mission 30:going to travel ~日本~
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
そこまで本格的ではないといえ、まさか山に登る事になろうとは思わなかった。
そのため、足元は登山向きのズボンとトレッキングブーツなどでなく、スカートと普通のブーツになってしまったが上はしっかりと暖かい上着を着込み、ディーヴァはダンテと共にいざ出発となった。
そして祖母から渡された『山神様の好物』とやらは…。
「これ、あぶ…らぁげ?を煮て、中にご飯を詰めたもの、…で合ってる?」
「そう、お稲荷さんっていうのよ。山神様はお稲荷さんが好物なの」
「へ~変わってるのな。
うん、美味そうな匂いだ。一個いただこ…ぃで!」
ひとつつまみ食いしようとした悪い手癖のあるダンテの手のひらをぺちん、と叩き落すディーヴァ。
いなり寿司が好物ということは~…と、思えどディーヴァに分かるはずもない。
ましてやつまみ食いしようとしたダンテにはもっとわからない。
祖父母が見送る中、点々と設置された街灯と言えないほど暗~いあかりを頼りに道を進む。
山の麓までくると、その小さなあかりすらなくなってしまった。
「まっっっくら。懐中電灯…あんまり役に立たないね」
借りてきた懐中電灯ですら、その暗さの前にはロウソクの炎のあかりと大差ないという状態。
「オレは充分見えるから平気だぜ?」
ダンテ、お前はフクロウか。
とりあえず暗闇すら見える悪魔の血はすごいのだと、改めて実感。
「わー頼もしいー。ダンテがいたら、ホラーゲームも簡単にクリアできちゃいそー」
「おう、任せとけ」
「……絶対やらないけどね」
ディーヴァの棒読みも気にせず、大船に乗った気でいろと、胸を張るダンテ。
その船って底に穴空いてるんでしょ、と言い返したかったが………面倒なのでやめたディーヴァだった。
仕方なしにダンテの体にピタリとくっつき、腕も絡ませてゆっくりゆっくりという進むディーヴァ。
ダンテからすれば役得か。
目はこらせどこらせど全然光を拾ってくれず、ダンテに合わせるしかない。
ダンテもそれがわかっているからか、ディーヴァに合わせ、非常にゆっくりとした歩みで進むのだった。
この調子では、いつになったら上につくのやら……。
その内、さらさらさら…、と水が流れる音が聞こえてきた。
耳を澄ませば暗闇でもわかる、清流の音色。
「あ、近くに川があるみたいだね」
「だな」
見えない中、音だけを頼りに先を歩こうとするディーヴァに、危ないからと我先に進むはダンテ。
大丈夫だよ、危ないからオレが先に行くって、平気だよ、転んだらたいへんだろ、そんな押し問答でちちくりあう。
そんな2人の前に現れたのは…
「ちょい待て、ホントにあぶねぇよ、ディーヴァ」
「え?」
「橋だ、橋がある……」
目の前が開けた。
真っ暗な森の中よりは明るいが、やはりディーヴァにはよく見えぬほどの暗さ。
「橋?どこど……あ、ホントだ…」
よーく目をこらして初めて、ディーヴァは目の前に橋がかかっているのが見えた。
そして、橋の下は谷底で、そこに川が流れているのであった。
あと少し気がつかず進んだら谷底真っ逆さま。
というか橋とはおよそ言えぬものだ。
紐のようなロープと板っぱちで構成されているそれは、ダンテとディーヴァが乗っただけで落ちてしまうのではないか、と思わせるボロさ。
「こんなの乗って大丈夫かな…」
「橋なんだし大丈夫だろ。へぇ…麻縄なのか、……」
ロープの材質は強度のしっかりしている麻縄、麻縄といえばSMプレイで使うアレ。
縛り方はまだ勉強中だが、ぜひディーヴァをとある縛り方で縛りたいダンテ。
思い浮かべてニヤニヤしてしまう。
「ダンテ、どうしたの?」
「いや、なんでもない。さ、渡るから落ちないようしっかりロープを掴めよ」
「うん…」
まずダンテが、次いでディーヴァがゆっくりと橋に足をかける。
一歩踏み出すごとに大きくしなり、軋んで揺れてどうにもこうにも怖かった。
それを見て口角を上げるダンテ。
ゆっさゆっさ!ディーヴァが怖がっているのを知っているくせ、大きく橋を揺らす。
「ぴゃい!ゆ、ゆゆゆ揺らさないでよぉ!!」
「だって面白いだろ?」
「ばかー!!」
「うぉ!」
ロープを掴んでいた手を離し、ディーヴァはダンテの背中へダイブ!
