mission 30:going to travel ~日本~
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「で。こりゃなんだ?」
思わず潤みそうになる目を逸らし、先ほどもらった紙を取り出して聞いてみる。
それは日本語で書かれており、ダンテには全く読めない。
「温泉、つまりスパのチケットよ」
「は…スパ?」
「お前にもお年玉だと思って受け取っとけ」
「え、あ…どうも……?」
「どういたしまして。知り合いが経営してる温泉宿で、チケットをまわしてもらったのよ」
温泉か。
そういえばディーヴァと共に自宅の風呂に入ることは多々あれど、ゆっくり温泉に浸かったことはなかった。
確か日本の温泉は水着でなく裸で入るのだったか。
大きな露天風呂の中、湯けむりに浮かび上がるディーヴァの裸…。
……イイ!!
この機会にしっぽり温泉宿でシケ込むのもいいかもしれない。
「温泉行って1泊して楽しんでこい。夜の方も…な」
ぽやぽや~と温泉に思いを馳せていると、祖父の方がこそっと耳打ち。
こンの、エロジジイ…!
と、そう思ったが、ディーヴァとの関係に寛大ならそれに越した事はない。
素直に頷いておいた、……というか、ニタリと2人で笑った。
男はいくつになっても変態な生き物だ。
部屋に戻り未だスヤスヤ寝ているディーヴァを起こすべく顔を近づける。
気持ち良さそうな寝顔を見ると起こすのはかわいそうだが、実は温泉への旅行…これからすぐ出発なのだ。
その小さく開いた口に口付けひとつ。
下唇を優しく食み、舌をそっと差し込み唇全体を角度を変えて愛撫する。
「ん…、」
呼吸しづらくなったからか、ディーヴァはすぐに目を覚ました。
「んんん~!?」
じたばたともがくディーヴァを抑え、しばし口内を堪能。
ようやく満足して唇を離した頃には、ディーヴァの息は絶え絶えだった。、
「オハヨ、ディーヴァ」
「ぉ、おはよぅ。…ダンテ、今の起こし方って……」
咎めるようなその視線もなんのその。
肩をすくめてやり過ごすと、ダンテはチケット片手に温泉旅行の事を話した。
「ほぇ?…おん、せん……?」
「これからすぐ行くんだ、すぐ向かえるよう帰りの身支度や準備しとけ」
「え、す…すぐ!?」
「ああ、温泉宿一直線。タクシー呼んだらしいぜ」
そう言ってディーヴァの腕をとり立たせると、ダンテはそのままキャリーバッグから出しっ放しの2人の荷物をまとめ始めた。
行く準備はすぐに終わった。
が、寒い戸外、雪のちらちら舞い落ちる中での見送りに一番、時間を有した。
「まだおじいちゃんおばあちゃんと一緒に居たいのに…」
片付けの最中はもっと文句がひどかった。
今もなおディーヴァは悲しさと寂しさとで、とても残念そうだ。
「ごめんね。貴方達の旅行日程を考えたら、今日からの方が良さそうだと思って…」
「なかなか来られる距離じゃないかもしれん、でも機会を見つけてまたおいで。ひ孫の顔を拝むまではぜったいに死なんからの!」
胸を叩いてそう豪語する祖父の、その言葉。
「ひ孫、ね…」
成長しないのを伝えたというに、子どもが望めるかどうか…。
病院ではこのままだと子どもは望めない、と言われてしまった以上、無理に思えた。
だが、ワクワクしているディーヴァの祖父母にそれを指摘するのは憚られる。
ダンテは何か言いたい気持ちを我慢し、ディーヴァと祖父母の会話に入らない事にした。
「おじいちゃんおばあちゃん、お世話になりました!楽しかった!!」
ぎゅー!と祖父母の真ん中に飛び込み、抱きつくディーヴァ。
こうしてみれば、見た目…16歳の年相応に見える。
実年齢ではもう20歳を超えているのだが、まぁかわいいしいいか。
