mission 30:going to travel ~日本~
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
午前中早めの時間帯にホテルを後にしたダンテとディーヴァ。
初詣に出掛けるのか駅構内には人がたくさんいたが、地方に行く人はあまりいないようで電車内は混んでおらず楽に座る事が出来た。
「う~…朝から腰痛い…」
…が!
座れただけでマシというものの、ディーヴァは渋い顔をして自分の腰をさすっていた。
これで立っての乗車だったら大変だったろう。
「結構イス硬いもんな」
「イスのせいにしない!ダンテのせいでしょ!」
ジロリと睨むディーヴァ。
「まぁまぁ、静かにしてろって。他の客に聞かれちまうぜ」
「周りに誰かいればね!」
ディーヴァが叫ぶように言っていても問題ない。
なぜなら、先ほどまではチラホラと載っていた乗客も、主要都市で全員降りて周りに誰一人いない状態だからだ。
「周りに誰もいない列車ってのもすげぇよな。
お前のじーさんばーさんが住んでるって実家、どんな田舎なんだか…」
「田舎とは失礼な」
「でも、田舎だろ?」
「んー、まあ…。そんなに都会から離れてないんだけどねぇ…」
カサ、と路線図が載っている地図を取り出して見る。
「静かでいいよな」
「そうだね。日本には悪魔もいなさそうだしホント、静かでいいよねー…」
窓の外に広がるのは少しずつ積もっていく斑雪とそれを吐き出す白い空。
その窓枠の縁は白く曇っていて外の寒さを物語る。
ダンテがそっと窓に指を触れてみれば、氷のような冷たさだった。
「悪魔なら日本にだっていると思うぜ?ココにも、な」
「ひゃっ!…ダンテ~~~?」
冷たくなった指をディーヴァの首に当てる。
地図を見るのに夢中だったディーヴァは、飛び上がるほどビックリしてダンテを恨めしそうに見た。
「もー…あたしが言ってるのは、ダンテ以外の悪魔のことだよ。あといきなり変な事するの禁止」
「悪い悪い。ついイタズラしたくなってな」
そう言って謝ってから、今度はディーヴァのスカートとニーソックスの間の絶妙な絶対領域をスルリと撫で上げる。
「誰もいないんだし、もっとイタズラさせ……でぇっ!」
「えー、当列車は、公共の場でのお触りは禁止しておりまーす」
電車の中でコトに及ぼうというダンテの悪~い手は、ディーヴァの渾身の抓り攻撃の前に引っ込めざるを得なかった。
そもそも昨晩日本についてから散々楽しんだくせに、まだ足りないというのか。
ダンテはもう少し我慢をする訓練が必要そうだ。
「ダンテは膝枕で大人しく眠るのと、次の駅で強制的に降ろされるのどっちがいい?」
「膝枕に決まってるだろ」
膝枕が精一杯の譲歩。
ディーヴァの柔らかな太ももに頭を乗せたダンテは、恋人の匂いに包まれ、にへら~…と至福のひと時。
しまりない顔を晒す天下のデビルハンター・ダンテ。
ディーヴァはそんなダンテの頭を撫でつつ、車窓からの景色を眺めるにつとめた。
それから数十分ほど。
ガタンゴトンとのどかな電車移動がしばし続き、ようやく着いた母の実家がある場所。
駅前は多少栄えているのだが、一歩外れると森やら田園風景が広がっているような、ダンテが言ったような田舎に感じてしまう。
「やっぱ田舎だな」
「いいんじゃない?のどかで落ち着くよ。
アメリカと違ってごみごみしてないし…何よりなんだか安心する」
「ふぅん…。アメリカだって、一歩外れりゃ農地だらけの森だらけだし、じゅーぶん安心するけどな」
ディーヴァが日本で安心するのは悪い悪魔の気配をそばに感じない状況な上、守ってくれるダンテが隣にいるからなのだが…そんな事ディーヴァも、守っているダンテすらも知らないだろう。
そんな会話をしながらトコトコと畦道にも近い場所を歩く。
ダンテの引く2つのキャスターバッグの音がBGMにカラカラとあたりに木霊していった。
冬のせいで何も植わっていない田畑を進み少し歩いた森の中。
そこには縁側がある日本家屋のような、でもテラスなどもあって西洋家屋のような…そんな素敵な陽だまりの中に佇む一軒家が建っていた。
……住所は合っている、ここだ。
「ほぇー…なんか…⚫︎トロに出てくる主人公のおうちみたーい…」
「ト⚫︎ロ?」
「一緒に観たでしょ?日本の有名なアニメ映画。おっきくて優しい森のヌシさんが出る…」
「ああ…アレか。
森のヌシとか言いつつ生者を死者の国に連れてく死神って噂の奴な」
「……夢を壊すダンテなんかきらーい」
「それくらいで嫌ってくれるなよ」
頬を膨らませてむくれていたディーヴァが、玄関の入り口で居住まいを直す。
インターホンに指を伸ばしいざ押そう!という時になり、その指と体は固まってしまった。
「どした、押さないのか」
「なんか緊張してきちゃって…」
「おいおい。ここまで来といて帰る、とか言うんじゃねぇだろうな?」
「さすがにそれはないってば」
押そうか押さないか、扉の真ん前で迷っていると。
インターホンを鳴らす前どころではない、引き戸の扉が内側からガララと開いた。
「ふぇ!?」
「…あら……?」
どことなく亡くなった母に似ている初老の女性の視線と、ディーヴァのエメラルドの視線が目の前でかちあう。
と、そのタイミングでダンテがピンポーン!…意味ない。
「え、と……は、はじめまして…ディーヴァ、です……」
初めての挨拶は、そんなぎこちない笑みと共に為された。
初詣に出掛けるのか駅構内には人がたくさんいたが、地方に行く人はあまりいないようで電車内は混んでおらず楽に座る事が出来た。
「う~…朝から腰痛い…」
…が!
