mission 34:lost ~剣と髪~
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というわけで。
帰路に向かうはずの道は引き返し、ゲイツオブヘルへの道を選ぶ。
ついでだし、夕飯もそこで頂くとしよう。
理由とともにスッと差し出し、軽くリベリオンを見てもらった結界。
「摩耗だ」
「何…?摩耗だって?」
「へー。リベリオンみたいな魔剣も摩耗するんだねぇ」
「元々は大昔に鍛えられた剣だったのだろう。すり減ったところに、無茶な使い方をしすぎたって感じか」
「無茶な使い方ねえ?」
ディーヴァの言う『使い方が荒っぽい』というのは的を得ていたようだ。
もぐもぐと軽食を頂きつつ、何か言いたそうに、じっとダンテを見つめるディーヴァ。
「これは作ったやつじゃないと直すのは厳しいな…。何せ拵え方が大昔と現在じゃ違う」
「ただ折れたところくっつけるんじゃダメなんだね」
「アンタにゃお手上げか?」
折れた切っ先とリベリオン本体を見比べていたロダンが、コトリとそれらをカウンターに置く。
にや、と笑ってみせる表情からは、自信が溢れていた。
「いや、時間はかかっても、俺に直せぬ物はない」
そのドヤ顔と思しきものにイラともせず、ホッとするダンテとディーヴァ。
「よかったぁ…!ロダンさんに相談してよかったね、ダンテ!」
「ああ。ロダン、直すついでに次は絶対折れないように出来たりは…?」
「ダンテ!何言ってるの!次に使う時はもっと大事に使えばいいでしょうが!!」
「いでででで!」
と思ったら、ダンテが欲をかいてとんでもないことを追加要求している。
ディーヴァは隣からダンテの頬を引っ張った。
「決して折れることのない剣、か…。いいだろう、そのように直してやる。誓おう、俺の出来ること全てを駆使してな」
茶目っ気たっぷりでウインクして言うロダンに、少し嫌な予感がする。
先手必勝は大事だ。
「つ、追加料金はなしでよろしく…」
「あたしからもお願いしますね…?」
「本当はそこで稼がせてもらおうと思ったが…まぁ、いいだろう」
やっぱりそうだった。
だが、がめついと思うなかれ、追加料金とは総じて高いものなのだから。
「で。こいつがない間はどうする?預かってる魔具を戻すか?」
「お願いし「いらねぇ」…ええ?ダンテ!?」
やった!魔具達がまた戻ってくる!!
さっきもなくて散々不便な思いしたし、戻ってきてもらおう!
と考えていたのに、あろうことかダンテが鶴の一声で断ってしまった。
「リベリオンによく似てるのが、ある。
フォースエッジっていう剣だ…。あれも多分、魔剣だろうな」
「ほう?フォースエッジとな?」
確かそれは元々、スパーダ自体が武器に変わったとさえ伝えられている魔剣だったシロモノだ。
だが、それが魔剣スパーダとしての力を振るうには、さまざまなる過程と道具と想いが必要になるはず。
この男…ダンテは多分、それを知らないだろうし、まだその時ではないだろう。
時が来れば自然と悟るはずの、その事実は言わないでおこう。
「でも、あの剣は、ダンテにはあんまり扱えなかったんでしょ?」
ディーヴァは知っている。
ダンテが一度はその剣を使おうとしたこと。
使おうとしたら、手からすぽーんと抜けたり、謎の電撃が走り握っていられなかったりと散々な目にあったことを。
結局、ダンテは魔具達がいた物置部屋の奥に、フォースエッジを隠すように追いやった。
「クセがあるのか扱いづらいんだよな。もしかしてリベリオンに慣れすぎてるせいか?」
ダンテのように他の魔具をラクに扱う男にそれはありえない。
この場合考えられることとは…。
「違うな。それはお前さんの魔力とまだ共鳴できていないんだろう。使い手として認められていないんだ。
…直前に使っていたのは誰だ?」
「……………」
「ダンテのお兄さんの…バージル、です」
言いづらいダンテに替わり、ディーヴァがそっと答える。
それだけでロダンは何か察したようだった。
「兄に出来てお前に出来ないことはないだろう。なんにせよ、リベリオンが直るまでには時間がかかる。
俺はそのフォースエッジをモノにしとくのをオススメするぜ?」
「…けど、どうすれば認められる?」
「そんなの本人に聞いてみろ」
「本、人…?」
「フォースエッジに、だ。魔剣なんだろう?