「また来るね!」
「いつでも来んしゃい、待ってるぞ」
ぐりぐりと祖父に撫でられて嬉しそうに頷くディーヴァ。
そして祖母はダンテの元へ。
「今回は遠路はるばるありがとう。
ダンテさん、何度も言いますが、どうかディーヴァをよろしくお願いいたします」
「あ、ああ…もちろん、此方こそよろしくお願いします……」
頭を下げられ、こちらまで同じように下げてしまう。
良いことに違いないが、我ながら似合わないことをしてしまった。
「ふふ、ダンテが珍しくお辞儀して敬語使ってる」
「うっせ!」
指摘されると恥ずかしい。
ずっと待たせてしまったタクシーに乗り込み、出発。
「おじいちゃんおばあちゃんありがとぉー!!」
「こらこら、危ねぇから窓から顔出すなって」
開けさせてもらった窓から、ディーヴァは身を乗り出して、こちらに手を振る祖父母にそう叫ぶ。
それを諌めるのもダンテの役目だった。
***
タクシーは、湯の花の香り漂う街並みを進み、川の流るるすぐ傍を通って細い道をくねくね。
除雪しきれぬ雪をかきわけて更に奥へと向かう。
「けっこう奥まってるところなんだね」
「温泉街を抜けた先の隠れ宿なんだと。庭園があって周りにたくさんの花が咲いてるらしいぞ」
「へぇ~楽しみだね!」
揺れる車内で会話すること数十分。
2人は庭園で囲まれた一軒の温泉宿へと到着し、その門前でタクシーから降りた。
「わぁ…っ!すっごい綺麗!!」
目の前に広がるのは色とりどり豊富な花々。
冬に咲く様々な花達が綺麗に剪定されて咲き誇るさまだった。
違う花を目にする度、映す度、目をキラキラと輝かせるディーヴァ。
「パンジー、ビオラ、シクラメン、山茶花、胡蝶蘭、石蕗、梅、水仙、椿…。冬なのに、雪だって積もってるのにいっぱい一生懸命咲いてる…。
あ、こっちは寒桜かな?もう開花してる桜なんだね」
ひとつひとつ花の香りを嗅ぎ、色合いを楽しみ、どんな花か説明してくれるディーヴァを、ダンテは嬉しそうに、そして眩しそうに眺めた。
「あたし、お花大好き。季節ごとの花や食材、様々なもののうつろい…日本ってこういうとこがすてきだよねぇ」
そんな風に色んなものを素直に愛でられるディーヴァが、オレは一番好きだ。
「あ。でもね、あたしはダンテがくれるお花が一番好き。
もちろん、ダンテの事はもっと好き」
「嬉しいこと言ってくれるじゃねぇか」
すき、という気持ちを思い描きながらディーヴァを見つめていたら、本人から「好き」と伝えられた。
言わずとも気持ちが伝わったみたいで、嬉しくなってその腕にディーヴァを閉じ込めぎゅーっとする。
「う~、ダンテ、歩きづらいよ~」
「なら抱えて歩いてやろうか?」
「それじゃキャリーバッグ運べないからだーめ」
「ちぇっ」
そうこうしている内に、温泉宿の玄関へとたどり着いたのだった。
思わず潤みそうになる目を逸らし、先ほどもらった紙を取り出して聞いてみる。
それは日本語で書かれており、ダンテには全く読めない。
「温泉、つまりスパのチケットよ」
「は…スパ?」
「お前にもお年玉だと思って受け取っとけ」
「え、あ…どうも……?」
「どういたしまして。知り合いが経営してる温泉宿で、チケットをまわしてもらったのよ」
温泉か。
そういえばディーヴァと共に自宅の風呂に入ることは多々あれど、ゆっくり温泉に浸かったことはなかった。
確か日本の温泉は水着でなく裸で入るのだったか。
大きな露天風呂の中、湯けむりに浮かび上がるディーヴァの裸…。
……イイ!!
この機会にしっぽり温泉宿でシケ込むのもいいかもしれない。
「温泉行って1泊して楽しんでこい。夜の方も…な」
ぽやぽや~と温泉に思いを馳せていると、祖父の方がこそっと耳打ち。
こンの、エロジジイ…!