座れただけでマシというものの、ディーヴァは渋い顔をして自分の腰をさすっていた。
これで立っての乗車だったら大変だったろう。
「結構イス硬いもんな」
「イスのせいにしない!ダンテのせいでしょ!」
ジロリと睨むディーヴァ。
「まぁまぁ、静かにしてろって。他の客に聞かれちまうぜ」
「周りに誰かいればね!」
ディーヴァが叫ぶように言っていても問題ない。
なぜなら、先ほどまではチラホラと載っていた乗客も、主要都市で全員降りて周りに誰一人いない状態だからだ。
「周りに誰もいない列車ってのもすげぇよな。
お前のじーさんばーさんが住んでるって実家、どんな田舎なんだか…」
「田舎とは失礼な」
「でも、田舎だろ?」
「んー、まあ…。そんなに都会から離れてないんだけどねぇ…」
カサ、と路線図が載っている地図を取り出して見る。
「静かでいいよな」
「そうだね。日本には悪魔もいなさそうだしホント、静かでいいよねー…」
窓の外に広がるのは少しずつ積もっていく斑雪とそれを吐き出す白い空。
その窓枠の縁は白く曇っていて外の寒さを物語る。
ダンテがそっと窓に指を触れてみれば、氷のような冷たさだった。
「悪魔なら日本にだっていると思うぜ?ココにも、な」
「ひゃっ!…ダンテ~~~?」
冷たくなった指をディーヴァの首に当てる。
地図を見るのに夢中だったディーヴァは、飛び上がるほどビックリしてダンテを恨めしそうに見た。
「もー…あたしが言ってるのは、ダンテ以外の悪魔のことだよ。あといきなり変な事するの禁止」
「悪い悪い。ついイタズラしたくなってな」
そう言って謝ってから、今度はディーヴァのスカートとニーソックスの間の絶妙な絶対領域をスルリと撫で上げる。
「誰もいないんだし、もっとイタズラさせ……でぇっ!」
「えー、当列車は、公共の場でのお触りは禁止しておりまーす」
電車の中でコトに及ぼうというダンテの悪~い手は、ディーヴァの渾身の抓り攻撃の前に引っ込めざるを得なかった。
そもそも昨晩日本についてから散々楽しんだくせに、まだ足りないというのか。
ダンテはもう少し我慢をする訓練が必要そうだ。
「ダンテは膝枕で大人しく眠るのと、次の駅で強制的に降ろされるのどっちがいい?」
「膝枕に決まってるだろ」
膝枕が精一杯の譲歩。
ディーヴァの柔らかな太ももに頭を乗せたダンテは、恋人の匂いに包まれ、にへら~…と至福のひと時。
しまりない顔を晒す天下のデビルハンター・ダンテ。
ディーヴァはそんなダンテの頭を撫でつつ、車窓からの景色を眺めるにつとめた。
それから数十分ほど。
ガタンゴトンとのどかな電車移動がしばし続き、ようやく着いた母の実家がある場所。
駅前は多少栄えているのだが、一歩外れると森やら田園風景が広がっているような、ダンテが言ったような田舎に感じてしまう。
「やっぱ田舎だな」
「いいんじゃない?のどかで落ち着くよ。
アメリカと違ってごみごみしてないし…何よりなんだか安心する」
「ふぅん…。アメリカだって、一歩外れりゃ農地だらけの森だらけだし、じゅーぶん安心するけどな」
ディーヴァが日本で安心するのは悪い悪魔の気配をそばに感じない状況な上、守ってくれるダンテが隣にいるからなのだが…そんな事ディーヴァも、守っているダンテすらも知らないだろう。
そんな会話をしながらトコトコと畦道にも近い場所を歩く。
ダンテの引く2つのキャスターバッグの音がBGMにカラカラとあたりに木霊していった。
冬のせいで何も植わっていない田畑を進み少し歩いた森の中。
そこには縁側がある日本家屋のような、でもテラスなどもあって西洋家屋のような…そんな素敵な陽だまりの中に佇む一軒家が建っていた。
……住所は合っている、ここだ。
「ほぇー…なんか…⚫︎トロに出てくる主人公のおうちみたーい…」
「ト⚫︎ロ?」
「一緒に観たでしょ?日本の有名なアニメ映画。おっきくて優しい森のヌシさんが出る…」
「ああ…アレか。
森のヌシとか言いつつ生者を死者の国に連れてく死神って噂の奴な」
「……夢を壊すダンテなんかきらーい」
「それくらいで嫌ってくれるなよ」
頬を膨らませてむくれていたディーヴァが、玄関の入り口で居住まいを直す。
インターホンに指を伸ばしいざ押そう!という時になり、その指と体は固まってしまった。
「どした、押さないのか」
「なんか緊張してきちゃって…」
「おいおい。ここまで来といて帰る、とか言うんじゃねぇだろうな?」
「さすがにそれはないってば」
押そうか押さないか、扉の真ん前で迷っていると。
インターホンを鳴らす前どころではない、引き戸の扉が内側からガララと開いた。
「ふぇ!?」
「…あら……?」
どことなく亡くなった母に似ている初老の女性の視線と、ディーヴァのエメラルドの視線が目の前でかちあう。
と、そのタイミングでダンテがピンポーン!…意味ない。
「え、と……は、はじめまして…ディーヴァ、です……」
初めての挨拶は、そんなぎこちない笑みと共に為された。