mission 5:quarrel and mediation ~両天秤、どちらも大切~
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
プロムも終わり、何事もない平和な日常がやってきた。
ダンテはダンテで、順調と言えなくもない便利屋稼業とデビルハントに勤しんでいる。
そして、ディーヴァはディーヴァでサラにしばらくの間ダンテとのことでいじられつつも、学生生活を謳歌して…。
「はあ~…」
おうか…?
しているのだろうか……?
ディーヴァは深い深ーいため息を吐き出す。
ここは放課後の教室だ。
普段はほどよい時間になるまで、仲のよい友人達とワイワイしている時間。
だが、今は違った。
放課後の教室で残るのはディーヴァとサラだけ。
他の仲良くしている友人……リヴィエーラと、ランシェールという友人は先に教室を出てしまっている。
2人の間に流れる沈黙の前に、教室の空気は静寂のみを生む。
ディーヴァは今静かに悩み、落ち込んでいた。
先に帰ってしまったエルとランスに、自分でも少し気にしていたことを言われてしまったのだ。
ちなみにリヴィエーラはエル、ランシェールはランスという愛称でみんなから呼ばれている。
そんなわけで、友人達の中で一番仲のいいサラだけが残って一緒にいてくれていた。
落ち込むディーヴァをサラは手をぎゅうと握って励ます。
ディーヴァが友人達に言われた落ち込み悩むこと。
『友達なのに何も教えてくれないんだね』
そういう意味を持つ言葉を、揃って2人に言われてしまったのだ。
笑顔での言葉ではあったが、そこにはトゲがついていた。
言葉のトゲがディーヴァの心に突き刺さり、鈍い痛みを伝え続ける。
昔はここまで弱いメンタルではなかったはずなのに、家族を失ったあたりからかディーヴァは確実に心を弱くしていた。
ダンテに癒され、心も強くいられた、そう思っていたが、自分では気がつかない程度に、心には消えない傷が深く残っているようだ。
サラがディーヴァの頭を撫でて苦笑する。
その手の動きはダンテがディーヴァが落ち込んでいる時に撫でるのとまったく同じ。
とても落ち着くものだ。
「しかたないよ。だってディーヴァの口から言えないことなんでしょ?」
「うん、そうだけど…」
「確かにわたしも知りたいよ?
ディーヴァが何を隠しているのか、ダンテさんとの出会いとか。
今までのディーヴァだったら絶対あーいうタイプに惹かれたりしないもんね」
ダンテのような破天荒かつ、目立つような人よりも、ディーヴァがひかれるのはどちらかといえば兄…ミシェルのように物腰やわらかな人物だと、サラは思っていた。
ミシェルはそのままディーヴァの性別を変えただけのような優しい人だ。
ひどいシスコンなのが玉に傷だが。
そしてサラ同様、ディーヴァもまさか自分がダンテのような兄とは正反対の男性を、好きになるとは思っていなかった。
ダンテの身長は兄とほとんど同じなはずなのにまったくの正反対である。
しかし、今はダンテ以外を好きになるなんて考え付かない。
それくらい彼が愛しく、大切な存在に感じられた。
「ダメもとでもう一回聞くけど、わたしにも言えない?」
「ゴメン…言えないや」
「だろうね。…わかった、いいよ」
ダンテのことや色んなことをキチンと説明はしたい。
けれど、説明し始めれば、どうしたって途中で悪魔や天使の事まで言わなくてはいけなくなる。
そのため絶対に言えないことなのだ。
それに友人達の誘導尋問には元から弱いディーヴァ。
下手に隠そうと言葉を選んで言ったところで、聡い友人達にはボロが出てしまうだろう。
もどかしい。
友人達に負い目を感じる。
説明したくてもできないこの状況が悔しく歯がゆい。
サラはある程度、なんとなく言えないことだと察してくれている。
だからと言って他の友人が察してくれないからどうとかじゃない。
人は秘密や気になることは知りたくなる性分の生き物だ。
ディーヴァが隠そうとすればするほど知りたい思いが募るのはしかたのないこと。
ディーヴァにはどうしようもなかった。
ダンテはダンテで、順調と言えなくもない便利屋稼業とデビルハントに勤しんでいる。
そして、ディーヴァはディーヴァでサラにしばらくの間ダンテとのことでいじられつつも、学生生活を謳歌して…。
「はあ~…」
おうか…?
