mission 34:lost ~剣と髪~
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「こんにちは。お久しぶりです、ロダンさん」
驚いて固まるダンテとは反対に、ディーヴァはさらりと挨拶。
さすが現役ウェイトレスっ…て、ウェイトレスは関係ないか。
「ささ、どうぞ。荷物置いてお座りください」
「悪いな」
ディーヴァが大荷物のロダンの為にと、スペースを空けると、彼はそれらをテーブルの上におろし、ふうと一息ついてダンテの隣に腰かけた。
タワーと化した荷物は、見れば見るほど山高い。
ロダンの体の大きさと相成って、大きなはずのダンテが、少し小さく見えた。
「アイスティーとかでいいですか?あたし、お茶買ってきますね~」
「いや、別にい…」
「かまわねぇ。ディーヴァに買いに行かせておけ」
気を利かせたディーヴァが、ドリンクを買いに走った。
遠慮しようとするも、珍しくダンテがそれを阻止したので、お言葉に甘えることにする。
こんな人混みの中な上に、心配性のダンテが、ディーヴァから目を離すとは本当に珍しいこともあるものだ。
「アンタもこういうとこに買い物に来るんだな。…酒ばっか」
ロダンの荷物の一つを手にとって眺めながら、ダンテが漏らす。
「バーで使う材料だ」
「ふーん。まぁ、アンタはバーテンダーだもんな」
「これだけ安く手に入るなら、来た方がいい。それに、人間界で平和に暮らす悪魔ってのは、普通にこういう場所も来る。お前だってそうだろ?」
「どっちかって言うとオレはディーヴァの付き添い」
最初は行く気もあったが、ダンテはあまりの人の多さに怖じ気付いたのだ。
だがディーヴァが欲しいものが買えた、それだけで良しとしよう。
ちら、とダンテの目が一瞬ロダンを見る。
ダンテの目は、そんな世間話ではなく、何かディーヴァにはあまり聞かせたくない話をしたいと語っていた。
「なあ、しばらくまた魔具を預かってくれねぇか?」
「なんでだ」
サングラス故か、その目に何を映しているのかわからないロダンは、まっすぐ前を向いたまま、そう返した。
傍目から見ると、この2人が並んでカフェテーブルに座っているのは、雰囲気的に場違いな感じだ。
正直に言おう…怖い。
異様な雰囲気の中、ダンテがぼそぼそと話す。
「ディーヴァと2人っきりの時間を過ごしたい」
「ほう?」
「せっかくの同棲生活だってのに、夜の営みになると、あいつら魔具は聞き耳立てやがる。
その中のどこぞの淫魔なんかは、聞き耳どころか覗こうとまでするんだぜ?気になって、思う存分ディーヴァを抱けねぇんだ」
ま、気になったとして、割と好き勝手に抱いてるけど。
「淫魔に限らず悪魔というのは、色事にはおおっぴらすぎるほど寛大だろう。それに、人間を堕落させるのにまず使うのが色欲。興味があって当然だ。
逆に興味が全くなかったら、それは悪魔とは言わん」
「まぁ、七つの大罪に色欲ってのがあるくらいだからな…」
大罪どころか、悪魔の名前にまでなっている…雑魚だけれど。
「何にせよ、ディーヴァが魔具が覗こうとしてるってのを知らないのがまだ救いだぜ…」
そんなことがバレたら恥ずかしがり屋のディーヴァのことだ、もうしない!とか言って自分の結界という天の岩戸に篭りきりになる。
「悪魔が天使を堕落させるところでも見たいんじゃないか。そんなの好きに見せてやったらいい」
「あのなぁ、人がこんなに困ってるってのに…」
だのに、ロダンときたら、下世話な言い方で鼻で笑った。
やはり、こいつも鬼だ、悪魔だ。
先ほどの買い物疲れも相まって、盛大にため息を吐き出し、睨むダンテ。
「…しかたない、協力しよう」
「協力すんのかよ」
