mission 32:Jackalope ~天使の飼う悪魔~
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むむむと考え込むダンテの横で、ディーヴァはまだウサギを撫でている。
否、それどころか頬擦りまでしている。
「やーん!ぬいぐるみみたいでホントかわいい。
ケルももふもふしてて癒しだけど、うさぎさんってホントすっごく癒されるよねぇ…」
「はっ!どこがだ。ケルのがまだいいだろ。ディーヴァ、見た目に誤魔化されるなよ……っと、危ねぇ」
瞬間飛んできたピーターの噛み付く攻撃をササっと横にずれてかわすダンテ。
これは食らうと、さっきも言ったように地味に痛い。
「ダンテが変なこと言うから怒ってるんでしょ」
「知るか。それよりそいつ…ホント、埃くせぇしケモノくせぇ」
その臭さで目が覚めた、と鼻をつまんで文句を言う。
顔に乗られていたからだろう、髪にも体にもピーターの匂いが移った!とかで、ダンテはスンスンと自身の匂いを嗅いで非常に嫌そうな顔をした。
「ったく、オレの髪や顔がケモノ臭くなっちまったじゃねぇか。
しかもディーヴァとイイコトしてディーヴァの匂いで上書きしようとしてたってのに、拒否されるわ噛まれるわ踏んだり蹴ったりだ」
「イイコトさせません!ダンテなんかケモノ以前に『ケダモノ』だってのにひどいこと言うねぇ?ピーター」
ディーヴァはピーターを抱き上げて目線を合わせながら問いかけるように話し、そのままピーターの背中に巻かれた包帯を確認している。
「ケダモノって…ディーヴァのがひでぇな」
ピーターが関わっては、もうディーヴァはダンテの味方ではない。
体力ゲージ(ただし精神的な方)がすっかり空っぽになっていくのを感じ、ダンテは胸の内で泣いた。
この様子だとディーヴァにコイツを捨てさせるのは無理そうだな…。
そこはもう諦めよう。
そしてディーヴァが確認していたピーターの包帯だが、ピーターもさすがは悪魔の体を持つ者といったところか。
全部治ったとはいかないが、シャワーのひとつくらいなら浴びても問題のなさそうな傷の回復具合。
少し滲んでいたらしい血も、すっかり乾ききっている。
包帯をシュルシュルと解いてみたところ、毛こそ生えていないが、少量のケロイドだけが残り新しいピンクの皮膚が再生されていたのだ。
ついでにと、ダンテの指摘してくるピーターの匂いをくんくんと嗅いでみる。
「んー…獣臭いかどうかはよくわかんないや。でも確かにちょっと埃っぽいかなあ」
悪魔とはいえ森の中や藪の中にいた野生の動物とそうそう変わらぬ生活環境だったに違いないピーター。
その体に土や埃が付着して匂いがするのは当たり前であり、また、悪魔狩りを生業とするダンテがこの匂いをつけて帰ってくることもよくあること。
ディーヴァはこの匂いに慣れていた。
こてりと首を傾げてディーヴァを見上げるピーターをじっと見つめていたディーヴァは、しばし悩んだあと…。
「ピーター、シャワー浴びよっか」
かる~くそう言った。
この際ついでだから、自分も浴びてしまおう。
ディーヴァの体に残る夜の痕。
ある程度拭き取ったといえど、わずかについたままの汗やその他諸々のベタベタ感を一刻も早く洗い流してすっきりしたい。
「あたしと一緒にね」
「はあ!?」
だがしかし、一緒にという言葉に黙っていないのがこの人。
「おい、どういうことだ?シャワー浴びるならオレと一緒ってのが普通だろ」
「なんで?」
「なんでって、お前なあ…。
イイコトしたあとは余韻を楽しむように、ピロートークがてら一緒にシャワー浴びるだろが」
「そのピロートークとやらなら、ベッドの中で散々したでしょ」
裸を隠すため身にぐるぐるとドレスのごとく巻きつけたシーツの状態で、ディーヴァはピーターを抱えてしれっと言う。
「ピロートークも足りねぇよ。もっとこう、甘いひとときをディーヴァを胸に抱き寄せたり、甘く囁きあって過ごしたりだな…」
「はいはい。だったらもうちょっとすることは加減してねー」
「………最後まで聞いてくれよ…」
もっといちゃいちゃしてたいというオレの気持ち、ディーヴァは全然わかってない!
普通ならそう思うのは女性の方ではないだろうか?
