mission 7:scarlet full moon ~赤と紅と黒~
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「一度お部屋に移動する?」
「待てない…ここでいい」
今夜はもう閉店だ…。
事務所の入り口を施錠し、ディーヴァにソファに向かうよう促す。
2人はソファに身を沈め、お互いを見つめた。
ドキドキしながら首元を寛げようとするディーヴァの手を、ダンテが遮る。
「…?」
首を振って否定するダンテ。
そのままディーヴァの手を口元へと持っていくと。
ちゅ、リップノイズを響かせて一言。
「今回はここからだ」
低い声で囁いた。
ちゅ、ちゅ、ちゅ…。
手の平の吸血しやすそうな箇所を探すように、キスの嵐を送る。
時に舌を使い、舐めまわす。
「ん、ディーヴァの味がする…」
「そんな…手の平とか……。前と同じで首でいいんじゃない?」
恥ずかしい。
手を引っ込めたい思いにかられるが、そうするわけにもいかず…。
ディーヴァはされるがままほんのりと頬を染め、ダンテの動向を見守った。
「首はやめとく。一度目で懲りてる。……いくぞ」
一旦口を離して言ったと思ったら、次の瞬間ダンテの鋭い犬歯が皮膚に突き立てられた。
プツッ…。
「ッ…!!」
ぴりっとした痛みが走り、ディーヴァは顔をしかめる。
痛みの箇所はちょうど親指から手首を繋ぐぷっくりと肉の厚いところ。
手の平の柔らかな場所を選び、牙をたてて噛みついたようだ。
舌を上手く使い舐めとり、再び薄く牙をたてて食む。
穿たれた傷口を行ったり来たりする舌や歯が痛いのに、妙な感覚を生んだ。
絶えずドクドクとあふれ出る血液に、傷口が熱をもちはじめる。
それに呼応するように、心臓までもドクドクとうるさく感じた。
ぴちゃぴちゃ。
静寂の中、響く水音。
ツツツー。
皮膚をなぞるように舐めとっては、ディーヴァを扇情的な視線で見上げるダンテ。
少しばかりの天使の血液で、貧血が治りはじめているのか、血色のよい肌になっていき、頬が朱に変わっていく。
その表情もとろけそうなものに変わりつつある。
ディーヴァは、男性相手だというのにダンテに色っぽさを感じた。
「はぁ…っ」
イケナイことをしているわけでもないのに、真っ赤な顔になり口からは吐息が漏れる。
ちゅば…っ
そしてとうとう満足したダンテは、ひときわ大きな水音をたてると、唇を離した。
「ごっそーさん」
「ど、どういたしまして……」
まだどきどきしている。
この心臓の鼓動は痛みからきたもの?
それともダンテのあんな顔を見たから?
