mission 33:devil castle ~悪魔だらけの依頼~
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ダンテは咄嗟にボーイの持っていた銀の盆を奪って構え、悪魔の鋭利な爪を防いだ。
ここの主が突然この前倒した合成獣と同じ悪魔に変わったのだ。
爪で一瞬にしてボロボロになった盆を投げ捨て、ダンテはすぐに銃の出せる位置に手をやった。
「なんで悪魔が紛れてる?」
「それは…、」
その言葉と共に周りの人間の体が…盆を奪ったボーイの体すらボコボコと膨らみ、パァンと弾ける。
あちこちで爆発のような音と共に一斉に悪魔へと変わっていく。
周りの人間全てが変化していく中、依頼者のみがスッと後ろに下がって場を退出した。
だがそれは、ダンテの目には入らなかったようだ。
一度落ち窪んだ目が顔や体の骨格隆起と共に再び突飛つする。
そして獣の顔でニヤリと笑みを浮かべた。
『全員が貴様を殺すために集まった悪魔だからだ!!』
叫びのままに牙を剥いた悪魔。
その必殺の噛み付き攻撃を紙一重に避け、愛銃でこちらも弾丸を悪魔に放つ。
だが、悪魔は普通の弾丸を食らわせても、あまり効いている感じがしなかった。
周りの悪魔がぐるりと取り囲む中で、元ここの主人だった一際大きな悪魔とダンテ、2人だけでの猛攻。
逃げる選択肢は元々持っていないが、それでも受け流すためのスペースが足りない。
「くっ……!オレなんかの為に、こんな大層な城や衣装、料理まで用意してか?悪魔って奴は暇人だねぇ!」
『城はこの地に人間が建てたばかりの物、衣装はここの人間のを拝借した。
フフフ、料理はその人間達だ』
食事は食べなくて正解だったようだ。
ダンテが人間の肉なぞ食べていたら、それはこいつら悪魔と同じ、人を襲う悪魔と同類になっていた。
その場所の物を食せば、その場所の生き物と同じになり、2度と戻ることはない…黄泉竈食ひと同じだ。
考えるだけでゾッとする。
「ご丁寧にどーも。もし食ってたら今頃便所に駆け込んでかっこ悪くゲロってたぜ」
そして、悪魔の料理なんてツナギに何が入っているかわからないし、天使であるディーヴァには大毒だろう。
そうだ、ディーヴァはどこだ?
この状況でここにいるとは思えないが、気になって一応確認がてら周囲に視線を巡らす。
『ククク…連れの天使ならば、とっくに悪魔の腹の中だろうな』
「なんだと?」
悪魔はその考えに気がついたようだ。
間合いをじりじりと開きながらどう攻めようか考えつつ、片方で愛し者の行方に意識を集中する。
禍々しい悪魔ばかりの濁った空気の中、ダンテにとってディーヴァの清らかで神聖な慣れきった気配は、見つけるのが容易だ。
…大丈夫だ、まだディーヴァ、そしてお供であるウサギの気配はこの城のどこかにある。
あのウサギとてディーヴァの盾くらいにはなろう。
ディーヴァの無事は確認できた、周りは人間なんて1人もいない、その上全員が悪魔だったという状況。
ならば。
「全員、まとめてかかってきな」
それが開幕の合図だった。
***
「きゅぅいっ!!」
ディーヴァを守るようにピーターは鋭く叫ぶと、小さな体のどこにそんな力があったのだろう、悪魔の鼻面めがけて強力な飛び蹴りをお見舞いした。
『グォッ!?』
ものすごい勢いで相手の顔にめり込み、その巨体を横に倒して安全圏にシュタッという音と共に降り立つ。
ボキリ、骨の砕けるような音がした。
そんなあまりのピーターの変貌ぶりに、ディーヴァは状況を怖がるでもなく、ただただ開いた口が塞がらなかった。
「きゅっきゅきゅきゅ!」
「ほぇ…あ、うん」
ボーッとしているディーヴァに声で立ち上がるよう促し、短い角でぐいぐいと押す。
この隙に逃げよう、と言っているようだ。
そうだ、例え骨が折れようと悪魔は悪魔。
半分悪魔なだけのダンテだって怪我がすぐ治るのだから(といってもダンテは伝説級の悪魔遺伝子を持つからかもしれないが)相手も治り始めている可能性が高い。
今のうちに逃げなくば怒った悪魔がこちらを襲う…次はない。
「行こうピーター!」
固まっていた体に血液を素早く循環させるように、勢い良く立ち上がったディーヴァは、その勢いのままピーターに続いて今度こそ部屋を出た。
そこで背後にドゴンと盛大な破壊音。
振り向き確認はしなかったが、ちょうど傷が癒えてこちらに突進するところだったようで、ディーヴァでなく部屋の扉を突き破って廊下の壁に激突した悪魔。
あそこにまだ座ったままいたらと思うと恐ろしい。
『早く、逃げる!こっち!』
「ふぇぇっ!あ、あたしの声っ!?」
ピーターが喋った…キェェェェェェアァァァァァァシャベッタァァァァァァ!!!
