mission 5:quarrel and mediation ~両天秤、どちらも大切~
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ピピピ、ピピピ。
いつもならディーヴァが止める目覚まし時計。
今回は止まることなく鳴り続けたそれを、ダンテが起き上がって止めた。
そして傍らには、丸まったシーツに包まったディーヴァ。
まるでサナギのようだ。
「ディーヴァ、起きろ。朝だぞ」
返事がない。
サナギは羽化したあとの脱け殻のようだ。
いや、中身はある、やはりサナギか。
しかし、いざダンテがめくろうとすると、中からぎゅうぎゅうと掴んでいるのか、めくることはできなかった。
起きてはいるようだ。
「おーい、ディーヴァ。今日も休むのか?昨日も別に風邪じゃねーんだろ」
「……よくわかったね、さすがダンテ」
くぐもった声が小さくシーツの塊から聞こえてきた。
ダンテはシーツを掴む手を放し、苦笑する。
「お前のことだからな、見てりゃよくわかるよ。そもそも、だ。具合悪かったらジャムなんか作らないで寝てるだろ」
「…うん、そだね。昨日、本当は風邪じゃないの」
もぞもぞ。
シーツの塊が動き、ディーヴァがぼそりと呟いた。
「学校、行きたくない…」
ディーヴァは、サラからの電話のあと何度か色々考えたのだが、また落ち込んできてしまったのだ。
せっかく浮上しかかっていたのに、考えすぎたことが仇となった。
ぴょこ。
ようやくシーツという岩戸から顔をのぞかせたディーヴァ。
そのまま勢いよくダンテのお腹に抱き着いた。
ダンテはその体を抱きしめ撫でながら対応する。
「なんだよ、学校にちゃんと通いたいって言ったのはディーヴァじゃんか」
「そうだけどさ」
「行くって決めたんだったら、最後まで頑張れよ。
何事にも一生懸命、それがオレのディーヴァだ。しっかりしろ!」
理由が何にしろ、ずる休みしたのはディーヴァ。
それは許されることではない。
時にはきびしい言葉で叱咤する。
それが恋人だけでなく、『保護者』たるダンテの役目だ。
「…ぅん…」
「まあ、本当に具合悪くなったってんなら今日も休めばいいけどな」
「そうじゃないの。…友達と喧嘩して」
喧嘩、の言葉に首を傾ぐダンテ。
「喧嘩?温厚なお前が珍しいな」
「うん。そうかも。めったに友達と喧嘩しないから」
「この間のサラとかいうのと喧嘩したのか?」
「違う。サラはどっちかっていうとあたしの肩を持ってくれてる」
ディーヴァは、ダンテに抱きついたままボソボソと話し始めた。
一昨日学校であったこと、昨日なんとかしようとしてくれたというサラの話をダンテに話して聞かせる。
ダンテは黙って聞いていた。
その話の原因はダンテも関係してくるものだが、それはしかたない。
ダンテについて詳しく……特に悪魔やら天使の話は一般人に言うわけにいかないことくらいダンテもわかっている。
「じゃあお前がいかなくちゃサラは1人だぞ。尚更いかねーとだめだ」
「え、あ…」
「それともディーヴァは逃げるのか。友人すら置いて?」
鋭い指摘にダンテを見上げる。
いつもの優しい表情のままだが、言葉には厳しさがにじんでいた。
「そんなこと…」
「今のお前は逃げてるだけだ。そもそも休んでいても何にも解決しないぞ」
サラはゆっくりでいいと言ってはいたが、ダンテの言い分はもっとも。
時間が解決するわけがない。
休んでいては結局何もかわらない。
「…うん。行かないと何も解決しないよね」
「ああ、頑張れ。仲直りだってしたいんだろ?」
こくりと頷いて、笑顔になった。
「行かないと仲直りも出来ない…学校行くよ。出席日数足りなくて退学になっても困るもん」