そこには少なからず意思が宿っているはずだ」
苦虫噛み潰したような顔を晒していたダンテに、そうロダンは道を示した。
そのままリベリオンはロダンに預けることとなり、今回はダンテが先にゲイツオブヘルを後にする。
入る時はダンテと共にでないと入れない仕組みだが、出る時はその限りではない。
ディーヴァは日本式に深々と頭を下げて礼を述べた。
「何から何まですみません…」
「いいんだ。ダンテが無茶しないように、ディーヴァが手綱をしっかり握っとけよ」
「ふふふ、ダンテって暴れ馬ですからねー。どこまで握れるかわからないですけど、頑張ってみます」
随分と遅い時間になってしまったが、ようやくダンテとディーヴァは帰宅するまでに至った。
「ダンテ、なに考えてるの?」
ダンテはリベリオンを折ったことでか、フォースエッジに認めてもらっていないという事実でか、どんよりと暗雲を背負っていた。
今は、お互い温かな風呂をいただき、淹れたハーブティーを片手に落ち着いているところだ。
空気が落ち着くのを待ち、ディーヴァはそう、ダンテに聞いてみた。
「…別に何も」
「はあ…。折れちゃったものは折れちゃったんだから、今更落ち込んだり、センチになってる暇はないよ。
後悔するより反省して次に活かすこと」
「わかってるっての!」
きっと、バージルに使えて自分に使えないという、兄弟の頭や力の出来の差について彼なりに考えているのだ…ある程度捻じ曲げてだろうが。
ダンテのいじけ虫。
蜘蛛よりひどい虫だこと。
「もし明日、急に悪魔の依頼があったらどうするの?もし明日、この間の依頼みたいにバージル…が、ダンテのもとに来たら?
戦うにしたってエボニーとアイボリーだけじゃ心許ないでしょ」
「そんなことは……ある、な」
「今だけでも魔具達、呼び戻しとけばよかったじゃない」
「それは嫌だ」
きっぱりと真顔に戻って言い切るダンテ。
ダンテよ、そこまでして2人きりでイチャつきたいか。
うん、その気持ちは痛いほどわかる。
「何が嫌なのかよくわかんないけど…。ロダンさんの言う通り、フォースエッジには認めてもらったほうがいいと思うよ」
「そう、だな…」
「と言っても、まぁ…今夜は遅いし、それはまた明日!」
下手に変わった試練なんて与えられたら、疲れて寝不足な今はちと辛い。
試練で思い出されるのは、テメンニグル内部でのロクでもない思い出。
針の飛び出す廊下を走らされたり、デビルトリガーをひいた悪魔だらけの中に放り込まれたり、ディーヴァがスフィンクスの謎解きをさせられたり…本当に大変な思いをした。
ならば、今はゆっくり体を休めて、気持ちも切り替えて、朝食をしっかり食べてから挑んだほうがいい。
「ダンテ!寝よ!おやすみしよ!!」
「お、おう…」
珍しくカップを呷るように傾けてハーブティーを一息で飲み込み、ディーヴァはダンテの背を叩いた。
帰路に向かうはずの道は引き返し、ゲイツオブヘルへの道を選ぶ。
ついでだし、夕飯もそこで頂くとしよう。
理由とともにスッと差し出し、軽くリベリオンを見てもらった結界。
「摩耗だ」
「何…?摩耗だって?」
「へー。リベリオンみたいな魔剣も摩耗するんだねぇ」
「元々は大昔に鍛えられた剣だったのだろう。すり減ったところに、無茶な使い方をしすぎたって感じか」
「無茶な使い方ねえ?」
ディーヴァの言う『使い方が荒っぽい』というのは的を得ていたようだ。
もぐもぐと軽食を頂きつつ、何か言いたそうに、じっとダンテを見つめるディーヴァ。
「これは作ったやつじゃないと直すのは厳しいな…。何せ拵え方が大昔と現在じゃ違う」
「ただ折れたところくっつけるんじゃダメなんだね」
「アンタにゃお手上げか?」
折れた切っ先とリベリオン本体を見比べていたロダンが、コトリとそれらをカウンターに置く。
にや、と笑ってみせる表情からは、自信が溢れていた。
「いや、時間はかかっても、俺に直せぬ物はない」
そのドヤ顔と思しきものにイラともせず、ホッとするダンテとディーヴァ。
「よかったぁ…!ロダンさんに相談してよかったね、ダンテ!」
「ああ。ロダン、直すついでに次は絶対折れないように出来たりは…?」
「ダンテ!何言ってるの!次に使う時はもっと大事に使えばいいでしょうが!!」
「いでででで!」
と思ったら、ダンテが欲をかいてとんでもないことを追加要求している。
ディーヴァは隣からダンテの頬を引っ張った。
「決して折れることのない剣、か…。いいだろう、そのように直してやる。誓おう、俺の出来ること全てを駆使してな」
茶目っ気たっぷりでウインクして言うロダンに、少し嫌な予感がする。
先手必勝は大事だ。
「つ、追加料金はなしでよろしく…」
「あたしからもお願いしますね…?」
「本当はそこで稼がせてもらおうと思ったが…まぁ、いいだろう」
やっぱりそうだった。
だが、がめついと思うなかれ、追加料金とは総じて高いものなのだから。
「で。こいつがない間はどうする?預かってる魔具を戻すか?」
「お願いし「いらねぇ」…ええ?ダンテ!?」
やった!魔具達がまた戻ってくる!!
さっきもなくて散々不便な思いしたし、戻ってきてもらおう!
