mission 29:exposure,denunciation ~悪魔だって傷つく~
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何か自分にもできればいいのに…。
そんな気持ちで、苦戦しているダンテを見ているディーヴァ。
悪魔退治の場面では自分にできることなんてほとんどない。
天使であり獲物にしかなりえぬ自分は、逆に邪魔にしかならない足を引っ張るだけの存在。
唇を噛みしめて、少しでもダンテの役に立てるかと、ディーヴァは悪魔の退治方法について模索してみた。
…と、そこではたと気が付いた。
この悪魔は特殊な方法で呼び出された悪魔。
その特殊な方法は、終わらせ方も特殊だったはずだ。
ディーヴァは悪魔との斬り合いを続けるダンテに叫んで伝えた。
「ダンテ!その悪魔はウィジャボードで喚ばれた悪魔だよ!!」
「ウィジャボード?」
トリックスターを使い、一瞬にしてディーヴァの元へと戻ったダンテが聞く。
ダンテはそんな遊びがあることを知らなかったようで、ディーヴァは未だ戦闘中でもあるダンテに軽く説明を入れた。
「遊びの一種なんだけど、場合によっては降霊術としてなりたつ危険な遊び。
学校で前に流行ったの」
「降霊術流行るって…危ねぇな」
危なかろうと、人間一度はそういうものに興味が出る生き物。
ちなみにディーヴァは怖かったのでほとんどやらなかったらしい…懸命な判断だ。
そしてこのウィジャボードは『hello』から始まり、『good bye』で終わる。
つまり…。
「悪魔を倒すには、一度『good bye』しないとダメなんだと思うの」
「なるほど…召喚してそのままだからこの世界にいることが出来るわけだもんな。
終わらせるまでは、こっちの世界で無敵ってことか…」
だが、ここに召喚者の使っていたウィジャボードがあるはずないし、そもそも場所を聞こうにも肝心の召喚者の男は、悪魔の腹の中。
「終わらせるって言ってもどうしようもねぇだろうが…」
「…あたしが見つけて終わらせる」
「なんだって?」
場所はきっとディーヴァが捕まっていた場所だろう。
血だまりはあるし、悪魔の分身ともいうべき蛇の悪魔達が未だにうようよしているかもしれない場所だが、ダンテはここで悪魔と対戦中…ディーヴァが行くしかない。
「頑張る、あたし頑張るから…ッ!ダンテの役に立てるように…!!」
「あ、ちょ…ディーヴァ!?」
そんな死亡フラグのような言い方するなって!
と、ダンテにそう言う暇を与えないほどに珍しく速く、ディーヴァは震える足に叱咤して再び廃工場の中へと戻って行った。
「ったく、勝手に行きやがって…。
強気なディーヴァも嫌いじゃねぇが、無理すんなよ?」
ダンテは消えゆくディーヴァの足に向かってそう呟き、目の前の悪魔に向き直る。
ディーヴァが任せろ!と、そう言うのであれば、ダンテに出来ることなんてひとつだけ…ディーヴァを追おうとする悪魔の足止めのみ。
『天使を逃がそうとしたのだろうが、あっちには我の分身の悪魔しかおらぬぞ?』
「…らしいな。それより蛇ヤロー、もうちょいオレと遊ぼうぜ?」
両手でリベリオンの柄をしっかり握ると、ダンテは悪魔の首元目掛け、刃を振り下ろした。
***
警戒を怠らぬよう気をつけながら、ディーヴァは自分が捕らえられていたところまで急ぐ。
が、最後の部屋の前まで一匹も蛇がいなかった。
天使の運の良さが働いたのかもしれないが、遭遇せずに済むのなら願ったり叶ったりである。
ホッと胸を撫で下ろし、ディーヴァはその室内に足を踏み入れた。
ぐにゃ。
「え、『ぐにゃ』…?」
とっても、嫌~な予感。
仄暗い室内、よく目を凝らして見れば、その部屋いっぱいにあの悪魔の分身たる蛇が大量に存在していた。
動きさえしなければ、まるで蛇の太さの毛糸で出来たカーペットだ。
…そんなカーペットは誰も欲しくないが。
