mission 30:going to travel ~日本~
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湯船の中、ディーヴァは誰にでもなく、ひとりつぶやいている。
それを聞くのは空に浮かぶお月様のみ。
「お夕飯美味しかったぁ。太らないとはいえ、食べすぎちゃったからニキビさんが心配だなー…。
…お月様、綺麗……。んー。満月までもうちょい、かな?」
満月は、今も怖い。
悪魔がより活動的に、より強力になる。
そして、それは半分悪魔のダンテも同じ事であり強くて頼もしいが、反面、天使の血族たるディーヴァにとっては、そのダンテが恐怖の対象になる事もしばしば。
ディーヴァにとってはあんなに美しい満月も今では恐怖の募る物でしかない。
それでもいつか叶う事ならば、ダンテとゆっくり満月でのお月見ができればいいと…そう思う。
そんなディーヴァの背後から、腰に申し訳程度のタオルを巻いただけのダンテが近づいていたのを、ディーヴァは知らない。
…綺麗だ。
ダンテの目に映るのは、ディーヴァの背中。
月光に白く照らされた輝く裸体だ。
ミロのビーナスもかくや、という美しさで月光だけでなく、水の光が反射してキラキラと煌めいているさまだった。
「しょっぱい事考えるのはやめやめ!」
ぶくぶくぶく、ぷはぁっ!
誰もいないと思っているのを良いことに頭の上まですっぽりと潜ったディーヴァは、水中で息を吐き出し、そして顔を上げた。
話している事や行動は何かと子供っぽいが、見ていて飽きない。
ダンテがすぐ後ろに来ていることも気づかずに油断しきっていて、ひとりで楽しそうだ。
「はー…気ン持ちいい!癒されるっ!
うーん……にしてもこのお風呂、トロトロしてるな~。お肌に良さそう♪」
「美肌の湯なんだとよ」
「きゃ、ダンテ!?」
びっくりして心臓が跳ねた。
ダンテの声がして初めて気がついたディーヴァは、透明な湯の中で意味をなさないのにその体を隠そうと腕を交差させた。
ダンテと違ってその身には何も纏っていないため、いくら隠しても結局は見放題だ。
「貸し切りにする時間だろ?何驚いてるんだか」
「え、ぁ…。ホントだ……。でも、後ろから声かけられたら驚いちゃうじゃない」
時計を見て理解し、そして思い出す。
温泉に入ってさめたが、夕食で飲んだお猪口一杯のお酒で酔って、貸し切り風呂の存在を忘れていた。
「よっこらしょ、お隣失礼するぜ」
「うん……って、何それ」
ダンテが隣に座り恥ずかしい思いを感じる暇なく、彼の持ってきた物に目が釘付け。
それは、徳利と猪口が乗った木桶を、湯船にぷかぷか浮かべてこちらへ流して持ってくる様子だった。
「何って、温泉の中で熱燗を…ってのはオツなもんなんだろ?桶酒頼んで持ってきてもらったんだ」
「そうなんだぁ……ぅぅぅ…でもお酒……。また酔っちゃうじゃない…」
「ま、ホントに一口でいい。
だから…な?付き合えよディーヴァ」
「もー…。ダンテに付き合って一口だけ飲んであげる。でも、酔いも回るの早いっていうし、体に良くないんだからダンテも気をつけてよ?」
「はいはい、わかってますよ。…ほら、」
「いただきます…」
何事も経験だぜ?とやたらと勧めてくるダンテから猪口を受け取り、乾杯をかわす。
ぺろり、舐めるようにして一口飲めば、喉が焼けるように熱く、酒の味は辛く、そして冷酒の時よりもアルコール度数が高く強く感じた。
体がカッと暑くて熱い。
たった一口で?そう、たった一口で酔ったとわかる。
これは夕食時の酔いがさめたばかりという状況も相まって、迎え酒と同じ事になっているのだ。
目の前がぐるぐる回って見えた。
「こりゃあ心地いい」
熱い温泉の中での熱燗。
酒に弱いディーヴァは酔いが一気に回ったが、ダンテは酒に強いからか気分よさそうに2杯目を手酌している。
「美味いよな、ディーヴァ」
「う、うぅ~ん…。あたしはらめぇ~…」
