mission 0:new days ~そのあとの彼女とオレ~
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荷物を抱えて新しく借りた事務所へと向かおうとするダンテ達。
その前には再び悪魔の群れが列をなしてこちらへと向かってきているのが見えた。
「えぇっまたぁ?どんだけいるのよ」
「相変わらずだなディーヴァ、お前ってやつはほーんと悪魔にモテモテな女だ!」
「最悪…モテたくなんかないのに」
ここまでくると恐怖を感じるよりもうんざりした思いの方が大きい。
ダンテはその背負いに背負った荷物ごとディーヴァを抱えると、高い建物の上へと駆け上った。
ここなら安全だろう。
周りを視線だけで確認し、悪魔が登れずに悔しそうな顔をしているのを横目にディーヴァをおろした。
「テメンニグルにもっかい行くからしばらくの間、ケルと待っててくれるか」
「え、しばらくってどのくらい?」
魔具になっているケルベロスを再び犬の姿へと変化させる。
わふん!と大きく鳴くケルベロスを、ディーヴァは暖を取るためか無意識に抱きしめた。
ちらりとその様子を羨ましそうに見つめながら、ダンテはテメンニグルを指さす。
「大元をブッ飛ばしてくるから…そうだな、最低でも30分は欲しい」
「あたしは行かなくていいの?道覚えてる?」
ダンテはその道順をディーヴァに任せていたのでまったく覚えていない。
悪魔のせいではなく、道に迷うことで帰ってこれなくなったお子ちゃまダンテは想像に難くない。
自分がいなくても大丈夫なのかとディーヴァは不安になった。
「大丈夫だ、他の魔具もいる」
言い終えるや否や、ディーヴァの唇にかすめ取るようなキスをする。
ダンテはそのまま虚空へ身を躍らせると、ボロボロになってしまっているコートをはためかせ落ちながら「タイムラグ!」と唱えて時間操作をした。
場に集まった悪魔を、素早い動きで倒したダンテは、そのスピードのままテメンニグルへと駆けていく。
ケルベロスの毛並みに顔をうずめたディーヴァは、上からダンテのその様子を赤い顔でじっと見つめていた。
何度キスされても慣れない。
いつになったら自分の心臓は、ダンテからあたえられる愛に慣れてくれるのだろうか。
ダンテのスキンシップにより生まれた熱は、冬の寒さでも冷めることなくディーヴァの心を満たしていた。
見ただけではシンと静まり返っているテメンニグル。
その入り口付近には警察の手でも入ったか、黄色いキープアウトのテープがまるで封印でもするかのように何重にも巻かれて来る者を阻んでいた。
そこをくぐり抜けたダンテは一度は降りた塔をクロやネヴァンを携え、元凶を潰すべく再び登るのだった。
それもこれもディーヴァのため。
そう思えばこのまま魔界へ行くこともいとわない、そんな思いを胸に秘めて。
***
ダンテが言っていた「早ければ30分」というのは本当のことだった。
ダンテはきっかり30分でディーヴァの元へと帰ってきた。
「寒い中待たせて悪かったなディーヴァ」
「おかえりダンテ。寒さよりも、これ以上暗くなるとケルが一緒でもこわくてたまらないよ~。
早く新しい事務所行こ?」
「ああ」
ケルベロスには武器形態に戻ってもらい、ダンテはディーヴァに腕を組むようにと左腕を差し出す。
腕を絡ませようとしたディーヴァではあったが、ダンテの左手には何やら大きくて丸い物がぶら下がっているのに気が付いた。
「ん?ダンテ何を持ってるの?」
「これか?」
ずいっと差し出して見せつけるダンテ。
暗くてよく見えなかったそれが登り始めた月に照らされ、ディーヴァの目の前にきた。
瞳孔の開いた赤黒い瞳とエメラルドの瞳がかち合う。
長く垂れ下がった赤くてらてらと光る舌と、黄ばんだ長い牙…。
大きく牛のような風貌の顔がディーヴァの目に映った。
「ヒイッ!!」
悪魔の首だった。
きもちわるい。
「こいつはな、ヘル=グリードと同じタイプの悪魔で、雑魚を延々と呼び出してたんだ。しかも、ケルやベオウルフくれぇ強かったんだぜ!」
鼻高々に熱弁するダンテはディーヴァの気持ちに気が付いていない。
その表情が嫌そうに歪められていることにも。
「いつの間にこんな大物が紛れ込んでたんだかな!そんなのを仕留めちゃうオレ、さすがだぜ!HAHAHA!」
そしてせっかく取ってきたという首を、ぽいっとぞんざいに扱い置いてダンテは両手を広げた。
「というわけで!HEY,darling。ちょーとばかし、充電させてくれ」
何がというわけで、だ!
