mission 34:lost ~剣と髪~
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「ディーヴァの髪…、大事な、ディーヴァの………髪、」
落ちているそれを指に掬い上げて、唇をワナワナと震わすダンテ。
掬い上げた髪は、いつものように指どおり滑らかではなく、ファサッとすぐ下に落ちてしまった。
「髪の毛、切れちゃった、ね?…ダンテ、お、おーい、ダンテー?」
ディーヴァの長い髪の毛を、本人以上に気に入っているダンテ。
その心情を考えると、まずい、とてもまずい。
それを証拠に、ダンテの纏う空気が、魔界のそれに匹敵するものになってきている。
それに比例するように、ディーヴァは更に慌てた。
「えーと。ちょっとだし、気にする事ないよ!3センチくらいだよ?前と変わらないよ?一房だけだよ?内側になじませちゃえば、ほらー!元通り!ね!?」
「…なに、言ってる………」
「ひっ!」
地獄からかってほどかつてない響き。
極道のそれみたいにドスの利いた声。
「なあ、3センチ。3センチもだぞ?」
「だ、誰も気づかないって…」
「オレは気付く。1センチだって気付く。気づいてみせる」
「そ、そうなんだ…ダンテすごいね…」
うわダンテめんどくさ。
そう思ったが言うともっと面倒なことになりそうだ。
「ディーヴァの…ディーヴァの髪の毛をよくも…!!」
こわ!ダンテこわ!
鬼の形相をしたダンテが、ディーヴァの隣で魔力に揺らめいている。
そして、雷鳴轟かせる勢いで、ダンテはあっという間に凶暴化…否、魔人化した。
「ひええ、変な理由で魔人化したー!?」
その恐ろしい空気に耐え切れず、ダンテが襲ってくるわけないとわかっていたディーヴァでさえ、尻尾を巻いて逃げる。
ものすごい速さで、影を飛び越え、更に先、ダンテがいたところと反対側の端に移動をした。
ダンテはディーヴァがいるいないに関わらず、床板をぶっ叩いて壊している。
まるでトタン屋根か何かのように、硬い岩盤が抉れた。
『おやおや、完璧に我を忘れている』
「何を呑気に!っていうか魔人化ありなの?ねぇありなの??」
『ありだ。してはいけないといつ言った?』
「言ってない…ね」
猛虎のようなダンテの攻撃が影に開始された。
手に取ったフォースエッジや弾丸を使い、怒涛の猛襲をみせている。
『怒りから爆発的に力を高めたか。このタイプはまだまだ強くなれる…』
ぶつくさと呟く影の端々がダンテの剣の餌食。
影の欠片が千切れ飛び、弾けては消える。
斬られながらも、影はのんびりと悠長に構えていた。
「いたっ!」
ディーヴァのいるところまで、ダンテの剣によって出来た石やら岩やらが飛んでくる。
今は額に当たった。
地味に痛い。
ディーヴァの痛みどころではなく、魔人化したダンテによって次々に破壊されていく闘技場。
床が一部木っ端微塵、歩けるスペースも限られてきているこの惨状…破壊魔ダンテはどこまで認識しているやらわかったものではない。
「この闘技スペースが崩れたらどうなるのー!」
比較的無事に結界が保たれている瓦礫の裏に隠れつつ、ディーヴァが影に声をはりあげる。
『結界がどんどん狭まって、最後は君らが圧死する』
「えぇっ!?ちょっとー!ダンテー!」
止めなきゃダンテに殺される!間接的に!!
