mission 33:devil castle ~悪魔だらけの依頼~
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客人を見送ったあと、ずっとソファーの上で待っていたピーターを抱っこし遊ぶディーヴァ。
そんなディーヴァにダンテがひっそりと聞いた。
「なあ、どう思った?」
「え、依頼内容?それとも依頼者の人?」
「どっちも」
「依頼も変な内容だと思うし、矛盾してるなーって思う」
わざわざお城で便利屋集めてパーティーするなんて変わってるし、それに知り合いの便利屋…多分ダンテよりある意味有名なレディの名前を出しても首を傾げ、挙句彼女を誘う事も許されなかった。
なのにディーヴァは来てもいいと言うのだ、矛盾以外の何物でもない。
「依頼者の方も変わった人だなーとか、何でか知らないけどピーターが仇でも前にしたみたいにすっごく睨んでた、って事とか…?」
「けっこう色々見てるもんだな」
確かに、使いの者ということで着慣れているはずのスーツの着方が不恰好にも見えていた。
やけに無愛想で話し方も少しだけ、ほんの少しだけカクカクしていた。
ピーターはまるで合成獣を相手にしていた時のような怯えた睨み方だった。
などなど、言い出したらきりがない。
「それとあとね、」
「まだあんのかよ」
「なーんか……なーんかデジャヴ感じたー」
「デジャヴ?」
「だってホラ…前にアーカムさんがテメンニグルにご招待!みたいに来たじゃない?
あの時となーんとなく似てないかな?って」
「ご招待!というか奇襲かけてきやがったけど、確かになーんとなく似てるかもな、なーんとなく」
ディーヴァの言い方に似せて言ったら真似しないでよ、とむっと唇を尖らせてしまった。
その唇を啄むようにキスしてみたらもっとむくれた、ちょっぴりショックだ。
「でもあの時とは違うものがある。本物の招待状だ」
「だね」
ダンテの手の中には先ほど手渡された招待状がある。
真っ白なカードに金の文字、カードの縁には蔓植物のような形の豪奢な同じ金の装飾が為されている。
何気に金がかかっていそうなカードだ。
そんな綺麗なカードなのに、何故だかディーヴァの手には渡したら危ない物に思える。
そして、実を言えばディーヴァとは違う意味の既視感が自分にもあった。
招待状を受け取った時、相手の指と微かに触れた。
その時にどこか懐かしい魔力のようなものを感じた気がしたのだ。
「まさかな…」
「ダンテ、どうかした?」
「ん、ああ…なんでもねぇよ」
ピーターを抱きしめたまま、心配そうにダンテをじっと見つめるディーヴァ。
当たり前だがその目の中には、ダンテの姿が映っている。
銀糸と青い瞳の男が。
ダンテと同じ顔を持つ者は今、魔界にいる。
いくら強い奴だと言っても、オレと同じ半魔であり魔界という極限の地で暮らす悪魔に勝てるとは思えない。
もうとっくに死んだ可能性も高く、生きてるかどうか危ういものだ。
それでも、先ほど感じたものは。
ダンテをはるかに凌ぐ強大で強力な魔力、元を辿ればダンテと同じ魔力。
その片鱗を感じた。
さっきの依頼者がかの人と繋がりある悪魔だったのかもしれないし、あの者の周りにかの人と繋がりある悪魔がいたのかもしれない。
まさかとは思うが、かの人自身が来た可能性だってなきにしもあらず、だ。
何もかもがよくわからなかった。
