mission 33:devil castle ~悪魔だらけの依頼~
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電話が終わったらしいダンテがどたどたと足音をたててやってくるのは、ほとんど同時だった。
早いなお前。
「どしたディーヴァ…わー!まじでどしたんだよー!?」
くらっとしてふらりとして、そして倒れこむディーヴァを間一髪、脇に腕を差し入れて抱える。
熱中症対策は万全、傍にいたのはピーター、ということは。
「お前か!お前とうとう尻尾出しやがったのか!ディーヴァに何した!!」
ディーヴァをお姫様だっこしつつ、ピーターをそのまま踏み潰す勢いで声を荒げる。
「違うの、ダンテ。ピーターじゃないの」
一瞬だけ気をやっていたディーヴァがダンテを止めた。
よかった、顔色もいい、無事だった。
「はうー…キャベツにあおむしがついてて、それで、あのね…。指に、指に、うにょ~って……」
「なんだ、青虫か」
聞けばほっそりとしたディーヴァの指に青虫が触れ、そして這っていたらしい。
「なんだじゃなーい!今までお野菜に虫なんかつかなかったのにぃ!指に虫がくっついたのだって生まれて初めてだよ!」
今まで野菜やら花やら育ててた時はどうしていたのか聞いたら「お兄ちゃんが全部退治してくれた」とのこと。
「どんだけ過保護なんだお前のにーちゃん」
とか言いつつ、ダンテも過保護さでは負けていない。
「青虫なんか気にするなよ。ただ単に腹を空かせてここまで遠出してきただけだろ。ディーヴァの美味いキャベツ求めて、な」
「うう、気にするなって言われても…気持ち悪いじゃない。虫さんが付くほど美味しいってことは嬉しいけど…。
無農薬栽培には限界があるのかなぁ」
「農薬少しだけ使えばいいだろ」
「や。かわりにダンテが毎日とってよ」
「悪魔相手ならまだしも、オレも虫ごときでンな事やるの面倒だし嫌だなぁ」
健康のためにと、農薬は使っていなかったディーヴァ。
逆に何故今までは農薬なしでも病気や虫の被害がなかったのか、不思議である。
しかし、これから栽培方法どうしようかなあと思案していると。
「きゅっ!!」
すぱんっ!すぱぱぱぱっ!!
キャベツに、そしてトマトやらきゅうりやらに付いていたらしい虫達を、目敏く見つけ出しては跳躍した後ろ脚ではたき落すピーターかいた。
一瞬ののち、地面にはうねうねと蠢めく虫達が。
それらを確認するのは正直気持ち悪いが、それよりもピーターだ。
「わぁ!す………っごいっ!!ピーターありがとう!!」
胸を張ってどうだすごいでしょう!と言いたげのピーターは、正直ダンテより頼りになった。
「どうせならそのまま害虫食っちまえよ。ウサギだろ」
「ダンテ、ウサギは草食だよ。さすがに食べるのはちょっと厳しいでしょ」
「きゅ!」
これから虫が出たらピーターにお願いするとして、せっかくなのでダンテもまじえて野菜の収穫に入る。
途中何度か虫を見つけては取っては捨ての投げのやいのやいの!