「お前がそう言ったのだろう?」
あともう少しゴネないと、ロダンは首を縦に振らないだろうとふんでいたが、意外とあっさり承諾してくれた。
「ちょうど魔具の研究がしたく、人手が足りなかったんだ。人手じゃなくて、魔具不足なんだがな」
「ははぁ…なら交渉成立だな」
ちょうどディーヴァが会計を終えて、ドリンクを抱えようとしているところが見える。
今度ディーヴァが仕事に出ている時に魔具を持っていくことにし、ダンテは彼女を手伝うべく立ち上がった。
「お待たせしました~」
「気を利かせちまって悪かったな」
ドリンクを渡し、3人でまた座る。
ディーヴァがいるのといないのとでは、ここに流れる空気がずいぶん違うなぁ、とダンテは思った。
「いいんですよー、たまにダンテがお世話になってるみたいですし…」
「ぶっ!オレは世話になんかなってねぇよ、…まあいいけど」
そのあとは他愛のない話をしながら休憩して別れた。
「さて、オレ達も帰らないとな」
「そうだね。あーあ、いっぱい買い物出来てよかったぁ!」
ロダンの量には負けるが、いつもより荷物が多いということで、小さな買い物袋を手に下げて、ディーヴァは上にうーんと伸びをする。
「ダンテ、お買い物付き合ってくれてありがと!!」
「お安い御用さ。あとでお礼はいただくがな」
「ん?どんなこと?」
「なーに、大したこたじゃない。でも、そうだな…まずはトマト系のあったかいシチューが食いたいな」
寒くなってきたから、と追加して、ダンテは荷物の多い中、ディーヴァに密着する。
熱を移すだけの小さなデコチューをすると、お返しにディーヴァから腕を絡ませてきた。
荷物が多いから少々歩きづらいが、なんとも嬉しい困惑なため、そのまま家路まで歩く。
「なら、おうち帰ったら腕によりをかけて美味しいシチュー作らないと!ダンテ、手伝ってね」
「ああ、もちろんだ」
ディーヴァは知らない。
さっきからダンテが脳内で悪魔の微笑を浮かべていることに。
驚いて固まるダンテとは反対に、ディーヴァはさらりと挨拶。
さすが現役ウェイトレスっ…て、ウェイトレスは関係ないか。
「ささ、どうぞ。荷物置いてお座りください」
「悪いな」
ディーヴァが大荷物のロダンの為にと、スペースを空けると、彼はそれらをテーブルの上におろし、ふうと一息ついてダンテの隣に腰かけた。
タワーと化した荷物は、見れば見るほど山高い。
ロダンの体の大きさと相成って、大きなはずのダンテが、少し小さく見えた。
「アイスティーとかでいいですか?あたし、お茶買ってきますね~」
「いや、別にい…」
「かまわねぇ。ディーヴァに買いに行かせておけ」
気を利かせたディーヴァが、ドリンクを買いに走った。
遠慮しようとするも、珍しくダンテがそれを阻止したので、お言葉に甘えることにする。
こんな人混みの中な上に、心配性のダンテが、ディーヴァから目を離すとは本当に珍しいこともあるものだ。
「アンタもこういうとこに買い物に来るんだな。…酒ばっか」
ロダンの荷物の一つを手にとって眺めながら、ダンテが漏らす。
「バーで使う材料だ」
「ふーん。まぁ、アンタはバーテンダーだもんな」
「これだけ安く手に入るなら、来た方がいい。それに、人間界で平和に暮らす悪魔ってのは、普通にこういう場所も来る。お前だってそうだろ?」
「どっちかって言うとオレはディーヴァの付き添い」
最初は行く気もあったが、ダンテはあまりの人の多さに怖じ気付いたのだ。
だがディーヴァが欲しいものが買えた、それだけで良しとしよう。
ちら、とダンテの目が一瞬ロダンを見る。
ダンテの目は、そんな世間話ではなく、何かディーヴァにはあまり聞かせたくない話をしたいと語っていた。