そしてもし依頼者が悪魔だとしたならそうとう巧妙に魔力を隠していることになるのだが、悪魔ならばダンテの張った結界に阻まれて事務所への進入は不可能。
ましてや悪魔をディーヴァが招き入れるわけがない。
知らず招いた結果ならば別だが。
「悩んでもしかたない、か」
「もー!だから何を悩んでるのよー!!」
「んー?ダンスするなら心して参加しないとな、と思っただけだ、よっ!」
「ひゃあ!」
ササっとディーヴァの手からピーターを下ろすと、今度はディーヴァの細腰を抱えて回る。
「いきなり何するの!わーっ目が回っちゃう!!」
「何ってダンスの復習かな」
くるくると回るダンテはどこか楽しそう。
というか、ダンテには復習になろうが、ディーヴァはダンテに抱えられて宙に浮いている状態。
学生時代の復習にはならない。
「ダンテじゅうぶん上手じゃんかぁ……んぅっ!?」
「ご馳走様」
合間に噛み付くようなキスされた。
…意地悪な視線と舌を舐めとるちょっぴりセクシーな仕草付きで。
「~~~っ!ダンテにはお昼ご飯あげないよっ!?」
「おっ。それは困ったなー。なら、代わりのディーヴァを食べないとダメだなー」
「ぎにゃっ!?」
「ははっ!何だよぎにゃって!」
今度は肉食獣の捕食風景よろしく、がぶりとうなじに噛み付かれた。
もちろん甘噛み。
そして馬鹿にされるディーヴァの叫び声に、とうとうディーヴァその人がキレた。
「ダンテのばかーーー!!」
それが、招待状を受け取った時のダンテ達の記憶だった。
城は山の中にあるらしく行くのは簡単ではない。
住所は明確に表記されておらず少々不審な感じ。
軽く調べてみても城などどこなのかわからず、新しく建てたのだろうと推察する事にしておいた。
また、迎えの車も先方が用意してくれるし、貸し衣裳もアクセサリーも靴もあるからと当日は私服のまま行ってもいいらしい。
そうでなくても面倒なパーティーの参加だ、確かにそれくらいして当たり前か。
そんな山奥の新しく建ったかもしれぬ城に貸し衣裳、頭の先から足元まで完備…結構な距離の送り迎えとは、贅沢にもほどがある。
金持ちの道楽が行きすぎた結果にしては、やはりどこか違和感があった。
ディーヴァですら怪しがる不審な点の多いパーティー、喚び出しはとうとう明日に迫っていた。
そんなディーヴァにダンテがひっそりと聞いた。
「なあ、どう思った?」
「え、依頼内容?それとも依頼者の人?」
「どっちも」
「依頼も変な内容だと思うし、矛盾してるなーって思う」
わざわざお城で便利屋集めてパーティーするなんて変わってるし、それに知り合いの便利屋…多分ダンテよりある意味有名なレディの名前を出しても首を傾げ、挙句彼女を誘う事も許されなかった。
なのにディーヴァは来てもいいと言うのだ、矛盾以外の何物でもない。
「依頼者の方も変わった人だなーとか、何でか知らないけどピーターが仇でも前にしたみたいにすっごく睨んでた、って事とか…?」
「けっこう色々見てるもんだな」
確かに、使いの者ということで着慣れているはずのスーツの着方が不恰好にも見えていた。
やけに無愛想で話し方も少しだけ、ほんの少しだけカクカクしていた。
ピーターはまるで合成獣を相手にしていた時のような怯えた睨み方だった。
などなど、言い出したらきりがない。
「それとあとね、」
「まだあんのかよ」
「なーんか……なーんかデジャヴ感じたー」
「デジャヴ?」
「だってホラ…前にアーカムさんがテメンニグルにご招待!みたいに来たじゃない?
