mission 13:sunken ship ~脱出~
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
室内に入ると、船の揺れがよりいっそうダイレクトに伝わってきた。
せっかく少し良くなってきた船酔いが、またぶり返しそうでげんなりしてしまう。
あっちにゆらゆら、こっちにぐらぐら。
ティーカップに淹れられた紅茶にでもなった気分だ。ミルクを垂らされ、ゆっくりとスプーンでかき混ぜられる紅茶に。
その揺れはダンテのせいもあろう。
1番初めの人間の船長が亡くなり、長らくの間この船の主はデスサイズという死神のような悪魔だった。
それがダンテによって倒された今、この船の船長はダンテだ。
そしてダンテはなかなかのせっかちさんでもある。ダンテのその性質が影響されたのもあり、この船のスピードはかつてないほどの速さだった。
ゆえに、酔うほどの揺れはダンテのせいでもある。
おのれダンテ!とは、言いたいけど言わない。
そして、件のかつての船長はここにいた。
入った部屋はやはり、船長室だったらしい。
目の前には船長机と豪華な椅子。そこに、特徴的な航海帽をかぶった骸がゆったりと腰掛け、不気味な笑みでまっすぐこちらを見つめていた。
「ぎゃわーーーー!!?
幽霊船のガイコツ船長うううううう!!!」
「ふむ……、船と運命を共にしたんだろう。あっぱれ、とクォーターのディーヴァにちなんで日本式に合掌でもしておくか」
いやああああ骸骨怖い!
目に飛び込んできた瞬間、叫んでしまった。だって、部屋を開けたらこんにちは、だよ?びっくりするし純粋にこわいよね。
冷静な言葉と冗談ぽく手を合わせるダンテとは、対照的すぎたかもしれない。
目玉がはまっていただろうぽっかりと空いた孔。
そこから錆びた怨念が漏れ出し、生者の生命を求めているような気がしてならない。
澱のような暗闇が手招きを繰り返し、薄く開いた骸骨の口元から呪いの言葉が吐き出される。
少なくともあたしにはそう見えた。
『オマエモガイコツニシテヤルウウウ〜ヒュードロロロロロロ……』
「ああ、呪いの言葉が聞こえてきた……あたしも骸骨になっちゃう〜!
呪わないで!ぱぱぱぱぱーれいいいい」
「骸骨にならないしディーヴァは海賊じゃないからパーレイは効かないだろ。
アラストル、それ以上言ったら本気で真っ二つ」
『すんません』
こわくてコアラのようにダンテにすがり付いていれば、アラストルに睨みをきかせているのが目に入る。
あの呪いの声はアラストルだったのか。
ダンテが怒ってくれているからか、怒りは湧かずホッとしたくらい。
でもパーレイは効かないのね。覚えとこう。
海賊の海賊による海賊のための掟。海賊にしか該当しない上、掟というより心得だという交渉用の言葉。
もちろんあたしは海賊じゃないから、そんな交渉の言葉を叫んでも意味はなかった。
本物の海賊に会った時用に、むやみやたらに使わないようにしないと。
そろりとダンテの影から顔を出して、部屋をあらためる。
何度見ても骸骨はこわい。死を簡単に連想させる。
そういう意味ではとても直接的に、悪魔よりもっと恐ろしく感じてしまう。
これまでも骸骨は何度も見たけれど、この船やここに来る前に見た洞窟の暗闇がそうさせた。
ふと視線を逸らすべく骸の上に目をやると、船を操縦するための舵輪が何故か天井近くの壁に貼り付けにされていた。
あんな場所、手が届かないと思うのだが。
「どゆこと?ここからおてて伸ばして運転してたのかな?」
「さぁな。それはよくわからないけど、今この船を動かしてるのはあの火の玉だ。
今はあいつらが進行方向も管理してるみたいだから気にしなくていいだろ」
ダンテが気にしないならそれでいいや。こっちとしても、蜘蛛の巣だらけの舵輪なんて触りたくない。
