mission 7:scarlet full moon ~赤と紅と黒~
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依頼の時間はロッククリークの全てが眠りにつく、閉園後。
完全に人の気配のなくなったのを見計らって、ダンテは森の中へと侵入した。
ディーヴァの言った通り、公園奥の森の中では魔の気配が薄気味悪く漂っている。
「昨日みたいに野生動物ではなさそうだな」
ダンテは悪魔の独特の腐臭のような匂いを鼻で敏感に感じとり、足を進める。
人間の血の匂いや、着ていたであろう衣服の切れ端があたりに散乱しはじめてまもなく、悪魔の群れを見つけた。
一言で言おう、…トカゲだ。
間違いなくトカゲのナリをした悪魔だ。
ただし、後ろ足で立ち上がっての歩行…つまり、二足歩行を可能としており、まるでT-レックス。
そんな悪魔が、捕獲した人間の肉を奪い合って貪り喰っていた。
ぺちゃ…グチャ、という肉を力任せに千切り、汚い咀嚼音があたりに響く。
肉片や臓器の一部が撒き散らされるとともに、あたり一面の血の匂いも濃くなる。
ダンテはその気持ちの悪い光景に胸が悪くなった。
その獲物を奪い合い、貪欲に血肉を求む様からは、強い攻撃性が感じられた。
数年後、この悪魔に改良を重ねた『ブレイド』という悪魔に遭遇することになるのだが、今のダンテには知るよしもない。
魔帝に創られたブレイドのプロトタイプということだろう。
「よし、ネヴァンにはオレのおこぼれを寄越すからそいつらの相手をしろ」
『仕方ないわね』
そう言って背中に背負う紫のギターは、妖艶美女の悪魔に。
同じく背負われたアグニとルドラが、ワクワクしながらダンテに問いかけた。
『『我らはどうしたら良いか?』』
「あ」
『『お主、我らの存在を忘れておったな』』
「うっせ。えーと、お前らは……」
アグニは炎、ルドラは風を操る。
そしてここは森の中であり、公共の施設のような場所でもある。
双剣を使えば、確実に火事を引き起こすことだろう。
「…今回は背中の防具がわりで」
『『………よかろう』』
使われるどころか、ただのお荷物決定。
体があったら這いつくばって頭を垂れていただろう。
来た意味ねーな!そんな意味をこめた沈黙の後、渋々の返事。
ダンテは暫く様子を見る…なんていうことはせず、リベリオンを手に握りしめると敵のまっただ中に飛び出た。
「キェェェェェ!」
その存在に気が付いたトカゲ悪魔の群れが一斉にこちらを向き、奇声をあげた。
新しい獲物の到来を嬉しがるように、ギラリ、鋭い爪を光らせて、ダンテに向かって駆け出してくる。
元より素早い動きに見えたのだが、狩りの際にはさらに素早くなるのか、俊敏な動きで上下左右からとびかかってきた。
「うお、あぶねっ!」
獲物を奪い合うような動きを見せていたから、まさか、フォーメーションを組んでくるとは思わなかった。
その息のあった攻撃をダンテはようやく紙一重でかわしきった。
ダンテの立っていた地面は大きく抉られている。
腕力も相当な物のようだ。
普通の人間だったら、さけることもできず、この攻撃ですぐ死んでいただろう。
続いて、穴を掘り地面に潜ってダンテの背後から飛び出してきた。
腕をいっぱいに伸ばし、鋭い爪で切り裂く。
ダンテは横にサイドロールしてかわしながら、エボニーとアイボリーを連射して悪魔にダメージを与えていった。
だが、命中はするも悪魔はその俊敏な動きでかわすこともあった。
「こいつら素早いな。トリッキーな動きしやがって…」
リベリオンで斬り飛ばしても、空中で体勢を立て直して飛びのく賢さまで兼ね備えている。
この戦闘能力で、群れをなしているのだ。
人間が何人か消えていたとしても納得がいく。
そこに突っ込んでしまったダンテはいささか軽薄だったかもしれない。
しかしそこは半魔のダンテ。
悪魔に囲まれてもなお、ピンチだと思うことはなく、逆にこの戦いを楽しく感じていた。
最近の悪魔は出てくる数のわりに雑魚が多過ぎたのだ。
テメンニグルにいた強敵が懐かしい。
もっと…。
もっと刺激が欲しい。
刺激や殺戮を好む悪魔としての血も、ダンテには流れている。
ダンテは狂気に捕らわれたような瞳をして、目の前の悪魔に向き直った。
「来いよ、トカゲ野郎。手加減してやるからオレを殺してみな!」
手を広げ、無防備に佇む。
その異様さに、悪魔も一瞬動きを止め、空に吠える。
