mission 33:devil castle ~悪魔だらけの依頼~
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廃墟の内部で障害物もなく大きく拓けた空間にて、ダンテは愛銃の最終チェックを行って待っていた。
「きゅーーーーっ!!」
「お、戻って来、ふごっ!?」
ダンテがピーターの帰還に気がつくのとピーターがダンテの腹に突撃してきたのはほぼ同時。
実に威力ある体当たり。
その弾丸のような勢いに家で食べた腹の中身がリバースしそうだった。
むしろ、体力ゲージゴリゴリ持って行かれた。
ディーヴァ今すぐバイタルスタープリーズ、でもディーヴァいないオワタ。
「効いたぜオメェの突進…」
そのまま降りて足元にへばり付くピーターに向け、腹を抑えてガッツポーズ。
だがダンテに瀕死の重傷を負わせた本人は、そんなしょーもない冗談を聞いているどころではなく必死の形相。
「何かあったのか?」
「きゅっきゅきゅきゅーーっ!」
なんと言っているかはよくわからない。
が、その体があまりにもプルプル震えている。
怖い思いをした、それだけはなんとなく察した。
「あー、悪かった。怖かった、…んだよな?」
「きゅっ!」
ぴょんと自慢の脚力で跳躍し、ダンテの胸元に飛び込む。
あまり気を許していないはずのダンテの胸に飛び込んでまで震えるとは、よほど怖かったらしい。
さすがのダンテも、バツが悪そうに抱きしめた。
ズウウウゥン……!!
「お出ましか」
その時土煙を巻き上げながら2人の目の前に降り立ったのは、ピーターを追ってここまで誘き出された合成獣の悪魔。
唸り声が絶えず漏れる大きな口には、吐き出される臭い呼気と共に鋭い牙がずらりと並んでいた。
その途端。
「あっ!ちょ、待てって…お前邪魔だなオイ!」
相手の姿が見えぬよう、ダンテの赤いコートの裏側に潜り込むピーター。
これまた尋常じゃない怯え方、ディーヴァでさえここまで怖がりなぞしないであろう。
ダンテは気がついた。
合成獣の牙の形状がただ鋭いだけでなく、ギザギザしていることに。
確かロダンはピーターの背に『ギザギザした形状の鋭い牙の噛み跡がある』と言っていなかっただろうか。
すべての犬の牙がギザギザの形状なのかどうかはわからないが、ダンテには相手の合成獣の牙がギザギザに見えた。
「そういうことか。つまり以前の傷はコイツにやられたんだな」
「………きゅ」
図星のようで極々小さな声がコートの中から聞こえた。
「フッ!なるほど!」
一息笑ってから、ダンテは鋭い視線を目の前の合成獣に向ける。
「オーケー、とりあえずコイツを片付けちまえばお前も怖いもの知らずに元通り、ディーヴァも安全、依頼は完了…良い事ずくめってワケだ」
ついでにイイコトというご褒美もある!…かもしれない。
そんなワケで、相手はダンテでさえぺろりと平らげてしまいそうな恐ろしいナリをしているが、ダンテは玩具でも見つけた子供のように嬉しそう。
コートの端に掴まるピーターはそのままに左手に愛銃エボニー、右手に愛剣リベリオン、そして口に咥えたアイボリーを時たま左手に持ち替えてぶっ放していく。
「混ぜこぜ野郎、コイツを食らいなっ!」
「ガァァゥルルル…!!」
ダンテの必殺の銃弾を受けつつ、手負いと化した犬の牙が、虎の爪がダンテの肉を抉ろうと迫る。