ダンテの目はいつものアクアマリン色に戻っている。
もう、血の心配はしなくてもいいかもしれない。
「何赤くなってるんだよ」
「だって…」
ディーヴァの手に穿った傷に止血を施しながら、ダンテはニヤと笑う。
「こんなので赤くなってたんじゃ、いつまでたっても先に進めないぜ」
「むぅ……もう寝るっ!おやすみっ!!」
「はいはい、オヤスミ」
今夜は満月。
血を摂取し終えたとはいえ、悪魔の自分がちゃんと満足したのかどうかわからない。
まだまだ予断を許さないため、今夜だけはお互い自分の部屋での就寝だ。
赤い顔をしたまま、ディーヴァは自室へ向かってしまった。
ダンテはそれをケラケラ笑いながら見送った。
ダンテの中では、天使の血が悪魔の血と交じり溶けあう。
ダンテの奥深く、もう一つの『魔』の場所にまでそれは届いた。
本人の測り知らぬところで、いつもの赤い悪魔でなく、『黒い悪魔』がその暗闇の双眸を薄く開けた。
●あとがき
ブレイドというかリザードマンというか…そんな感じの悪魔を出してみました。
「待てない…ここでいい」
今夜はもう閉店だ…。
事務所の入り口を施錠し、ディーヴァにソファに向かうよう促す。
2人はソファに身を沈め、お互いを見つめた。
ドキドキしながら首元を寛げようとするディーヴァの手を、ダンテが遮る。
「…?」
首を振って否定するダンテ。
そのままディーヴァの手を口元へと持っていくと。
ちゅ、リップノイズを響かせて一言。
「今回はここからだ」
低い声で囁いた。
ちゅ、ちゅ、ちゅ…。
手の平の吸血しやすそうな箇所を探すように、キスの嵐を送る。
時に舌を使い、舐めまわす。
「ん、ディーヴァの味がする…」
「そんな…手の平とか……。前と同じで首でいいんじゃない?」
恥ずかしい。
手を引っ込めたい思いにかられるが、そうするわけにもいかず…。
ディーヴァはされるがままほんのりと頬を染め、ダンテの動向を見守った。
「首はやめとく。一度目で懲りてる。……いくぞ」
一旦口を離して言ったと思ったら、次の瞬間ダンテの鋭い犬歯が皮膚に突き立てられた。
プツッ…。
「ッ…!!」
ぴりっとした痛みが走り、ディーヴァは顔をしかめる。
痛みの箇所はちょうど親指から手首を繋ぐぷっくりと肉の厚いところ。
手の平の柔らかな場所を選び、牙をたてて噛みついたようだ。
舌を上手く使い舐めとり、再び薄く牙をたてて食む。
穿たれた傷口を行ったり来たりする舌や歯が痛いのに、妙な感覚を生んだ。
絶えずドクドクとあふれ出る血液に、傷口が熱をもちはじめる。
それに呼応するように、心臓までもドクドクとうるさく感じた。
ぴちゃぴちゃ。
静寂の中、響く水音。
ツツツー。
皮膚をなぞるように舐めとっては、ディーヴァを扇情的な視線で見上げるダンテ。
少しばかりの天使の血液で、貧血が治りはじめているのか、血色のよい肌になっていき、頬が朱に変わっていく。
その表情もとろけそうなものに変わりつつある。
ディーヴァは、男性相手だというのにダンテに色っぽさを感じた。
「はぁ…っ」
イケナイことをしているわけでもないのに、真っ赤な顔になり口からは吐息が漏れる。
ちゅば…っ
そしてとうとう満足したダンテは、ひときわ大きな水音をたてると、唇を離した。
「ごっそーさん」
「ど、どういたしまして……」
まだどきどきしている。
この心臓の鼓動は痛みからきたもの?
それともダンテのあんな顔を見たから?
ダンテの目はいつものアクアマリン色に戻っている。
もう、血の心配はしなくてもいいかもしれない。
「何赤くなってるんだよ」
「だって…」
ディーヴァの手に穿った傷に止血を施しながら、ダンテはニヤと笑う。
「こんなので赤くなってたんじゃ、いつまでたっても先に進めないぜ」
「むぅ……もう寝るっ!おやすみっ!!」
「はいはい、オヤスミ」
今夜は満月。
血を摂取し終えたとはいえ、悪魔の自分がちゃんと満足したのかどうかわからない。
まだまだ予断を許さないため、今夜だけはお互い自分の部屋での就寝だ。
赤い顔をしたまま、ディーヴァは自室へ向かってしまった。
ダンテはそれをケラケラ笑いながら見送った。
ダンテの中では、天使の血が悪魔の血と交じり溶けあう。
ダンテの奥深く、もう一つの『魔』の場所にまでそれは届いた。
本人の測り知らぬところで、いつもの赤い悪魔でなく、『黒い悪魔』がその暗闇の双眸を薄く開けた。
●あとがき
ブレイドというかリザードマンというか…そんな感じの悪魔を出してみました。