と考えていたのに、あろうことかダンテが鶴の一声で断ってしまった。
「リベリオンによく似てるのが、ある。
フォースエッジっていう剣だ…。あれも多分、魔剣だろうな」
「ほう?フォースエッジとな?」
確かそれは元々、スパーダ自体が武器に変わったとさえ伝えられている魔剣だったシロモノだ。
だが、それが魔剣スパーダとしての力を振るうには、さまざまなる過程と道具と想いが必要になるはず。
この男…ダンテは多分、それを知らないだろうし、まだその時ではないだろう。
時が来れば自然と悟るはずの、その事実は言わないでおこう。
「でも、あの剣は、ダンテにはあんまり扱えなかったんでしょ?」
ディーヴァは知っている。
ダンテが一度はその剣を使おうとしたこと。
使おうとしたら、手からすぽーんと抜けたり、謎の電撃が走り握っていられなかったりと散々な目にあったことを。
結局、ダンテは魔具達がいた物置部屋の奥に、フォースエッジを隠すように追いやった。
「クセがあるのか扱いづらいんだよな。もしかしてリベリオンに慣れすぎてるせいか?」
ダンテのように他の魔具をラクに扱う男にそれはありえない。
この場合考えられることとは…。
「違うな。それはお前さんの魔力とまだ共鳴できていないんだろう。使い手として認められていないんだ。
…直前に使っていたのは誰だ?」
「……………」
「ダンテのお兄さんの…バージル、です」
言いづらいダンテに替わり、ディーヴァがそっと答える。
それだけでロダンは何か察したようだった。
「兄に出来てお前に出来ないことはないだろう。なんにせよ、リベリオンが直るまでには時間がかかる。
俺はそのフォースエッジをモノにしとくのをオススメするぜ?」
「…けど、どうすれば認められる?」
「そんなの本人に聞いてみろ」
「本、人…?」
「フォースエッジに、だ。魔剣なんだろう?
そこには少なからず意思が宿っているはずだ」
苦虫噛み潰したような顔を晒していたダンテに、そうロダンは道を示した。
そのままリベリオンはロダンに預けることとなり、今回はダンテが先にゲイツオブヘルを後にする。
入る時はダンテと共にでないと入れない仕組みだが、出る時はその限りではない。
ディーヴァは日本式に深々と頭を下げて礼を述べた。
「何から何まですみません…」
「いいんだ。ダンテが無茶しないように、ディーヴァが手綱をしっかり握っとけよ」
「ふふふ、ダンテって暴れ馬ですからねー。どこまで握れるかわからないですけど、頑張ってみます」
随分と遅い時間になってしまったが、ようやくダンテとディーヴァは帰宅するまでに至った。
「ダンテ、なに考えてるの?」
ダンテはリベリオンを折ったことでか、フォースエッジに認めてもらっていないという事実でか、どんよりと暗雲を背負っていた。
今は、お互い温かな風呂をいただき、淹れたハーブティーを片手に落ち着いているところだ。
空気が落ち着くのを待ち、ディーヴァはそう、ダンテに聞いてみた。
「…別に何も」
「はあ…。折れちゃったものは折れちゃったんだから、今更落ち込んだり、センチになってる暇はないよ。
後悔するより反省して次に活かすこと」
「わかってるっての!」
きっと、バージルに使えて自分に使えないという、兄弟の頭や力の出来の差について彼なりに考えているのだ…ある程度捻じ曲げてだろうが。
ダンテのいじけ虫。
蜘蛛よりひどい虫だこと。
「もし明日、急に悪魔の依頼があったらどうするの?もし明日、この間の依頼みたいにバージル…が、ダンテのもとに来たら?
戦うにしたってエボニーとアイボリーだけじゃ心許ないでしょ」
「そんなことは……ある、な」
「今だけでも魔具達、呼び戻しとけばよかったじゃない」
「それは嫌だ」
きっぱりと真顔に戻って言い切るダンテ。
ダンテよ、そこまでして2人きりでイチャつきたいか。
うん、その気持ちは痛いほどわかる。
「何が嫌なのかよくわかんないけど…。ロダンさんの言う通り、フォースエッジには認めてもらったほうがいいと思うよ」
「そう、だな…」
「と言っても、まぁ…今夜は遅いし、それはまた明日!」
下手に変わった試練なんて与えられたら、疲れて寝不足な今はちと辛い。
試練で思い出されるのは、テメンニグル内部でのロクでもない思い出。
針の飛び出す廊下を走らされたり、デビルトリガーをひいた悪魔だらけの中に放り込まれたり、ディーヴァがスフィンクスの謎解きをさせられたり…本当に大変な思いをした。
ならば、今はゆっくり体を休めて、気持ちも切り替えて、朝食をしっかり食べてから挑んだほうがいい。
「ダンテ!寝よ!おやすみしよ!!」
「お、おう…」
珍しくカップを呷るように傾けてハーブティーを一息で飲み込み、ディーヴァはダンテの背を叩いた。