「あーらら、うちのお姫様はもうギブアップかよ。しゃーねぇな、あとは飲むからオレに寄っかかってろよ」
「ぁ、りがとぉ…」
猪口を受け取りダンテはその肌をディーヴァに貸す。
くたっと寄りかかってきたディーヴァの、温泉とは違う癒しの温もりを感じながら飲む酒は非常に美味い。
さわさわ。
酔っているからか、ディーヴァはダンテが少しいやらしく肌に触れても特に注意もしなかった。
注意されないと逆に心配ではある。
「ディーヴァ、大丈夫か?」
「ん…、だぃじょぶ……。せっかくの2人っきりの貸し切りお風呂、ダンテとゆっくり入ってたい…」
「オレもだ。だが、無理はするなよ」
水面下でいやらしく太ももに触れていた手をその上へと持って行くのはやめ、代わりにディーヴァの濡れて張り付いた髪を後ろに綺麗に流してやる。
そして、優しく頭を撫でた。
本当ならば温泉の中で楽しみたい気持ちもあるが、今はこれだけでいい。
2人は肌同士をぴったりとくっつけあい、貸し切り風呂の制限時間ギリギリまで癒しのひとときを過ごした。
温泉から上がれば、ディーヴァは酔いからふらふら。
入る前よりも更に足元が覚束ない状態で、ウォーターサーバーから一杯もらった水を飲んでも、ダンテの手を借りる他ないほどだった。
「湯あたりしちゃ、った…」
「たく。無理するなって言っただろうが」
「ごめ~ん、だって、ダンテと一緒にいたかったんだもん。ダンテ、お着替え手伝ってぇ…?」
「はいはい」
ディーヴァは自分で着替えられぬほど逆上せているのか。
いや、ただ甘えているだけなのかもしれない。
赤らんだ頬をこちらに向けてそう言ってくるディーヴァに、着てきていた浴衣をゆったり巻きつけ、帯を簡単に結んでやる。
あまり上手に出来ていないところには目をつぶっていただきたい。
自分も同じように着替えると、ダンテはディーヴァを姫抱っこで抱え上げた。
「う、うわぁ、さすがに自分で歩けるよ!」
「ダメだ。おとなしく運ばれとけ。騒ぐと他の客に迷惑だし、布の割れ目から見えちまうぜ?」
そう言われれば何も言えずおとなしくせざるを得ない。
黙って運ばれること数分。
戻ると隙間なくぴったり並んだ2組の布団が目に入った。
「ふぇっ!?」
「さもシてください、って感じじゃねぇか」
並んだ布団に文句をいう暇なし。
ポスンとその上に優しく下ろされたディーヴァ。
火照って赤らんだ肌、少し濡れて張り付いている髪、肌蹴た浴衣から覗く素肌すべてが、ダンテの目に煽情的に映り込んだ。
それを聞くのは空に浮かぶお月様のみ。
「お夕飯美味しかったぁ。太らないとはいえ、食べすぎちゃったからニキビさんが心配だなー…。
…お月様、綺麗……。んー。満月までもうちょい、かな?」
満月は、今も怖い。
悪魔がより活動的に、より強力になる。
そして、それは半分悪魔のダンテも同じ事であり強くて頼もしいが、反面、天使の血族たるディーヴァにとっては、そのダンテが恐怖の対象になる事もしばしば。
ディーヴァにとってはあんなに美しい満月も今では恐怖の募る物でしかない。
それでもいつか叶う事ならば、ダンテとゆっくり満月でのお月見ができればいいと…そう思う。
そんなディーヴァの背後から、腰に申し訳程度のタオルを巻いただけのダンテが近づいていたのを、ディーヴァは知らない。
…綺麗だ。
ダンテの目に映るのは、ディーヴァの背中。
月光に白く照らされた輝く裸体だ。
ミロのビーナスもかくや、という美しさで月光だけでなく、水の光が反射してキラキラと煌めいているさまだった。
「しょっぱい事考えるのはやめやめ!」
ぶくぶくぶく、ぷはぁっ!
誰もいないと思っているのを良いことに頭の上まですっぽりと潜ったディーヴァは、水中で息を吐き出し、そして顔を上げた。
話している事や行動は何かと子供っぽいが、見ていて飽きない。
ダンテがすぐ後ろに来ていることも気づかずに油断しきっていて、ひとりで楽しそうだ。
「はー…気ン持ちいい!癒されるっ!
