mission 8:blood and growth ~反発し合う力~
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「11時に予約した者なんですけど…」
アメリカで医療機関にかかる場合、基本的に事前予約が必要となる。
予約なしでの診療は緊急時が主であり、診てもらったとしても法外な値段を提示されるのだ。
受付で話をするディーヴァの横でダンテは駅の時同様、周りを見回していた。
鼻に届くのは消毒液の香りと、どこからともなく匂う血の香り。
天使の血とは違うただの血液の匂いが色々なものと混ざり合い、独特の香りを生む。
ずっと嗅いでいるとなんだか胸が悪くなる気がした。
病院に来たのも初めてのこと。
半魔なため、怪我をしても医療機関にかかることなどなかったし、重大な病気にかかったこともない。
だが、ディーヴァはどうだ。
天使の血を持っていても体は人間。
これから先もお世話になることがあるかもしれない。
ダンテは考えて、気を引きしめた。
受付を終えて来たのは『婦人科』と書かれた待合室。
付き添いだろう、男性もいるにはいるが、その大半は女性ばかりだ。
「婦人科って書いてあるが、男子禁制じゃないのか?」
「男の人もくるよ。ダンテみたく付き添いが多いけど男の人だって女性特有とか言われてる病気…例えば、乳癌とかになるし」
「へぇ……」
少々居心地の悪い思いを味わいながらヒソヒソとディーヴァと会話する。
それにしても待ち時間が長い。
受付で言っていた11時、という時間はとうに過ぎている。
ディーヴァは焦らない焦らない、と言っていたが、ダンテはイライラした。
「ディーヴァ、病院あきた」
「だから言ったじゃない、来なくていいって。お金あげるから売店でもいってくれば?」
「いい…ディーヴァと一緒にいる」
どんな時でもいちゃいちゃしたがるダンテ。
それ以上くっつきようがないのにぴったりとディーヴァにくっついて、腰に手を回した。
「暑苦しいしここは病院。公共の場だからやめて」
「いやだね」
そのまま太ももを触れるダンテの手をつねってもダンテにはなんのその。
ディーヴァは諦めるしかなかった。
その間にも何人かの患者が呼ばれ、目の前を何人もの看護師が通りすぎていく。
看護師が着るナース服を見たダンテは、ディーヴァにナース服を着させたくなった。
「いいねぇ。次にディーヴァに何か着せるならナース服がいい。ピンクの短いやつ」
「そんなもの着てどうするの?あたし、卒業したら看護師目指せばいいの?」
「いや、コスプレセック…あだーっ!」
ぐりっ!
ディーヴァは無言でダンテの足を思いっきり踏んだ。
ヒールが食い込む。
つねった時とは比べ物にならないくらいの力強さだ。
ダンテはその痛みに叫び、まわりの患者もびっくりして注目する。
「ダンテ、病院だから静かにね?」
「え、ディーヴァが足を踏ん「静かにね?」
「お…おう……」
笑顔で言うディーヴァに、痛みすら忘れてコクコクと頷く。
しばらくしてから、ディーヴァはぼそっと呟いた。
「でも、着てあげてもいいよ」
「本当かよ?」
「ただし、その時にはダンテのお尻にぶっといお注射します」
「げ」
腹黒い笑みを称える鬼ナースの登場に、ダンテは顔をひきつらせた。
アメリカで医療機関にかかる場合、基本的に事前予約が必要となる。
予約なしでの診療は緊急時が主であり、診てもらったとしても法外な値段を提示されるのだ。
受付で話をするディーヴァの横でダンテは駅の時同様、周りを見回していた。
鼻に届くのは消毒液の香りと、どこからともなく匂う血の香り。
天使の血とは違うただの血液の匂いが色々なものと混ざり合い、独特の香りを生む。
ずっと嗅いでいるとなんだか胸が悪くなる気がした。
病院に来たのも初めてのこと。
半魔なため、怪我をしても医療機関にかかることなどなかったし、重大な病気にかかったこともない。
だが、ディーヴァはどうだ。
天使の血を持っていても体は人間。
これから先もお世話になることがあるかもしれない。
ダンテは考えて、気を引きしめた。
受付を終えて来たのは『婦人科』と書かれた待合室。
付き添いだろう、男性もいるにはいるが、その大半は女性ばかりだ。
「婦人科って書いてあるが、男子禁制じゃないのか?」
「男の人もくるよ。ダンテみたく付き添いが多いけど男の人だって女性特有とか言われてる病気…例えば、乳癌とかになるし」
「へぇ……」
少々居心地の悪い思いを味わいながらヒソヒソとディーヴァと会話する。
それにしても待ち時間が長い。
受付で言っていた11時、という時間はとうに過ぎている。
ディーヴァは焦らない焦らない、と言っていたが、ダンテはイライラした。
「ディーヴァ、病院あきた」
「だから言ったじゃない、来なくていいって。お金あげるから売店でもいってくれば?」
「いい…ディーヴァと一緒にいる」
どんな時でもいちゃいちゃしたがるダンテ。
それ以上くっつきようがないのにぴったりとディーヴァにくっついて、腰に手を回した。
「暑苦しいしここは病院。公共の場だからやめて」
「いやだね」
そのまま太ももを触れるダンテの手をつねってもダンテにはなんのその。
ディーヴァは諦めるしかなかった。
その間にも何人かの患者が呼ばれ、目の前を何人もの看護師が通りすぎていく。
看護師が着るナース服を見たダンテは、ディーヴァにナース服を着させたくなった。
「いいねぇ。次にディーヴァに何か着せるならナース服がいい。ピンクの短いやつ」
「そんなもの着てどうするの?あたし、卒業したら看護師目指せばいいの?」
「いや、コスプレセック…あだーっ!」
ぐりっ!
ディーヴァは無言でダンテの足を思いっきり踏んだ。
ヒールが食い込む。
つねった時とは比べ物にならないくらいの力強さだ。
ダンテはその痛みに叫び、まわりの患者もびっくりして注目する。
「ダンテ、病院だから静かにね?」
「え、ディーヴァが足を踏ん「静かにね?」
「お…おう……」
笑顔で言うディーヴァに、痛みすら忘れてコクコクと頷く。
しばらくしてから、ディーヴァはぼそっと呟いた。
「でも、着てあげてもいいよ」
「本当かよ?」
「ただし、その時にはダンテのお尻にぶっといお注射します」
「げ」
腹黒い笑みを称える鬼ナースの登場に、ダンテは顔をひきつらせた。