mission 29:exposure,denunciation ~悪魔だって傷つく~
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10月のハロウィンの時期…肌寒い真夜中2時。
日本で言えば、草木も眠る丑三つ時。
蝋燭の明かりだけを頼りに、男達がテーブルを囲んでいた。
そのテーブルの上には1つの奇妙な板が。
描かれているのは、おどろおどろしい形相の絵、AからZまでのアルファベットに数字、“YES”に“NO”、そして“hello”と“good bye”という単語である。
男達の指は、プランシェットと呼ばれるハートのような形状の物の上に置かれていた。
「準備はいいな?」
「やりたくはないけど…うん、準備は出来たよ…」
「………」
密やかに話される単語ひとつひとつで、蝋燭の炎が恐ろしさを増すように揺れ動く。
男達の顔に映る、炎によって生まれる影もまた、恐ろしく揺れていた。
これは、ウィジャボードというテーブル・ターニング…降霊術に似た『遊び』の一種。
遊びとは言え、本物の霊魂や悪魔が降りて来ることもあるため、注意が必要である。
日本で言えばこっくりさん、ということ。
最初はhelloにプランシェットの穴を合わせ、あちらの世界から何物かを呼び込む準備に入る。
1人はビクビク、1人は楽しそうに、1人は無言で指を進めた。
彼らはオカルトに少しばかり興味のある一団のようで、こんな夜更けにテーブル・ターニングをして、イタズラに人外の者を呼び出し、叶うなら願いを叶えてもらおうとしていたのだった。
ぴく、指が僅かながら動いた。
3人の内誰かが動かしたのかもしれないし、霊的な者の仕業かもしれない。
「お?なーんか、動いたっぽくね?
よし…ユーレイでも悪魔でもいい。俺の言うこと聞こえてる奴がいるなら、俺の願いを叶えてみやがれ」
1人が高圧的な態度で、ウィジャボードに命令している。
このような言い方をすれば、死者の魂は怒ること間違いなしだというに、だ。
「な、なんでキミはそうやって喧嘩腰なのさ…」
「どうせただの遊びだろ。お前もそう思うよなー?」
「俺からはなんとも言えないよ」
「そ?まぁいいや」
逃げ腰な1人が泣き出しそうに言うのを気に留めず、楽しそうにもう1人に同意を求める。
その返答も軽く受け流し、再びウィジャボードに向き直った。
「俺を世界一の大金持ちにしてくれ!!」
叫んだと同時に、どこからともなく淀んだ声が聞こえてくる。
ねっとりと、暗く淀んだ空気の渦巻きと共に…。
『ならば、貴様の命をよこせ…』
元より温かくはない室内だが、背筋の凍るうすら寒いものが、男達を襲う。
頭の中に直接響いてくるような恐ろしい声に、驚愕し恐れおののいく高圧的な男と逃げ腰の男。
「一体どこから…!?」
「ひぃぃ…」
そんな中、ずっと興味のなさそうだった男がここで初めて積極的に声を出した。
「いいだろう。ここにいる者の命…すべて与えてやる。
その代わり、俺の身の回りのつまらない連中を…このつまらない世界を壊してくれ」
とんでもない願望を持っていたようで、男は嬉しそうな表情でそんなことをぬかしている。
ズズズ……!
その願望と共に、ウィジャボードを中心に地面が光り輝き、赤い魔方陣が浮かび上がる。
そこからは、胴体が長い大蛇のような異形の化け物が毒気のある息を吐き出しながら、姿を現した。
それでもまだ力は弱いようで、体の半分が透けて見える。
「ヒィッ!助けて神様ぁ!!」
「お前…、なんつー願いを…!そんなこと言ったらテメェだって殺されるだろうが!!…ッ!ぎゃあああああッ!!」
胸ぐらを掴んで詰め寄ってもすでに遅し。
叫んだ彼は、胸ぐらを掴む手首から先を残して、ばくり…!食いちぎられてしまった。
「…別に最後に自分が殺されようが構わないのさ。うるさい友人よサヨナラ」
飛び散る鮮血。
自分にくっついたままのブラリと垂れ下がる手首から先を、汚い物を見るように振り払う男。
「ぎゃああああ!僕はただ強引に誘われてしかたなく参加しただけなのにぃぃぃ!!」
もう1人は自分の元に飛んできた血濡れの手首を見て、叫び声を上げる。
だが、逃げようとするそれより早く、悪魔の口が迫り、彼は前者と同じようにばくり、食われて丸呑みにされてしまった。
『ウウ…男はマズイな…』
文句を垂れながらも、取り込んだ人間は体内で魔力に変換されたか、その体がより実体に近くなった。
『次はお前だ』
頭に何個も並ぶ目玉がギョロギョロ動きながら、見下ろすように男を見据える。
男はうろたえることもなく、肩をすくめて見せた。
「おっと。その前に俺の願いをかなえてくれるんだろう?」
『よろしい。お前を喰うのは、望みを叶えてやったあとにしてやろう』
今回はこの男のドス黒い感情により、悪魔の召喚が成功したといえよう。
せめてもの情けのようなもので、悪魔はこの召喚者の願いを聞いてやることにした。
悪魔は召喚者のそばに付き従い、人間を食らっていく。