うーん……にしてもこのお風呂、トロトロしてるな~。お肌に良さそう♪」
「美肌の湯なんだとよ」
「きゃ、ダンテ!?」
びっくりして心臓が跳ねた。
ダンテの声がして初めて気がついたディーヴァは、透明な湯の中で意味をなさないのにその体を隠そうと腕を交差させた。
ダンテと違ってその身には何も纏っていないため、いくら隠しても結局は見放題だ。
「貸し切りにする時間だろ?何驚いてるんだか」
「え、ぁ…。ホントだ……。でも、後ろから声かけられたら驚いちゃうじゃない」
時計を見て理解し、そして思い出す。
温泉に入ってさめたが、夕食で飲んだお猪口一杯のお酒で酔って、貸し切り風呂の存在を忘れていた。
「よっこらしょ、お隣失礼するぜ」
「うん……って、何それ」
ダンテが隣に座り恥ずかしい思いを感じる暇なく、彼の持ってきた物に目が釘付け。
それは、徳利と猪口が乗った木桶を、湯船にぷかぷか浮かべてこちらへ流して持ってくる様子だった。
「何って、温泉の中で熱燗を…ってのはオツなもんなんだろ?桶酒頼んで持ってきてもらったんだ」
「そうなんだぁ……ぅぅぅ…でもお酒……。また酔っちゃうじゃない…」
「ま、ホントに一口でいい。
だから…な?付き合えよディーヴァ」
「もー…。ダンテに付き合って一口だけ飲んであげる。でも、酔いも回るの早いっていうし、体に良くないんだからダンテも気をつけてよ?」
「はいはい、わかってますよ。…ほら、」
「いただきます…」
何事も経験だぜ?とやたらと勧めてくるダンテから猪口を受け取り、乾杯をかわす。
ぺろり、舐めるようにして一口飲めば、喉が焼けるように熱く、酒の味は辛く、そして冷酒の時よりもアルコール度数が高く強く感じた。
体がカッと暑くて熱い。
たった一口で?そう、たった一口で酔ったとわかる。
これは夕食時の酔いがさめたばかりという状況も相まって、迎え酒と同じ事になっているのだ。
目の前がぐるぐる回って見えた。
「こりゃあ心地いい」
熱い温泉の中での熱燗。
酒に弱いディーヴァは酔いが一気に回ったが、ダンテは酒に強いからか気分よさそうに2杯目を手酌している。
「美味いよな、ディーヴァ」
「う、うぅ~ん…。あたしはらめぇ~…」
「あーらら、うちのお姫様はもうギブアップかよ。しゃーねぇな、あとは飲むからオレに寄っかかってろよ」
「ぁ、りがとぉ…」
猪口を受け取りダンテはその肌をディーヴァに貸す。
くたっと寄りかかってきたディーヴァの、温泉とは違う癒しの温もりを感じながら飲む酒は非常に美味い。
さわさわ。
酔っているからか、ディーヴァはダンテが少しいやらしく肌に触れても特に注意もしなかった。
注意されないと逆に心配ではある。
「ディーヴァ、大丈夫か?」
「ん…、だぃじょぶ……。せっかくの2人っきりの貸し切りお風呂、ダンテとゆっくり入ってたい…」
「オレもだ。だが、無理はするなよ」
水面下でいやらしく太ももに触れていた手をその上へと持って行くのはやめ、代わりにディーヴァの濡れて張り付いた髪を後ろに綺麗に流してやる。
そして、優しく頭を撫でた。
本当ならば温泉の中で楽しみたい気持ちもあるが、今はこれだけでいい。
2人は肌同士をぴったりとくっつけあい、貸し切り風呂の制限時間ギリギリまで癒しのひとときを過ごした。
温泉から上がれば、ディーヴァは酔いからふらふら。
入る前よりも更に足元が覚束ない状態で、ウォーターサーバーから一杯もらった水を飲んでも、ダンテの手を借りる他ないほどだった。
「湯あたりしちゃ、った…」
「たく。無理するなって言っただろうが」
「ごめ~ん、だって、ダンテと一緒にいたかったんだもん。ダンテ、お着替え手伝ってぇ…?」
「はいはい」
ディーヴァは自分で着替えられぬほど逆上せているのか。
いや、ただ甘えているだけなのかもしれない。
赤らんだ頬をこちらに向けてそう言ってくるディーヴァに、着てきていた浴衣をゆったり巻きつけ、帯を簡単に結んでやる。
あまり上手に出来ていないところには目をつぶっていただきたい。
自分も同じように着替えると、ダンテはディーヴァを姫抱っこで抱え上げた。
「う、うわぁ、さすがに自分で歩けるよ!」
「ダメだ。おとなしく運ばれとけ。騒ぐと他の客に迷惑だし、布の割れ目から見えちまうぜ?」
そう言われれば何も言えずおとなしくせざるを得ない。
黙って運ばれること数分。
戻ると隙間なくぴったり並んだ2組の布団が目に入った。
「ふぇっ!?」
「さもシてください、って感じじゃねぇか」
並んだ布団に文句をいう暇なし。
ポスンとその上に優しく下ろされたディーヴァ。
火照って赤らんだ肌、少し濡れて張り付いている髪、肌蹴た浴衣から覗く素肌すべてが、ダンテの目に煽情的に映り込んだ。