mission 31:we love amusement park ~王道の遊園地デート~
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結果……、ダンテのような力の強い運動のプロが全力で行うとどうなるか、それを垣間見た気がした。
輪投げは全てポールをくぐり、投球は全てまとの中心を捉え、射的は百発百中であり残されたのは見事に真ん中だけを撃ち抜かれた射的の的……。
店員泣かせの客である。
「ほら、取れたぞ」
「わぁ、かわいい…。触り心地いいよ!ふわふわしてる~」
ダンテの手からディーヴァの手に移動した淡いピンクのうさぎのぬいぐるみは、つぶらな瞳と柔らかなフォルムがディーヴァとよく似合っていて、見ているだけで癒される気がした。
「あ、これ、リュックになってる。みてみてー、ダンテ!これ背中に背負えるー!」
「ホントだな。荷物にならなくていいじゃねぇか」
今気がついたことだがうさぎの背中には背負い紐とジッパーが縫い付けられており、量は入らないがリュックになっていた。
財布くらいなら入りそうだが、どちらかというと小さい子向けの商品、といったところ。
若い見た目のディーヴァでなければ、ダンテでさえ年齢的に却下せざるをえないのだが、いかんせんかわいい。
内輪贔屓だろうが、誰がなんと言おうと、かわいい……キャワイイ!!
背中にうさぎリュックを背負い、その場でくるぅりと回ってはしゃぐディーヴァを、悦に浸りながらしばし眺めるダンテでした。
「………ふぅ。かわいいぬいぐるみを背負ってるかわいいディーヴァを拝めたことだし…」
「ことだし?」
「これからさらにかわいいディーヴァを拝みに行きますか」
「それってどういうこと?」
頭の上に?と疑問符を表示させているディーヴァの手を引き、ゆっくり歩き出すダンテ。
しばし歩いたその場所は………。
「こういうことだ」
「ここって…お、お、おおおお……」
黒い鉄格子に墓場群、蜘蛛の巣、ドクロ、コウモリがお出迎え。
全体的に仄暗く木々は鬱蒼と茂り、ひんやりした空気がただよい、薄気味悪い不協和音調の音楽が流れる建造物。
アトラクションの種類にはホラーハウス、と載っていた。
「お化け屋敷ーっ!?」
戦慄いていたディーヴァの唇がようやくその言葉を口にする。
絶叫マシンよりもディーヴァの大嫌いな場所、それがこのホラーハウスもとい、お化け屋敷である。
「ここでかわいく怖がるディーヴァを堪能するぜ」
「いやっ!あたし行かないっ!ぜーったい、行かないっ」
「はぁ?遊園地の定番だろ。
ここ行かなくてどうするんだよ。作り物なんだからんなに怖くなんかねぇぜ」
「怖くなくても何がなんでもぜーーーーーったいイ・ヤ!!」
大きな声でそう言ったかと思うと、ダンテから逃げて近くの柱にしがみついて離れないディーヴァ。
イヤイヤするその様子はどう見ても子ども。
いくら嫌だといえ、さっきのメリーゴーランドやぬいぐるみまでは許してもこの行動はちょっとどうかと思う。
「駄々こねるなって。周りの子どもが指差して恥ずかしいだろ」
いつもならこういうことで注意を受けるのはダンテだが、今回は逆で、ダンテがディーヴァを注意する役だった。
そして少々強引に、柱から引き剥がしたのである。
「だってだって…!お、お化けだよ?ゆーれいだよ??」
「このあいだの依頼よか怖くないだろ」
廃遊園地での依頼の時の本物は、それはもう、ディーヴァはとても怖がった。
それは無理もないことだが、今回は本物ではなく作り物のお化け屋敷なのだから、そこまで怖くないはず。
「……たぶんな」
「あ。今ちっちゃくたぶんって言った!」
