mission 7:scarlet full moon ~赤と紅と黒~
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「あ。今日満月だったんだね」
夜なのに、窓の外がやけに明るい。
ケルベロスと留守番をしているディーヴァが、仄かに赤い光が室内に差し込んでいるのに気がついた。
「知らなかったのか?」
黒いゴールデンレトリバーのような姿のケルベロスが片目を開けてディーヴァを見上げる。
「うん、今の今まで気がつかなかったよ」
ディーヴァはケルベロスを撫でていた手を休め、窓辺に近づいた。
それにならって、ケルベロスも続く。
2人で仰ぐ空には、まぁるいお月様がぽっかりと浮かんでいた。
「ケルはあたしといてもなんともない?」
「少し噛みついてみたくなる」
「え゙」
「だが、安心していいぞ。共にいて慣れたからだろうか、我の中に襲うという選択肢は全くない」
「そっか。ダンテとは大違いだね」
「生きた年数が違うからな。…それよりディーヴァ、もっと撫でてくれ」
「うん、いいよ」
しゃがんでケルベロスを撫でてやりながら、ディーヴァは空を見つめる。
その満月はとても紅い。
それは悪魔の力にとらわれた時のダンテの瞳の色とよく似た色。
満月にはいい思い出はなく、その上ディーヴァの天敵である悪魔が活動的になり強力になる。
そして、それはダンテの中の悪魔にも言えることだ。
ダンテ自体も強くなるだろうが、ダンテは半分だけ。
「きっと、いつもよりも強くなった悪魔がたくさん出るんだろうなぁ」
誰にでもなく、ボソッと呟くディーヴァ。
その後はダンテがお腹が空いて帰ってきたらすぐに食事に出来るよう夕飯の用意をしておいたり、家庭学習をしてみたり、暇潰しにTVを見たり、繕い物をして夜を過ごしていた。
だが、そわそわしてすべて手につかなかった。
夕飯はなんとか作ったが、切ったら切りっぱなしで使った鍋や包丁をシンクに放置。
家庭学習はやろうと教科書とノートを開くも書くのは何を書いたかよくわからない落書きのみ。
TVではコメディタッチの番組が流れていたがボーッと見ていただけなのか内容は全く頭に入ってこなかった。
極めつけの繕い物は、自分のエプロンまで一緒に縫い付けてしまい一からやり直しなしまつ。
ディーヴァにしては珍しく、すべて中途半端に終わってしまったのだ。
それだけダンテのことを心配しているということなのだろう。
「ダンテ、大丈夫かな…?」
不安ばかりがつのる。
迷うはずないけど、もしも迷って迷子になってたらどうしよう。
それに満月だし、ダンテよりも強い悪魔が現れてたら?
ダンテがいつぞやみたく、治らない怪我を負ってしまったら?
怪我どころか、死んでしまったら?