それを躱せば直後に狙ってくる、尾の先についた蛇の頭。
これはダンテがリベリオンの切っ先で振り払った。
どちらが優勢で劣勢かなど一目瞭然。
目まぐるしく動くダンテに振り回され、ここに隠れるのは間違いだったかもとピーターが思い始めた頃、ようやくダンテは動きを止め静かになった。
それと相反して、合成獣は先ほどより騒いでいた。
年中喧嘩するという犬の頭と蛇の尾がまた喧嘩を始めたのだ。
「おいおい、オレを無視しておっ始めんな、よっ!」
そんなツマラナイ戦闘を許すダンテではなく、あろう事かその喧嘩の真っ只中に突っ込むと。
「喧嘩両成敗、ってな!」
クロスファイア、両手に構えたエボニーとアイボリーを腕を交差させて相手の鼻面スレスレで撃つ。
魔力で高火力となった弾丸だ。
間近で…しかも肉体で受けとめてはひとたまりもない。
合成獣の悪魔はダンテの前でその特性をひとつも活かす事なく、文字どおり跡形もなく消し飛んだ。
あとに残るのはエボニー&アイボリーの起こした火花と煙、そして大量のキラキラと赤く輝く悪魔の成れの果てレッドオーブだ。
「なんだよもう終わりか。お早い喧嘩の決着で」
喧嘩の決着を早めたのはダンテだが、今となっては悪魔に声を出す事はおろか、思う事すら出来ぬ事。
ダンテが武器を収めレッドオーブを回収する音だけが響き、あたりはしんと静まりかえった。
ようやく鼻をひくひくさせながらそろりとピーターが顔を出す。
「ん?全部終わったぞ」
「きゅぅぅ…、」
何もできず不甲斐ない。
それに比べダンテは自分なんかよりとても強いし、そしてそれ故自分を一撃で殺せてしまうその力を恐いと初めて思った。
「もしかして反省してんのか?ん?」
「……………」
無言が語る。
ダンテにはピーターの感じる恐怖はわからなかったようだが、反省の意図は感じ取れた。
「んなシケたツラするなっての。トラウマ相手だってのにお前は頑張った、じゅーぶん役に立ったよ。
それにな、ディーヴァのため、奴を退治できたならそれでいいじゃねぇか。な?」
「きゅ」
次はせめて足手まといにならないように、相手に擦り傷でいい、ひとつくらい攻撃が成功するようになろう。
次があるなら、だけれども。
「きゅーーーーっ!!」
「お、戻って来、ふごっ!?」
ダンテがピーターの帰還に気がつくのとピーターがダンテの腹に突撃してきたのはほぼ同時。
実に威力ある体当たり。
その弾丸のような勢いに家で食べた腹の中身がリバースしそうだった。
むしろ、体力ゲージゴリゴリ持って行かれた。
ディーヴァ今すぐバイタルスタープリーズ、でもディーヴァいないオワタ。
「効いたぜオメェの突進…」
そのまま降りて足元にへばり付くピーターに向け、腹を抑えてガッツポーズ。
だがダンテに瀕死の重傷を負わせた本人は、そんなしょーもない冗談を聞いているどころではなく必死の形相。
「何かあったのか?」
「きゅっきゅきゅきゅーーっ!」
なんと言っているかはよくわからない。
が、その体があまりにもプルプル震えている。
怖い思いをした、それだけはなんとなく察した。
「あー、悪かった。怖かった、…んだよな?」
「きゅっ!」
ぴょんと自慢の脚力で跳躍し、ダンテの胸元に飛び込む。
あまり気を許していないはずのダンテの胸に飛び込んでまで震えるとは、よほど怖かったらしい。
さすがのダンテも、バツが悪そうに抱きしめた。
ズウウウゥン……!!