いやほんと助かった。
「オレも今度から虫とりしてやるよ。こいつにゃ負けられねぇからな。
しっかし、ディーヴァを護ろうとするその姿勢や良し。その様子なら大丈夫かもな」
真っ赤に熟れたもぎたてトマトを齧りながら、ダンテがうんうんと頷いている。
「大丈夫って何が?」
「次のオシゴト。こいつにも協力させようかと思って」
「今回も悪魔退治の仕事、なんだよね…?」
「そ。そのサポートだ、働かざる悪魔食うべからずって言うだろ」
ダンテにだけは言われたくない言葉である。
と、まあ…そんなこんなで採れたての夏野菜を使ってダンテと2人、ラタトゥイユ作りに精を出す。
といってもダンテがやるのは野菜を洗うだけで、あとはディーヴァを邪魔するように抱きしめてきたりすることのほうが多い。
このクソ暑いのに、ほんとよくやるなこの男。
料理したまに2人で味見をしつつ、ダンテが受けたという悪魔退治の依頼について話す。
「さっき来たのは廃墟に巣食う悪魔退治の依頼だ。合成獣が出るんだと」
「合成獣…キメラってことだね」
「ああ、命からがら逃げたっていう遭遇者がいるんだが、犬の顔虎の体蛇の尾を持つらしい。これだけ聞くとなかなか強そうだよな」
「そこまで詳しく見てて無事なのが奇跡だね」
「そん時は犬の顔と蛇の顔が喧嘩してたみたいで、ほとんど動かなかったんだと」
「そ、そっか…。にしてもキメラらしくないキメラだねえ…変なの!」
「変って…まぁそうだな」
神話で語られるキメラは普通、獅子の頭に山羊の胴体、毒蛇の尾を持つ怪物だ。
とはいえ他種の動物や植物同士が合成された生物全般を『キメラ』と呼ぶのだからこれは間違いではない。
「それはそうとピーターにそんな恐ろしそうな悪魔退治のサポートなんて出来るの?」
「簡単だ。囮になって誘き寄せるだけでいい。何せ奴の素体は肉食獣、ウサギ型の生き物を見れば獲物と思ってやってくるだろ」
「囮に……。そんな危ない事させられないよ。あたしが代わりに行く」
「相手は悪魔だぞ?ディーヴァが行くのはもっと危ないから却「きゅうっ!」…下する……」
ダンテの反対が言い終わらない内にピーターからも大きなお返事。
2人で無言になりつつ振り返って見れば、ピーターは後ろ脚で立ち上がって大興奮していた。
「え、もしかしてピーター、ダンテの超危ないお手伝いやる気?」
「きゅーぅ!」
任せろ!とひと鳴き。
ディーヴァを危ない目に合わせるくらいなら自分が行くとその目は語っていた。
「つーわけでディーヴァはおとなしく留守番だ。美味いメシとあったけぇ風呂、あとディーヴァの最高の笑顔を用意して待っててくれ。…な?」
そんな風に言われてしまえば何も返せない。
早いなお前。
「どしたディーヴァ…わー!まじでどしたんだよー!?」
くらっとしてふらりとして、そして倒れこむディーヴァを間一髪、脇に腕を差し入れて抱える。
熱中症対策は万全、傍にいたのはピーター、ということは。
「お前か!お前とうとう尻尾出しやがったのか!ディーヴァに何した!!」
ディーヴァをお姫様だっこしつつ、ピーターをそのまま踏み潰す勢いで声を荒げる。
「違うの、ダンテ。ピーターじゃないの」
一瞬だけ気をやっていたディーヴァがダンテを止めた。
よかった、顔色もいい、無事だった。
「はうー…キャベツにあおむしがついてて、それで、あのね…。指に、指に、うにょ~って……」
「なんだ、青虫か」
聞けばほっそりとしたディーヴァの指に青虫が触れ、そして這っていたらしい。
「なんだじゃなーい!今までお野菜に虫なんかつかなかったのにぃ!指に虫がくっついたのだって生まれて初めてだよ!」
今まで野菜やら花やら育ててた時はどうしていたのか聞いたら「お兄ちゃんが全部退治してくれた」とのこと。
「どんだけ過保護なんだお前のにーちゃん」
とか言いつつ、ダンテも過保護さでは負けていない。
「青虫なんか気にするなよ。ただ単に腹を空かせてここまで遠出してきただけだろ。ディーヴァの美味いキャベツ求めて、な」
「うう、気にするなって言われても…気持ち悪いじゃない。虫さんが付くほど美味しいってことは嬉しいけど…。
無農薬栽培には限界があるのかなぁ」
「農薬少しだけ使えばいいだろ」
「や。かわりにダンテが毎日とってよ」
「悪魔相手ならまだしも、オレも虫ごときでンな事やるの面倒だし嫌だなぁ」
健康のためにと、農薬は使っていなかったディーヴァ。
逆に何故今までは農薬なしでも病気や虫の被害がなかったのか、不思議である。
しかし、これから栽培方法どうしようかなあと思案していると。
「きゅっ!!」
すぱんっ!すぱぱぱぱっ!!