ほかにめぼしいものはないかと、ダンテにくっついて部屋を見て回る。
洞窟の時からずっとひっつき虫なあたしを邪険にすることもなく、ダンテは時折撫でてくれながら何かを探していた。
すみにある棚はかつて装飾が輝き美しかったろう。今は見る影もなくアンティークショップにすら並ぶ事のない有様。
一緒に棚の中を探ろうとするも、ささくれだっていて危ないとダンテに制された。
ほんとにただのひっつき虫確定。
落ち込みながら違う棚を見ると、そこには古ぼけた航海日誌が置かれているのに気がついた。
表紙にたまった埃を払い除け、中身をダンテと共に覗き込む。
が、そこに有益な情報はなく、この島に着くまでの航海、進行方向や天候についてを事細かに書き記しているくらいだった。
「地球儀の所々に×印がつけられてる通りの航路だな。航海最期の地がこんな悪魔だらけの島になるとは、船長も思わなかっただろうぜ」
最期の地。ダンテが助けに来なければ、あたしにとっても最期の地だった。
ああ、はやく家に帰りたい。思うのはそればかり。
ダンテが宿敵を倒すまでの我慢だ。あの強大な悪魔を野放しにしては、これから先落ち着いて暮らしていくなんてできやしない。
どんなに大変でも、どんなに困難でも、あたしもダンテがあの悪魔を倒せるように協力する。そんな事ほんっとうにこわいけど!
航海日誌を閉じるダンテ。
「そういえばこの船、なんて名前なんだろうね。船の名前までは書いてなかったからわからないけど。
黒真珠号とか千の陽号だったら少しはテンション上がるんだけどなぁ」
「それはない。
フィギュアヘッドがドラゴンじみてたし、ドラゴンが関係する名前かもしれないぜ」
フィギュアヘッド。船の先端についた像などの船の特色や個性を出せるものだ。アクセサリーや根付に近く、名前の由来になりやすい。
ダンテが言うには、この船は龍の意匠が施されているらしかった。
せっかく少し良くなってきた船酔いが、またぶり返しそうでげんなりしてしまう。
あっちにゆらゆら、こっちにぐらぐら。
ティーカップに淹れられた紅茶にでもなった気分だ。ミルクを垂らされ、ゆっくりとスプーンでかき混ぜられる紅茶に。
その揺れはダンテのせいもあろう。
1番初めの人間の船長が亡くなり、長らくの間この船の主はデスサイズという死神のような悪魔だった。
それがダンテによって倒された今、この船の船長はダンテだ。
そしてダンテはなかなかのせっかちさんでもある。ダンテのその性質が影響されたのもあり、この船のスピードはかつてないほどの速さだった。
ゆえに、酔うほどの揺れはダンテのせいでもある。
おのれダンテ!とは、言いたいけど言わない。
そして、件のかつての船長はここにいた。
入った部屋はやはり、船長室だったらしい。
目の前には船長机と豪華な椅子。そこに、特徴的な航海帽をかぶった骸がゆったりと腰掛け、不気味な笑みでまっすぐこちらを見つめていた。
「ぎゃわーーーー!!?
幽霊船のガイコツ船長うううううう!!!」
「ふむ……、船と運命を共にしたんだろう。あっぱれ、とクォーターのディーヴァにちなんで日本式に合掌でもしておくか」
いやああああ骸骨怖い!
目に飛び込んできた瞬間、叫んでしまった。だって、部屋を開けたらこんにちは、だよ?びっくりするし純粋にこわいよね。
冷静な言葉と冗談ぽく手を合わせるダンテとは、対照的すぎたかもしれない。
目玉がはまっていただろうぽっかりと空いた孔。
そこから錆びた怨念が漏れ出し、生者の生命を求めているような気がしてならない。
澱のような暗闇が手招きを繰り返し、薄く開いた骸骨の口元から呪いの言葉が吐き出される。
少なくともあたしにはそう見えた。
『オマエモガイコツニシテヤルウウウ〜ヒュードロロロロロロ……』
「ああ、呪いの言葉が聞こえてきた……あたしも骸骨になっちゃう〜!