しかしそれどころではなくピーターは止まらない、つまりディーヴァも止まれない。
こちとら最速の逃げ足組だ。
追ってきている気配はあるが、逃げたり隠れたりには自信があるし、とりあえず逃げなきゃだしで、とにかく足を動かす。
「えっと…今の声ってピーターが出した…んだよね?しかも、あたしの声……!」
走り辛くて鬱陶しいシャンパンゴールドのパンプスで、ところどころに曲がりくねる廊下を右に左に爆走しつつ、ディーヴァは聞いた。
こくんと頷きながら小さくきゅ、と鳴き声を出すピーター。
『ボク達、ヒトの声真似得意、あんまりジョーズじゃない、けど』
鳴き声と共にその口から飛び出すは、カクカクしたロボ声にも似た音程のディーヴァの声。
言うなればディーヴァの声を基にした●ーカロイドといったところか。
なにそれほしい本気でほしい変な言葉言わせたい、とかダンテなら言いそうである。
『赤いのまで、逃げて。あとは、任せて』
赤いのとは十中八九ダンテの事に違いない。
それより、任せてということはピーターはここに残ってあの悪魔と対決する…ということか。
「ピーターにあんなおっきい悪魔相手なんて…!それにトラウマは平気なの? 」
『だいじょーぶ』
「わかった。……!ああ…ピーター、ちゃんと戻ってきてね!絶対だからね!」
声真似は魔力も少し使用するのか、微妙に辛そうだ。
ピーターは返事代わりにとディーヴァの顔に唇を寄せ、ちゅっと頬に触れた。
ここの主が突然この前倒した合成獣と同じ悪魔に変わったのだ。
爪で一瞬にしてボロボロになった盆を投げ捨て、ダンテはすぐに銃の出せる位置に手をやった。
「なんで悪魔が紛れてる?」
「それは…、」
その言葉と共に周りの人間の体が…盆を奪ったボーイの体すらボコボコと膨らみ、パァンと弾ける。
あちこちで爆発のような音と共に一斉に悪魔へと変わっていく。
周りの人間全てが変化していく中、依頼者のみがスッと後ろに下がって場を退出した。
だがそれは、ダンテの目には入らなかったようだ。
一度落ち窪んだ目が顔や体の骨格隆起と共に再び突飛つする。
そして獣の顔でニヤリと笑みを浮かべた。
『全員が貴様を殺すために集まった悪魔だからだ!!』
叫びのままに牙を剥いた悪魔。
その必殺の噛み付き攻撃を紙一重に避け、愛銃でこちらも弾丸を悪魔に放つ。
だが、悪魔は普通の弾丸を食らわせても、あまり効いている感じがしなかった。
周りの悪魔がぐるりと取り囲む中で、元ここの主人だった一際大きな悪魔とダンテ、2人だけでの猛攻。
逃げる選択肢は元々持っていないが、それでも受け流すためのスペースが足りない。
「くっ……!オレなんかの為に、こんな大層な城や衣装、料理まで用意してか?悪魔って奴は暇人だねぇ!」
『城はこの地に人間が建てたばかりの物、衣装はここの人間のを拝借した。
フフフ、料理はその人間達だ』
食事は食べなくて正解だったようだ。
ダンテが人間の肉なぞ食べていたら、それはこいつら悪魔と同じ、人を襲う悪魔と同類になっていた。
その場所の物を食せば、その場所の生き物と同じになり、2度と戻ることはない…黄泉竈食ひと同じだ。
考えるだけでゾッとする。
「ご丁寧にどーも。もし食ってたら今頃便所に駆け込んでかっこ悪くゲロってたぜ」
そして、悪魔の料理なんてツナギに何が入っているかわからないし、天使であるディーヴァには大毒だろう。
そうだ、ディーヴァはどこだ?