「お出ましか」
その時土煙を巻き上げながら2人の目の前に降り立ったのは、ピーターを追ってここまで誘き出された合成獣の悪魔。
唸り声が絶えず漏れる大きな口には、吐き出される臭い呼気と共に鋭い牙がずらりと並んでいた。
その途端。
「あっ!ちょ、待てって…お前邪魔だなオイ!」
相手の姿が見えぬよう、ダンテの赤いコートの裏側に潜り込むピーター。
これまた尋常じゃない怯え方、ディーヴァでさえここまで怖がりなぞしないであろう。
ダンテは気がついた。
合成獣の牙の形状がただ鋭いだけでなく、ギザギザしていることに。
確かロダンはピーターの背に『ギザギザした形状の鋭い牙の噛み跡がある』と言っていなかっただろうか。
すべての犬の牙がギザギザの形状なのかどうかはわからないが、ダンテには相手の合成獣の牙がギザギザに見えた。
「そういうことか。つまり以前の傷はコイツにやられたんだな」
「………きゅ」
図星のようで極々小さな声がコートの中から聞こえた。
「フッ!なるほど!」
一息笑ってから、ダンテは鋭い視線を目の前の合成獣に向ける。
「オーケー、とりあえずコイツを片付けちまえばお前も怖いもの知らずに元通り、ディーヴァも安全、依頼は完了…良い事ずくめってワケだ」
ついでにイイコトというご褒美もある!…かもしれない。
そんなワケで、相手はダンテでさえぺろりと平らげてしまいそうな恐ろしいナリをしているが、ダンテは玩具でも見つけた子供のように嬉しそう。
コートの端に掴まるピーターはそのままに左手に愛銃エボニー、右手に愛剣リベリオン、そして口に咥えたアイボリーを時たま左手に持ち替えてぶっ放していく。
「混ぜこぜ野郎、コイツを食らいなっ!」
「ガァァゥルルル…!!」
ダンテの必殺の銃弾を受けつつ、手負いと化した犬の牙が、虎の爪がダンテの肉を抉ろうと迫る。
それを躱せば直後に狙ってくる、尾の先についた蛇の頭。
これはダンテがリベリオンの切っ先で振り払った。
どちらが優勢で劣勢かなど一目瞭然。
目まぐるしく動くダンテに振り回され、ここに隠れるのは間違いだったかもとピーターが思い始めた頃、ようやくダンテは動きを止め静かになった。
それと相反して、合成獣は先ほどより騒いでいた。
年中喧嘩するという犬の頭と蛇の尾がまた喧嘩を始めたのだ。
「おいおい、オレを無視しておっ始めんな、よっ!」
そんなツマラナイ戦闘を許すダンテではなく、あろう事かその喧嘩の真っ只中に突っ込むと。
「喧嘩両成敗、ってな!」
クロスファイア、両手に構えたエボニーとアイボリーを腕を交差させて相手の鼻面スレスレで撃つ。
魔力で高火力となった弾丸だ。
間近で…しかも肉体で受けとめてはひとたまりもない。
合成獣の悪魔はダンテの前でその特性をひとつも活かす事なく、文字どおり跡形もなく消し飛んだ。
あとに残るのはエボニー&アイボリーの起こした火花と煙、そして大量のキラキラと赤く輝く悪魔の成れの果てレッドオーブだ。
「なんだよもう終わりか。お早い喧嘩の決着で」
喧嘩の決着を早めたのはダンテだが、今となっては悪魔に声を出す事はおろか、思う事すら出来ぬ事。
ダンテが武器を収めレッドオーブを回収する音だけが響き、あたりはしんと静まりかえった。
ようやく鼻をひくひくさせながらそろりとピーターが顔を出す。
「ん?全部終わったぞ」
「きゅぅぅ…、」
何もできず不甲斐ない。
それに比べダンテは自分なんかよりとても強いし、そしてそれ故自分を一撃で殺せてしまうその力を恐いと初めて思った。
「もしかして反省してんのか?ん?」
「……………」
無言が語る。
ダンテにはピーターの感じる恐怖はわからなかったようだが、反省の意図は感じ取れた。
「んなシケたツラするなっての。トラウマ相手だってのにお前は頑張った、じゅーぶん役に立ったよ。
それにな、ディーヴァのため、奴を退治できたならそれでいいじゃねぇか。な?」
「きゅ」
次はせめて足手まといにならないように、相手に擦り傷でいい、ひとつくらい攻撃が成功するようになろう。
次があるなら、だけれども。