゃねぇ……。
それだけ強い悪魔が出たってことだろ?レディが苦戦するようなつぇぇ悪魔がよ」
レディは強い。
そんじょそこらの雑魚悪魔では、レディに敵う悪魔はいない。
ダンテですら敵うかわからないような、そんな悪魔が出現すれば、レディが押し負けるのは明らか。
「え、ええ……。人間に近い形の悪魔…黒い鎧の剣士にやられたわ。
でも、その剣士を通して、もっと強大な魔を感じた。3つ目の悪魔よ………」
「3つ目……」
また奴か。
奴はどれだけディーヴァを欲しいんだ。
それは以前にもディーヴァを攫った、ダンテにとって最大の仇。
ギリリ、とダンテは唇を噛んだ。
「ところでレディ、お前は大丈夫なのか?」
「私は大丈夫よ…数日休めば怪我なんか回復するわ」
「…無理すんなよ。ちょうどいいからそこで回復してから戻ってくりゃいいだろ」
「そうね…でも、ディーヴァのこと、どうするの?
私に出来ることは??
ツケとかなんにも気にしなくていい、だから私にも何か手伝わせて!
今までのツケだって無くしていいから!だから……!!」
レディのその気持ちは嬉しい。
けれど、これ以上は巻き込まない。
本人には言ってやらないが、彼女は大事なデビルハンター仲間だ。怪我をしたのなら、その治療に専念してほしい。
だからレディが乗りかかった船だろうと、途中の安全な島で船から降ろす。それが例え、レディが出した船だったとしても。
「ツケなんざどうでもいい。お前はこれ以上、首を突っ込むな」
「でもこれは私の失態よ!」
「…はぁ。オレにだって出来ることはあまりない。
ディーヴァがどこに攫われたのか、旅行先のそこからじゃまったく検討も付かないんだ。
ディーヴァに纏わせていたはずのオレの魔力も、今確認したら途中で途切れていやがる。
どうしようもねぇよ」
「ダンテ……」
悔しい気持ちが溢れる。
つい、受話器向こうにも、その気持ちを垂れ流しにしてしまった。レディにもそれがひしひしと伝わっていることだろう。
どう考えてもバレバレなその気持ちを隠すように、ダンテはなるべく明るい声を出した。
「今のお前の仕事は休むことだぜ?
ディーヴァが帰ってきた時、お前が元気じゃなかったらあいつが落ち込むだろ。
レディのためじゃあねぇ、ディーヴァのためだ」
「ふっ…、あくまでディーヴァ主体なわけね」
「当たり前だろ」
ありがたい。
レディはダンテの言葉にごまかされたフリをしてくれた。
「ディーヴァ…………」
そうして電話を終えたダンテは、受話器を戻してずるずると床に座り込んだ。
口からは愛する者の名前、そしてただただ深いため息が漏れる。
名を紡いでも返事が来る事はない。このままでは、旅行を終えてもそのままだ。
嬉しそうに返事するその声は聞こえない。
ため息と一緒に、幸せや魂までもが漏れ出しているかのようだった。
こうなったのは、レディはもちろんディーヴァが悪いわけじゃあない。
前もそうだった。
でも、あいつ…攫われ過ぎじゃないか?
ディーヴァが攫われたと聞いた時、一瞬そう思ったオレは悪くないと思う。
しかたないか。
なぜならディーヴァは、天使の血族。悪魔の天敵であり、獲物。
そして桃の姫であり雛菊の姫の役割を持つのだ。
ってことはオレは赤い帽子の配管工か。おいあんな腹たぷたぷしてねーぞ。
バージルがいたらそいつのキョーダイ役だな。奴は緑でバージルは青だけど。
…いや、ここにいない者の事を言うのはやめておこう。いない以上はディーヴァを助けてくれるはずがないのだから。
なら今回のカメ大王役は、オレ因縁の3つ目の悪魔、ということになるのか。
続編のスーパーDMCブラザーズ(仮)には登場出来ないように、念入りにぶっ潰しておかないとな。
母だけでなくディーヴァにまで手を出したんだ、肉体だけでなく魂の一片たりとも生かしちゃおけない。
ディーヴァは最近、ダンテのためにと悪魔に関する書籍を勉強し出した。
おぞましい図解ばかりのそれを開くのは勇気がいったろう。その心遣いがすごく嬉しかったことは記憶に新しい。
肌色雑誌が置かれた事務所机の上に、その書籍の山をドンと載せる。
片っ端から悪魔の出そうな地域、あちら側との境が薄いであろう場所を洗い出していく。
ディーヴァが関わっているからか、ダンテの表情は鬼気迫っていた。
「どこにいたって助け出す……。
だから、はやく…はやく手がかりを見つけねぇと……!」
頁に皺がより、びり、と破ける。
本どころじゃない。抑えてはいるが、ダンテは事務所ごと破壊してしまいそうなほどには、怒りの感情が腹の底で煮えたぎっていた。
●あとがき
不穏な感じで始まらせていただきましたァン!
