mission 29:exposure,denunciation ~悪魔だって傷つく~
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「ダンテ、明日には依頼終わらせて帰ってくるといいな…」
明日は仕事のシフトも入っておらず、一日お休み。
本日の仕事の帰り道をトボトボ歩きながら、ディーヴァはダンテに思いを馳せていた。
と…ダンテが帰ったら何を食べようか、どこに出かけようかなどと考え事をしながら歩いていると、
目の前に長い影がかかった。
びっくりしたディーヴァが目線をあげて確認すれば、そこには1人の男性。
「あの…何かご用ですか?」
何か用があるのか、目の前に立ちふさがる彼に、ディーヴァは訝しげな表情で尋ねる。
そんなところにいられては、悪いが邪魔で前に進めないではないか。
だが男は退きもせず、その腕をスッと持ち上げた。
「君がディーヴァ、だね。悪いけど一緒に来てもらうよ」
「え…貴方誰…!?……つぅっ!」
ビュッ!!
言いかけた言葉は、男の袖口から飛び出した蛇によって途切れる。
そして、咄嗟に庇った腕に深々と突き刺さるその鋭く尖った牙。
「蛇!?」
牙が勢いよく引き抜かれ、傷口から流れ落ちる血とともに、ディーヴァの目の前がぶれる。
「安心してよ。ただ眠るだけだから…」
意識を上手く保っていられなくなったディーヴァは、その言葉が耳に届くと同時にガクンと崩れ落ちた。
地面に倒れる前に、ディーヴァはその腕に抱きとめられる。
「…捕獲完了」
淡々とした口調でそう呟いた男に連れ去られたディーヴァは、それから数時間後には悪魔の前に寝かされていた。
寝転がされたディーヴァ。
無数の目玉をギョロギョロ動かし、悪魔はディーヴァの上から下までをじっくり舐めるように見下ろす。
『この娘…、天使だったとはな…』
「天使?」
清らかで儚い空気に包まれた神聖なオーラが、こちらの魔力に対抗するようにディーヴァを覆っている。
噂で半魔のそばには天使がいる、と聞いていたが、まさか悪魔の血が混じるダンテのそばに、本当に天使の血族がいるとは思っていなかった。
が、悪魔自身、分身が牙を穿った時に偶然口にした血液で、遠く離れた本体である自分にもその血の効力がわかっている。
その血が悪魔の力を増大させる、大いなる力の源…天使の力が宿る血だということに。
いくらダンテを倒すための人質とはいえど、力を得たいならば人質にするよりこの天使を喰らうほうが手っ取り早い。
天使を喰らえば、かのデビルハンター、ダンテにも劣らぬ力が手に入ろう。
『気が変わった。今すぐ喰ってしまおう』
ガパ!!
ディーヴァなど一口で丸呑みしてしまえるだろう大きな口を限界まで開き、呼気がかかりそうなほど顔を近づける悪魔。
だが、あと一歩のところで、それは男により止められた。
「待て。もう奴に大事な人質を預かっていると、使い魔を送ってある。あとのお楽しみにしておけ。
なんなら、奴の目の前で食えばいいだろ」
『おのれ、指図するな!』
貴様から喰ろうてやるわ!
グルルルル、と腹の底から地響きに近い唸り声をあげる悪魔。
今までに味わったことのない天使という、得難いエサを前に食事を邪魔されておかんむりのようだ。
と、一触触発の空気になる中、ディーヴァの瞼が震え、エメラルドの瞳が覗いた。
「ん…」
いつもと違うむき出しの鉄骨の天井、肌寒い空気、なんとも形容しがたい生臭さにハッとしてガバ、と飛び起きる。
「起きたのか。催眠性の蛇毒…効き目が弱かったようだな」
背後から聞こえた声に、振り向くディーヴァ。
目に入ってきたソレに、ディーヴァは怯えきった声しか出せなかった。
「ひっ…!」
目の前に立つ男に攫われたのは覚えている。
だが、そのすぐ隣でとぐろを巻く大蛇が今にもディーヴァを食べようと口を開けているのだ。
恐ろしい以外の何者でもない。
「あぁ……っ、ダ、ダンテ…、た、助けて…」
無意識でダンテの名を呟き、助けを呼んでしまう。
足が竦んで動かず、出るのは震える声と目から落ちる涙だけ。
『眠ったままでいれば、怖い思いをせずにすんだものを…』
更に迫る大蛇の大きな口。
そこからはドロドロと粘着質のよだれがとめどなく垂れ、鋭い牙が見え隠れしていた。
生臭さはソコからきているようで、テラテラと深緑色に光る鱗も気持ち悪さに拍車をかけていた。
明日は仕事のシフトも入っておらず、一日お休み。
本日の仕事の帰り道をトボトボ歩きながら、ディーヴァはダンテに思いを馳せていた。
と…ダンテが帰ったら何を食べようか、どこに出かけようかなどと考え事をしながら歩いていると、
目の前に長い影がかかった。
びっくりしたディーヴァが目線をあげて確認すれば、そこには1人の男性。
「あの…何かご用ですか?」
何か用があるのか、目の前に立ちふさがる彼に、ディーヴァは訝しげな表情で尋ねる。
そんなところにいられては、悪いが邪魔で前に進めないではないか。
だが男は退きもせず、その腕をスッと持ち上げた。
「君がディーヴァ、だね。悪いけど一緒に来てもらうよ」
「え…貴方誰…!?……つぅっ!」
ビュッ!!
