mission 27:cruel kind and patience ~本音と気遣い~
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ソファーに座ってでもなく、ダイニングテーブルに向かい合ってでもなく、2人はベッドの中で見つめ合いながら本音で話し合うことにしたらしい。
ダンテの端整な顔を視界いっぱいに見つめながら、ディーヴァは言葉を紡いでいく。
「あたし、さみしかった…。
ダンテがキスしてくれないし、ちゃんと抱きしめてくれないし…なんかいつもよりスキンシップが少なくって…すごく、すごくさみしかった……」
「そうか?今は抱きしめてるだろ?」
そう言って、その手をディーヴァの背中に回すダンテ。
だが、その手は強くぎゅっとと言うより、壊れ物でも扱うようにおっかなびっくりに感じられた。
小さな変化だが、その変化がディーヴァをさみしくさせる。
「茶化さないで…今真剣なお話してるんだから」
「そうだったな」
「…聞いていい?」
小さく、小さく聞くディーヴァ。
「ん、何だ」
「何であれ以降、あんまり触ってこないの?」
ディーヴァの言う『あれ』とは、ダンテとの初めての夜のことだ。
あの時、結局体を重ねることはできなかったのだが、あの夜のあとから、ダンテはディーヴァにキスすることはおろか、触れることすら控えていた。
「あー…今さらだが、傷つけたくないって思ってな。あんだけ痛がってたしさ。…痛かったんだろ?」
「…うん」
様々な恐怖、様々な不安でいっぱいいっぱい。
初めてのことだらけで、経験したことのない感覚や痛みが全身を襲い、本当にこわくてたまらなかったことをディーヴァは吐露した。
「だからだ。
オレはディーヴァが痛がること、怖がることをしたくない。
…でも、この次にディーヴァに触れれば…。キスしたり抱きしめたりすれば、どうしても欲が溢れて、爆発しちまうと思った。
一度見てしまったディーヴァの体を求めて暴走する、と」
それはいつ爆発するかわからない時限爆弾をかかえているようなもの。
火種たるディーヴァが近寄れば近寄るほど、危険性を増す。
「ダンテも辛かったんだね…。ごめんなさい…」
「いいんだ、ただ、そう考えたらディーヴァに触れることができなかった。壊してしまうって怖くなっちまった。
さみしい思いをさせてごめんな」
ダンテはディーヴァの頭の下に腕を入れ、腕枕をしながらその頭をゆっくり撫でた。
「ううん。あたしこそ本当に悪かったから…おあいこ。
ダンテには我慢はしてほしくない。無理しないでほしい。もっとダンテの気持ちに寄り添いたい。もっとダンテの思ってること…あたしに教えてよ」
さらにダンテに寄り添うと、ディーヴァはその顔を、体をダンテの胸元にぴとりと寄せた。
久しぶりにディーヴァと自分とで、しっかりくっつきあう幸せを噛みしめながら、ダンテは静かに、ゆっくりと囁くように話した。
「……ディーヴァとシたいと言う男の欲望と、ディーヴァを怖がらせたいという悪魔の欲望。その欲には抗いがたいから、オレはディーヴァを遠ざけた。遠ざけることで我慢する必要があった。
結果、たとえ恋人じゃなくなっても、ディーヴァに優しくありたい、ディーヴァを守りたいって、そう思ったんだ。
「やさ…しく?」
「ああ、オレはオレという悪魔からもディーヴァを守りたい。
前にも言っただろ」
「だからって…だからって……」
きゅ。
唇を噛んで、涙がこぼれそうになるのをこらえ、ディーヴァはダンテにすがりつく。
ダンテの胸元の服に、ディーヴァの涙が染みてわずかに濡れた。
「そういう優しさは時に残酷だよ…。
あたしとダンテは、気を使うような関係じゃない…でしょ?」
「オレの態度が、逆にディーヴァを傷つけてたんだな…すまねぇ」
結局こぼれた涙をそのままに、ぷいと、ディーヴァは後ろを向いてしまった。
「ダンテらしくない。あれじゃ恋人じゃなくて、優しいお兄さんだった。
あたしはダンテと恋人じゃなくなるの、嫌だよ。…ダンテは違うの?ダンテは…あたしのお兄さんになりたかったの?」
そうダンテに聞いてくるディーヴァ。
ダンテから見えるのは小さく震えて怒る背中と、艶やかな長い髪だけだ。