しているのだろうか……?
ディーヴァは深い深ーいため息を吐き出す。
ここは放課後の教室だ。
普段はほどよい時間になるまで、仲のよい友人達とワイワイしている時間。
だが、今は違った。
放課後の教室で残るのはディーヴァとサラだけ。
他の仲良くしている友人……リヴィエーラと、ランシェールという友人は先に教室を出てしまっている。
2人の間に流れる沈黙の前に、教室の空気は静寂のみを生む。
ディーヴァは今静かに悩み、落ち込んでいた。
先に帰ってしまったエルとランスに、自分でも少し気にしていたことを言われてしまったのだ。
ちなみにリヴィエーラはエル、ランシェールはランスという愛称でみんなから呼ばれている。
そんなわけで、友人達の中で一番仲のいいサラだけが残って一緒にいてくれていた。
落ち込むディーヴァをサラは手をぎゅうと握って励ます。
ディーヴァが友人達に言われた落ち込み悩むこと。
『友達なのに何も教えてくれないんだね』
そういう意味を持つ言葉を、揃って2人に言われてしまったのだ。
笑顔での言葉ではあったが、そこにはトゲがついていた。
言葉のトゲがディーヴァの心に突き刺さり、鈍い痛みを伝え続ける。
昔はここまで弱いメンタルではなかったはずなのに、家族を失ったあたりからかディーヴァは確実に心を弱くしていた。
ダンテに癒され、心も強くいられた、そう思っていたが、自分では気がつかない程度に、心には消えない傷が深く残っているようだ。
サラがディーヴァの頭を撫でて苦笑する。
その手の動きはダンテがディーヴァが落ち込んでいる時に撫でるのとまったく同じ。
とても落ち着くものだ。
「しかたないよ。だってディーヴァの口から言えないことなんでしょ?」
「うん、そうだけど…」
「確かにわたしも知りたいよ?
ディーヴァが何を隠しているのか、ダンテさんとの出会いとか。
今までのディーヴァだったら絶対あーいうタイプに惹かれたりしないもんね」
ダンテのような破天荒かつ、目立つような人よりも、ディーヴァがひかれるのはどちらかといえば兄…ミシェルのように物腰やわらかな人物だと、サラは思っていた。
ミシェルはそのままディーヴァの性別を変えただけのような優しい人だ。
ひどいシスコンなのが玉に傷だが。
そしてサラ同様、ディーヴァもまさか自分がダンテのような兄とは正反対の男性を、好きになるとは思っていなかった。
ダンテの身長は兄とほとんど同じなはずなのにまったくの正反対である。
しかし、今はダンテ以外を好きになるなんて考え付かない。
それくらい彼が愛しく、大切な存在に感じられた。
「ダメもとでもう一回聞くけど、わたしにも言えない?」
「ゴメン…言えないや」
「だろうね。…わかった、いいよ」
ダンテのことや色んなことをキチンと説明はしたい。
けれど、説明し始めれば、どうしたって途中で悪魔や天使の事まで言わなくてはいけなくなる。
そのため絶対に言えないことなのだ。
それに友人達の誘導尋問には元から弱いディーヴァ。
下手に隠そうと言葉を選んで言ったところで、聡い友人達にはボロが出てしまうだろう。
もどかしい。
友人達に負い目を感じる。
説明したくてもできないこの状況が悔しく歯がゆい。
サラはある程度、なんとなく言えないことだと察してくれている。
だからと言って他の友人が察してくれないからどうとかじゃない。
人は秘密や気になることは知りたくなる性分の生き物だ。
ディーヴァが隠そうとすればするほど知りたい思いが募るのはしかたのないこと。
ディーヴァにはどうしようもなかった。