そのディーヴァの言葉に、ダンテは励ますようにくしゃくしゃと頭を撫でてやった。
「それでこそオレのディーヴァ」
いつもならディーヴァが止める目覚まし時計。
今回は止まることなく鳴り続けたそれを、ダンテが起き上がって止めた。
そして傍らには、丸まったシーツに包まったディーヴァ。
まるでサナギのようだ。
「ディーヴァ、起きろ。朝だぞ」
返事がない。
サナギは羽化したあとの脱け殻のようだ。
いや、中身はある、やはりサナギか。
しかし、いざダンテがめくろうとすると、中からぎゅうぎゅうと掴んでいるのか、めくることはできなかった。
起きてはいるようだ。
「おーい、ディーヴァ。今日も休むのか?昨日も別に風邪じゃねーんだろ」
「……よくわかったね、さすがダンテ」
くぐもった声が小さくシーツの塊から聞こえてきた。
ダンテはシーツを掴む手を放し、苦笑する。
「お前のことだからな、見てりゃよくわかるよ。そもそも、だ。具合悪かったらジャムなんか作らないで寝てるだろ」
「…うん、そだね。昨日、本当は風邪じゃないの」
もぞもぞ。
シーツの塊が動き、ディーヴァがぼそりと呟いた。
「学校、行きたくない…」
ディーヴァは、サラからの電話のあと何度か色々考えたのだが、また落ち込んできてしまったのだ。
せっかく浮上しかかっていたのに、考えすぎたことが仇となった。
ぴょこ。
ようやくシーツという岩戸から顔をのぞかせたディーヴァ。
そのまま勢いよくダンテのお腹に抱き着いた。
ダンテはその体を抱きしめ撫でながら対応する。
「なんだよ、学校にちゃんと通いたいって言ったのはディーヴァじゃんか」
「そうだけどさ」
「行くって決めたんだったら、最後まで頑張れよ。
何事にも一生懸命、それがオレのディーヴァだ。しっかりしろ!」
理由が何にしろ、ずる休みしたのはディーヴァ。
それは許されることではない。
時にはきびしい言葉で叱咤する。
それが恋人だけでなく、『保護者』たるダンテの役目だ。
「…ぅん…」
「まあ、本当に具合悪くなったってんなら今日も休めばいいけどな」
「そうじゃないの。…友達と喧嘩して」
喧嘩、の言葉に首を傾ぐダンテ。
「喧嘩?温厚なお前が珍しいな」
「うん。そうかも。めったに友達と喧嘩しないから」
「この間のサラとかいうのと喧嘩したのか?」
「違う。サラはどっちかっていうとあたしの肩を持ってくれてる」
ディーヴァは、ダンテに抱きついたままボソボソと話し始めた。
一昨日学校であったこと、昨日なんとかしようとしてくれたというサラの話をダンテに話して聞かせる。
ダンテは黙って聞いていた。
その話の原因はダンテも関係してくるものだが、それはしかたない。
ダンテについて詳しく……特に悪魔やら天使の話は一般人に言うわけにいかないことくらいダンテもわかっている。
「じゃあお前がいかなくちゃサラは1人だぞ。尚更いかねーとだめだ」
「え、あ…」
「それともディーヴァは逃げるのか。友人すら置いて?」
鋭い指摘にダンテを見上げる。
いつもの優しい表情のままだが、言葉には厳しさがにじんでいた。
「そんなこと…」
「今のお前は逃げてるだけだ。そもそも休んでいても何にも解決しないぞ」
サラはゆっくりでいいと言ってはいたが、ダンテの言い分はもっとも。
時間が解決するわけがない。
休んでいては結局何もかわらない。
「…うん。行かないと何も解決しないよね」
「ああ、頑張れ。仲直りだってしたいんだろ?」
こくりと頷いて、笑顔になった。
「行かないと仲直りも出来ない…学校行くよ。出席日数足りなくて退学になっても困るもん」
そのディーヴァの言葉に、ダンテは励ますようにくしゃくしゃと頭を撫でてやった。
「それでこそオレのディーヴァ」