mission 29:exposure,denunciation ~悪魔だって傷つく~
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「どんどん人間を食いまくってる悪魔か」
国から直々に悪魔退治の依頼が来たのは久しぶりだった。
この国に悪魔退治の…しかもダンテほどの強さを持つ者はそうそういないので、ダンテにこの仕事が回ってくるのは当然といえよう。
報酬の多さもケタ違いだったが、その内容を聞き、ダンテもディーヴァも2つ返事で依頼を受ける事に決めた。
「次から次に人間を食べてる悪魔…強そうだよね」
「ああ、食えば食うだけ強くなっていくタイプなんだろうな。ま、オレが負けるわけないけど」
「もう…油断は禁物だよ」
「わかってるって」
そう言って口づけひとつ。
ディーヴァは少し不安に感じながら、その唇を受け入れる。
「んん…」
「心配するな、油断はしない」
「なら、いいけど…んっ…」
場所について知らなかったことに気がつき、キスをしながらそばにあった地図の書物を開くダンテ。
体ではディーヴァの唇を堪能しながら、頭では地図を理解するべく目で地図のページを追う。
言われた場所を大き目の縮図で確認すれば、ここから南へ約100キロあるかないか。
近いと言えば近く、遠いと言えば遠い微妙な距離具合だった。
ディーヴァも一緒に行きたいと思ったが、悪魔退治の用事に邪魔にしかならない自分が着いていくわけにもいかないし、何よりこちらとて仕事が入っている。
「ん、はぁ…ダンテ、気をつけてね…」
「ああ、もちろんだ、darling。
帰ったらベッドで今の続きが出来るようにしとけよ?」
「ふぇぇ!?」
「夜は寝かせないぜ?…じゃ、気を付けて行ってくる」
ちゅっ。
リップノイズを響かせて、もう一度口づけを落としダンテは言う。
始終ぬぐえぬ不安な気持ちと戦いつつ、ディーヴァはダンテを送り出すのだった。
***
それから、数時間後の夕方。
ダンテは人っ子1人いない状態の町の中に立っていた。
悪魔を見た者はほとんど丸呑みにされているため、行方不明者として扱われているようだ。
ダンテも国から、なるべく他の人間に悪魔の存在を知られないように解決してくれとの依頼を受けている。
ダンテ自身、悪魔の血が流れていることを隠したいし、好都合だが。
「とはいえ、簡単に言ってくれる…」
悪魔の気配を辿りながら、ため息とともに呟く。
その気配は町中、其処彼処に漂っているのでいつ悪魔の存在がバレてもおかしくないほどだ。
今の時間は人っ子1人いないからいいが、いざ悪魔が出没してそれを一般人に見られたらと思うと処理に困る。
「お兄さん、見かけない顔だね」
そんなことを考えながら歩いていると、後ろから声をかけられた。
その『人間』には魔の気配が漂っているようで、後ろからでもそれが感じ取れた。
振り返りながら銃を構え、その人間を瞳に映す。
その人間には、背後に付き従うように大蛇のような悪魔が取り付いていた。
堂々と、悪魔が姿を見せられるくらい人間がいないというのも考え物であるが…今はそれどころではない。
「お前……なんで悪魔と一緒にいる?」
「ふふふ。さあ、なんでだと思う?でも、お兄さん…そんなこと知る必要ないんじゃないかな」
人間が悪魔と一緒にいるなどあまり聞いたことがない。
例外があるとすれば、アーカムのように自身が悪魔へと転化した場合と、ダンテとディーヴァのように愛で結ばれた場合か。
「どうせここで死ぬんだからさ!!」
考え事が過ぎたようだ。
気が付いた時には遅く、突きつけたエボニーとアイボリーを長い尾で弾かれた。
「くそっ…!」
カシャン!!
遠くに飛ばされて落ちる愛銃。
背後の悪魔は、そのまま丸腰状態のダンテを丸呑みにしようと襲いかかった。
だが、相手が悪かったようだ。
ダンテには、まだリベリオンという武器がある。
策のないフリをしていただけ。
ニヤリと笑みを浮かべたダンテは、素早くリベリオンを取り出して構え、迫る悪魔の顔に一閃させた。
『ギイイイャアアァ!!』
「なっ…」
悪魔は目をザックリと斬られ、血の吹き出るそこを尾で押さえてのたうちながら男の元へと戻っていく。
ダンテは刀身に付着した血を振り払って道に飛ばした。
「あーあ、さっさと片付けるつもりが、アンタまで斬りそうで加減しちまったじゃねぇか」
『貴様、デビルハンターか…!』
「だったら何だ?」
忌々しそうにダンテの言葉を聞く悪魔。
『こいつと戦うには今は力が足りぬ…!』
「なら一旦逃げた方がいいね」
今のままでは、分が悪い。
態勢を立て直すべく、悪魔は男を自身の身体でぐるぐる巻きにすると、そのまま飛び上がった。
「逃がすか…!」
サッと拾ったエボニーとアイボリーを撃って足止めしようとするも、間に入るのは人間。
これでは悪魔を狙って撃てない。
「残念だけど、俺は悪魔じゃなくて人間。
殺せないだろう?この町の人間がもっと減った頃に相手してあげるよ、デビルハンターのお兄さん」
成すすべなく、ダンテは悪魔を取り逃がしてしまった。
ダンテはもう一つ、人間と悪魔が一緒にいる場合というものについてを思い出した。
それが、人間が悪魔を呼び出し契約を結んだ場合だ。
「あのボウズ、もしや悪魔と契約してやがるのか…?」
これは厄介な依頼になったものだ。