あの時となーんとなく似てないかな?って」
「ご招待!というか奇襲かけてきやがったけど、確かになーんとなく似てるかもな、なーんとなく」
ディーヴァの言い方に似せて言ったら真似しないでよ、とむっと唇を尖らせてしまった。
その唇を啄むようにキスしてみたらもっとむくれた、ちょっぴりショックだ。
「でもあの時とは違うものがある。本物の招待状だ」
「だね」
ダンテの手の中には先ほど手渡された招待状がある。
真っ白なカードに金の文字、カードの縁には蔓植物のような形の豪奢な同じ金の装飾が為されている。
何気に金がかかっていそうなカードだ。
そんな綺麗なカードなのに、何故だかディーヴァの手には渡したら危ない物に思える。
そして、実を言えばディーヴァとは違う意味の既視感が自分にもあった。
招待状を受け取った時、相手の指と微かに触れた。
その時にどこか懐かしい魔力のようなものを感じた気がしたのだ。
「まさかな…」
「ダンテ、どうかした?」
「ん、ああ…なんでもねぇよ」
ピーターを抱きしめたまま、心配そうにダンテをじっと見つめるディーヴァ。
当たり前だがその目の中には、ダンテの姿が映っている。
銀糸と青い瞳の男が。
ダンテと同じ顔を持つ者は今、魔界にいる。
いくら強い奴だと言っても、オレと同じ半魔であり魔界という極限の地で暮らす悪魔に勝てるとは思えない。
もうとっくに死んだ可能性も高く、生きてるかどうか危ういものだ。
それでも、先ほど感じたものは。
ダンテをはるかに凌ぐ強大で強力な魔力、元を辿ればダンテと同じ魔力。
その片鱗を感じた。
さっきの依頼者がかの人と繋がりある悪魔だったのかもしれないし、あの者の周りにかの人と繋がりある悪魔がいたのかもしれない。
まさかとは思うが、かの人自身が来た可能性だってなきにしもあらず、だ。
何もかもがよくわからなかった。
そしてもし依頼者が悪魔だとしたならそうとう巧妙に魔力を隠していることになるのだが、悪魔ならばダンテの張った結界に阻まれて事務所への進入は不可能。
ましてや悪魔をディーヴァが招き入れるわけがない。
知らず招いた結果ならば別だが。
「悩んでもしかたない、か」
「もー!だから何を悩んでるのよー!!」
「んー?ダンスするなら心して参加しないとな、と思っただけだ、よっ!」
「ひゃあ!」
ササっとディーヴァの手からピーターを下ろすと、今度はディーヴァの細腰を抱えて回る。
「いきなり何するの!わーっ目が回っちゃう!!」
「何ってダンスの復習かな」
くるくると回るダンテはどこか楽しそう。
というか、ダンテには復習になろうが、ディーヴァはダンテに抱えられて宙に浮いている状態。
学生時代の復習にはならない。
「ダンテじゅうぶん上手じゃんかぁ……んぅっ!?」
「ご馳走様」
合間に噛み付くようなキスされた。
…意地悪な視線と舌を舐めとるちょっぴりセクシーな仕草付きで。
「~~~っ!ダンテにはお昼ご飯あげないよっ!?」
「おっ。それは困ったなー。なら、代わりのディーヴァを食べないとダメだなー」
「ぎにゃっ!?」
「ははっ!何だよぎにゃって!」
今度は肉食獣の捕食風景よろしく、がぶりとうなじに噛み付かれた。
もちろん甘噛み。
そして馬鹿にされるディーヴァの叫び声に、とうとうディーヴァその人がキレた。
「ダンテのばかーーー!!」
それが、招待状を受け取った時のダンテ達の記憶だった。
城は山の中にあるらしく行くのは簡単ではない。
住所は明確に表記されておらず少々不審な感じ。
軽く調べてみても城などどこなのかわからず、新しく建てたのだろうと推察する事にしておいた。
また、迎えの車も先方が用意してくれるし、貸し衣裳もアクセサリーも靴もあるからと当日は私服のまま行ってもいいらしい。
そうでなくても面倒なパーティーの参加だ、確かにそれくらいして当たり前か。
そんな山奥の新しく建ったかもしれぬ城に貸し衣裳、頭の先から足元まで完備…結構な距離の送り迎えとは、贅沢にもほどがある。
金持ちの道楽が行きすぎた結果にしては、やはりどこか違和感があった。
ディーヴァですら怪しがる不審な点の多いパーティー、喚び出しはとうとう明日に迫っていた。