mission 32:Jackalope ~天使の飼う悪魔~
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「遅い」
「あう、ごめんなさい」
ミサに行っていたとおぼしき他の参列者がカフェで休んでいるのを見たようで、再会したダンテは怒るというか父親のようにしっかり注意してきた。
「花やら動物やらに誘われてこっちにふらふら、あっちにふらふら。ったく、子どもか」
「見た目は子どもだから、中身もそれに伴って子どもなんですぅー」
「自分で言うなって。少しは反省しろよ?教会だって絶対に安全とは限らないんだからな」
「はーい」
教会によっては完全に安全な場所もある事にはある。
そして今回の教会も建物の内部ならばそれが適応されるのだが、そのかわりダンテがディーヴァに施してある魔力の守りがどうなっているかまるでジャミングされているかのようにわからなくなるのだ。
何よりもダンテが恐れる事、それは教会の内側でディーヴァに何が起こっているか見えない事なのだ。
「はー、それにしても喉渇いちゃった。ダンテの一口ちょーだい」
「残念だったな、一口も残ってない。だいたいお前、コーヒー飲めないだろ」
「うーん。今は冷たいミントティー飲みたい気分なんだけどないよねぇ…」
外は正午間近で太陽サンサン。
教会からここまで歩くだけで、暑さで喉がカラカラになるようないいお天気。
なのにダンテの飲み物はこの暑いのにホットコーヒーだったようで、しかも一口もない。
まぁ、コーヒーは美味しくないし別にいらないけどね!
そして、ディーヴァの為にと差し出されたメニュー。
そこにご所望の品はない。
「あ、タピオカミルクティー美味しそう。おっきいサイズしかないから、ダンテ一緒に飲んでくれる?」
「おー。けど、タピオカってなんだ?」
………。
「え。……ん~、なんだろ。ゼリーみたいな?原料わかんないけど、丸いデザート?かな」
ディーヴァにはうまく説明が出来なかったようだが、タピオカはキャッサバ芋から出来るデンプンの事。
それを丸めたパール型のをミルクティーに入れたのが、タピオカミルクティーだ。
「物は試し。飲めばわかるよ」
早速注文して目の前に置かれたソレ。
大きめの透明なグラスに並々と注がれたミルクティーの底にたっぷり沈んだ黒い丸。
「なんだこりゃ、弾丸みてぇな黒い粒が無数に入ってるぞ。食えんのかよ」
「これがタピオカ。これをミルクティーと一緒に飲むの。喉に詰まるといけないからちゃんと噛まな……」
と。
ディーヴァも、そしてダンテもが気がついた。
刺さっているストローが、今時珍しいレトロな、そして恥ずかしい物である事に。
ドリンク側はツイスト型に絡み合って一つになっており、それが上へ上へ伸びて互いに緩いカーブと角度を描く。
そのカーブと角度が二つ組み合わさることで形作るのはハート。
そう、所謂『恋人専用ハート型ストロー』というシロモノ。
ダンテは少し嬉しそうだが、ディーヴァは恥が先行した。
が、喉が渇いているので見なかったフリして一緒にではなく交互に飲む。
「へぇ…、モチモチしてるんだな」
「うん。お腹に溜まるし小腹空いた時にもいいよね」
むぐむぐ、ちょっと長めのストローで啜ったタピオカを食べながらディーヴァは感想をもらす。
そして一足先に咀嚼し嚥下したダンテは。
「で?」
「でって?」
「同時に飲まねぇの?」
「え゛。ただでさえ、注目されちゃうストローなのに、同じタイミングで飲んだりなんかしたら恥ずかしいでしょ」
チラ、と見れば他の客がヒソヒソしてこちらを見ている。
このストローを挿して提供してきたイタズラな店員に至ってはにこりと微笑むばかり。
これは新手の嫌がらせなのかそれとも粋な計らいか。
どっちにせよ、ありがた迷惑な話だ。
「なんだあのバカップルってか?別にバカップルでもいいじゃねぇか」
「『バ』はついて欲しくないし、あたしはあんまりお外でイチャイチャしたくない…」
「フム、オレはいつでも見せつけて歩きたいんだがな」
ダンテは同時に飲みたいようだったが、残念、ディーヴァはそうさせてくれなかった。
「あ。飲みすぎだよダンテ。あたしのタピオカなくなっちゃう」
「おっと、悪い。これ結構クセになるからつい…」
「ダンテ、そんなに吸っちゃいや~~」
「ぶほぁっ!?」
その意味深にも聞こえるセリフに、更に吸い込む力が強く入った。
そのせいでタピオカがむせそうなほど、口の中へ…。
「あーあ、タピオカ、ダンテがほとんど吸っちゃった…」
「ディーヴァはわざとじゃないから困るんだよな」
「ぅん?」
残りを飲み干したディーヴァが頭に?を飛ばしている。
せっかく涼しい時間を過ごせたというのに、ディーヴァの一言のせいでまた熱くなった気がした。
「あう、ごめんなさい」
ミサに行っていたとおぼしき他の参列者がカフェで休んでいるのを見たようで、再会したダンテは怒るというか父親のようにしっかり注意してきた。
「花やら動物やらに誘われてこっちにふらふら、あっちにふらふら。ったく、子どもか」
「見た目は子どもだから、中身もそれに伴って子どもなんですぅー」
「自分で言うなって。少しは反省しろよ?教会だって絶対に安全とは限らないんだからな」
「はーい」
教会によっては完全に安全な場所もある事にはある。
そして今回の教会も建物の内部ならばそれが適応されるのだが、そのかわりダンテがディーヴァに施してある魔力の守りがどうなっているかまるでジャミングされているかのようにわからなくなるのだ。
何よりもダンテが恐れる事、それは教会の内側でディーヴァに何が起こっているか見えない事なのだ。
「はー、それにしても喉渇いちゃった。ダンテの一口ちょーだい」
「残念だったな、一口も残ってない。だいたいお前、コーヒー飲めないだろ」
「うーん。今は冷たいミントティー飲みたい気分なんだけどないよねぇ…」
外は正午間近で太陽サンサン。
教会からここまで歩くだけで、暑さで喉がカラカラになるようないいお天気。
なのにダンテの飲み物はこの暑いのにホットコーヒーだったようで、しかも一口もない。
まぁ、コーヒーは美味しくないし別にいらないけどね!
