mission 5:quarrel and mediation ~両天秤、どちらも大切~
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あとはダンテに明日休む話を伝えるだけ。
「ダンテ、明日学校休むよ」
「どうしたよ、藪からスティックに」
藪からスティック…。
つっこむのはやめておこう。
「ちょっと風邪気味で…」
「はっ!?か、風邪ぇっ!?大丈夫なのかよ、おいっ!」
それまでソファに横になって雑誌を読んでいたらしいダンテだが、『風邪』の言葉に飛び起きるとディーヴァの両肩をつかんで揺さぶった。
実際は風邪でないからいいが、本当に風邪なら吐いてるレベルの揺らし方である。
うぷ…。
前言撤回、十分吐くレベルの揺らし方だ。
「ちょ、ダンテ!リバースしちゃうリバース!出ちゃいけないものが口から出ちゃう!」
「おおっと、すまん!風邪気味だって言ってるのに悪い!」
ダンテが慌てて腕の動きを止めると、ディーヴァはふらふらした頭を落ち着かせて向き直った。
「心配しないで、ちょこっとだけ風邪気味なだけだから。大事にならないよう1日休むだけだよ」
「ほんとか?今も具合すんごく悪いの我慢してるとかじゃないのか?」
「だから大丈夫だってば」
それでも心配そうにディーヴァを覗き込む青い瞳。
寒くないか?
なんか欲しいものあるか?
添い寝しようか?
着替え手伝おうか?
病院行くか?
オレが代わってやりたい…。
若干変なのもあったが、いつものだらけっぷりはどこへやら。
ダンテは自分から進んで動き、家事まで先回りしてやろうとしてくれた。
いつもこういう姿勢を見せてくれたらいいと思う。
しかし、なんと甲斐甲斐しいお世話だ。
まさかここまで心配されるとは思わなかった。
騙しているような気分で申し訳なく感じる。
そういえば、まだダンテの前で風邪にかかった覚えはない。
こんなに心配をかけるなら、絶対病気にならないように気を付けないと。
それと、色々やってくれるのはとても嬉しいしありがたいのだが…。
「食事まで無理して作ろうとしないでいいから!」
むしろ、包丁は握らないで!味付けとかやらないで!頼むから台所に立たないでぇぇぇぇえ!!
そう、ダンテの手料理は壊滅的だったのだ。
***
その日1日、ディーヴァは風邪で休むとダンテに言ったことも忘れ、台所に立ってはひたすらジャム作りに明け暮れていた。
「これでブルーベリージャムはおしまい。次は…」
まだまだ終わってはいないが、すべて終わる頃には、きっと半年以上は持つのではないか…という量の様々な種類の瓶詰めがテーブルに並んでいることになるだろう。
ダンテの大好きな苺はもちろん、ディーヴァの好きなリンゴジャム、みずみずしいオレンジのマーマレード、レモンカードに、新鮮なミルクを使ったミルクジャム、珍しい物で言えば偶然手に入った食用薔薇の花びらを使ったローズジャム。
そしてアメリカ人とは切っても切り離せないと言われるピーナッツバター。
数えだしたらきりがない。
ところせましと並ぶそれらに口の端が引きつるダンテ。
鼻唄なんぞ歌いながら…ではなく、無言のまま作っているのが少々気にはなるところ。
だが、風邪ならジャムなんか作る暇なく普通は寝ているだろうと、そういったことにうといダンテでもわかる。
こいつ…絶対風邪じゃねぇな。
ダンテはそう思った。
「ったく…ずる休みかよ」
ぼそり、その一心不乱に果物達と格闘するディーヴァの背中に呟く。
風邪でつらそうにしてるよりはましか。
そう思うことにして、ダンテはディーヴァのしたいようにさせることにしたのだった。
「ダンテ、明日学校休むよ」
「どうしたよ、藪からスティックに」
藪からスティック…。
つっこむのはやめておこう。
「ちょっと風邪気味で…」
「はっ!?か、風邪ぇっ!?大丈夫なのかよ、おいっ!」
それまでソファに横になって雑誌を読んでいたらしいダンテだが、『風邪』の言葉に飛び起きるとディーヴァの両肩をつかんで揺さぶった。
実際は風邪でないからいいが、本当に風邪なら吐いてるレベルの揺らし方である。
うぷ…。
前言撤回、十分吐くレベルの揺らし方だ。
「ちょ、ダンテ!リバースしちゃうリバース!出ちゃいけないものが口から出ちゃう!」
「おおっと、すまん!風邪気味だって言ってるのに悪い!」
ダンテが慌てて腕の動きを止めると、ディーヴァはふらふらした頭を落ち着かせて向き直った。
「心配しないで、ちょこっとだけ風邪気味なだけだから。大事にならないよう1日休むだけだよ」
「ほんとか?今も具合すんごく悪いの我慢してるとかじゃないのか?」
「だから大丈夫だってば」
それでも心配そうにディーヴァを覗き込む青い瞳。
寒くないか?
なんか欲しいものあるか?
添い寝しようか?
着替え手伝おうか?
病院行くか?
オレが代わってやりたい…。
若干変なのもあったが、いつものだらけっぷりはどこへやら。
ダンテは自分から進んで動き、家事まで先回りしてやろうとしてくれた。
いつもこういう姿勢を見せてくれたらいいと思う。
しかし、なんと甲斐甲斐しいお世話だ。
まさかここまで心配されるとは思わなかった。
騙しているような気分で申し訳なく感じる。
そういえば、まだダンテの前で風邪にかかった覚えはない。
こんなに心配をかけるなら、絶対病気にならないように気を付けないと。
それと、色々やってくれるのはとても嬉しいしありがたいのだが…。
「食事まで無理して作ろうとしないでいいから!」
むしろ、包丁は握らないで!味付けとかやらないで!頼むから台所に立たないでぇぇぇぇえ!!
そう、ダンテの手料理は壊滅的だったのだ。
***
その日1日、ディーヴァは風邪で休むとダンテに言ったことも忘れ、台所に立ってはひたすらジャム作りに明け暮れていた。
「これでブルーベリージャムはおしまい。次は…」
まだまだ終わってはいないが、すべて終わる頃には、きっと半年以上は持つのではないか…という量の様々な種類の瓶詰めがテーブルに並んでいることになるだろう。
ダンテの大好きな苺はもちろん、ディーヴァの好きなリンゴジャム、みずみずしいオレンジのマーマレード、レモンカードに、新鮮なミルクを使ったミルクジャム、珍しい物で言えば偶然手に入った食用薔薇の花びらを使ったローズジャム。
そしてアメリカ人とは切っても切り離せないと言われるピーナッツバター。
数えだしたらきりがない。
ところせましと並ぶそれらに口の端が引きつるダンテ。
鼻唄なんぞ歌いながら…ではなく、無言のまま作っているのが少々気にはなるところ。
だが、風邪ならジャムなんか作る暇なく普通は寝ているだろうと、そういったことにうといダンテでもわかる。
こいつ…絶対風邪じゃねぇな。
ダンテはそう思った。
「ったく…ずる休みかよ」
ぼそり、その一心不乱に果物達と格闘するディーヴァの背中に呟く。
風邪でつらそうにしてるよりはましか。
そう思うことにして、ダンテはディーヴァのしたいようにさせることにしたのだった。