言いかけた言葉は、男の袖口から飛び出した蛇によって途切れる。
そして、咄嗟に庇った腕に深々と突き刺さるその鋭く尖った牙。
「蛇!?」
牙が勢いよく引き抜かれ、傷口から流れ落ちる血とともに、ディーヴァの目の前がぶれる。
「安心してよ。ただ眠るだけだから…」
意識を上手く保っていられなくなったディーヴァは、その言葉が耳に届くと同時にガクンと崩れ落ちた。
地面に倒れる前に、ディーヴァはその腕に抱きとめられる。
「…捕獲完了」
淡々とした口調でそう呟いた男に連れ去られたディーヴァは、それから数時間後には悪魔の前に寝かされていた。
寝転がされたディーヴァ。
無数の目玉をギョロギョロ動かし、悪魔はディーヴァの上から下までをじっくり舐めるように見下ろす。
『この娘…、天使だったとはな…』
「天使?」
清らかで儚い空気に包まれた神聖なオーラが、こちらの魔力に対抗するようにディーヴァを覆っている。
噂で半魔のそばには天使がいる、と聞いていたが、まさか悪魔の血が混じるダンテのそばに、本当に天使の血族がいるとは思っていなかった。
が、悪魔自身、分身が牙を穿った時に偶然口にした血液で、遠く離れた本体である自分にもその血の効力がわかっている。
その血が悪魔の力を増大させる、大いなる力の源…天使の力が宿る血だということに。
いくらダンテを倒すための人質とはいえど、力を得たいならば人質にするよりこの天使を喰らうほうが手っ取り早い。
天使を喰らえば、かのデビルハンター、ダンテにも劣らぬ力が手に入ろう。
『気が変わった。今すぐ喰ってしまおう』
ガパ!!
ディーヴァなど一口で丸呑みしてしまえるだろう大きな口を限界まで開き、呼気がかかりそうなほど顔を近づける悪魔。
だが、あと一歩のところで、それは男により止められた。
「待て。もう奴に大事な人質を預かっていると、使い魔を送ってある。あとのお楽しみにしておけ。
なんなら、奴の目の前で食えばいいだろ」
『おのれ、指図するな!』
貴様から喰ろうてやるわ!
グルルルル、と腹の底から地響きに近い唸り声をあげる悪魔。
今までに味わったことのない天使という、得難いエサを前に食事を邪魔されておかんむりのようだ。
と、一触触発の空気になる中、ディーヴァの瞼が震え、エメラルドの瞳が覗いた。
「ん…」
いつもと違うむき出しの鉄骨の天井、肌寒い空気、なんとも形容しがたい生臭さにハッとしてガバ、と飛び起きる。
「起きたのか。催眠性の蛇毒…効き目が弱かったようだな」
背後から聞こえた声に、振り向くディーヴァ。
目に入ってきたソレに、ディーヴァは怯えきった声しか出せなかった。
「ひっ…!」
目の前に立つ男に攫われたのは覚えている。
だが、そのすぐ隣でとぐろを巻く大蛇が今にもディーヴァを食べようと口を開けているのだ。
恐ろしい以外の何者でもない。
「あぁ……っ、ダ、ダンテ…、た、助けて…」
無意識でダンテの名を呟き、助けを呼んでしまう。
足が竦んで動かず、出るのは震える声と目から落ちる涙だけ。
『眠ったままでいれば、怖い思いをせずにすんだものを…』
更に迫る大蛇の大きな口。
そこからはドロドロと粘着質のよだれがとめどなく垂れ、鋭い牙が見え隠れしていた。
生臭さはソコからきているようで、テラテラと深緑色に光る鱗も気持ち悪さに拍車をかけていた。