キャベツに、そしてトマトやらきゅうりやらに付いていたらしい虫達を、目敏く見つけ出しては跳躍した後ろ脚ではたき落すピーターかいた。
一瞬ののち、地面にはうねうねと蠢めく虫達が。
それらを確認するのは正直気持ち悪いが、それよりもピーターだ。
「わぁ!す………っごいっ!!ピーターありがとう!!」
胸を張ってどうだすごいでしょう!と言いたげのピーターは、正直ダンテより頼りになった。
「どうせならそのまま害虫食っちまえよ。ウサギだろ」
「ダンテ、ウサギは草食だよ。さすがに食べるのはちょっと厳しいでしょ」
「きゅ!」
これから虫が出たらピーターにお願いするとして、せっかくなのでダンテもまじえて野菜の収穫に入る。
途中何度か虫を見つけては取っては捨ての投げのやいのやいの!
いやほんと助かった。
「オレも今度から虫とりしてやるよ。こいつにゃ負けられねぇからな。
しっかし、ディーヴァを護ろうとするその姿勢や良し。その様子なら大丈夫かもな」
真っ赤に熟れたもぎたてトマトを齧りながら、ダンテがうんうんと頷いている。
「大丈夫って何が?」
「次のオシゴト。こいつにも協力させようかと思って」
「今回も悪魔退治の仕事、なんだよね…?」
「そ。そのサポートだ、働かざる悪魔食うべからずって言うだろ」
ダンテにだけは言われたくない言葉である。
と、まあ…そんなこんなで採れたての夏野菜を使ってダンテと2人、ラタトゥイユ作りに精を出す。
といってもダンテがやるのは野菜を洗うだけで、あとはディーヴァを邪魔するように抱きしめてきたりすることのほうが多い。
このクソ暑いのに、ほんとよくやるなこの男。
料理したまに2人で味見をしつつ、ダンテが受けたという悪魔退治の依頼について話す。
「さっき来たのは廃墟に巣食う悪魔退治の依頼だ。合成獣が出るんだと」
「合成獣…キメラってことだね」
「ああ、命からがら逃げたっていう遭遇者がいるんだが、犬の顔虎の体蛇の尾を持つらしい。これだけ聞くとなかなか強そうだよな」
「そこまで詳しく見てて無事なのが奇跡だね」
「そん時は犬の顔と蛇の顔が喧嘩してたみたいで、ほとんど動かなかったんだと」
「そ、そっか…。にしてもキメラらしくないキメラだねえ…変なの!」
「変って…まぁそうだな」
神話で語られるキメラは普通、獅子の頭に山羊の胴体、毒蛇の尾を持つ怪物だ。
とはいえ他種の動物や植物同士が合成された生物全般を『キメラ』と呼ぶのだからこれは間違いではない。
「それはそうとピーターにそんな恐ろしそうな悪魔退治のサポートなんて出来るの?」
「簡単だ。囮になって誘き寄せるだけでいい。何せ奴の素体は肉食獣、ウサギ型の生き物を見れば獲物と思ってやってくるだろ」
「囮に……。そんな危ない事させられないよ。あたしが代わりに行く」
「相手は悪魔だぞ?ディーヴァが行くのはもっと危ないから却「きゅうっ!」…下する……」
ダンテの反対が言い終わらない内にピーターからも大きなお返事。
2人で無言になりつつ振り返って見れば、ピーターは後ろ脚で立ち上がって大興奮していた。
「え、もしかしてピーター、ダンテの超危ないお手伝いやる気?」
「きゅーぅ!」
任せろ!とひと鳴き。
ディーヴァを危ない目に合わせるくらいなら自分が行くとその目は語っていた。
「つーわけでディーヴァはおとなしく留守番だ。美味いメシとあったけぇ風呂、あとディーヴァの最高の笑顔を用意して待っててくれ。…な?」
そんな風に言われてしまえば何も返せない。