聞こえていたようだ。
確かに、作り物の方がよりリアルで恐ろしいなんてこともよくある話。
それでも、怖がってこっちに抱きついてくるディーヴァを堪能するために、絶対にこのアトラクションに入りたいダンテなのである。
「だぁーーーーもう!いつも悪魔で恐怖の耐性ついてんだろ!」
「ついてませーん」
「まったく、往生際の悪い……」
ダンテは深いため息を吐くと、最後の手段を取ることにした。
腕を組んでうんうんと頷きながら、ディーヴァの意外にも強い嫉妬心を煽る作戦だ。
「そーかそーか。他の奴と行って来いってかー。ディーヴァが行かないなら、オレを見てるそのへんの女と行っちまうぞー。……いいのか?」
「!?」
そっと周りの視線を辿ると、暴れていたディーヴァを見る好奇の目の他に、ダンテをちらちら見る女性の目がいくつかあることに気がついた。
お化けは嫌だが、ダンテが他の女性とまわるのなんてもっともっと嫌。
暗がりにかこつけて抱きつかれでもしたらと思うと、相手に殺意さえわいてくる始末。
「う………それはもっといや」
「オレだって絶対いやだよ。さ、そうと決まればお化け屋敷に行くぞー」
他の女性とまわるのもそうだが、何よりディーヴァも見られている。
それは、暴れていたから見られていた好奇の視線ではなく、女性という羊を狩る狼の目。
ダンテがディーヴァから離れようものなら、それこそチャンスとみてディーヴァに声をかけてくるだろう……そんなのは許せない。
「うあ、ちょっとー!ひいぃぃぃぃ…」
それでもまだ行き渋るディーヴァを、ダンテはお化け屋敷の中へと引っ張って行った。
***
先の依頼よりは怖くなかったが、やはりお化け屋敷はお化け屋敷。
ただでさえ怖がりなディーヴァをスタッフ達が重点的に狙って怖がらせてくるので、最終的にはダンテにお姫様抱っこされてのクリアとなった。
ダンテの体にぎゅっとしがみつくその目尻には涙が滲んでいるのを見ている分にはかわいいものだが、その身に纏うのは黒いオーラ。
非常に機嫌が悪そうである。
「機嫌なおせって」
「むぅ……」
ディーヴァをベンチにおろし、どう機嫌を直そうか考えていると。
ぐ~きゅるるる、ディーヴァのかダンテのかそれともどちらもなのか、腹の虫が鳴いた。
人間お腹が空くと機嫌が悪くなるものだ。
ディーヴァもお腹が減っているから、余計に機嫌が悪いに違いない。
「そうだ、そろそろなんか食べようぜ。昼の時間もとっくに過ぎてるしな」
「……ん」
まだまだディーヴァの機嫌は良くないが、ダンテはディーヴァに何か食べさせるのを最優先に考えた。
輪投げは全てポールをくぐり、投球は全てまとの中心を捉え、射的は百発百中であり残されたのは見事に真ん中だけを撃ち抜かれた射的の的……。
店員泣かせの客である。
「ほら、取れたぞ」
「わぁ、かわいい…。触り心地いいよ!ふわふわしてる~」
ダンテの手からディーヴァの手に移動した淡いピンクのうさぎのぬいぐるみは、つぶらな瞳と柔らかなフォルムがディーヴァとよく似合っていて、見ているだけで癒される気がした。
「あ、これ、リュックになってる。みてみてー、ダンテ!これ背中に背負えるー!」
「ホントだな。荷物にならなくていいじゃねぇか」
今気がついたことだがうさぎの背中には背負い紐とジッパーが縫い付けられており、量は入らないがリュックになっていた。
財布くらいなら入りそうだが、どちらかというと小さい子向けの商品、といったところ。
若い見た目のディーヴァでなければ、ダンテでさえ年齢的に却下せざるをえないのだが、いかんせんかわいい。
内輪贔屓だろうが、誰がなんと言おうと、かわいい……キャワイイ!!