大きく揺れたがお構い無し、ダンテの背中におぶさっていれば一安心だからだ。
「あっぶねぇな…」
「落ちるなら一緒に、だよ!はぁ…最初からこうしていればよかった」
背中に当たる胸の感触は気ン持ちいいが、これでディーヴァを心底怖がらせることはできなくなった。
あ、もうひとつ怖がらせるネタがあった。
「なぁディーヴァ、知ってるか。こういうのってな、板を渡しただけの足場の隙間から青白い顔がぬら~っと、それはもう、恨めしそうに覗いてきてだな…」
低めの声音でディーヴァに話して聞かせるダンテ。
想像してぞわり、背筋が冷える。
「あーあー!聞こえないー!ってか、なんでそんなゾッとするこというのよ!」
「ほら、お前の後ろからも…」
「ひぃっ!それ以上怖いこと言わないでよ。後ろ見れなくなっちゃう~」
ポカポカとダンテの頭を殴って先を急がす。
ようやく渡り終えて背中から降りたディーヴァ。
渡っている間じゅう、色々想像して生きた心地がしなかったという…。
「全く…こんなトコで冗談ぽいぽいなんだからね!」
「悪い悪い。怖がってるディーヴァってかわいいから、つい苛めたくなるんだよ。ごめんな」
「うぅ……許す…」
そう言われて悪い気はしない。
ダンテの胸に飛び込み抱きつけば、少し気持ちも落ち着いた。
「しかし…この時期は落ちたら大変そうだな……ぜってぇオレでも風邪ひくぞ」
「寒いもんねぇ」
「いや、寒いっていうか下の川、結構ところどころ凍ってる」
「あ、そうなの?」
ディーヴァからはよく見えていないだろうが、川の流れが所々凍っているのがダンテから見えた。
前に依頼で凍った湖に落ちて風邪をひいた時を思い出し、ダンテはぶるると震えた。
そのため、足元は登山向きのズボンとトレッキングブーツなどでなく、スカートと普通のブーツになってしまったが上はしっかりと暖かい上着を着込み、ディーヴァはダンテと共にいざ出発となった。
そして祖母から渡された『山神様の好物』とやらは…。
「これ、あぶ…らぁげ?を煮て、中にご飯を詰めたもの、…で合ってる?」
「そう、お稲荷さんっていうのよ。山神様はお稲荷さんが好物なの」
「へ~変わってるのな。
うん、美味そうな匂いだ。一個いただこ…ぃで!」
ひとつつまみ食いしようとした悪い手癖のあるダンテの手のひらをぺちん、と叩き落すディーヴァ。
いなり寿司が好物ということは~…と、思えどディーヴァに分かるはずもない。
ましてやつまみ食いしようとしたダンテにはもっとわからない。
祖父母が見送る中、点々と設置された街灯と言えないほど暗~いあかりを頼りに道を進む。
山の麓までくると、その小さなあかりすらなくなってしまった。
「まっっっくら。懐中電灯…あんまり役に立たないね」
借りてきた懐中電灯ですら、その暗さの前にはロウソクの炎のあかりと大差ないという状態。
「オレは充分見えるから平気だぜ?」
ダンテ、お前はフクロウか。
とりあえず暗闇すら見える悪魔の血はすごいのだと、改めて実感。
「わー頼もしいー。ダンテがいたら、ホラーゲームも簡単にクリアできちゃいそー」
「おう、任せとけ」
「……絶対やらないけどね」
ディーヴァの棒読みも気にせず、大船に乗った気でいろと、胸を張るダンテ。
その船って底に穴空いてるんでしょ、と言い返したかったが………面倒なのでやめたディーヴァだった。
仕方なしにダンテの体にピタリとくっつき、腕も絡ませてゆっくりゆっくりという進むディーヴァ。
ダンテからすれば役得か。
目はこらせどこらせど全然光を拾ってくれず、ダンテに合わせるしかない。
ダンテもそれがわかっているからか、ディーヴァに合わせ、非常にゆっくりとした歩みで進むのだった。
この調子では、いつになったら上につくのやら……。