ダンテは上を向くことがなかったため気付かなかったが、戦いを紅い月が薄気味悪く照らしている。
そのダンテの目にも、悪魔達と同じ、赤い光が宿っていた。
完全に人の気配のなくなったのを見計らって、ダンテは森の中へと侵入した。
ディーヴァの言った通り、公園奥の森の中では魔の気配が薄気味悪く漂っている。
「昨日みたいに野生動物ではなさそうだな」
ダンテは悪魔の独特の腐臭のような匂いを鼻で敏感に感じとり、足を進める。
人間の血の匂いや、着ていたであろう衣服の切れ端があたりに散乱しはじめてまもなく、悪魔の群れを見つけた。
一言で言おう、…トカゲだ。
間違いなくトカゲのナリをした悪魔だ。
ただし、後ろ足で立ち上がっての歩行…つまり、二足歩行を可能としており、まるでT-レックス。
そんな悪魔が、捕獲した人間の肉を奪い合って貪り喰っていた。
ぺちゃ…グチャ、という肉を力任せに千切り、汚い咀嚼音があたりに響く。
肉片や臓器の一部が撒き散らされるとともに、あたり一面の血の匂いも濃くなる。
ダンテはその気持ちの悪い光景に胸が悪くなった。
その獲物を奪い合い、貪欲に血肉を求む様からは、強い攻撃性が感じられた。
数年後、この悪魔に改良を重ねた『ブレイド』という悪魔に遭遇することになるのだが、今のダンテには知るよしもない。
魔帝に創られたブレイドのプロトタイプということだろう。
「よし、ネヴァンにはオレのおこぼれを寄越すからそいつらの相手をしろ」
『仕方ないわね』
そう言って背中に背負う紫のギターは、妖艶美女の悪魔に。
同じく背負われたアグニとルドラが、ワクワクしながらダンテに問いかけた。
『『我らはどうしたら良いか?』』
「あ」
『『お主、我らの存在を忘れておったな』』
「うっせ。えーと、お前らは……」
アグニは炎、ルドラは風を操る。
そしてここは森の中であり、公共の施設のような場所でもある。
双剣を使えば、確実に火事を引き起こすことだろう。
「…今回は背中の防具がわりで」
『『………よかろう』』
使われるどころか、ただのお荷物決定。
体があったら這いつくばって頭を垂れていただろう。
来た意味ねーな!そんな意味をこめた沈黙の後、渋々の返事。
ダンテは暫く様子を見る…なんていうことはせず、リベリオンを手に握りしめると敵のまっただ中に飛び出た。
「キェェェェェ!」
その存在に気が付いたトカゲ悪魔の群れが一斉にこちらを向き、奇声をあげた。
新しい獲物の到来を嬉しがるように、ギラリ、鋭い爪を光らせて、ダンテに向かって駆け出してくる。
元より素早い動きに見えたのだが、狩りの際にはさらに素早くなるのか、俊敏な動きで上下左右からとびかかってきた。
「うお、あぶねっ!」
獲物を奪い合うような動きを見せていたから、まさか、フォーメーションを組んでくるとは思わなかった。
その息のあった攻撃をダンテはようやく紙一重でかわしきった。
ダンテの立っていた地面は大きく抉られている。
腕力も相当な物のようだ。
普通の人間だったら、さけることもできず、この攻撃ですぐ死んでいただろう。
続いて、穴を掘り地面に潜ってダンテの背後から飛び出してきた。
腕をいっぱいに伸ばし、鋭い爪で切り裂く。
ダンテは横にサイドロールしてかわしながら、エボニーとアイボリーを連射して悪魔にダメージを与えていった。
だが、命中はするも悪魔はその俊敏な動きでかわすこともあった。
「こいつら素早いな。トリッキーな動きしやがって…」
リベリオンで斬り飛ばしても、空中で体勢を立て直して飛びのく賢さまで兼ね備えている。
この戦闘能力で、群れをなしているのだ。
人間が何人か消えていたとしても納得がいく。
そこに突っ込んでしまったダンテはいささか軽薄だったかもしれない。
しかしそこは半魔のダンテ。
悪魔に囲まれてもなお、ピンチだと思うことはなく、逆にこの戦いを楽しく感じていた。
最近の悪魔は出てくる数のわりに雑魚が多過ぎたのだ。
テメンニグルにいた強敵が懐かしい。
もっと…。
もっと刺激が欲しい。
刺激や殺戮を好む悪魔としての血も、ダンテには流れている。
ダンテは狂気に捕らわれたような瞳をして、目の前の悪魔に向き直った。
「来いよ、トカゲ野郎。手加減してやるからオレを殺してみな!」
手を広げ、無防備に佇む。
その異様さに、悪魔も一瞬動きを止め、空に吠える。
ダンテは上を向くことがなかったため気付かなかったが、戦いを紅い月が薄気味悪く照らしている。
そのダンテの目にも、悪魔達と同じ、赤い光が宿っていた。