mission 29:exposure,denunciation ~悪魔だって傷つく~
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プスプスと煙を上げて跡形もなくなるとともに、悪魔の気配が完全に消失。
そして、重力に従ってダンテに降り注ぐのは、悪魔の置き土産たる、血の雨だった。
容赦無くダンテの衣服を…体を、紅く染める悪魔の血。
「ダンテ、大丈夫?」
気色悪いものを浴びて、さぞや気持ち悪かろう。
少しでも拭き取ろうと思い、ディーヴァはハンカチを取り出して、ダンテの元へ駆け寄った。
周りの人間達も、悪魔が消えたことで歓喜し、口々にダンテに向かって称賛の声をかける。
「やった!」
「なんだかわからないが、変な化け物が倒れたぞ!」
「アンタすげぇな!」
だが、ディーヴァが付着した血を拭うのも、人間達が褒めちぎるのも、ダンテの耳にはあまり入っていないよう。
ダンテは俯いて目を見開いていた。
…変な感じだ。
体に起こるのは、魔人化する時やディーヴァの血を前にした時の異変と同じもの。
悪魔が最後に何やら言っていたことを思い出す。
血は特殊な毒を含み、悪魔の返り血を浴びれば、悪魔の血をひく者は、その身に眠る魔族の血が暴走する…と。
ダンテの体に流れる悪魔の血もまた、それに毒されていた。
どくん…跳ねる鼓動。
(な、んだ…この感じ……)
ダンテと時を同じくして、すぐ隣にいたディーヴァは異変に気がついた。
その異変の内容にまでは気が付かぬまま。
「ダンテ…?どうしたの?」
拭いていた手を止め、声をかけながらダンテの顔を覗き込む。
変化があったのは、そのあたたかな手の平がダンテの頬に触れ、視線が合った瞬間だった。
バチバチバチ!
電流の走るような音と共に、ダンテの体が幾度にも渡り魔人化した。
魔人化により、ダンテを中心に巻き起こる衝撃波。
吹き飛ばされるほどではないものの、その異様さにその場の人間達が叫ぶ。
「きゃあああ!」
「うわあああああっ!!」
少人数にとは言え、完全に見られた。
言い逃れば出来ない。
ディーヴァはその細い腕で、魔人化したダンテを隠そうと試みた。
…もちろん、無駄な足掻きだったが。
「…っ…ダンテ!?」
ディーヴァはダンテが悪魔の血をひいていることも知っているし、何度も見慣れているからいい。
だが、何も知らぬ一般人から見た魔人と化したダンテはどうだろうか。
周りの表情を見れば一目瞭然。
恐ろしいと震える顔、驚愕の表情で固まる者、嫌悪に歪む者。
全てが、マイナスにしかとらえられぬ表情で、ダンテの姿を見ていた。
「みろ、あいつも化け物だ!!」
「あいつ自身も悪魔だったんだ!」
案の定、悪魔と認識されてしまっている。
「ぐっ…う、うるせぇ…!」
頭が痛むのかダンテが額を押さえて唸る。
頭痛を発症した頭に人々の阿鼻叫喚の声はきついのだろう、人々を黙らせるためにと、ディーヴァの制止を振り切り、ダンテは牙をむいて力強く足を踏み鳴らした。
ダァン!…バキバキバキッ!!