ダンテとディーヴァのカップルはどちらかというとダンテの方がディーヴァにべったりする率が高いような、そんな気がする。
オレ悲しい…と、ちょっと寂しくなるダンテの気持ちは今日も届かない。
それどころかそのままその足は部屋を出て階下へ。
「さ、キレイキレイにしましょーねー」
「ちょ、ディーヴァ待てって」
慌ててあとを追うように続くダンテだが、その格好がパンツ一丁なのはお気になさらず。
「おいディーヴァ、オレよりその悪魔をとるのかよ!」
脱衣所へと続く扉の手前。
がし、と肩に手を置いて呼び止めることに成功したダンテに、大きくため息を吐いてこちらに振り向いたディーヴァ。
その表情はため息を吐いたのが嘘のようなにっこり笑顔。
「ディーヴァ!」
笑顔を見てぱあ!と明るい表情に変わるダンテだが、その次のディーヴァの言葉に明るさはどこへやら、その表情のまま固まるしかなかった。
「あのねダンテ、いくら悪魔だとしても相手はうさぎさんなのよ。嫉妬しないでね?」
鼻先でピシャリと締め出されたダンテの目が最後に映したもの…それはディーヴァに抱えられたピーターが勝ち誇ったようににやっと笑みを浮かべた姿だった。
「あいつ絶対殺す」
否、それどころか頬擦りまでしている。
「やーん!ぬいぐるみみたいでホントかわいい。
ケルももふもふしてて癒しだけど、うさぎさんってホントすっごく癒されるよねぇ…」
「はっ!どこがだ。ケルのがまだいいだろ。ディーヴァ、見た目に誤魔化されるなよ……っと、危ねぇ」
瞬間飛んできたピーターの噛み付く攻撃をササっと横にずれてかわすダンテ。
これは食らうと、さっきも言ったように地味に痛い。
「ダンテが変なこと言うから怒ってるんでしょ」
「知るか。それよりそいつ…ホント、埃くせぇしケモノくせぇ」
その臭さで目が覚めた、と鼻をつまんで文句を言う。
顔に乗られていたからだろう、髪にも体にもピーターの匂いが移った!とかで、ダンテはスンスンと自身の匂いを嗅いで非常に嫌そうな顔をした。
「ったく、オレの髪や顔がケモノ臭くなっちまったじゃねぇか。
しかもディーヴァとイイコトしてディーヴァの匂いで上書きしようとしてたってのに、拒否されるわ噛まれるわ踏んだり蹴ったりだ」
「イイコトさせません!ダンテなんかケモノ以前に『ケダモノ』だってのにひどいこと言うねぇ?ピーター」
ディーヴァはピーターを抱き上げて目線を合わせながら問いかけるように話し、そのままピーターの背中に巻かれた包帯を確認している。
「ケダモノって…ディーヴァのがひでぇな」
ピーターが関わっては、もうディーヴァはダンテの味方ではない。
体力ゲージ(ただし精神的な方)がすっかり空っぽになっていくのを感じ、ダンテは胸の内で泣いた。
この様子だとディーヴァにコイツを捨てさせるのは無理そうだな…。
そこはもう諦めよう。
そしてディーヴァが確認していたピーターの包帯だが、ピーターもさすがは悪魔の体を持つ者といったところか。
全部治ったとはいかないが、シャワーのひとつくらいなら浴びても問題のなさそうな傷の回復具合。
少し滲んでいたらしい血も、すっかり乾ききっている。
包帯をシュルシュルと解いてみたところ、毛こそ生えていないが、少量のケロイドだけが残り新しいピンクの皮膚が再生されていたのだ。
ついでにと、ダンテの指摘してくるピーターの匂いをくんくんと嗅いでみる。
「んー…獣臭いかどうかはよくわかんないや。でも確かにちょっと埃っぽいかなあ」
悪魔とはいえ森の中や藪の中にいた野生の動物とそうそう変わらぬ生活環境だったに違いないピーター。
その体に土や埃が付着して匂いがするのは当たり前であり、また、悪魔狩りを生業とするダンテがこの匂いをつけて帰ってくることもよくあること。
ディーヴァはこの匂いに慣れていた。
こてりと首を傾げてディーヴァを見上げるピーターをじっと見つめていたディーヴァは、しばし悩んだあと…。
「ピーター、シャワー浴びよっか」
かる~くそう言った。
この際ついでだから、自分も浴びてしまおう。
ディーヴァの体に残る夜の痕。
ある程度拭き取ったといえど、わずかについたままの汗やその他諸々のベタベタ感を一刻も早く洗い流してすっきりしたい。
「あたしと一緒にね」
「はあ!?」
だがしかし、一緒にという言葉に黙っていないのがこの人。
「おい、どういうことだ?シャワー浴びるならオレと一緒ってのが普通だろ」
「なんで?」
「なんでって、お前なあ…。
イイコトしたあとは余韻を楽しむように、ピロートークがてら一緒にシャワー浴びるだろが」
「そのピロートークとやらなら、ベッドの中で散々したでしょ」
裸を隠すため身にぐるぐるとドレスのごとく巻きつけたシーツの状態で、ディーヴァはピーターを抱えてしれっと言う。
「ピロートークも足りねぇよ。もっとこう、甘いひとときをディーヴァを胸に抱き寄せたり、甘く囁きあって過ごしたりだな…」
「はいはい。だったらもうちょっとすることは加減してねー」
「………最後まで聞いてくれよ…」
もっといちゃいちゃしてたいというオレの気持ち、ディーヴァは全然わかってない!
普通ならそう思うのは女性の方ではないだろうか?
ダンテとディーヴァのカップルはどちらかというとダンテの方がディーヴァにべったりする率が高いような、そんな気がする。
オレ悲しい…と、ちょっと寂しくなるダンテの気持ちは今日も届かない。
それどころかそのままその足は部屋を出て階下へ。
「さ、キレイキレイにしましょーねー」
「ちょ、ディーヴァ待てって」
慌ててあとを追うように続くダンテだが、その格好がパンツ一丁なのはお気になさらず。
「おいディーヴァ、オレよりその悪魔をとるのかよ!」
脱衣所へと続く扉の手前。
がし、と肩に手を置いて呼び止めることに成功したダンテに、大きくため息を吐いてこちらに振り向いたディーヴァ。
その表情はため息を吐いたのが嘘のようなにっこり笑顔。
「ディーヴァ!」
笑顔を見てぱあ!と明るい表情に変わるダンテだが、その次のディーヴァの言葉に明るさはどこへやら、その表情のまま固まるしかなかった。
「あのねダンテ、いくら悪魔だとしても相手はうさぎさんなのよ。嫉妬しないでね?」
鼻先でピシャリと締め出されたダンテの目が最後に映したもの…それはディーヴァに抱えられたピーターが勝ち誇ったようににやっと笑みを浮かべた姿だった。
「あいつ絶対殺す」