mission 7:scarlet full moon ~赤と紅と黒~
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気がついたら事務所にいた。
額の上に置かれたひやりとしたもので、目を覚ます。
冷たい何かはネヴァンの手のひらだったようだ。
ネヴァンとケルベロス、その先にダンテという並びで、心配そうにディーヴァを覗き込んでいた。
「ん……」
「やっと起きたわね」
「大丈夫か、ディーヴァ」
「うん、大丈夫だよ、ケル。ごめんね、せっかく連れてってくれたのに。しかも叫んだから悪魔に居場所ばれちゃうし…」
「あの状況ならば仕方ない。連れていった我にも責任がある」
魔具達との会話を終え、ゆっくりと起き上がってダンテを見る。
ダンテの服は血に濡れ、満月だからしかたないが青の瞳ではなく赤い瞳に変わっていた。
しかしパッと見はいつものダンテであり、悪魔に心を明け渡していたりはしないよう。
それでも、天使の力あふれた血が欲しい状態にはなっているのか、若干後ろに下がっているのだった。
「ダンテも…、依頼の邪魔しちゃってごめんなさい」
「いや、別にいいよ」
邪魔にはならなかった。
逆にあのままだと、攻撃を受けすぎていたかもしれない。
結果的にディーヴァに助けられたようなものか。
「あのどっからどうみても、二足歩行のコモドトカゲな悪魔達は?ちゃんと全部倒せたの?」
数にして総勢20匹ほど。
どこぞに魔界と人間界の歪みでもあったか、たくさんのあの悪魔があらわれた。
逃すことなく倒すことで再び被害が出ることがないようにと、ディーヴァは考えている。
『このアグニの炎と』
『このルドラの風を使って倒したぞ』
傍らに立て掛けておいた双剣、アグニとルドラが、鼻息荒くふんぞり返って言う。
「ああいう悪魔は炎に弱かったりするからな。こいつらの炎と風でちょちょいのちょいだ」
「ちょっぴり森の一部が燃えたけどね」
「それも、我が凍らせて消し止めたからなんとかなったものではないか。
ネヴァン…貴様が火を消そうとして電撃を放つような真似をしなければもっと早く消せたというに…」
「うるさいわよケルベロス」
国立公園を燃やしてしまったとのこと。
少々不安になったがバレない範囲との話を聞き、ディーヴァはほっと胸を撫で下ろした。
「ディーヴァ、何故来たんだ?」
「ケルが守ってくれても危ないのはわかってる。けど、ダンテが心配だったんだもん」
「ディーヴァ……」
全て心配が故の行動。
じーん。
ダンテは胸が熱くなり、ディーヴァを抱き締めたくなった。
それでも抱き締めはしない。
触れれば本能のままに、牙を突き立て、穢してしまう。
それがわかっているから、お互い今は一定の距離だけはおいていた。
それでも十分甘い空気に満たされた。
ケルベロスやネヴァン達がいるというのに、だ。
「そんな甘~い雰囲気を醸し出してるなら、もう大丈夫そうね。ここにいると、私も天使の力が欲しくなっちゃう。…もう休むわ」
ケルベロスの背に気を失ったディーヴァを乗せ、後ろにそれを支えるようにネヴァンが乗り込んだとの話だ。
運ぶ時、ネヴァンも我慢するのが大変だったようだ。
しかし、赤い目をさらしたダンテに任せるわけにもいかなかった。
まだまだ我慢の効かない半魔と、生まれた時から生粋の悪魔であるネヴァン。
どちらの方が魔力のコントロールがきくかは、言わなくともわかるだろう。
「ごめん…ありがとうネヴァン」
「いいえ、どういたしまして」
ネヴァンはディーヴァの耳元に口を近づけ、こっそりと耳打ちした。
「いつかディーヴァの力、ちょっとでいいから味見させてね?」
「う…うん…ダンテのいないトコでならね?ってか、まだ狙ってたんだぁ…」
「悪魔ですもの、いつでも狙ってるわ」
ウインクひとつ寄越すネヴァンに、ディーヴァは苦笑する。
