mission 8:blood and growth ~反発し合う力~
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しかし、どこの誰に相談したものか。
ダンテに相談するのが一番いいこととわかってはいるものの、相手は男性。
月のものの相談など、男性相手に恥が先行してディーヴァには出来なかった。
と、なれば…だ。
体のことを相談できるのなんて、学校に常駐しているカウンセラーしかいない。
前に家族を失ったあとは数日間、精神面の心配から通ったことがある。
今回もお世話になろう。
ありがたいことにカウンセラーは、夏休みでも関係なく常駐している。
ちょうどよいから、友人達と別れたらすぐにでも行ってみよう。
ディーヴァは帰り道に学校に寄ってみることにした。
***
夕方。
帰りが遅いとダンテが心配…どころか軽く怒って束縛してくるのを承知しながら、ディーヴァは早足で学校へ向かう。
夏休み、それも夕方ということで学校には生徒はまったくおらずちょっぴり恐ろしくも感じる。
「人がいない学校って、なんだか悪魔が出てきそうだなぁ…」
噂をすれば影がさす。
その通りにならないよう、急いでカウンセリングルーム、またの名を保健室へたどり着いた。
結果……。
身長が伸びず、体重が増えず、月のものが止まっていることを相談すると、親身になって聞いてくれたはいいものの、思った通りのことを勧められてしまった。
「はぁ…そうだよね、病院だよね……」
あまり行きたくないな、と思っていた病院。
私は専門のお医者様ではないのでわからないから、体が気になるなら病院に行きなさい、と勧められてしまったのだ。
力になれなくてごめんなさいなどと、申し訳なさそうに言われて、逆にこっちが申し訳なく感じる。
そして、ご丁寧にもオススメの病院まで紹介してくれた。
渡されたメモを見ると、ちょっとだけ遠いが電車を使えば2、3時間で着くであろう、郊外の婦人科専門のようだ。
せっかく紹介してもらったし今は夏休みで行く暇があるし…行ってみよう。
もらったメモを大事そうに鞄にしまうと、ディーヴァは学校から出て帰宅するべく歩き出した。
『ディーヴァ…』
その耳が拾う懐かしき声。
どこか、ディーヴァにも似た声でありそれよりも幾分か低めの声……。
ディーヴァの兄の声だ。
「むっ!?このパターンは悪魔があたしを騙した時と同じやつ!」
ハロウィンの時に一度悪魔の策にひっかかったことを思い出す。
あの時もディーヴァの兄の声から始まった。
「もう騙されないからね!」
びしっ!
戦う手段こそ全くないのだが、ディーヴァはその場で身構え、相手の動向を待った。
し~ん。
しかし何も起きない。
「このポーズずっとしてるの、ちょっと恥ずかしいんですけど…」
誰も見ていないからまだいいが、はたから見たらシュールだろう。
おとなしくディーヴァは構えを解いた。
しかし、兄の声を使いディーヴァの名前を呼ぶくらいだ。
気にはなる。
幻聴なんてことはまずあり得ない、ハッキリと聞こえたのだから。
ディーヴァはその声が聞こえてきた方をそろりと覗いてみた。
だが、そこには大きな姿見があるだけ。
他には何もない。
「悪魔かお兄ちゃんかよくわかんないけど…誰か呼んだ~?……って、鏡が呼ぶわけないし…」
やはり幻聴…?
まだまだ若いと思っていたが耳は老化が進んでいたのか…軽くショックを覚えた。
「暗くなるし、帰ろ」
踵を返し、学校入り口へ向かおうとするディーヴァの目にちらと映る赤と銀。
「えっ!ダンテ!?」
自分が映るその後ろに、ダンテの姿が映り込む。
あわてて後方を確認するも、ダンテが実際にいるわけでもない。
一体なんなんだろう??
