mission 30:going to travel ~日本~
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着物を着ているからか、歩き方までいつもと違う気がする。
静かに、滑らかに、女性らしい歩き方に。
ゆっくり歩いて戻ったテラス。
「ただいま戻りました~」
よく知ったディーヴァの気配に、ダンテは、そして祖父もが嬉しそうに振り向いた。
…が、ディーヴァを見た瞬間、2人揃って呆けた顔。
驚かし、成功。
先に我に帰ったのは、祖父だった。
「おお…蓮の着物を着たのか。よく似合ってる。
見違えたなぁ……さっきまではかわいい孫娘と思うとったが、今度は絶世の美女としか言い表せん」
「そ、そこまでじゃないよ…でも、ありがと、おじいちゃん」
そして、ずっと呆けたままの顔をさらすダンテに向き直る。
「あれ、ダンテ…?おーい、もしもし?」
ダンテの目の前で手をひらひらと振ってみる。
だめだ、ただの屍のよ……、
がばっ!
「きゃっ」
屍ゾンビになったと思っていたダンテが、いきなりディーヴァを抱きしめた。
すぐ隣ではびっくりした様子で祖父がこっちを見ていて恥ずかしい。
「ダンテ、着物が皺になっちゃったら困るから離して?」
「あ、ああ…悪い」
「どうしたのダンテ、なんか変」
変なのはいつもの事だが、そのいつもよりも反応が鈍く、変だった。
そして、ゆっくりディーヴァを解放したダンテは頭をかいて視線を彷徨わせつつ、ボソリと呟くように言う。
「惚れ直した…。その、……綺麗だ…。
色っぽいっつぅか、なんつぅか……とにかく、綺麗だよ。……似合ってる」
「えっ!…ぁ、ぁりがとぅ…すごく嬉しい……」
返しの言葉も小さくなってしまったディーヴァ。
お互い赤い顔で見つめ合う。
ダンテの指が、そっとディーヴァの髪に触れる。
髪から耳へ、耳から頬へ、そして、唇へ。
その唇と唇の距離が徐々に近づく…あと5センチ、3センチ…1センチ……。
「だあああ!!孫はやっぱお前にやらん!」
「なっ」
「ひゃっ…」
甘い空気は一気に掻き消える。
そこに割って入り、祖父はダンテとディーヴァのそれ以上の行動を制した。
キスをお預けされたのも腹立たしいが、聞き捨てならぬその言葉に、待ったをかけたのはダンテだ。
「はぁ!?さっきまでと言ってること逆じゃねぇか。『孫娘をよろしく頼む』って、そう言ったよな!?」
「さっきはさっき、今は今じゃ!もう忘れた!」
「なんだと!武士に二言はないってよく言うだろうが!」
「私は武士ではぬゎい!!」
「うーん。おじいちゃんの言うことも一理あるよ。
この時代には武士どころかお侍さんはもういないもんね…」
言い合いを始めるダンテと祖父から離れ、ひとりそう漏らすディーヴァ。
この喧嘩?は、どう止めていいやら、祖母以外に止められないのではないだろうか…。
ため息を吐くディーヴァの肩を、おもむろにダンテが引き寄せた。
「ちょ、ダンテ!?」
「こうなったら今すぐディーヴァを攫って娶る!そのまま駆け落ちする!」
「な、なんだと…!?」
「…ねぇダンテ、駆け落ちは攫ってするようなものじゃないんだけど…」
「え゛」
肩に少しだけ食い込んだダンテの手をやんわりと引き剥がし、今度は向き直ってその手を自分の手で包み込む。
「それに、あたしはもうダンテのものでしょ?」
「そういやぁ、そうだったな…」
にっこりと笑って言えば、ダンテはようやく落ち着きを取り戻して大人しくなった。
そして、お次は祖父に向き直る。
「おじいちゃん」
「…なんじゃい。お前達の仲を認めろっていうのは聞かんぞ」
「あたし、ダンテのこと大好き。だから…この人とずっとずぅっと一緒にいたいの。………だめ?」
吸い込まれそうにゆらゆら揺れるエメラルドの瞳に覗き込まれては、だめと言える筈もなく、祖父はゆっくりと、本当にゆっくりと小さく頷いた。
「だが、しかし、なぁ…」
それでも渋りはする。
「仕事が便利屋なんて、収入も不定期で…うーむ。ちゃんと養えるのか?食っていけるのか?」
ダンテの生業が便利屋だと知り、生活していけるのか…それが一番の不安の種。
先立つ物がなくては、どんなに想いあっていても不幸になるかも?というのが、祖父の考えだ。
「当たり前なこと聞くなっての」
「……ちゃんとディーヴァを幸せにするんだろうな。泣かせないと誓うか?」
「おう。絶対にディーヴァを幸せにす……」
「ディーヴァ、もしこやつに飽きたらいつでも日本においで。もっと誠実で真面目な奴をお前に探してやるからな」
「って、聞けよ、オイ」
ダンテの言葉は最後まで聞かない。
「う、うん…わかった」
「ディーヴァもそこで返事してくれるなよ……」
そしてディーヴァもダンテを無視して祖父の言葉に返事した。
静かに、滑らかに、女性らしい歩き方に。
ゆっくり歩いて戻ったテラス。
「ただいま戻りました~」
よく知ったディーヴァの気配に、ダンテは、そして祖父もが嬉しそうに振り向いた。
…が、ディーヴァを見た瞬間、2人揃って呆けた顔。
驚かし、成功。
先に我に帰ったのは、祖父だった。
「おお…蓮の着物を着たのか。よく似合ってる。
見違えたなぁ……さっきまではかわいい孫娘と思うとったが、今度は絶世の美女としか言い表せん」
「そ、そこまでじゃないよ…でも、ありがと、おじいちゃん」
そして、ずっと呆けたままの顔をさらすダンテに向き直る。
「あれ、ダンテ…?おーい、もしもし?」
ダンテの目の前で手をひらひらと振ってみる。
だめだ、ただの屍のよ……、
がばっ!