そのままネヴァンはアグニとルドラをひっつかみ、ケルベロスを連れて戻っていった。
額の上に置かれたひやりとしたもので、目を覚ます。
冷たい何かはネヴァンの手のひらだったようだ。
ネヴァンとケルベロス、その先にダンテという並びで、心配そうにディーヴァを覗き込んでいた。
「ん……」
「やっと起きたわね」
「大丈夫か、ディーヴァ」
「うん、大丈夫だよ、ケル。ごめんね、せっかく連れてってくれたのに。しかも叫んだから悪魔に居場所ばれちゃうし…」
「あの状況ならば仕方ない。連れていった我にも責任がある」
魔具達との会話を終え、ゆっくりと起き上がってダンテを見る。
ダンテの服は血に濡れ、満月だからしかたないが青の瞳ではなく赤い瞳に変わっていた。
しかしパッと見はいつものダンテであり、悪魔に心を明け渡していたりはしないよう。
それでも、天使の力あふれた血が欲しい状態にはなっているのか、若干後ろに下がっているのだった。
「ダンテも…、依頼の邪魔しちゃってごめんなさい」
「いや、別にいいよ」
邪魔にはならなかった。
逆にあのままだと、攻撃を受けすぎていたかもしれない。
結果的にディーヴァに助けられたようなものか。
「あのどっからどうみても、二足歩行のコモドトカゲな悪魔達は?ちゃんと全部倒せたの?」
数にして総勢20匹ほど。
どこぞに魔界と人間界の歪みでもあったか、たくさんのあの悪魔があらわれた。
逃すことなく倒すことで再び被害が出ることがないようにと、ディーヴァは考えている。
『このアグニの炎と』
『このルドラの風を使って倒したぞ』
傍らに立て掛けておいた双剣、アグニとルドラが、鼻息荒くふんぞり返って言う。
「ああいう悪魔は炎に弱かったりするからな。こいつらの炎と風でちょちょいのちょいだ」
「ちょっぴり森の一部が燃えたけどね」
「それも、我が凍らせて消し止めたからなんとかなったものではないか。
ネヴァン…貴様が火を消そうとして電撃を放つような真似をしなければもっと早く消せたというに…」
「うるさいわよケルベロス」
国立公園を燃やしてしまったとのこと。
少々不安になったがバレない範囲との話を聞き、ディーヴァはほっと胸を撫で下ろした。
「ディーヴァ、何故来たんだ?」
「ケルが守ってくれても危ないのはわかってる。けど、ダンテが心配だったんだもん」
「ディーヴァ……」
全て心配が故の行動。
じーん。
ダンテは胸が熱くなり、ディーヴァを抱き締めたくなった。
それでも抱き締めはしない。
触れれば本能のままに、牙を突き立て、穢してしまう。
それがわかっているから、お互い今は一定の距離だけはおいていた。
それでも十分甘い空気に満たされた。
ケルベロスやネヴァン達がいるというのに、だ。
「そんな甘~い雰囲気を醸し出してるなら、もう大丈夫そうね。ここにいると、私も天使の力が欲しくなっちゃう。…もう休むわ」
ケルベロスの背に気を失ったディーヴァを乗せ、後ろにそれを支えるようにネヴァンが乗り込んだとの話だ。
運ぶ時、ネヴァンも我慢するのが大変だったようだ。
しかし、赤い目をさらしたダンテに任せるわけにもいかなかった。
まだまだ我慢の効かない半魔と、生まれた時から生粋の悪魔であるネヴァン。
どちらの方が魔力のコントロールがきくかは、言わなくともわかるだろう。
「ごめん…ありがとうネヴァン」
「いいえ、どういたしまして」
ネヴァンはディーヴァの耳元に口を近づけ、こっそりと耳打ちした。
「いつかディーヴァの力、ちょっとでいいから味見させてね?」
「う…うん…ダンテのいないトコでならね?ってか、まだ狙ってたんだぁ…」
「悪魔ですもの、いつでも狙ってるわ」
ウインクひとつ寄越すネヴァンに、ディーヴァは苦笑する。
そのままネヴァンはアグニとルドラをひっつかみ、ケルベロスを連れて戻っていった。