不思議に思いながら鏡に手を伸ばし触れる。
触れた瞬間、ぐにゃりとダンテの姿は歪み、自分…というより兄と瓜二つの顔の背中に翼を六枚携えた天使に変わった。
それは一瞬のこと。
瞬きをしたら消えてしまった。
「なに、今の……。ダンテだと思ったら、ぐるぐるとまるで、混ざるみたいに歪んで、次はお兄ちゃん…?みたいな天使に?うーん」
考えこむディーヴァの耳に、遠くかすかに聞こえるのは午後5時の時報。
「あ!いっけなーい!!急いで帰らなくちゃ!!」
束縛ダンテにお仕置きされるのは御免こうむりたい。
ディーヴァは今度こそ急ぎだす。
鏡からじっと心配そうに、件の天使がディーヴァの後ろ姿を見つめていたのには気がつかなかった。
ダンテに相談するのが一番いいこととわかってはいるものの、相手は男性。
月のものの相談など、男性相手に恥が先行してディーヴァには出来なかった。
と、なれば…だ。
体のことを相談できるのなんて、学校に常駐しているカウンセラーしかいない。
前に家族を失ったあとは数日間、精神面の心配から通ったことがある。
今回もお世話になろう。
ありがたいことにカウンセラーは、夏休みでも関係なく常駐している。
ちょうどよいから、友人達と別れたらすぐにでも行ってみよう。
ディーヴァは帰り道に学校に寄ってみることにした。
***
夕方。
帰りが遅いとダンテが心配…どころか軽く怒って束縛してくるのを承知しながら、ディーヴァは早足で学校へ向かう。
夏休み、それも夕方ということで学校には生徒はまったくおらずちょっぴり恐ろしくも感じる。
「人がいない学校って、なんだか悪魔が出てきそうだなぁ…」
噂をすれば影がさす。
その通りにならないよう、急いでカウンセリングルーム、またの名を保健室へたどり着いた。
結果……。
身長が伸びず、体重が増えず、月のものが止まっていることを相談すると、親身になって聞いてくれたはいいものの、思った通りのことを勧められてしまった。
「はぁ…そうだよね、病院だよね……」
あまり行きたくないな、と思っていた病院。
私は専門のお医者様ではないのでわからないから、体が気になるなら病院に行きなさい、と勧められてしまったのだ。
力になれなくてごめんなさいなどと、申し訳なさそうに言われて、逆にこっちが申し訳なく感じる。
そして、ご丁寧にもオススメの病院まで紹介してくれた。
渡されたメモを見ると、ちょっとだけ遠いが電車を使えば2、3時間で着くであろう、郊外の婦人科専門のようだ。
せっかく紹介してもらったし今は夏休みで行く暇があるし…行ってみよう。
もらったメモを大事そうに鞄にしまうと、ディーヴァは学校から出て帰宅するべく歩き出した。
『ディーヴァ…』
その耳が拾う懐かしき声。
どこか、ディーヴァにも似た声でありそれよりも幾分か低めの声……。
ディーヴァの兄の声だ。
「むっ!?このパターンは悪魔があたしを騙した時と同じやつ!」
ハロウィンの時に一度悪魔の策にひっかかったことを思い出す。
あの時もディーヴァの兄の声から始まった。
「もう騙されないからね!」
びしっ!
戦う手段こそ全くないのだが、ディーヴァはその場で身構え、相手の動向を待った。
し~ん。
しかし何も起きない。
「このポーズずっとしてるの、ちょっと恥ずかしいんですけど…」
誰も見ていないからまだいいが、はたから見たらシュールだろう。
おとなしくディーヴァは構えを解いた。
しかし、兄の声を使いディーヴァの名前を呼ぶくらいだ。
気にはなる。
幻聴なんてことはまずあり得ない、ハッキリと聞こえたのだから。
ディーヴァはその声が聞こえてきた方をそろりと覗いてみた。
だが、そこには大きな姿見があるだけ。
他には何もない。
「悪魔かお兄ちゃんかよくわかんないけど…誰か呼んだ~?……って、鏡が呼ぶわけないし…」
やはり幻聴…?
まだまだ若いと思っていたが耳は老化が進んでいたのか…軽くショックを覚えた。
「暗くなるし、帰ろ」
踵を返し、学校入り口へ向かおうとするディーヴァの目にちらと映る赤と銀。
「えっ!ダンテ!?」
自分が映るその後ろに、ダンテの姿が映り込む。
あわてて後方を確認するも、ダンテが実際にいるわけでもない。
一体なんなんだろう??
不思議に思いながら鏡に手を伸ばし触れる。
触れた瞬間、ぐにゃりとダンテの姿は歪み、自分…というより兄と瓜二つの顔の背中に翼を六枚携えた天使に変わった。
それは一瞬のこと。
瞬きをしたら消えてしまった。
「なに、今の……。ダンテだと思ったら、ぐるぐるとまるで、混ざるみたいに歪んで、次はお兄ちゃん…?みたいな天使に?うーん」
考えこむディーヴァの耳に、遠くかすかに聞こえるのは午後5時の時報。
「あ!いっけなーい!!急いで帰らなくちゃ!!」
束縛ダンテにお仕置きされるのは御免こうむりたい。
ディーヴァは今度こそ急ぎだす。
鏡からじっと心配そうに、件の天使がディーヴァの後ろ姿を見つめていたのには気がつかなかった。