mission 30:going to travel ~日本~
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散歩を楽しめば次は第1回目の入浴タイム。
アメリカにも温泉はあれど、それはほぼ水着着用型のスパリゾートのようなものばかりで、情緒とはかけ離れている。
男女に分かれたダンテとディーヴァは、体を洗い内風呂を済ませるとすぐに露天風呂へと向かった。
お互いそのタイミングはなぜか一緒だった。
檜で出来た壁や垣根、屋根の囲いに覆われた岩製の露天風呂からは外気温との差で、真っ白な湯気が立ち上る。
一瞬とはいえ外気に晒されて冷えた体を中へ入れれば、漏れるのはほっとした吐息だけだ。
「ほへー…気持ちいー……」
そしてそれは壁一枚で隔たれた男湯の露天風呂にいるダンテとて同じ事。
「あ゛~……ん?ディーヴァの声?すぐ隣なのかよ…」
悪魔の血が流れているとはいえ、疲れがたまらないわけではない。
日頃の疲労を吐き出すように声をだしていると、隣から聞こえてきた愛しい者の声。
ザバッ!と大きな飛沫をあげて立ち上がり、壁際まで近寄るダンテ。
「この露天風呂、立ち上がったら丸見えだな…」
立ち上がると、下の景色がよく見えた。
下の小道に人が歩いていたら、絶対に全部見えてしまう仕組みだ。
ディーヴァは一昔前のダンテを露出魔などと暴言を吐いたが、別に露出の性癖があるわけではないので、勘違いされぬようあまり道の際には近づかないでおこう。
「る~るる、る~るるらりら~」
女湯から聞こえるディーヴァの鼻歌のような普通の歌のような何か。
随分とリラックスしてバスタイムを楽しんでいるようだ。
「そっち、誰かいるか?」
「ひぇっ!?ダ、ダンテ?」
「ああ。ディーヴァの歌が聞こえたぞ」
ダンテに聞かれた!恥ずかしい…。
あーんっ!誰も聞いてないと思って歌ってたのにぃ~…!
「ぇっとぉ、今はあたしひとり、だよ?じゃなきゃ、歌なんて歌ってない……ぅぅぅ」
「だよな。だったらオレ、今からそっち行こうかな」
自身の鼻歌を恥じていれば、ダンテからはトンデモ発言。
「はぁ!?い、今は貸し切りの時間帯じゃないからダメっ!ダメったらダメっ!」
「んなに否定しなくてもわかってるぜ」
貸し切りの時間帯ではない、つまり、あとで温泉貸し切りの予約は入れてあるのだ。
心付を渡した際に耳打ちされたことはこれである。
ダンテはもちろん、ディーヴァも喜んで予約を入れておいた。
親子水入らずの家族風呂、とは違うが、恋人同士での『ドキッ☆らぶいちゃバスタイム!』が待っているのだ。
今は我慢の時と、ダンテは慌てふためくディーヴァを見て湯船に浸かり直した。
…シーン……。
お互い静かに入っていれば、温泉の源泉が足されるチョロロ…、という音と時折立てるパシャッ…という音のみだ。
「気持ちいいなー」
「うん。いい気持ち…、おじいちゃんおばあちゃんに感謝だね」
「ああ。良いじいさんとばあさんだったな。感謝してもしきれねぇよ」
本当にそう思う。
湯気で多少見えづらいが、上の方にかかった時計を見れば、いいお時間。
もうすぐ夕食だろう、部屋に戻っていなくては。
2人は10を数えると、1回目の温泉から上がる事にした。
夕食は旅館らしく懐石料理。
ダンテとディーヴァの前のテーブルには、色とりどりの料理が並べられていた。
「んー…繊細な味付け!」
「馴染みのねぇ味ばっかだな…」
「よく噛んで味わえば素材の味とかわかって美味しいよ」
「不味くはないぜ。もちろん、ディーヴァが作ったメシには負けるけどな」
「ありがと。帰ったらピザが食べたいんでしょ?」
「よくお分かりで」
ダンテは肩をすくめると、ディーヴァが酌をしてくれると言って差し出す徳利を、自分の持っているお猪口で受ける。
並々注がれた日本酒をくいっと一気飲み。
この喉が焼け付く感じがたまらない。
見ればディーヴァも手酌でちびちびと舐めるように飲んでいた。
そして2人は様々な味に舌鼓を打ちながら、並んだ料理をぺろりと平らげる。
ひとつひとつの量が少なめだから全部腹に納まったのだろうが、ゆっくり食休みでもしないときっとあとが辛い。
食べ終えるとそのままのんびりテレビを見たりお茶のんでゆったりリラックス。
体温たかめであたたかなダンテの膝の上にお邪魔して、あまり理解は出来なさそうな日本のバラエティー番組をぼーっと見る。
「上げ膳据え膳なんて久しぶり…。たまには良いね~」
「オレ、料理あんま出来ねぇからな。いつもありがとな、ディーヴァ」
「どーいたしましてー。ふわぁ、」
内容が頭に入ってこないからか、あくびまで出はじめた。
ダンテに後ろから抱きしめられると、自分の熱も相まって余計ポカポカあたたかい。
まるでベッドの中だ。
しかし、せっかくの温泉…何回か入らないともったいない!