ダンテは内心猛々しく怒り狂ってますが、トリッシュはゲームの通り普通に(?)華麗に登場します。
保護した鳥はその音にビビるばかりだったのか、与えられた布の上で小さくなって震えている。
…悪いことしたな。
この様子だと、相当の時間鳴り響いていた事だろう。
「はいはい今出ますよ…」
ここまで来ると、ダンテが受話器を上げるまで切れる事はないだろう。
この時間の電話だと、悪魔に襲われて困っている、だとかそういう話の可能性が高い。悪魔狩りをしにいったところなのに、またも悪魔狩りだったとしたら、そんな願ったりな事は他にない。
悪魔に襲われぬ世の中が一番理想であるが、いるものはいるのだからしかたない。悪魔に襲われる人間がいるのもしかたがない。
ダンテは緩慢な動きで、セクシーな女性ポスターの胸部分にフォースエッジをかけ直すと、机をバンの叩き、その衝撃で受話器をあげた。
狂宴とはなんだ。ディーヴァが手に落ちたとはどういう事だ。
ディーヴァの事は心配だが、とりあえず今は目の前の依頼だ。
「devil may…」
「遅い!アンタなんですぐ出ないのよ!」
耳がキーンとした。
鼓膜の破れてしまいそうな大音量のこの声はレディの物。
「ワリィ、悪魔ぶっ飛ばしに行ってたもんで。…なんかあったか?」
レディの息がやけに切れている。それに電話してくるならディーヴァのはずで。
電話向こうからも、ディーヴァの気配はひとつも感じられなかった。
嫌な予感しかしない。
「なんかなんてもんじゃない……!不覚だった……!!
ディーヴァが、ディーヴァが悪魔に……っ!!」
「…ディーヴァが…どう、したんだ……?」
ドクン、心臓が、呼吸が嫌に早くなる。
「悪魔に攫われたの…っ!!!
私が付いていながらごめんなさい………っ」
「な……っ!?そ、そ、んな……」
嫌な予感が的中した。
狂宴の意味も、手に落ちたという意味もわかった。
レディの謝罪がよく聞こえない。
声が遠くなる。
目の前は真っ暗闇、異次元空間に放り出されたかのように歪んで見える。
うまく立っていられず、ダンテは床に膝をついた。
また…また失った……?
瞳孔が揺れる。
視界が定まらない。
デビルハンターともあろうものが、過呼吸でも起こしてしまいそうだった。
うるさい心臓を無理やり落ち着かせ、呼吸を整える。
流れ伝う嫌な汗を拭い、ダンテは受話器の向こう側に声を届けた。
「お前が…レディが悪いわけじゃねぇ……。
それだけ強い悪魔が出たってことだろ?レディが苦戦するようなつぇぇ悪魔がよ」
レディは強い。
そんじょそこらの雑魚悪魔では、レディに敵う悪魔はいない。
ダンテですら敵うかわからないような、そんな悪魔が出現すれば、レディが押し負けるのは明らか。
「え、ええ……。人間に近い形の悪魔…黒い鎧の剣士にやられたわ。
でも、その剣士を通して、もっと強大な魔を感じた。3つ目の悪魔よ………」
「3つ目……」
また奴か。
奴はどれだけディーヴァを欲しいんだ。
それは以前にもディーヴァを攫った、ダンテにとって最大の仇。
ギリリ、とダンテは唇を噛んだ。
「ところでレディ、お前は大丈夫なのか?」
「私は大丈夫よ…数日休めば怪我なんか回復するわ」
「…無理すんなよ。ちょうどいいからそこで回復してから戻ってくりゃいいだろ」
「そうね…でも、ディーヴァのこと、どうするの?