その内、さらさらさら…、と水が流れる音が聞こえてきた。
耳を澄ませば暗闇でもわかる、清流の音色。
「あ、近くに川があるみたいだね」
「だな」
見えない中、音だけを頼りに先を歩こうとするディーヴァに、危ないからと我先に進むはダンテ。
大丈夫だよ、危ないからオレが先に行くって、平気だよ、転んだらたいへんだろ、そんな押し問答でちちくりあう。
そんな2人の前に現れたのは…
「ちょい待て、ホントにあぶねぇよ、ディーヴァ」
「え?」
「橋だ、橋がある……」
目の前が開けた。
真っ暗な森の中よりは明るいが、やはりディーヴァにはよく見えぬほどの暗さ。
「橋?どこど……あ、ホントだ…」
よーく目をこらして初めて、ディーヴァは目の前に橋がかかっているのが見えた。
そして、橋の下は谷底で、そこに川が流れているのであった。
あと少し気がつかず進んだら谷底真っ逆さま。
というか橋とはおよそ言えぬものだ。
紐のようなロープと板っぱちで構成されているそれは、ダンテとディーヴァが乗っただけで落ちてしまうのではないか、と思わせるボロさ。
「こんなの乗って大丈夫かな…」
「橋なんだし大丈夫だろ。へぇ…麻縄なのか、……」
ロープの材質は強度のしっかりしている麻縄、麻縄といえばSMプレイで使うアレ。
縛り方はまだ勉強中だが、ぜひディーヴァをとある縛り方で縛りたいダンテ。
思い浮かべてニヤニヤしてしまう。
「ダンテ、どうしたの?」
「いや、なんでもない。さ、渡るから落ちないようしっかりロープを掴めよ」
「うん…」
まずダンテが、次いでディーヴァがゆっくりと橋に足をかける。
一歩踏み出すごとに大きくしなり、軋んで揺れてどうにもこうにも怖かった。
それを見て口角を上げるダンテ。
ゆっさゆっさ!ディーヴァが怖がっているのを知っているくせ、大きく橋を揺らす。
「ぴゃい!ゆ、ゆゆゆ揺らさないでよぉ!!」
「だって面白いだろ?」
「ばかー!!」
「うぉ!」
ロープを掴んでいた手を離し、ディーヴァはダンテの背中へダイブ!
大きく揺れたがお構い無し、ダンテの背中におぶさっていれば一安心だからだ。
「あっぶねぇな…」
「落ちるなら一緒に、だよ!はぁ…最初からこうしていればよかった」
背中に当たる胸の感触は気ン持ちいいが、これでディーヴァを心底怖がらせることはできなくなった。
あ、もうひとつ怖がらせるネタがあった。
「なぁディーヴァ、知ってるか。こういうのってな、板を渡しただけの足場の隙間から青白い顔がぬら~っと、それはもう、恨めしそうに覗いてきてだな…」
低めの声音でディーヴァに話して聞かせるダンテ。
想像してぞわり、背筋が冷える。
「あーあー!聞こえないー!ってか、なんでそんなゾッとするこというのよ!」
「ほら、お前の後ろからも…」
「ひぃっ!それ以上怖いこと言わないでよ。後ろ見れなくなっちゃう~」
ポカポカとダンテの頭を殴って先を急がす。
ようやく渡り終えて背中から降りたディーヴァ。
渡っている間じゅう、色々想像して生きた心地がしなかったという…。
「全く…こんなトコで冗談ぽいぽいなんだからね!」
「悪い悪い。怖がってるディーヴァってかわいいから、つい苛めたくなるんだよ。ごめんな」
「うぅ……許す…」
そう言われて悪い気はしない。
ダンテの胸に飛び込み抱きつけば、少し気持ちも落ち着いた。
「しかし…この時期は落ちたら大変そうだな……ぜってぇオレでも風邪ひくぞ」
「寒いもんねぇ」
「いや、寒いっていうか下の川、結構ところどころ凍ってる」
「あ、そうなの?」
ディーヴァからはよく見えていないだろうが、川の流れが所々凍っているのがダンテから見えた。
前に依頼で凍った湖に落ちて風邪をひいた時を思い出し、ダンテはぶるると震えた。