ディーヴァはダンテの抱きしめ攻撃から逃れると、ふにゃふにゃしながら立ち上がった。
おっとよろける!たったお猪口一杯の冷酒なのに、酔いも残っていそうだ。
「んー。また温泉入ってくるね」
「へいへい」
むにゃむにゃしながら湯上げタオルを手に、部屋を出て温泉の方へ。
「ディーヴァのやつ、ぜってぇ貸し切り風呂のこと忘れてやがる…。
あと30分もしないで予約時間だってのに」
それを見送りながら、ダンテはため息を吐いた。
アメリカにも温泉はあれど、それはほぼ水着着用型のスパリゾートのようなものばかりで、情緒とはかけ離れている。
男女に分かれたダンテとディーヴァは、体を洗い内風呂を済ませるとすぐに露天風呂へと向かった。
お互いそのタイミングはなぜか一緒だった。
檜で出来た壁や垣根、屋根の囲いに覆われた岩製の露天風呂からは外気温との差で、真っ白な湯気が立ち上る。
一瞬とはいえ外気に晒されて冷えた体を中へ入れれば、漏れるのはほっとした吐息だけだ。
「ほへー…気持ちいー……」
そしてそれは壁一枚で隔たれた男湯の露天風呂にいるダンテとて同じ事。
「あ゛~……ん?ディーヴァの声?すぐ隣なのかよ…」
悪魔の血が流れているとはいえ、疲れがたまらないわけではない。
日頃の疲労を吐き出すように声をだしていると、隣から聞こえてきた愛しい者の声。
ザバッ!と大きな飛沫をあげて立ち上がり、壁際まで近寄るダンテ。
「この露天風呂、立ち上がったら丸見えだな…」
立ち上がると、下の景色がよく見えた。
下の小道に人が歩いていたら、絶対に全部見えてしまう仕組みだ。
ディーヴァは一昔前のダンテを露出魔などと暴言を吐いたが、別に露出の性癖があるわけではないので、勘違いされぬようあまり道の際には近づかないでおこう。
「る~るる、る~るるらりら~」
女湯から聞こえるディーヴァの鼻歌のような普通の歌のような何か。
随分とリラックスしてバスタイムを楽しんでいるようだ。
「そっち、誰かいるか?」
「ひぇっ!?ダ、ダンテ?」
「ああ。ディーヴァの歌が聞こえたぞ」
ダンテに聞かれた!恥ずかしい…。
あーんっ!誰も聞いてないと思って歌ってたのにぃ~…!
「ぇっとぉ、今はあたしひとり、だよ?じゃなきゃ、歌なんて歌ってない……ぅぅぅ」
「だよな。だったらオレ、今からそっち行こうかな」
自身の鼻歌を恥じていれば、ダンテからはトンデモ発言。
「はぁ!?い、今は貸し切りの時間帯じゃないからダメっ!ダメったらダメっ!」
「んなに否定しなくてもわかってるぜ」
貸し切りの時間帯ではない、つまり、あとで温泉貸し切りの予約は入れてあるのだ。
心付を渡した際に耳打ちされたことはこれである。
ダンテはもちろん、ディーヴァも喜んで予約を入れておいた。
親子水入らずの家族風呂、とは違うが、恋人同士での『ドキッ☆らぶいちゃバスタイム!』が待っているのだ。
今は我慢の時と、ダンテは慌てふためくディーヴァを見て湯船に浸かり直した。
…シーン……。
お互い静かに入っていれば、温泉の源泉が足されるチョロロ…、という音と時折立てるパシャッ…という音のみだ。
「気持ちいいなー」
「うん。いい気持ち…、おじいちゃんおばあちゃんに感謝だね」
「ああ。良いじいさんとばあさんだったな。感謝してもしきれねぇよ」
本当にそう思う。
湯気で多少見えづらいが、上の方にかかった時計を見れば、いいお時間。
もうすぐ夕食だろう、部屋に戻っていなくては。
2人は10を数えると、1回目の温泉から上がる事にした。
夕食は旅館らしく懐石料理。
ダンテとディーヴァの前のテーブルには、色とりどりの料理が並べられていた。
「んー…繊細な味付け!」
「馴染みのねぇ味ばっかだな…」
「よく噛んで味わえば素材の味とかわかって美味しいよ」
「不味くはないぜ。もちろん、ディーヴァが作ったメシには負けるけどな」
「ありがと。帰ったらピザが食べたいんでしょ?」
「よくお分かりで」
ダンテは肩をすくめると、ディーヴァが酌をしてくれると言って差し出す徳利を、自分の持っているお猪口で受ける。
並々注がれた日本酒をくいっと一気飲み。
この喉が焼け付く感じがたまらない。
見ればディーヴァも手酌でちびちびと舐めるように飲んでいた。
そして2人は様々な味に舌鼓を打ちながら、並んだ料理をぺろりと平らげる。
ひとつひとつの量が少なめだから全部腹に納まったのだろうが、ゆっくり食休みでもしないときっとあとが辛い。
食べ終えるとそのままのんびりテレビを見たりお茶のんでゆったりリラックス。
体温たかめであたたかなダンテの膝の上にお邪魔して、あまり理解は出来なさそうな日本のバラエティー番組をぼーっと見る。
「上げ膳据え膳なんて久しぶり…。たまには良いね~」
「オレ、料理あんま出来ねぇからな。いつもありがとな、ディーヴァ」
「どーいたしましてー。ふわぁ、」
内容が頭に入ってこないからか、あくびまで出はじめた。
ダンテに後ろから抱きしめられると、自分の熱も相まって余計ポカポカあたたかい。
まるでベッドの中だ。
しかし、せっかくの温泉…何回か入らないともったいない!
ディーヴァはダンテの抱きしめ攻撃から逃れると、ふにゃふにゃしながら立ち上がった。
おっとよろける!たったお猪口一杯の冷酒なのに、酔いも残っていそうだ。
「んー。また温泉入ってくるね」
「へいへい」
むにゃむにゃしながら湯上げタオルを手に、部屋を出て温泉の方へ。
「ディーヴァのやつ、ぜってぇ貸し切り風呂のこと忘れてやがる…。
あと30分もしないで予約時間だってのに」
それを見送りながら、ダンテはため息を吐いた。