背中にうさぎリュックを背負い、その場でくるぅりと回ってはしゃぐディーヴァを、悦に浸りながらしばし眺めるダンテでした。
「………ふぅ。かわいいぬいぐるみを背負ってるかわいいディーヴァを拝めたことだし…」
「ことだし?」
「これからさらにかわいいディーヴァを拝みに行きますか」
「それってどういうこと?」
頭の上に?と疑問符を表示させているディーヴァの手を引き、ゆっくり歩き出すダンテ。
しばし歩いたその場所は………。
「こういうことだ」
「ここって…お、お、おおおお……」
黒い鉄格子に墓場群、蜘蛛の巣、ドクロ、コウモリがお出迎え。
全体的に仄暗く木々は鬱蒼と茂り、ひんやりした空気がただよい、薄気味悪い不協和音調の音楽が流れる建造物。
アトラクションの種類にはホラーハウス、と載っていた。
「お化け屋敷ーっ!?」
戦慄いていたディーヴァの唇がようやくその言葉を口にする。
絶叫マシンよりもディーヴァの大嫌いな場所、それがこのホラーハウスもとい、お化け屋敷である。
「ここでかわいく怖がるディーヴァを堪能するぜ」
「いやっ!あたし行かないっ!ぜーったい、行かないっ」
「はぁ?遊園地の定番だろ。
ここ行かなくてどうするんだよ。作り物なんだからんなに怖くなんかねぇぜ」
「怖くなくても何がなんでもぜーーーーーったいイ・ヤ!!」
大きな声でそう言ったかと思うと、ダンテから逃げて近くの柱にしがみついて離れないディーヴァ。
イヤイヤするその様子はどう見ても子ども。
いくら嫌だといえ、さっきのメリーゴーランドやぬいぐるみまでは許してもこの行動はちょっとどうかと思う。
「駄々こねるなって。周りの子どもが指差して恥ずかしいだろ」
いつもならこういうことで注意を受けるのはダンテだが、今回は逆で、ダンテがディーヴァを注意する役だった。
そして少々強引に、柱から引き剥がしたのである。
「だってだって…!お、お化けだよ?ゆーれいだよ??」
「このあいだの依頼よか怖くないだろ」
廃遊園地での依頼の時の本物は、それはもう、ディーヴァはとても怖がった。
それは無理もないことだが、今回は本物ではなく作り物のお化け屋敷なのだから、そこまで怖くないはず。
「……たぶんな」
「あ。今ちっちゃくたぶんって言った!」
聞こえていたようだ。
確かに、作り物の方がよりリアルで恐ろしいなんてこともよくある話。
それでも、怖がってこっちに抱きついてくるディーヴァを堪能するために、絶対にこのアトラクションに入りたいダンテなのである。
「だぁーーーーもう!いつも悪魔で恐怖の耐性ついてんだろ!」
「ついてませーん」
「まったく、往生際の悪い……」
ダンテは深いため息を吐くと、最後の手段を取ることにした。
腕を組んでうんうんと頷きながら、ディーヴァの意外にも強い嫉妬心を煽る作戦だ。
「そーかそーか。他の奴と行って来いってかー。ディーヴァが行かないなら、オレを見てるそのへんの女と行っちまうぞー。……いいのか?」
「!?」
そっと周りの視線を辿ると、暴れていたディーヴァを見る好奇の目の他に、ダンテをちらちら見る女性の目がいくつかあることに気がついた。
お化けは嫌だが、ダンテが他の女性とまわるのなんてもっともっと嫌。
暗がりにかこつけて抱きつかれでもしたらと思うと、相手に殺意さえわいてくる始末。
「う………それはもっといや」
「オレだって絶対いやだよ。さ、そうと決まればお化け屋敷に行くぞー」
他の女性とまわるのもそうだが、何よりディーヴァも見られている。
それは、暴れていたから見られていた好奇の視線ではなく、女性という羊を狩る狼の目。
ダンテがディーヴァから離れようものなら、それこそチャンスとみてディーヴァに声をかけてくるだろう……そんなのは許せない。
「うあ、ちょっとー!ひいぃぃぃぃ…」
それでもまだ行き渋るディーヴァを、ダンテはお化け屋敷の中へと引っ張って行った。
***
先の依頼よりは怖くなかったが、やはりお化け屋敷はお化け屋敷。
ただでさえ怖がりなディーヴァをスタッフ達が重点的に狙って怖がらせてくるので、最終的にはダンテにお姫様抱っこされてのクリアとなった。
ダンテの体にぎゅっとしがみつくその目尻には涙が滲んでいるのを見ている分にはかわいいものだが、その身に纏うのは黒いオーラ。
非常に機嫌が悪そうである。
「機嫌なおせって」
「むぅ……」
ディーヴァをベンチにおろし、どう機嫌を直そうか考えていると。
ぐ~きゅるるる、ディーヴァのかダンテのかそれともどちらもなのか、腹の虫が鳴いた。
人間お腹が空くと機嫌が悪くなるものだ。
ディーヴァもお腹が減っているから、余計に機嫌が悪いに違いない。
「そうだ、そろそろなんか食べようぜ。昼の時間もとっくに過ぎてるしな」
「……ん」
まだまだディーヴァの機嫌は良くないが、ダンテはディーヴァに何か食べさせるのを最優先に考えた。