「違う…。オレは兄でも親でも友人でもない、たったひとりのディーヴァの恋人でありたい」
そう言った途端、ディーヴァは起き上がってダンテを悲痛な面持ちで見つめる。
その目元には未だ涙の跡が筋を作っていた。
ダンテの端整な顔を視界いっぱいに見つめながら、ディーヴァは言葉を紡いでいく。
「あたし、さみしかった…。
ダンテがキスしてくれないし、ちゃんと抱きしめてくれないし…なんかいつもよりスキンシップが少なくって…すごく、すごくさみしかった……」
「そうか?今は抱きしめてるだろ?」
そう言って、その手をディーヴァの背中に回すダンテ。
だが、その手は強くぎゅっとと言うより、壊れ物でも扱うようにおっかなびっくりに感じられた。
小さな変化だが、その変化がディーヴァをさみしくさせる。
「茶化さないで…今真剣なお話してるんだから」
「そうだったな」
「…聞いていい?」
小さく、小さく聞くディーヴァ。
「ん、何だ」
「何であれ以降、あんまり触ってこないの?」
ディーヴァの言う『あれ』とは、ダンテとの初めての夜のことだ。
あの時、結局体を重ねることはできなかったのだが、あの夜のあとから、ダンテはディーヴァにキスすることはおろか、触れることすら控えていた。
「あー…今さらだが、傷つけたくないって思ってな。あんだけ痛がってたしさ。…痛かったんだろ?」
「…うん」
様々な恐怖、様々な不安でいっぱいいっぱい。
初めてのことだらけで、経験したことのない感覚や痛みが全身を襲い、本当にこわくてたまらなかったことをディーヴァは吐露した。
「だからだ。
オレはディーヴァが痛がること、怖がることをしたくない。
…でも、この次にディーヴァに触れれば…。キスしたり抱きしめたりすれば、どうしても欲が溢れて、爆発しちまうと思った。
一度見てしまったディーヴァの体を求めて暴走する、と」
それはいつ爆発するかわからない時限爆弾をかかえているようなもの。
火種たるディーヴァが近寄れば近寄るほど、危険性を増す。
「ダンテも辛かったんだね…。ごめんなさい…」
「いいんだ、ただ、そう考えたらディーヴァに触れることができなかった。壊してしまうって怖くなっちまった。
さみしい思いをさせてごめんな」
ダンテはディーヴァの頭の下に腕を入れ、腕枕をしながらその頭をゆっくり撫でた。
「ううん。あたしこそ本当に悪かったから…おあいこ。
ダンテには我慢はしてほしくない。無理しないでほしい。もっとダンテの気持ちに寄り添いたい。もっとダンテの思ってること…あたしに教えてよ」
さらにダンテに寄り添うと、ディーヴァはその顔を、体をダンテの胸元にぴとりと寄せた。
久しぶりにディーヴァと自分とで、しっかりくっつきあう幸せを噛みしめながら、ダンテは静かに、ゆっくりと囁くように話した。
「……ディーヴァとシたいと言う男の欲望と、ディーヴァを怖がらせたいという悪魔の欲望。その欲には抗いがたいから、オレはディーヴァを遠ざけた。遠ざけることで我慢する必要があった。
結果、たとえ恋人じゃなくなっても、ディーヴァに優しくありたい、ディーヴァを守りたいって、そう思ったんだ。
「やさ…しく?」
「ああ、オレはオレという悪魔からもディーヴァを守りたい。
前にも言っただろ」
「だからって…だからって……」
きゅ。
唇を噛んで、涙がこぼれそうになるのをこらえ、ディーヴァはダンテにすがりつく。
ダンテの胸元の服に、ディーヴァの涙が染みてわずかに濡れた。
「そういう優しさは時に残酷だよ…。
あたしとダンテは、気を使うような関係じゃない…でしょ?」
「オレの態度が、逆にディーヴァを傷つけてたんだな…すまねぇ」
結局こぼれた涙をそのままに、ぷいと、ディーヴァは後ろを向いてしまった。
「ダンテらしくない。あれじゃ恋人じゃなくて、優しいお兄さんだった。
あたしはダンテと恋人じゃなくなるの、嫌だよ。…ダンテは違うの?ダンテは…あたしのお兄さんになりたかったの?」
そうダンテに聞いてくるディーヴァ。
ダンテから見えるのは小さく震えて怒る背中と、艶やかな長い髪だけだ。
「違う…。オレは兄でも親でも友人でもない、たったひとりのディーヴァの恋人でありたい」
そう言った途端、ディーヴァは起き上がってダンテを悲痛な面持ちで見つめる。
その目元には未だ涙の跡が筋を作っていた。