ショッピングスポットには時期がらか、水着を売る店が多かった。
あたりまえだが、男物より女物が多い。

雑誌の中とは比べものにならないくらいの種類があり、そのデザイン、色は多岐にわたっている。

ダンテはその煌びやかさにキョロキョロと見て歩いては「おおお！」と感嘆の声をあげた。

「ディーヴァ！すっげーいっぱいあるな！」
「そりゃ、水着と言ったら夏だしね～。かわいいの選んでね？あたしもダンテの選ぶから」
「オーケー！選びっこってやつか…」

しばらく別行動をとり、ダンテが履きそうな男物の水着を手にとる。

「やっぱり赤系だろうけど、ブーメランタイプ…は、ちょっとね～。ここは無難にハーフパンツタイプにしとこっと！」

ブーメランタイプを履いたダンテを想像してみた。
うん、悪くはない。
悪くはないのだが……。

正直、目のやり場に困る。
そのため結局は、ハーフパンツタイプの黒地に赤やオレンジで着色や模様を施された無難な物を選んだ。

ダンテの水着を選んだところで、目立つ銀色を探してみる。

「…いた」

女性がひくほど嬉々としてディーヴァの水着を選んでいた。
その表情は女性客よりも輝いている。

ダンテは女性客ばかりひしめくこの場で男性ひとりなのだが、全くもって恥ずかしくなさそうである。
…たいした度胸をお持ちで。

「お。選んでくれたのか！早いな～」

ディーヴァの視線に気がついたダンテ。
片手に大量の水着を抱え、ディーヴァの方に手をブンブンと振っている。

なんとなく連れと思われるのが恥ずかしく感じるのは何故だろうか、ディーヴァはこそこそとダンテに近づいた。

「無難にダンテの好きな赤が入ったやつにしたよ。あとで試着して確認してね」
「わかった。ありがとな」
「どういたしまして。それより、これ全部あたしに試着させる気？」
「ああ、そのつもりだったけど。……ちょっと多いか？」

ちょっとどころではない気がする。
数えたら軽く８着はあった。

「も、もうちょい少なくして…？」
「わかったよ…じゃあ、３着くらいに絞るから、先にフッティングルームに入っててくれ」

３着ならまあまあ許容範囲か。
ディーヴァは、ダンテがどんな水着を選んでくるのかドキドキしながらフッティングルームに入った。

８着中、そのほとんどが生地が体を包む範囲が狭かったりしていたが大丈夫だろうか。
それだけを心配しながら。