悪魔と化しているのであれば、遠慮なくぶった斬れるものの、相手はまだ助かる見込みのある人間…。
男が言い残したように、人間に手を出すわけにはいかなかった。
国から直々に悪魔退治の依頼が来たのは久しぶりだった。
この国に悪魔退治の…しかもダンテほどの強さを持つ者はそうそういないので、ダンテにこの仕事が回ってくるのは当然といえよう。
報酬の多さもケタ違いだったが、その内容を聞き、ダンテもディーヴァも2つ返事で依頼を受ける事に決めた。
「次から次に人間を食べてる悪魔…強そうだよね」
「ああ、食えば食うだけ強くなっていくタイプなんだろうな。ま、オレが負けるわけないけど」
「もう…油断は禁物だよ」
「わかってるって」
そう言って口づけひとつ。
ディーヴァは少し不安に感じながら、その唇を受け入れる。
「んん…」
「心配するな、油断はしない」
「なら、いいけど…んっ…」
場所について知らなかったことに気がつき、キスをしながらそばにあった地図の書物を開くダンテ。
体ではディーヴァの唇を堪能しながら、頭では地図を理解するべく目で地図のページを追う。
言われた場所を大き目の縮図で確認すれば、ここから南へ約100キロあるかないか。
近いと言えば近く、遠いと言えば遠い微妙な距離具合だった。
ディーヴァも一緒に行きたいと思ったが、悪魔退治の用事に邪魔にしかならない自分が着いていくわけにもいかないし、何よりこちらとて仕事が入っている。
「ん、はぁ…ダンテ、気をつけてね…」
「ああ、もちろんだ、darling。
帰ったらベッドで今の続きが出来るようにしとけよ?」
「ふぇぇ!?」
「夜は寝かせないぜ?…じゃ、気を付けて行ってくる」
ちゅっ。
リップノイズを響かせて、もう一度口づけを落としダンテは言う。
始終ぬぐえぬ不安な気持ちと戦いつつ、ディーヴァはダンテを送り出すのだった。
***
それから、数時間後の夕方。
ダンテは人っ子1人いない状態の町の中に立っていた。
悪魔を見た者はほとんど丸呑みにされているため、行方不明者として扱われているようだ。
ダンテも国から、なるべく他の人間に悪魔の存在を知られないように解決してくれとの依頼を受けている。
ダンテ自身、悪魔の血が流れていることを隠したいし、好都合だが。
「とはいえ、簡単に言ってくれる…」
悪魔の気配を辿りながら、ため息とともに呟く。
その気配は町中、其処彼処に漂っているのでいつ悪魔の存在がバレてもおかしくないほどだ。
今の時間は人っ子1人いないからいいが、いざ悪魔が出没してそれを一般人に見られたらと思うと処理に困る。
「お兄さん、見かけない顔だね」
そんなことを考えながら歩いていると、後ろから声をかけられた。
その『人間』には魔の気配が漂っているようで、後ろからでもそれが感じ取れた。
振り返りながら銃を構え、その人間を瞳に映す。
その人間には、背後に付き従うように大蛇のような悪魔が取り付いていた。
堂々と、悪魔が姿を見せられるくらい人間がいないというのも考え物であるが…今はそれどころではない。
「お前……なんで悪魔と一緒にいる?」
「ふふふ。さあ、なんでだと思う?でも、お兄さん…そんなこと知る必要ないんじゃないかな」
人間が悪魔と一緒にいるなどあまり聞いたことがない。
例外があるとすれば、アーカムのように自身が悪魔へと転化した場合と、ダンテとディーヴァのように愛で結ばれた場合か。
「どうせここで死ぬんだからさ!!」
考え事が過ぎたようだ。
気が付いた時には遅く、突きつけたエボニーとアイボリーを長い尾で弾かれた。
「くそっ…!」
カシャン!!
遠くに飛ばされて落ちる愛銃。
背後の悪魔は、そのまま丸腰状態のダンテを丸呑みにしようと襲いかかった。
だが、相手が悪かったようだ。
ダンテには、まだリベリオンという武器がある。
策のないフリをしていただけ。
ニヤリと笑みを浮かべたダンテは、素早くリベリオンを取り出して構え、迫る悪魔の顔に一閃させた。
『ギイイイャアアァ!!』
「なっ…」
悪魔は目をザックリと斬られ、血の吹き出るそこを尾で押さえてのたうちながら男の元へと戻っていく。
ダンテは刀身に付着した血を振り払って道に飛ばした。
「あーあ、さっさと片付けるつもりが、アンタまで斬りそうで加減しちまったじゃねぇか」
『貴様、デビルハンターか…!』
「だったら何だ?」
忌々しそうにダンテの言葉を聞く悪魔。
『こいつと戦うには今は力が足りぬ…!』
「なら一旦逃げた方がいいね」
今のままでは、分が悪い。
態勢を立て直すべく、悪魔は男を自身の身体でぐるぐる巻きにすると、そのまま飛び上がった。
「逃がすか…!」
サッと拾ったエボニーとアイボリーを撃って足止めしようとするも、間に入るのは人間。
これでは悪魔を狙って撃てない。
「残念だけど、俺は悪魔じゃなくて人間。
殺せないだろう?この町の人間がもっと減った頃に相手してあげるよ、デビルハンターのお兄さん」
成すすべなく、ダンテは悪魔を取り逃がしてしまった。
ダンテはもう一つ、人間と悪魔が一緒にいる場合というものについてを思い出した。
それが、人間が悪魔を呼び出し契約を結んだ場合だ。
「あのボウズ、もしや悪魔と契約してやがるのか…?」
これは厄介な依頼になったものだ。
悪魔と化しているのであれば、遠慮なくぶった斬れるものの、相手はまだ助かる見込みのある人間…。
男が言い残したように、人間に手を出すわけにはいかなかった。