私に出来ることは??
ツケとかなんにも気にしなくていい、だから私にも何か手伝わせて!
今までのツケだって無くしていいから!だから……!!」
レディのその気持ちは嬉しい。
けれど、これ以上は巻き込まない。
本人には言ってやらないが、彼女は大事なデビルハンター仲間だ。怪我をしたのなら、その治療に専念してほしい。
だからレディが乗りかかった船だろうと、途中の安全な島で船から降ろす。それが例え、レディが出した船だったとしても。
「ツケなんざどうでもいい。お前はこれ以上、首を突っ込むな」
「でもこれは私の失態よ!」
「…はぁ。オレにだって出来ることはあまりない。
ディーヴァがどこに攫われたのか、旅行先のそこからじゃまったく検討も付かないんだ。
ディーヴァに纏わせていたはずのオレの魔力も、今確認したら途中で途切れていやがる。
どうしようもねぇよ」
「ダンテ……」
悔しい気持ちが溢れる。
つい、受話器向こうにも、その気持ちを垂れ流しにしてしまった。レディにもそれがひしひしと伝わっていることだろう。
どう考えてもバレバレなその気持ちを隠すように、ダンテはなるべく明るい声を出した。
「今のお前の仕事は休むことだぜ?
ディーヴァが帰ってきた時、お前が元気じゃなかったらあいつが落ち込むだろ。
レディのためじゃあねぇ、ディーヴァのためだ」
「ふっ…、あくまでディーヴァ主体なわけね」
「当たり前だろ」
ありがたい。
レディはダンテの言葉にごまかされたフリをしてくれた。
「ディーヴァ…………」
そうして電話を終えたダンテは、受話器を戻してずるずると床に座り込んだ。
口からは愛する者の名前、そしてただただ深いため息が漏れる。
名を紡いでも返事が来る事はない。このままでは、旅行を終えてもそのままだ。
嬉しそうに返事するその声は聞こえない。
ため息と一緒に、幸せや魂までもが漏れ出しているかのようだった。
こうなったのは、レディはもちろんディーヴァが悪いわけじゃあない。
前もそうだった。
でも、あいつ…攫われ過ぎじゃないか?
ディーヴァが攫われたと聞いた時、一瞬そう思ったオレは悪くないと思う。
しかたないか。
なぜならディーヴァは、天使の血族。悪魔の天敵であり、獲物。
そして桃の姫であり雛菊の姫の役割を持つのだ。
ってことはオレは赤い帽子の配管工か。おいあんな腹たぷたぷしてねーぞ。
バージルがいたらそいつのキョーダイ役だな。奴は緑でバージルは青だけど。
…いや、ここにいない者の事を言うのはやめておこう。いない以上はディーヴァを助けてくれるはずがないのだから。
なら今回のカメ大王役は、オレ因縁の3つ目の悪魔、ということになるのか。
続編のスーパーDMCブラザーズ(仮)には登場出来ないように、念入りにぶっ潰しておかないとな。
母だけでなくディーヴァにまで手を出したんだ、肉体だけでなく魂の一片たりとも生かしちゃおけない。
ディーヴァは最近、ダンテのためにと悪魔に関する書籍を勉強し出した。
おぞましい図解ばかりのそれを開くのは勇気がいったろう。その心遣いがすごく嬉しかったことは記憶に新しい。
肌色雑誌が置かれた事務所机の上に、その書籍の山をドンと載せる。
片っ端から悪魔の出そうな地域、あちら側との境が薄いであろう場所を洗い出していく。
ディーヴァが関わっているからか、ダンテの表情は鬼気迫っていた。
「どこにいたって助け出す……。
だから、はやく…はやく手がかりを見つけねぇと……!」
頁に皺がより、びり、と破ける。
本どころじゃない。抑えてはいるが、ダンテは事務所ごと破壊してしまいそうなほどには、怒りの感情が腹の底で煮えたぎっていた。
●あとがき
不穏な感じで始まらせていただきましたァン!
ダンテは内心猛々しく怒り狂ってますが、トリッシュはゲームの通り普通に(?)華麗に登場します。