まるで、召喚者の従者となって願いを叶えるがごとく…。
そして、その町の住民は一晩でかなりの数が減った。
日本で言えば、草木も眠る丑三つ時。
蝋燭の明かりだけを頼りに、男達がテーブルを囲んでいた。
そのテーブルの上には1つの奇妙な板が。
描かれているのは、おどろおどろしい形相の絵、AからZまでのアルファベットに数字、“YES”に“NO”、そして“hello”と“good bye”という単語である。
男達の指は、プランシェットと呼ばれるハートのような形状の物の上に置かれていた。
「準備はいいな?」
「やりたくはないけど…うん、準備は出来たよ…」
「………」
密やかに話される単語ひとつひとつで、蝋燭の炎が恐ろしさを増すように揺れ動く。
男達の顔に映る、炎によって生まれる影もまた、恐ろしく揺れていた。
これは、ウィジャボードというテーブル・ターニング…降霊術に似た『遊び』の一種。
遊びとは言え、本物の霊魂や悪魔が降りて来ることもあるため、注意が必要である。
日本で言えばこっくりさん、ということ。
最初はhelloにプランシェットの穴を合わせ、あちらの世界から何物かを呼び込む準備に入る。
1人はビクビク、1人は楽しそうに、1人は無言で指を進めた。
彼らはオカルトに少しばかり興味のある一団のようで、こんな夜更けにテーブル・ターニングをして、イタズラに人外の者を呼び出し、叶うなら願いを叶えてもらおうとしていたのだった。
ぴく、指が僅かながら動いた。
3人の内誰かが動かしたのかもしれないし、霊的な者の仕業かもしれない。
「お?なーんか、動いたっぽくね?
よし…ユーレイでも悪魔でもいい。俺の言うこと聞こえてる奴がいるなら、俺の願いを叶えてみやがれ」
1人が高圧的な態度で、ウィジャボードに命令している。
このような言い方をすれば、死者の魂は怒ること間違いなしだというに、だ。
「な、なんでキミはそうやって喧嘩腰なのさ…」
「どうせただの遊びだろ。お前もそう思うよなー?」
「俺からはなんとも言えないよ」
「そ?まぁいいや」
逃げ腰な1人が泣き出しそうに言うのを気に留めず、楽しそうにもう1人に同意を求める。
その返答も軽く受け流し、再びウィジャボードに向き直った。
「俺を世界一の大金持ちにしてくれ!!」
叫んだと同時に、どこからともなく淀んだ声が聞こえてくる。
ねっとりと、暗く淀んだ空気の渦巻きと共に…。
『ならば、貴様の命をよこせ…』
元より温かくはない室内だが、背筋の凍るうすら寒いものが、男達を襲う。
頭の中に直接響いてくるような恐ろしい声に、驚愕し恐れおののいく高圧的な男と逃げ腰の男。
「一体どこから…!?」
「ひぃぃ…」
そんな中、ずっと興味のなさそうだった男がここで初めて積極的に声を出した。
「いいだろう。ここにいる者の命…すべて与えてやる。
その代わり、俺の身の回りのつまらない連中を…このつまらない世界を壊してくれ」
とんでもない願望を持っていたようで、男は嬉しそうな表情でそんなことをぬかしている。
ズズズ……!
その願望と共に、ウィジャボードを中心に地面が光り輝き、赤い魔方陣が浮かび上がる。
そこからは、胴体が長い大蛇のような異形の化け物が毒気のある息を吐き出しながら、姿を現した。
それでもまだ力は弱いようで、体の半分が透けて見える。
「ヒィッ!助けて神様ぁ!!」
「お前…、なんつー願いを…!そんなこと言ったらテメェだって殺されるだろうが!!…ッ!ぎゃあああああッ!!」
胸ぐらを掴んで詰め寄ってもすでに遅し。
叫んだ彼は、胸ぐらを掴む手首から先を残して、ばくり…!食いちぎられてしまった。
「…別に最後に自分が殺されようが構わないのさ。うるさい友人よサヨナラ」
飛び散る鮮血。
自分にくっついたままのブラリと垂れ下がる手首から先を、汚い物を見るように振り払う男。
「ぎゃああああ!僕はただ強引に誘われてしかたなく参加しただけなのにぃぃぃ!!」
もう1人は自分の元に飛んできた血濡れの手首を見て、叫び声を上げる。
だが、逃げようとするそれより早く、悪魔の口が迫り、彼は前者と同じようにばくり、食われて丸呑みにされてしまった。
『ウウ…男はマズイな…』
文句を垂れながらも、取り込んだ人間は体内で魔力に変換されたか、その体がより実体に近くなった。
『次はお前だ』
頭に何個も並ぶ目玉がギョロギョロ動きながら、見下ろすように男を見据える。
男はうろたえることもなく、肩をすくめて見せた。
「おっと。その前に俺の願いをかなえてくれるんだろう?」
『よろしい。お前を喰うのは、望みを叶えてやったあとにしてやろう』
今回はこの男のドス黒い感情により、悪魔の召喚が成功したといえよう。
せめてもの情けのようなもので、悪魔はこの召喚者の願いを聞いてやることにした。
悪魔は召喚者のそばに付き従い、人間を食らっていく。
まるで、召喚者の従者となって願いを叶えるがごとく…。
そして、その町の住民は一晩でかなりの数が減った。