部屋全体を覆うように蛇がのたうち、ニョロニョロうねうねと蠢いている。
蛇が群がるのは、血だまりとそこに転がる死体や肉片。
そして、その中の一体の蛇を、ディーヴァは踏みつけてしまったようだった。
「ご、ごめんなさー…い…。あたし、これにて失礼しまぁす…」
これは部屋に入るのは諦めた方が良さそうだ。
血肉に群がっているのを好機と、ディーヴァはそろりと退出を試みた。
が、更なるかっこうの獲物たるディーヴァを、蛇達が放って置くわけがなかった。
そもそも、その中の一匹は踏みつけてしまったため、怒り狂って鎌首をもたげている。
全ての蛇がディーヴァの方を向くのに時間はかからなかった。
「さ、三十六計、逃げるにしかず!」
蛇が餌から捌けてこちらを向いたことで、ちょうどその下にあったらしいウィジャボードが目に入る。
傍にはご丁寧にプランシェットも落ちていた。
この蛇達を巻いて戻ってこよう…そう決めたディーヴァは、急いで部屋を出ると再び来た道を走った。
こんなに走ったのは一体いつぶりだろうか…。
息をきらせてふとそう考えてしまうほどには、悪魔との戦いに慣れてしまっていた。
だが、そんなことを考えていられるのも今だけ。
背後を確認すれば、群をなして追ってくる蛇の大群。
そのどれもが牙をむいており、恐怖を煽る。
一度ここへ連れ去られる時に蛇に噛まれたが、あれはダンテが噛んできた時よりもとても痛かった。
もう噛まれたくない。
人間、嫌だったことや痛かったことの方がよく覚えているものである。
背後を確認しながら走っても、転んで捕まり…身体中に毒牙を突き立てられるだけ。
後ろはもう見ないことにしたディーヴァは、相手を巻くための場所を探した。
そんな気持ちで、苦戦しているダンテを見ているディーヴァ。
悪魔退治の場面では自分にできることなんてほとんどない。
天使であり獲物にしかなりえぬ自分は、逆に邪魔にしかならない足を引っ張るだけの存在。
唇を噛みしめて、少しでもダンテの役に立てるかと、ディーヴァは悪魔の退治方法について模索してみた。
…と、そこではたと気が付いた。
この悪魔は特殊な方法で呼び出された悪魔。
その特殊な方法は、終わらせ方も特殊だったはずだ。
ディーヴァは悪魔との斬り合いを続けるダンテに叫んで伝えた。
「ダンテ!その悪魔はウィジャボードで喚ばれた悪魔だよ!!」
「ウィジャボード?」
トリックスターを使い、一瞬にしてディーヴァの元へと戻ったダンテが聞く。
ダンテはそんな遊びがあることを知らなかったようで、ディーヴァは未だ戦闘中でもあるダンテに軽く説明を入れた。
「遊びの一種なんだけど、場合によっては降霊術としてなりたつ危険な遊び。
学校で前に流行ったの」
「降霊術流行るって…危ねぇな」
危なかろうと、人間一度はそういうものに興味が出る生き物。
ちなみにディーヴァは怖かったのでほとんどやらなかったらしい…懸命な判断だ。
そしてこのウィジャボードは『hello』から始まり、『good bye』で終わる。
つまり…。
「悪魔を倒すには、一度『good bye』しないとダメなんだと思うの」
「なるほど…召喚してそのままだからこの世界にいることが出来るわけだもんな。
終わらせるまでは、こっちの世界で無敵ってことか…」
だが、ここに召喚者の使っていたウィジャボードがあるはずないし、そもそも場所を聞こうにも肝心の召喚者の男は、悪魔の腹の中。
「終わらせるって言ってもどうしようもねぇだろうが…」
「…あたしが見つけて終わらせる」
「なんだって?」
場所はきっとディーヴァが捕まっていた場所だろう。
血だまりはあるし、悪魔の分身ともいうべき蛇の悪魔達が未だにうようよしているかもしれない場所だが、ダンテはここで悪魔と対戦中…ディーヴァが行くしかない。
「頑張る、あたし頑張るから…ッ!ダンテの役に立てるように…!!」
「あ、ちょ…ディーヴァ!?」
そんな死亡フラグのような言い方するなって!