「なあ、しばらくまた魔具を預かってくれねぇか?」
「なんでだ」
サングラス故か、その目に何を映しているのかわからないロダンは、まっすぐ前を向いたまま、そう返した。
傍目から見ると、この2人が並んでカフェテーブルに座っているのは、雰囲気的に場違いな感じだ。
正直に言おう…怖い。
異様な雰囲気の中、ダンテがぼそぼそと話す。
「ディーヴァと2人っきりの時間を過ごしたい」
「ほう?」
「せっかくの同棲生活だってのに、夜の営みになると、あいつら魔具は聞き耳立てやがる。
その中のどこぞの淫魔なんかは、聞き耳どころか覗こうとまでするんだぜ?気になって、思う存分ディーヴァを抱けねぇんだ」
ま、気になったとして、割と好き勝手に抱いてるけど。
「淫魔に限らず悪魔というのは、色事にはおおっぴらすぎるほど寛大だろう。それに、人間を堕落させるのにまず使うのが色欲。興味があって当然だ。
逆に興味が全くなかったら、それは悪魔とは言わん」
「まぁ、七つの大罪に色欲ってのがあるくらいだからな…」
大罪どころか、悪魔の名前にまでなっている…雑魚だけれど。
「何にせよ、ディーヴァが魔具が覗こうとしてるってのを知らないのがまだ救いだぜ…」
そんなことがバレたら恥ずかしがり屋のディーヴァのことだ、もうしない!とか言って自分の結界という天の岩戸に篭りきりになる。
「悪魔が天使を堕落させるところでも見たいんじゃないか。そんなの好きに見せてやったらいい」
「あのなぁ、人がこんなに困ってるってのに…」
だのに、ロダンときたら、下世話な言い方で鼻で笑った。
やはり、こいつも鬼だ、悪魔だ。
先ほどの買い物疲れも相まって、盛大にため息を吐き出し、睨むダンテ。
「…しかたない、協力しよう」
「協力すんのかよ」
「お前がそう言ったのだろう?」
あともう少しゴネないと、ロダンは首を縦に振らないだろうとふんでいたが、意外とあっさり承諾してくれた。
「ちょうど魔具の研究がしたく、人手が足りなかったんだ。人手じゃなくて、魔具不足なんだがな」
「ははぁ…なら交渉成立だな」
ちょうどディーヴァが会計を終えて、ドリンクを抱えようとしているところが見える。
今度ディーヴァが仕事に出ている時に魔具を持っていくことにし、ダンテは彼女を手伝うべく立ち上がった。
「お待たせしました~」
「気を利かせちまって悪かったな」
ドリンクを渡し、3人でまた座る。
ディーヴァがいるのといないのとでは、ここに流れる空気がずいぶん違うなぁ、とダンテは思った。
「いいんですよー、たまにダンテがお世話になってるみたいですし…」
「ぶっ!オレは世話になんかなってねぇよ、…まあいいけど」
そのあとは他愛のない話をしながら休憩して別れた。
「さて、オレ達も帰らないとな」
「そうだね。あーあ、いっぱい買い物出来てよかったぁ!」
ロダンの量には負けるが、いつもより荷物が多いということで、小さな買い物袋を手に下げて、ディーヴァは上にうーんと伸びをする。
「ダンテ、お買い物付き合ってくれてありがと!!」
「お安い御用さ。あとでお礼はいただくがな」
「ん?どんなこと?」
「なーに、大したこたじゃない。でも、そうだな…まずはトマト系のあったかいシチューが食いたいな」
寒くなってきたから、と追加して、ダンテは荷物の多い中、ディーヴァに密着する。
熱を移すだけの小さなデコチューをすると、お返しにディーヴァから腕を絡ませてきた。
荷物が多いから少々歩きづらいが、なんとも嬉しい困惑なため、そのまま家路まで歩く。
「なら、おうち帰ったら腕によりをかけて美味しいシチュー作らないと!ダンテ、手伝ってね」
「ああ、もちろんだ」
ディーヴァは知らない。
さっきからダンテが脳内で悪魔の微笑を浮かべていることに。