そして、ディーヴァの為にと差し出されたメニュー。
そこにご所望の品はない。
「あ、タピオカミルクティー美味しそう。おっきいサイズしかないから、ダンテ一緒に飲んでくれる?」
「おー。けど、タピオカってなんだ?」
………。
「え。……ん~、なんだろ。ゼリーみたいな?原料わかんないけど、丸いデザート?かな」
ディーヴァにはうまく説明が出来なかったようだが、タピオカはキャッサバ芋から出来るデンプンの事。
それを丸めたパール型のをミルクティーに入れたのが、タピオカミルクティーだ。
「物は試し。飲めばわかるよ」
早速注文して目の前に置かれたソレ。
大きめの透明なグラスに並々と注がれたミルクティーの底にたっぷり沈んだ黒い丸。
「なんだこりゃ、弾丸みてぇな黒い粒が無数に入ってるぞ。食えんのかよ」
「これがタピオカ。これをミルクティーと一緒に飲むの。喉に詰まるといけないからちゃんと噛まな……」
と。
ディーヴァも、そしてダンテもが気がついた。
刺さっているストローが、今時珍しいレトロな、そして恥ずかしい物である事に。
ドリンク側はツイスト型に絡み合って一つになっており、それが上へ上へ伸びて互いに緩いカーブと角度を描く。
そのカーブと角度が二つ組み合わさることで形作るのはハート。
そう、所謂『恋人専用ハート型ストロー』というシロモノ。
ダンテは少し嬉しそうだが、ディーヴァは恥が先行した。
が、喉が渇いているので見なかったフリして一緒にではなく交互に飲む。
「へぇ…、モチモチしてるんだな」
「うん。お腹に溜まるし小腹空いた時にもいいよね」
むぐむぐ、ちょっと長めのストローで啜ったタピオカを食べながらディーヴァは感想をもらす。
そして一足先に咀嚼し嚥下したダンテは。
「で?」
「でって?」
「同時に飲まねぇの?」
「え゛。ただでさえ、注目されちゃうストローなのに、同じタイミングで飲んだりなんかしたら恥ずかしいでしょ」
チラ、と見れば他の客がヒソヒソしてこちらを見ている。
このストローを挿して提供してきたイタズラな店員に至ってはにこりと微笑むばかり。
これは新手の嫌がらせなのかそれとも粋な計らいか。
どっちにせよ、ありがた迷惑な話だ。
「なんだあのバカップルってか?別にバカップルでもいいじゃねぇか」
「『バ』はついて欲しくないし、あたしはあんまりお外でイチャイチャしたくない…」
「フム、オレはいつでも見せつけて歩きたいんだがな」
ダンテは同時に飲みたいようだったが、残念、ディーヴァはそうさせてくれなかった。
「あ。飲みすぎだよダンテ。あたしのタピオカなくなっちゃう」
「おっと、悪い。これ結構クセになるからつい…」
「ダンテ、そんなに吸っちゃいや~~」
「ぶほぁっ!?」
その意味深にも聞こえるセリフに、更に吸い込む力が強く入った。
そのせいでタピオカがむせそうなほど、口の中へ…。
「あーあ、タピオカ、ダンテがほとんど吸っちゃった…」
「ディーヴァはわざとじゃないから困るんだよな」
「ぅん?」
残りを飲み干したディーヴァが頭に?を飛ばしている。
せっかく涼しい時間を過ごせたというのに、ディーヴァの一言のせいでまた熱くなった気がした。