と、そう思ったが、ディーヴァとの関係に寛大ならそれに越した事はない。
素直に頷いておいた、……というか、ニタリと2人で笑った。
男はいくつになっても変態な生き物だ。
部屋に戻り未だスヤスヤ寝ているディーヴァを起こすべく顔を近づける。
気持ち良さそうな寝顔を見ると起こすのはかわいそうだが、実は温泉への旅行…これからすぐ出発なのだ。
その小さく開いた口に口付けひとつ。
下唇を優しく食み、舌をそっと差し込み唇全体を角度を変えて愛撫する。
「ん…、」
呼吸しづらくなったからか、ディーヴァはすぐに目を覚ました。
「んんん~!?」
じたばたともがくディーヴァを抑え、しばし口内を堪能。
ようやく満足して唇を離した頃には、ディーヴァの息は絶え絶えだった。、
「オハヨ、ディーヴァ」
「ぉ、おはよぅ。…ダンテ、今の起こし方って……」
咎めるようなその視線もなんのその。
肩をすくめてやり過ごすと、ダンテはチケット片手に温泉旅行の事を話した。
「ほぇ?…おん、せん……?」
「これからすぐ行くんだ、すぐ向かえるよう帰りの身支度や準備しとけ」
「え、す…すぐ!?」
「ああ、温泉宿一直線。タクシー呼んだらしいぜ」
そう言ってディーヴァの腕をとり立たせると、ダンテはそのままキャリーバッグから出しっ放しの2人の荷物をまとめ始めた。
行く準備はすぐに終わった。
が、寒い戸外、雪のちらちら舞い落ちる中での見送りに一番、時間を有した。
「まだおじいちゃんおばあちゃんと一緒に居たいのに…」
片付けの最中はもっと文句がひどかった。
今もなおディーヴァは悲しさと寂しさとで、とても残念そうだ。
「ごめんね。貴方達の旅行日程を考えたら、今日からの方が良さそうだと思って…」
「なかなか来られる距離じゃないかもしれん、でも機会を見つけてまたおいで。ひ孫の顔を拝むまではぜったいに死なんからの!」
胸を叩いてそう豪語する祖父の、その言葉。
「ひ孫、ね…」
成長しないのを伝えたというに、子どもが望めるかどうか…。
病院ではこのままだと子どもは望めない、と言われてしまった以上、無理に思えた。
だが、ワクワクしているディーヴァの祖父母にそれを指摘するのは憚られる。
ダンテは何か言いたい気持ちを我慢し、ディーヴァと祖父母の会話に入らない事にした。
「おじいちゃんおばあちゃん、お世話になりました!楽しかった!!」
ぎゅー!と祖父母の真ん中に飛び込み、抱きつくディーヴァ。
こうしてみれば、見た目…16歳の年相応に見える。
実年齢ではもう20歳を超えているのだが、まぁかわいいしいいか。
「また来るね!」
「いつでも来んしゃい、待ってるぞ」
ぐりぐりと祖父に撫でられて嬉しそうに頷くディーヴァ。
そして祖母はダンテの元へ。
「今回は遠路はるばるありがとう。
ダンテさん、何度も言いますが、どうかディーヴァをよろしくお願いいたします」
「あ、ああ…もちろん、此方こそよろしくお願いします……」
頭を下げられ、こちらまで同じように下げてしまう。
良いことに違いないが、我ながら似合わないことをしてしまった。
「ふふ、ダンテが珍しくお辞儀して敬語使ってる」
「うっせ!」
指摘されると恥ずかしい。
ずっと待たせてしまったタクシーに乗り込み、出発。
「おじいちゃんおばあちゃんありがとぉー!!」
「こらこら、危ねぇから窓から顔出すなって」
開けさせてもらった窓から、ディーヴァは身を乗り出して、こちらに手を振る祖父母にそう叫ぶ。
それを諌めるのもダンテの役目だった。
***
タクシーは、湯の花の香り漂う街並みを進み、川の流るるすぐ傍を通って細い道をくねくね。
除雪しきれぬ雪をかきわけて更に奥へと向かう。
「けっこう奥まってるところなんだね」
「温泉街を抜けた先の隠れ宿なんだと。庭園があって周りにたくさんの花が咲いてるらしいぞ」
「へぇ~楽しみだね!」
揺れる車内で会話すること数十分。
2人は庭園で囲まれた一軒の温泉宿へと到着し、その門前でタクシーから降りた。
「わぁ…っ!すっごい綺麗!!」
目の前に広がるのは色とりどり豊富な花々。
冬に咲く様々な花達が綺麗に剪定されて咲き誇るさまだった。
違う花を目にする度、映す度、目をキラキラと輝かせるディーヴァ。
「パンジー、ビオラ、シクラメン、山茶花、胡蝶蘭、石蕗、梅、水仙、椿…。冬なのに、雪だって積もってるのにいっぱい一生懸命咲いてる…。
あ、こっちは寒桜かな?もう開花してる桜なんだね」
ひとつひとつ花の香りを嗅ぎ、色合いを楽しみ、どんな花か説明してくれるディーヴァを、ダンテは嬉しそうに、そして眩しそうに眺めた。
「あたし、お花大好き。季節ごとの花や食材、様々なもののうつろい…日本ってこういうとこがすてきだよねぇ」
そんな風に色んなものを素直に愛でられるディーヴァが、オレは一番好きだ。
「あ。でもね、あたしはダンテがくれるお花が一番好き。
もちろん、ダンテの事はもっと好き」
「嬉しいこと言ってくれるじゃねぇか」
すき、という気持ちを思い描きながらディーヴァを見つめていたら、本人から「好き」と伝えられた。
言わずとも気持ちが伝わったみたいで、嬉しくなってその腕にディーヴァを閉じ込めぎゅーっとする。
「う~、ダンテ、歩きづらいよ~」
「なら抱えて歩いてやろうか?」
「それじゃキャリーバッグ運べないからだーめ」
「ちぇっ」
そうこうしている内に、温泉宿の玄関へとたどり着いたのだった。