呪わないで!ぱぱぱぱぱーれいいいい」
「骸骨にならないしディーヴァは海賊じゃないからパーレイは効かないだろ。
アラストル、それ以上言ったら本気で真っ二つ」
『すんません』
こわくてコアラのようにダンテにすがり付いていれば、アラストルに睨みをきかせているのが目に入る。
あの呪いの声はアラストルだったのか。
ダンテが怒ってくれているからか、怒りは湧かずホッとしたくらい。
でもパーレイは効かないのね。覚えとこう。
海賊の海賊による海賊のための掟。海賊にしか該当しない上、掟というより心得だという交渉用の言葉。
もちろんあたしは海賊じゃないから、そんな交渉の言葉を叫んでも意味はなかった。
本物の海賊に会った時用に、むやみやたらに使わないようにしないと。
そろりとダンテの影から顔を出して、部屋をあらためる。
何度見ても骸骨はこわい。死を簡単に連想させる。
そういう意味ではとても直接的に、悪魔よりもっと恐ろしく感じてしまう。
これまでも骸骨は何度も見たけれど、この船やここに来る前に見た洞窟の暗闇がそうさせた。
ふと視線を逸らすべく骸の上に目をやると、船を操縦するための舵輪が何故か天井近くの壁に貼り付けにされていた。
あんな場所、手が届かないと思うのだが。
「どゆこと?ここからおてて伸ばして運転してたのかな?」
「さぁな。それはよくわからないけど、今この船を動かしてるのはあの火の玉だ。
今はあいつらが進行方向も管理してるみたいだから気にしなくていいだろ」
ダンテが気にしないならそれでいいや。こっちとしても、蜘蛛の巣だらけの舵輪なんて触りたくない。
ほかにめぼしいものはないかと、ダンテにくっついて部屋を見て回る。
洞窟の時からずっとひっつき虫なあたしを邪険にすることもなく、ダンテは時折撫でてくれながら何かを探していた。
すみにある棚はかつて装飾が輝き美しかったろう。今は見る影もなくアンティークショップにすら並ぶ事のない有様。
一緒に棚の中を探ろうとするも、ささくれだっていて危ないとダンテに制された。
ほんとにただのひっつき虫確定。
落ち込みながら違う棚を見ると、そこには古ぼけた航海日誌が置かれているのに気がついた。
表紙にたまった埃を払い除け、中身をダンテと共に覗き込む。
が、そこに有益な情報はなく、この島に着くまでの航海、進行方向や天候についてを事細かに書き記しているくらいだった。
「地球儀の所々に×印がつけられてる通りの航路だな。航海最期の地がこんな悪魔だらけの島になるとは、船長も思わなかっただろうぜ」
最期の地。ダンテが助けに来なければ、あたしにとっても最期の地だった。
ああ、はやく家に帰りたい。思うのはそればかり。
ダンテが宿敵を倒すまでの我慢だ。あの強大な悪魔を野放しにしては、これから先落ち着いて暮らしていくなんてできやしない。
どんなに大変でも、どんなに困難でも、あたしもダンテがあの悪魔を倒せるように協力する。そんな事ほんっとうにこわいけど!
航海日誌を閉じるダンテ。
「そういえばこの船、なんて名前なんだろうね。船の名前までは書いてなかったからわからないけど。
黒真珠号とか千の陽号だったら少しはテンション上がるんだけどなぁ」
「それはない。
フィギュアヘッドがドラゴンじみてたし、ドラゴンが関係する名前かもしれないぜ」
フィギュアヘッド。船の先端についた像などの船の特色や個性を出せるものだ。アクセサリーや根付に近く、名前の由来になりやすい。
ダンテが言うには、この船は龍の意匠が施されているらしかった。
