mission 0:new days ~そのあとの彼女とオレ~
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実家を後にした2人は再び公衆電話ボックスへと向かう。
そろそろ日が落ち、早くしないと夜になってしまう。
こんな時間になったのはダンテのせいでもあるのだが、それはまあよしとしよう。
「前に腐れ縁って話した奴いるだろ?」
電話をかけ相手が電話口に出るのを待ちつつ、ダンテがこちらに話しかける。
腐れ縁かどうかは別として、ダンテの話に出て来た人物…しかも亡くなったわけでも敵でもない人といえば。
「えーと…エンツォさんって人?」
「そ。あの事務所はそいつから借りた。…んで、今電話かけてるのもそいつさ。
もし借りられなくなりそうになったら……ディーヴァに代わるかも。あいつ女子供には甘いからな、そんときは頼んだぜ」
「ええ!?ちょっとそれどういう、もご!」
「シッ、静かに」
相手方が電話に出たようだ。
男性の声がディーヴァの耳にも聞こえた。
…というより、公衆電話ボックスの中で2人は密着してぎゅうぎゅう詰め状態という、ダンテにはとてもうれしいシチュエーションである。
電話の会話内容はすべて丸聞こえだった。
「だーかーらー、悪魔にぶっ壊されたんだっつの!壊したのはオレじゃねぇよ!
頼むから違う物件、今すぐ紹介し…あーもうッ!!………チッ!」
その会話の雲行きがだんだん怪しくなってきた。
ダンテはちらりとディーヴァに目くばせをよこす。
やはり代わる気満々なようで、ディーヴァはため息を吐いて手を差し出した。
「ん、頼むディーヴァ」
「はいはい。―――もしもし?」
ダンテが何をさせたいのかはなんとなーくわかっている。
ディーヴァが電話口に出たことで相手はびっくりしていたが、相手が女の子…しかも少女の声とわかるやいなやすぐに態度を変え電話口からでもわかる、優しい男性をこれでもかとアピールしてきた。
「すみません、自分はダンテと一緒に住んでいるディーヴァという者です。
今回事務所が大破してしまうような事態が起きまして…はい。
そうなんです…」
ニュースでもやっている『塔』のこと。
悪魔によって事務所が破壊されてしまったこと。
本当はダンテにも非はあるが、ダンテの責任ではないと言い張ったこと。
ダンテが『悪魔』の単語を使うところをみるに、隠さずその単語が使えそうであり、それも交えて説明した。
…向こうはその存在をかたくなに否定していたが。
そして今日中に新しい事務所をなんとか手配してもらわないと困ることを涙ながらに訴えた。
今日中に!を強調して。
これがダンテ相手なら渋ったかもしれないが相手は女の子たるディーヴァだ。
すぐに物件をピックアップくれて、どこがいいかの相談になった。
30分かかったかかからないかの時間がたち、ようやく場所が決まったようだ。
ディーヴァは自分の頭を撫で続けるダンテに小さく笑みをこぼした。
こうしてディーヴァの巧みな…かどうかは怪しいが、話術と交渉で住むところは決まったようだった。
長くなった電話、その受話器を置く。
いささか肩がこった気がする。
「はあ…」
電話を代わった時と同じくため息を落とすと、ダンテにむすっとして向き直るディーヴァ。
「まったくもう…」
「悪い悪い。ディーヴァ、演技上手いな」
目尻についたままの涙をぬぐいさってダンテは手についたディーヴァの涙を見つめた。
「演技じゃないもん。早く借りないと本当に困るんだもん。
それで、借りたのはスラム街はスラム街だけど、比較的大通りに近いところ。
大きめの雑居ビルまるごとだよ。…別にいいよね?」
「その付近ならどこでもいいって。
それに、借りたのはお前だ。ディーヴァの指示に従うよ」
「ありがと。まあ、一度見てみないとわからないけど、そうも言ってられない状況だし。
口頭で聞いた限りだと良物件みたいだったから」
「見てからのお楽しみ、ってやつか。意外とギャンブラーだなディーヴァ」
肩をすくめ合うダンテとディーヴァ。
2人はぎゅうぎゅう詰めの電話ボックスから退出すると次の行動の相談に入った。
「さ、次は急いでダンテとあたしの荷物を回収しに行かないとだね」
「今からか?もう暗いぞ。
お前暗いトコ嫌いなのに平気なのかよ」
「ダンテがそばにいるから大丈夫」
きゅ…。
ダンテの大きな手を、そのひとまわり小さな手で握る。
「ディーヴァ…。ああ、その通りだな」
ダンテの青い目には緑が、ディーヴァの緑の目には青が映り込む。
唇を近づけるダンテだったが、唐突に顔をそらし前を向いたディーヴァにより、キスは出来なかった。
「ダンテだけじゃない、クロやケルがいるもんね!」
『ああ、ディーヴァの頼みなら手伝ってやる』
その瞬間、ダンテとディーヴァの間に現れるケルベロス。
「うわっと!」
クロはダンテが出さないと出てこれないが、ケルベロスは違う。
魔具から犬の形態に変化すればいいだけのこと。
例によって犬の姿となったケルベロスはダンテをさえぎるようにして居座ったのだった。
「オレとディーヴァの間に狙いすましたかのように出てくんなっつの…」
「ふふっ!ケルったらもふもふでいつ撫でても癒されるぅー!」
かわいいし最高!ダンテより重宝する!とばかりに撫でて堪能する。
畜生、もうちょっとで本日何度目かのキスが出来たのに…。
嫉妬するダンテをおいて、ディーヴァと一匹はるんるん気分で駆けて行った。
そろそろ日が落ち、早くしないと夜になってしまう。
こんな時間になったのはダンテのせいでもあるのだが、それはまあよしとしよう。
「前に腐れ縁って話した奴いるだろ?」
電話をかけ相手が電話口に出るのを待ちつつ、ダンテがこちらに話しかける。
腐れ縁かどうかは別として、ダンテの話に出て来た人物…しかも亡くなったわけでも敵でもない人といえば。
「えーと…エンツォさんって人?」
「そ。あの事務所はそいつから借りた。…んで、今電話かけてるのもそいつさ。
もし借りられなくなりそうになったら……ディーヴァに代わるかも。あいつ女子供には甘いからな、そんときは頼んだぜ」
「ええ!?ちょっとそれどういう、もご!」
「シッ、静かに」
相手方が電話に出たようだ。
男性の声がディーヴァの耳にも聞こえた。
…というより、公衆電話ボックスの中で2人は密着してぎゅうぎゅう詰め状態という、ダンテにはとてもうれしいシチュエーションである。
電話の会話内容はすべて丸聞こえだった。
「だーかーらー、悪魔にぶっ壊されたんだっつの!壊したのはオレじゃねぇよ!