慌てたディーヴァに苦笑気味に『大丈夫』と声をかけ、影が動いた。
ギラリ、フォースエッジの刃が閃いた。
「ぐ、ぅ…!」
「ダ、ダンテ…!!」
ダンテの背から、フォースエッジの刃先が飛び出ている。
その背、胸、刃にダンテの血が伝い、滴り落ちている。
影の操るフォースエッジに、貫かれていた。
貫かれた衝撃か、はたまた魔力が尽きたか、ダンテの魔人化がようやく解かれた。
ダンテの事を止めて欲しいとは思ったが、その方法は褒められたものじゃない。
ともすれば、ダンテが死ぬのだから。
影は落ち着いていた。
『方向性は間違っていないみたいだが、もう少し落ち着いたほうがいい。周りを見ろ。
我を忘れて彼女を傷つけるようでは何も意味はないだろう?』
そんなこと説明しても、今のダンテには聞こえているとは思えない。
いや、少しは言葉も届いているかもしれないが、ところどころ抜けているに違いない。
ディーヴァの脳裏によぎるのは、テメンニグルの頂上での出来事。
目の前でダンテを貫く、バージルの刃。
倒れゆく、ダンテの姿。
崩れ落ちるその姿が、その時のそれと重なった。
「ぁ、…ゃ、いやぁぁぁぁ!!」
ディーヴァは泣き叫び、ダンテの元へと飛び出した。
落ちているそれを指に掬い上げて、唇をワナワナと震わすダンテ。
掬い上げた髪は、いつものように指どおり滑らかではなく、ファサッとすぐ下に落ちてしまった。
「髪の毛、切れちゃった、ね?…ダンテ、お、おーい、ダンテー?」
ディーヴァの長い髪の毛を、本人以上に気に入っているダンテ。
その心情を考えると、まずい、とてもまずい。
それを証拠に、ダンテの纏う空気が、魔界のそれに匹敵するものになってきている。
それに比例するように、ディーヴァは更に慌てた。
「えーと。ちょっとだし、気にする事ないよ!3センチくらいだよ?前と変わらないよ?一房だけだよ?内側になじませちゃえば、ほらー!元通り!ね!?」
「…なに、言ってる………」
「ひっ!」
地獄からかってほどかつてない響き。
極道のそれみたいにドスの利いた声。
「なあ、3センチ。3センチもだぞ?」
「だ、誰も気づかないって…」
「オレは気付く。1センチだって気付く。気づいてみせる」
「そ、そうなんだ…ダンテすごいね…」
うわダンテめんどくさ。
そう思ったが言うともっと面倒なことになりそうだ。
「ディーヴァの…ディーヴァの髪の毛をよくも…!!」
こわ!ダンテこわ!
鬼の形相をしたダンテが、ディーヴァの隣で魔力に揺らめいている。
そして、雷鳴轟かせる勢いで、ダンテはあっという間に凶暴化…否、魔人化した。
「ひええ、変な理由で魔人化したー!?」
その恐ろしい空気に耐え切れず、ダンテが襲ってくるわけないとわかっていたディーヴァでさえ、尻尾を巻いて逃げる。
ものすごい速さで、影を飛び越え、更に先、ダンテがいたところと反対側の端に移動をした。
ダンテはディーヴァがいるいないに関わらず、床板をぶっ叩いて壊している。
まるでトタン屋根か何かのように、硬い岩盤が抉れた。
『おやおや、完璧に我を忘れている』
「何を呑気に!っていうか魔人化ありなの?ねぇありなの??」
『ありだ。してはいけないといつ言った?』
「言ってない…ね」
猛虎のようなダンテの攻撃が影に開始された。
手に取ったフォースエッジや弾丸を使い、怒涛の猛襲をみせている。
『怒りから爆発的に力を高めたか。このタイプはまだまだ強くなれる…』
ぶつくさと呟く影の端々がダンテの剣の餌食。
影の欠片が千切れ飛び、弾けては消える。
斬られながらも、影はのんびりと悠長に構えていた。
「いたっ!」
ディーヴァのいるところまで、ダンテの剣によって出来た石やら岩やらが飛んでくる。
今は額に当たった。
地味に痛い。
ディーヴァの痛みどころではなく、魔人化したダンテによって次々に破壊されていく闘技場。
床が一部木っ端微塵、歩けるスペースも限られてきているこの惨状…破壊魔ダンテはどこまで認識しているやらわかったものではない。
「この闘技スペースが崩れたらどうなるのー!」
比較的無事に結界が保たれている瓦礫の裏に隠れつつ、ディーヴァが影に声をはりあげる。
『結界がどんどん狭まって、最後は君らが圧死する』
「えぇっ!?ちょっとー!ダンテー!」
止めなきゃダンテに殺される!間接的に!!
慌てたディーヴァに苦笑気味に『大丈夫』と声をかけ、影が動いた。
ギラリ、フォースエッジの刃が閃いた。
「ぐ、ぅ…!」
「ダ、ダンテ…!!」
ダンテの背から、フォースエッジの刃先が飛び出ている。
その背、胸、刃にダンテの血が伝い、滴り落ちている。
影の操るフォースエッジに、貫かれていた。
貫かれた衝撃か、はたまた魔力が尽きたか、ダンテの魔人化がようやく解かれた。
ダンテの事を止めて欲しいとは思ったが、その方法は褒められたものじゃない。
ともすれば、ダンテが死ぬのだから。
影は落ち着いていた。
『方向性は間違っていないみたいだが、もう少し落ち着いたほうがいい。周りを見ろ。
我を忘れて彼女を傷つけるようでは何も意味はないだろう?』
そんなこと説明しても、今のダンテには聞こえているとは思えない。
いや、少しは言葉も届いているかもしれないが、ところどころ抜けているに違いない。
ディーヴァの脳裏によぎるのは、テメンニグルの頂上での出来事。
目の前でダンテを貫く、バージルの刃。
倒れゆく、ダンテの姿。
崩れ落ちるその姿が、その時のそれと重なった。
「ぁ、…ゃ、いやぁぁぁぁ!!」
ディーヴァは泣き叫び、ダンテの元へと飛び出した。