と、ダンテにそう言う暇を与えないほどに珍しく速く、ディーヴァは震える足に叱咤して再び廃工場の中へと戻って行った。
「ったく、勝手に行きやがって…。
強気なディーヴァも嫌いじゃねぇが、無理すんなよ?」
ダンテは消えゆくディーヴァの足に向かってそう呟き、目の前の悪魔に向き直る。
ディーヴァが任せろ!と、そう言うのであれば、ダンテに出来ることなんてひとつだけ…ディーヴァを追おうとする悪魔の足止めのみ。
『天使を逃がそうとしたのだろうが、あっちには我の分身の悪魔しかおらぬぞ?』
「…らしいな。それより蛇ヤロー、もうちょいオレと遊ぼうぜ?」
両手でリベリオンの柄をしっかり握ると、ダンテは悪魔の首元目掛け、刃を振り下ろした。
***
警戒を怠らぬよう気をつけながら、ディーヴァは自分が捕らえられていたところまで急ぐ。
が、最後の部屋の前まで一匹も蛇がいなかった。
天使の運の良さが働いたのかもしれないが、遭遇せずに済むのなら願ったり叶ったりである。
ホッと胸を撫で下ろし、ディーヴァはその室内に足を踏み入れた。
ぐにゃ。
「え、『ぐにゃ』…?」
とっても、嫌~な予感。
仄暗い室内、よく目を凝らして見れば、その部屋いっぱいにあの悪魔の分身たる蛇が大量に存在していた。
動きさえしなければ、まるで蛇の太さの毛糸で出来たカーペットだ。
…そんなカーペットは誰も欲しくないが。
部屋全体を覆うように蛇がのたうち、ニョロニョロうねうねと蠢いている。
蛇が群がるのは、血だまりとそこに転がる死体や肉片。
そして、その中の一体の蛇を、ディーヴァは踏みつけてしまったようだった。
「ご、ごめんなさー…い…。あたし、これにて失礼しまぁす…」
これは部屋に入るのは諦めた方が良さそうだ。
血肉に群がっているのを好機と、ディーヴァはそろりと退出を試みた。
が、更なるかっこうの獲物たるディーヴァを、蛇達が放って置くわけがなかった。
そもそも、その中の一匹は踏みつけてしまったため、怒り狂って鎌首をもたげている。
全ての蛇がディーヴァの方を向くのに時間はかからなかった。
「さ、三十六計、逃げるにしかず!」
蛇が餌から捌けてこちらを向いたことで、ちょうどその下にあったらしいウィジャボードが目に入る。
傍にはご丁寧にプランシェットも落ちていた。
この蛇達を巻いて戻ってこよう…そう決めたディーヴァは、急いで部屋を出ると再び来た道を走った。
こんなに走ったのは一体いつぶりだろうか…。
息をきらせてふとそう考えてしまうほどには、悪魔との戦いに慣れてしまっていた。
だが、そんなことを考えていられるのも今だけ。
背後を確認すれば、群をなして追ってくる蛇の大群。
そのどれもが牙をむいており、恐怖を煽る。
一度ここへ連れ去られる時に蛇に噛まれたが、あれはダンテが噛んできた時よりもとても痛かった。
もう噛まれたくない。
人間、嫌だったことや痛かったことの方がよく覚えているものである。
背後を確認しながら走っても、転んで捕まり…身体中に毒牙を突き立てられるだけ。
後ろはもう見ないことにしたディーヴァは、相手を巻くための場所を探した。