この状況でここにいるとは思えないが、気になって一応確認がてら周囲に視線を巡らす。
『ククク…連れの天使ならば、とっくに悪魔の腹の中だろうな』
「なんだと?」
悪魔はその考えに気がついたようだ。
間合いをじりじりと開きながらどう攻めようか考えつつ、片方で愛し者の行方に意識を集中する。
禍々しい悪魔ばかりの濁った空気の中、ダンテにとってディーヴァの清らかで神聖な慣れきった気配は、見つけるのが容易だ。
…大丈夫だ、まだディーヴァ、そしてお供であるウサギの気配はこの城のどこかにある。
あのウサギとてディーヴァの盾くらいにはなろう。
ディーヴァの無事は確認できた、周りは人間なんて1人もいない、その上全員が悪魔だったという状況。
ならば。
「全員、まとめてかかってきな」
それが開幕の合図だった。
***
「きゅぅいっ!!」
ディーヴァを守るようにピーターは鋭く叫ぶと、小さな体のどこにそんな力があったのだろう、悪魔の鼻面めがけて強力な飛び蹴りをお見舞いした。
『グォッ!?』
ものすごい勢いで相手の顔にめり込み、その巨体を横に倒して安全圏にシュタッという音と共に降り立つ。
ボキリ、骨の砕けるような音がした。
そんなあまりのピーターの変貌ぶりに、ディーヴァは状況を怖がるでもなく、ただただ開いた口が塞がらなかった。
「きゅっきゅきゅきゅ!」
「ほぇ…あ、うん」
ボーッとしているディーヴァに声で立ち上がるよう促し、短い角でぐいぐいと押す。
この隙に逃げよう、と言っているようだ。
そうだ、例え骨が折れようと悪魔は悪魔。
半分悪魔なだけのダンテだって怪我がすぐ治るのだから(といってもダンテは伝説級の悪魔遺伝子を持つからかもしれないが)相手も治り始めている可能性が高い。
今のうちに逃げなくば怒った悪魔がこちらを襲う…次はない。
「行こうピーター!」
固まっていた体に血液を素早く循環させるように、勢い良く立ち上がったディーヴァは、その勢いのままピーターに続いて今度こそ部屋を出た。
そこで背後にドゴンと盛大な破壊音。
振り向き確認はしなかったが、ちょうど傷が癒えてこちらに突進するところだったようで、ディーヴァでなく部屋の扉を突き破って廊下の壁に激突した悪魔。
あそこにまだ座ったままいたらと思うと恐ろしい。
『早く、逃げる!こっち!』
「ふぇぇっ!あ、あたしの声っ!?」
ピーターが喋った…キェェェェェェアァァァァァァシャベッタァァァァァァ!!!
しかしそれどころではなくピーターは止まらない、つまりディーヴァも止まれない。
こちとら最速の逃げ足組だ。
追ってきている気配はあるが、逃げたり隠れたりには自信があるし、とりあえず逃げなきゃだしで、とにかく足を動かす。
「えっと…今の声ってピーターが出した…んだよね?しかも、あたしの声……!」
走り辛くて鬱陶しいシャンパンゴールドのパンプスで、ところどころに曲がりくねる廊下を右に左に爆走しつつ、ディーヴァは聞いた。
こくんと頷きながら小さくきゅ、と鳴き声を出すピーター。
『ボク達、ヒトの声真似得意、あんまりジョーズじゃない、けど』
鳴き声と共にその口から飛び出すは、カクカクしたロボ声にも似た音程のディーヴァの声。
言うなればディーヴァの声を基にした●ーカロイドといったところか。
なにそれほしい本気でほしい変な言葉言わせたい、とかダンテなら言いそうである。
『赤いのまで、逃げて。あとは、任せて』
赤いのとは十中八九ダンテの事に違いない。
それより、任せてということはピーターはここに残ってあの悪魔と対決する…ということか。
「ピーターにあんなおっきい悪魔相手なんて…!それにトラウマは平気なの? 」
『だいじょーぶ』
「わかった。……!ああ…ピーター、ちゃんと戻ってきてね!絶対だからね!」
声真似は魔力も少し使用するのか、微妙に辛そうだ。
ピーターは返事代わりにとディーヴァの顔に唇を寄せ、ちゅっと頬に触れた。