すべてを退け、ダンテが負っているかもしれない怪我や痛みを治せるのなら、あたしの全部をあげる。
だから、どうか無事に帰ってきて…。
「ダンテが気になるか?」
家事も勉強もままならぬ、祈るように空を見てばかりのディーヴァを見兼ね、ケルベロスが問う。
「え?」
「心配なんだろう、行くか?」
「行くって…まさか……ダンテの依頼先、ロック・クリークに?」
こくり、頷いたケルベロスは、唸り声をあげる。
声がやんだと同時にケルベロスの大きさは、ディーヴァ1人を乗せられそうなくらいになっていた。
背中に乗って首に捕まるよう指示する。
「そりゃ、気にはなるけど…でも…。
うんん、行きたい」
ディーヴァがゆっくりと跨がり首に抱きつくと、濡れることのない氷で出来た鞍掛が落ちぬよう背中に構築される。
少々お尻が冷たいが、なんと便利な機能だろうか。
魔力ってすごい。
「安心しろ、我が絶対に守ってやる。さあ、行くぞ!」
大きく一吠えすると、ケルベロスは地を蹴って駆け出した。
何故だろう、ダンテよりも頼もしく感じてしまディーヴァだった。
夜なのに、窓の外がやけに明るい。
ケルベロスと留守番をしているディーヴァが、仄かに赤い光が室内に差し込んでいるのに気がついた。
「知らなかったのか?」
黒いゴールデンレトリバーのような姿のケルベロスが片目を開けてディーヴァを見上げる。
「うん、今の今まで気がつかなかったよ」
ディーヴァはケルベロスを撫でていた手を休め、窓辺に近づいた。
それにならって、ケルベロスも続く。
2人で仰ぐ空には、まぁるいお月様がぽっかりと浮かんでいた。
「ケルはあたしといてもなんともない?」
「少し噛みついてみたくなる」
「え゙」
「だが、安心していいぞ。共にいて慣れたからだろうか、我の中に襲うという選択肢は全くない」
「そっか。ダンテとは大違いだね」
「生きた年数が違うからな。…それよりディーヴァ、もっと撫でてくれ」
「うん、いいよ」
しゃがんでケルベロスを撫でてやりながら、ディーヴァは空を見つめる。
その満月はとても紅い。
それは悪魔の力にとらわれた時のダンテの瞳の色とよく似た色。
満月にはいい思い出はなく、その上ディーヴァの天敵である悪魔が活動的になり強力になる。
そして、それはダンテの中の悪魔にも言えることだ。
ダンテ自体も強くなるだろうが、ダンテは半分だけ。
「きっと、いつもよりも強くなった悪魔がたくさん出るんだろうなぁ」
誰にでもなく、ボソッと呟くディーヴァ。
その後はダンテがお腹が空いて帰ってきたらすぐに食事に出来るよう夕飯の用意をしておいたり、家庭学習をしてみたり、暇潰しにTVを見たり、繕い物をして夜を過ごしていた。
だが、そわそわしてすべて手につかなかった。
夕飯はなんとか作ったが、切ったら切りっぱなしで使った鍋や包丁をシンクに放置。
家庭学習はやろうと教科書とノートを開くも書くのは何を書いたかよくわからない落書きのみ。
TVではコメディタッチの番組が流れていたがボーッと見ていただけなのか内容は全く頭に入ってこなかった。
極めつけの繕い物は、自分のエプロンまで一緒に縫い付けてしまい一からやり直しなしまつ。
ディーヴァにしては珍しく、すべて中途半端に終わってしまったのだ。
それだけダンテのことを心配しているということなのだろう。
「ダンテ、大丈夫かな…?」
不安ばかりがつのる。
迷うはずないけど、もしも迷って迷子になってたらどうしよう。
それに満月だし、ダンテよりも強い悪魔が現れてたら?
ダンテがいつぞやみたく、治らない怪我を負ってしまったら?
怪我どころか、死んでしまったら?
すべてを退け、ダンテが負っているかもしれない怪我や痛みを治せるのなら、あたしの全部をあげる。
だから、どうか無事に帰ってきて…。
「ダンテが気になるか?」
家事も勉強もままならぬ、祈るように空を見てばかりのディーヴァを見兼ね、ケルベロスが問う。
「え?」
「心配なんだろう、行くか?」
「行くって…まさか……ダンテの依頼先、ロック・クリークに?」
こくり、頷いたケルベロスは、唸り声をあげる。
声がやんだと同時にケルベロスの大きさは、ディーヴァ1人を乗せられそうなくらいになっていた。
背中に乗って首に捕まるよう指示する。
「そりゃ、気にはなるけど…でも…。
うんん、行きたい」
ディーヴァがゆっくりと跨がり首に抱きつくと、濡れることのない氷で出来た鞍掛が落ちぬよう背中に構築される。
少々お尻が冷たいが、なんと便利な機能だろうか。
魔力ってすごい。
「安心しろ、我が絶対に守ってやる。さあ、行くぞ!」
大きく一吠えすると、ケルベロスは地を蹴って駆け出した。
何故だろう、ダンテよりも頼もしく感じてしまディーヴァだった。