そう思いながらもディーヴァはキチンと対応した。
その足で置かれた悪魔の首をこちらから見えないよう移動させながら…。
「それはいいけどこの首、どうするわけ?まさか食べるとか言わないよね?あたし調理しないからね」
「牛の顔してるからって食べるわけないだろ。そんなの決まってる、新しい事務所に飾「はい却下ー!」何で?」
「そんな気持ち悪いもの飾りたくない」
抱き着いてダンテの鼓動に自身も癒されながら、ディーヴァがぼそりと感想を述べる。
そんなもの飾られたら恐怖で夜、眠れなくなるではないか。
ダンテは不服そうに唇を尖らせた。
「えー?オレの戦利品だぜ?こんなの飾ってあったらカッコいいだろ?」
「どこがよ、気持ち悪い。ダンテの悪趣味、変態!」
「変態は元からだ!むしろほめ言葉って何度もいっただろ。
なぁなぁなぁ、こんな装飾があってもイイだろ~?悪魔狩りっぽくてさ!どう考えても仕事柄必要じゃねぇか」
「えー…」
変態は元から。
自分で言ってしまっている。
ダンテたっての希望だし、かなえてあげたいとも思うが…。
迷うディーヴァにダンテのトドメの一言。
――それにあいつを忘れないためにもな――
ぼそりと追加された。
そんな風に表情を翳らせ言われてしまえばたまらない。
結局折れるのはディーヴァの方だった。
「しょうがないなぁ…いいよ」
その前には再び悪魔の群れが列をなしてこちらへと向かってきているのが見えた。
「えぇっまたぁ?どんだけいるのよ」
「相変わらずだなディーヴァ、お前ってやつはほーんと悪魔にモテモテな女だ!」
「最悪…モテたくなんかないのに」
ここまでくると恐怖を感じるよりもうんざりした思いの方が大きい。
ダンテはその背負いに背負った荷物ごとディーヴァを抱えると、高い建物の上へと駆け上った。
ここなら安全だろう。
周りを視線だけで確認し、悪魔が登れずに悔しそうな顔をしているのを横目にディーヴァをおろした。
「テメンニグルにもっかい行くからしばらくの間、ケルと待っててくれるか」
「え、しばらくってどのくらい?」
魔具になっているケルベロスを再び犬の姿へと変化させる。
わふん!と大きく鳴くケルベロスを、ディーヴァは暖を取るためか無意識に抱きしめた。
ちらりとその様子を羨ましそうに見つめながら、ダンテはテメンニグルを指さす。
「大元をブッ飛ばしてくるから…そうだな、最低でも30分は欲しい」
「あたしは行かなくていいの?道覚えてる?」
ダンテはその道順をディーヴァに任せていたのでまったく覚えていない。
悪魔のせいではなく、道に迷うことで帰ってこれなくなったお子ちゃまダンテは想像に難くない。
自分がいなくても大丈夫なのかとディーヴァは不安になった。
「大丈夫だ、他の魔具もいる」
言い終えるや否や、ディーヴァの唇にかすめ取るようなキスをする。
ダンテはそのまま虚空へ身を躍らせると、ボロボロになってしまっているコートをはためかせ落ちながら「タイムラグ!」と唱えて時間操作をした。
場に集まった悪魔を、素早い動きで倒したダンテは、そのスピードのままテメンニグルへと駆けていく。
ケルベロスの毛並みに顔をうずめたディーヴァは、上からダンテのその様子を赤い顔でじっと見つめていた。
何度キスされても慣れない。
いつになったら自分の心臓は、ダンテからあたえられる愛に慣れてくれるのだろうか。
ダンテのスキンシップにより生まれた熱は、冬の寒さでも冷めることなくディーヴァの心を満たしていた。