頼むから違う物件、今すぐ紹介し…あーもうッ!!………チッ!」
その会話の雲行きがだんだん怪しくなってきた。
ダンテはちらりとディーヴァに目くばせをよこす。
やはり代わる気満々なようで、ディーヴァはため息を吐いて手を差し出した。
「ん、頼むディーヴァ」
「はいはい。―――もしもし?」
ダンテが何をさせたいのかはなんとなーくわかっている。
ディーヴァが電話口に出たことで相手はびっくりしていたが、相手が女の子…しかも少女の声とわかるやいなやすぐに態度を変え電話口からでもわかる、優しい男性をこれでもかとアピールしてきた。
「すみません、自分はダンテと一緒に住んでいるディーヴァという者です。
今回事務所が大破してしまうような事態が起きまして…はい。
そうなんです…」
ニュースでもやっている『塔』のこと。
悪魔によって事務所が破壊されてしまったこと。
本当はダンテにも非はあるが、ダンテの責任ではないと言い張ったこと。
ダンテが『悪魔』の単語を使うところをみるに、隠さずその単語が使えそうであり、それも交えて説明した。
…向こうはその存在をかたくなに否定していたが。
そして今日中に新しい事務所をなんとか手配してもらわないと困ることを涙ながらに訴えた。
今日中に!を強調して。
これがダンテ相手なら渋ったかもしれないが相手は女の子たるディーヴァだ。
すぐに物件をピックアップくれて、どこがいいかの相談になった。
30分かかったかかからないかの時間がたち、ようやく場所が決まったようだ。
ディーヴァは自分の頭を撫で続けるダンテに小さく笑みをこぼした。
こうしてディーヴァの巧みな…かどうかは怪しいが、話術と交渉で住むところは決まったようだった。
長くなった電話、その受話器を置く。
いささか肩がこった気がする。
「はあ…」
電話を代わった時と同じくため息を落とすと、ダンテにむすっとして向き直るディーヴァ。
「まったくもう…」
「悪い悪い。ディーヴァ、演技上手いな」
目尻についたままの涙をぬぐいさってダンテは手についたディーヴァの涙を見つめた。
「演技じゃないもん。早く借りないと本当に困るんだもん。
それで、借りたのはスラム街はスラム街だけど、比較的大通りに近いところ。
大きめの雑居ビルまるごとだよ。…別にいいよね?」
「その付近ならどこでもいいって。
それに、借りたのはお前だ。ディーヴァの指示に従うよ」
「ありがと。まあ、一度見てみないとわからないけど、そうも言ってられない状況だし。
口頭で聞いた限りだと良物件みたいだったから」
「見てからのお楽しみ、ってやつか。意外とギャンブラーだなディーヴァ」
肩をすくめ合うダンテとディーヴァ。
2人はぎゅうぎゅう詰めの電話ボックスから退出すると次の行動の相談に入った。
「さ、次は急いでダンテとあたしの荷物を回収しに行かないとだね」
「今からか?もう暗いぞ。
お前暗いトコ嫌いなのに平気なのかよ」
「ダンテがそばにいるから大丈夫」
きゅ…。
ダンテの大きな手を、そのひとまわり小さな手で握る。
「ディーヴァ…。ああ、その通りだな」
ダンテの青い目には緑が、ディーヴァの緑の目には青が映り込む。
唇を近づけるダンテだったが、唐突に顔をそらし前を向いたディーヴァにより、キスは出来なかった。
「ダンテだけじゃない、クロやケルがいるもんね!」
『ああ、ディーヴァの頼みなら手伝ってやる』
その瞬間、ダンテとディーヴァの間に現れるケルベロス。
「うわっと!」
クロはダンテが出さないと出てこれないが、ケルベロスは違う。
魔具から犬の形態に変化すればいいだけのこと。
例によって犬の姿となったケルベロスはダンテをさえぎるようにして居座ったのだった。
「オレとディーヴァの間に狙いすましたかのように出てくんなっつの…」
「ふふっ!ケルったらもふもふでいつ撫でても癒されるぅー!」
かわいいし最高!ダンテより重宝する!とばかりに撫でて堪能する。
畜生、もうちょっとで本日何度目かのキスが出来たのに…。
嫉妬するダンテをおいて、ディーヴァと一匹はるんるん気分で駆けて行った。