「きゃっ」
屍ゾンビになったと思っていたダンテが、いきなりディーヴァを抱きしめた。
すぐ隣ではびっくりした様子で祖父がこっちを見ていて恥ずかしい。
「ダンテ、着物が皺になっちゃったら困るから離して?」
「あ、ああ…悪い」
「どうしたのダンテ、なんか変」
変なのはいつもの事だが、そのいつもよりも反応が鈍く、変だった。
そして、ゆっくりディーヴァを解放したダンテは頭をかいて視線を彷徨わせつつ、ボソリと呟くように言う。
「惚れ直した…。その、……綺麗だ…。
色っぽいっつぅか、なんつぅか……とにかく、綺麗だよ。……似合ってる」
「えっ!…ぁ、ぁりがとぅ…すごく嬉しい……」
返しの言葉も小さくなってしまったディーヴァ。
お互い赤い顔で見つめ合う。
ダンテの指が、そっとディーヴァの髪に触れる。
髪から耳へ、耳から頬へ、そして、唇へ。
その唇と唇の距離が徐々に近づく…あと5センチ、3センチ…1センチ……。
「だあああ!!孫はやっぱお前にやらん!」
「なっ」
「ひゃっ…」
甘い空気は一気に掻き消える。
そこに割って入り、祖父はダンテとディーヴァのそれ以上の行動を制した。
キスをお預けされたのも腹立たしいが、聞き捨てならぬその言葉に、待ったをかけたのはダンテだ。
「はぁ!?さっきまでと言ってること逆じゃねぇか。『孫娘をよろしく頼む』って、そう言ったよな!?」
「さっきはさっき、今は今じゃ!もう忘れた!」
「なんだと!武士に二言はないってよく言うだろうが!」
「私は武士ではぬゎい!!」
「うーん。おじいちゃんの言うことも一理あるよ。
この時代には武士どころかお侍さんはもういないもんね…」
言い合いを始めるダンテと祖父から離れ、ひとりそう漏らすディーヴァ。
この喧嘩?は、どう止めていいやら、祖母以外に止められないのではないだろうか…。
ため息を吐くディーヴァの肩を、おもむろにダンテが引き寄せた。
「ちょ、ダンテ!?」
「こうなったら今すぐディーヴァを攫って娶る!そのまま駆け落ちする!」
「な、なんだと…!?」
「…ねぇダンテ、駆け落ちは攫ってするようなものじゃないんだけど…」
「え゛」
肩に少しだけ食い込んだダンテの手をやんわりと引き剥がし、今度は向き直ってその手を自分の手で包み込む。
「それに、あたしはもうダンテのものでしょ?」
「そういやぁ、そうだったな…」
にっこりと笑って言えば、ダンテはようやく落ち着きを取り戻して大人しくなった。
そして、お次は祖父に向き直る。
「おじいちゃん」
「…なんじゃい。お前達の仲を認めろっていうのは聞かんぞ」
「あたし、ダンテのこと大好き。だから…この人とずっとずぅっと一緒にいたいの。………だめ?」
吸い込まれそうにゆらゆら揺れるエメラルドの瞳に覗き込まれては、だめと言える筈もなく、祖父はゆっくりと、本当にゆっくりと小さく頷いた。
「だが、しかし、なぁ…」
それでも渋りはする。
「仕事が便利屋なんて、収入も不定期で…うーむ。ちゃんと養えるのか?食っていけるのか?」
ダンテの生業が便利屋だと知り、生活していけるのか…それが一番の不安の種。
先立つ物がなくては、どんなに想いあっていても不幸になるかも?というのが、祖父の考えだ。
「当たり前なこと聞くなっての」
「……ちゃんとディーヴァを幸せにするんだろうな。泣かせないと誓うか?」
「おう。絶対にディーヴァを幸せにす……」
「ディーヴァ、もしこやつに飽きたらいつでも日本においで。もっと誠実で真面目な奴をお前に探してやるからな」
「って、聞けよ、オイ」
ダンテの言葉は最後まで聞かない。
「う、うん…わかった」
「ディーヴァもそこで返事してくれるなよ……」
そしてディーヴァもダンテを無視して祖父の言葉に返事した。