見ただけではシンと静まり返っているテメンニグル。
その入り口付近には警察の手でも入ったか、黄色いキープアウトのテープがまるで封印でもするかのように何重にも巻かれて来る者を阻んでいた。
そこをくぐり抜けたダンテは一度は降りた塔をクロやネヴァンを携え、元凶を潰すべく再び登るのだった。
それもこれもディーヴァのため。
そう思えばこのまま魔界へ行くこともいとわない、そんな思いを胸に秘めて。
***
ダンテが言っていた「早ければ30分」というのは本当のことだった。
ダンテはきっかり30分でディーヴァの元へと帰ってきた。
「寒い中待たせて悪かったなディーヴァ」
「おかえりダンテ。寒さよりも、これ以上暗くなるとケルが一緒でもこわくてたまらないよ~。
早く新しい事務所行こ?」
「ああ」
ケルベロスには武器形態に戻ってもらい、ダンテはディーヴァに腕を組むようにと左腕を差し出す。
腕を絡ませようとしたディーヴァではあったが、ダンテの左手には何やら大きくて丸い物がぶら下がっているのに気が付いた。
「ん?ダンテ何を持ってるの?」
「これか?」
ずいっと差し出して見せつけるダンテ。
暗くてよく見えなかったそれが登り始めた月に照らされ、ディーヴァの目の前にきた。
瞳孔の開いた赤黒い瞳とエメラルドの瞳がかち合う。
長く垂れ下がった赤くてらてらと光る舌と、黄ばんだ長い牙…。
大きく牛のような風貌の顔がディーヴァの目に映った。
「ヒイッ!!」
悪魔の首だった。
きもちわるい。
「こいつはな、ヘル=グリードと同じタイプの悪魔で、雑魚を延々と呼び出してたんだ。しかも、ケルやベオウルフくれぇ強かったんだぜ!」
鼻高々に熱弁するダンテはディーヴァの気持ちに気が付いていない。
その表情が嫌そうに歪められていることにも。
「いつの間にこんな大物が紛れ込んでたんだかな!そんなのを仕留めちゃうオレ、さすがだぜ!HAHAHA!」
そしてせっかく取ってきたという首を、ぽいっとぞんざいに扱い置いてダンテは両手を広げた。
「というわけで!HEY,darling。ちょーとばかし、充電させてくれ」
何がというわけで、だ!
そう思いながらもディーヴァはキチンと対応した。
その足で置かれた悪魔の首をこちらから見えないよう移動させながら…。
「それはいいけどこの首、どうするわけ?まさか食べるとか言わないよね?あたし調理しないからね」
「牛の顔してるからって食べるわけないだろ。そんなの決まってる、新しい事務所に飾「はい却下ー!」何で?」
「そんな気持ち悪いもの飾りたくない」
抱き着いてダンテの鼓動に自身も癒されながら、ディーヴァがぼそりと感想を述べる。
そんなもの飾られたら恐怖で夜、眠れなくなるではないか。
ダンテは不服そうに唇を尖らせた。
「えー?オレの戦利品だぜ?こんなの飾ってあったらカッコいいだろ?」
「どこがよ、気持ち悪い。ダンテの悪趣味、変態!」
「変態は元からだ!むしろほめ言葉って何度もいっただろ。
なぁなぁなぁ、こんな装飾があってもイイだろ~?悪魔狩りっぽくてさ!どう考えても仕事柄必要じゃねぇか」
「えー…」
変態は元から。
自分で言ってしまっている。
ダンテたっての希望だし、かなえてあげたいとも思うが…。
迷うディーヴァにダンテのトドメの一言。
――それにあいつを忘れないためにもな――
ぼそりと追加された。
そんな風に表情を翳らせ言われてしまえばたまらない。
結局折れるのはディーヴァの方だった。
「しょうがないなぁ…いいよ」