ダンテの足元からひび割れが伸び、人間達のいる地面までが地割れを起こし、破壊された。
こうなると、人間達はダンテにとって絶好の攻撃対象…もしくはただの獲物にしかならない。
いつものダンテらしからぬ人間への攻撃を見、ディーヴァはダンテの体に腕を回して止めた。
「ダンテ!?ど、どうしちゃったの!!だめ、だめだよ!何やってんの!!」
ディーヴァの力は弱い。
どんなに強く揺さぶっても、ダンテの小さな動き一つで簡単に弾き飛ばされてしまう。
そう考えると少し怖いが、ディーヴァは暴れだしそうなダンテに必死で呼びかけた。
ダンテの視線の先は、定まらずに合っていない。
瞳孔が不安定に揺れ動き、正気を失っているようにも見えた。
「お願いだから正気に戻って!魔人化を解いて…!」
ダンテからはその声が、まるで水中にいる時のようにくぐもって、遠くに聞こえていた。
そして、重力に従ってダンテに降り注ぐのは、悪魔の置き土産たる、血の雨だった。
容赦無くダンテの衣服を…体を、紅く染める悪魔の血。
「ダンテ、大丈夫?」
気色悪いものを浴びて、さぞや気持ち悪かろう。
少しでも拭き取ろうと思い、ディーヴァはハンカチを取り出して、ダンテの元へ駆け寄った。
周りの人間達も、悪魔が消えたことで歓喜し、口々にダンテに向かって称賛の声をかける。
「やった!」
「なんだかわからないが、変な化け物が倒れたぞ!」
「アンタすげぇな!」
だが、ディーヴァが付着した血を拭うのも、人間達が褒めちぎるのも、ダンテの耳にはあまり入っていないよう。
ダンテは俯いて目を見開いていた。
…変な感じだ。
体に起こるのは、魔人化する時やディーヴァの血を前にした時の異変と同じもの。
悪魔が最後に何やら言っていたことを思い出す。
血は特殊な毒を含み、悪魔の返り血を浴びれば、悪魔の血をひく者は、その身に眠る魔族の血が暴走する…と。
ダンテの体に流れる悪魔の血もまた、それに毒されていた。
どくん…跳ねる鼓動。
(な、んだ…この感じ……)
ダンテと時を同じくして、すぐ隣にいたディーヴァは異変に気がついた。
その異変の内容にまでは気が付かぬまま。
「ダンテ…?どうしたの?」
拭いていた手を止め、声をかけながらダンテの顔を覗き込む。
変化があったのは、そのあたたかな手の平がダンテの頬に触れ、視線が合った瞬間だった。
バチバチバチ!
電流の走るような音と共に、ダンテの体が幾度にも渡り魔人化した。
魔人化により、ダンテを中心に巻き起こる衝撃波。
吹き飛ばされるほどではないものの、その異様さにその場の人間達が叫ぶ。
「きゃあああ!」
「うわあああああっ!!」
少人数にとは言え、完全に見られた。
言い逃れば出来ない。
ディーヴァはその細い腕で、魔人化したダンテを隠そうと試みた。
…もちろん、無駄な足掻きだったが。
「…っ…ダンテ!?」
ディーヴァはダンテが悪魔の血をひいていることも知っているし、何度も見慣れているからいい。
だが、何も知らぬ一般人から見た魔人と化したダンテはどうだろうか。
周りの表情を見れば一目瞭然。
恐ろしいと震える顔、驚愕の表情で固まる者、嫌悪に歪む者。
全てが、マイナスにしかとらえられぬ表情で、ダンテの姿を見ていた。
「みろ、あいつも化け物だ!!」
「あいつ自身も悪魔だったんだ!」
案の定、悪魔と認識されてしまっている。
「ぐっ…う、うるせぇ…!」
頭が痛むのかダンテが額を押さえて唸る。
頭痛を発症した頭に人々の阿鼻叫喚の声はきついのだろう、人々を黙らせるためにと、ディーヴァの制止を振り切り、ダンテは牙をむいて力強く足を踏み鳴らした。
ダァン!…バキバキバキッ!!
ダンテの足元からひび割れが伸び、人間達のいる地面までが地割れを起こし、破壊された。
こうなると、人間達はダンテにとって絶好の攻撃対象…もしくはただの獲物にしかならない。
いつものダンテらしからぬ人間への攻撃を見、ディーヴァはダンテの体に腕を回して止めた。
「ダンテ!?ど、どうしちゃったの!!だめ、だめだよ!何やってんの!!」
ディーヴァの力は弱い。
どんなに強く揺さぶっても、ダンテの小さな動き一つで簡単に弾き飛ばされてしまう。
そう考えると少し怖いが、ディーヴァは暴れだしそうなダンテに必死で呼びかけた。
ダンテの視線の先は、定まらずに合っていない。
瞳孔が不安定に揺れ動き、正気を失っているようにも見えた。
「お願いだから正気に戻って!魔人化を解いて…!」
ダンテからはその声が、まるで水中にいる時のようにくぐもって、遠くに聞こえていた。