mission 27:cruel kind and patience ~本音と気遣い~
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「ディーヴァ!?」
そして、ディーヴァの叫びはダンテにも届いた。
ここは悪魔がおいそれとは入ってこれぬ、ダンテの結界がはられし住居内。
その結界は浴室にも及んでいるはずで、悪魔が来たとは考えにくい。
…が、何事にも例外はあり、まさかとは思うが、ハイレベルな悪魔が浴室窓から侵入し、全裸で無防備なディーヴァを襲ったとかではないだろうか。
だとしたら何て羨ま…なんという卑劣なやつだ。
何かあってからでは遅いと、浴室へ急ぎ、ダンテはその扉を開けて中に入った。
「どうした!ディーヴァ!!」
浴室には、湯船で気を失い、溺れかけるディーヴァだけがいた。
悪魔はいないどころか、その気配すらない。
それでも悪魔が隠れていないかさっと確認したダンテは、服が濡れるのも構わず湯船に入り、意識のないディーヴァを抱き抱えて呼び掛ける。
「おいディーヴァ、しっかりしろ」
頭を打っていないか確かめ、強く揺さぶって起こせばディーヴァの瞳はすぐに開いた。
「んん…ダン、テ?」
「よかった、起きたか」
「あ、ああぁ…ダンテ……アレがまた来る…!脚が多い、アレが…!すぐ!そこにぃ!!」
「アレ?」
自分は全裸だ、とほんのり頬を赤く染める。
が、次の瞬間にはサアッと青くなるディーヴァの顔。
その表情が、ダンテの背後、湯船の水面を凝視していた。
慌てて後ろを振り返れば、ぷかぁ…黒くたゆたう脚の多い、水場によく出没する虫、ゲジゲジが浮かんでいた。
「なんだ、虫か…」
悪魔でなくてホッとするも、よく考えればディーヴァは虫が大の苦手だ。
ゴキブリが一番嫌いだったが、最近のことを念頭に入れれば胴の長いワーム系がワースト1位、脚が多い物がワースト2位だろう。
ウネウネとこちらへと泳いでくる気持ちの悪いそれを、ダンテは洗面器で掬い、ザバッと窓から捨てた。
「安心しろディーヴァ、もう虫はいない」
「ホン、ト…?よかったぁ…」
裸の恥より、虫の怖さ。
しがみついてくるディーヴァに声をかければ、ホッとしたような顔を見せてくれた。
「さて、オレは出るからな」
どっぷり湯に浸された衣服が重い。
出ようとしたが、その背の服の端をギュ…と摘まれた。
背中越しの会話が展開される。
「ダンテ…あたし裸なんだけど…」
「ああ、風呂場だもんな。知ってるよ」
「なんも、感じないの?なーんにも思わないの?」
「……」
何も思わぬわけがない。
本当のことを言えば、今も襲いたくて襲いたくて、ディーヴァを全身で感じたくてたまらない。
でも、怖がらせたくない気持ちが大きいのだ。
思い出すのはディーヴァの痛がる、怖がるあの表情。
そう、思い馳せていれば、ディーヴァからの悲痛なまでの思いが吐露された。
「ダンテ、あたしが嫌になったんじゃないなら、こっちを見てほしいの…」
「ディーヴァが嫌になんてなるわけねぇだろ。もしかしてまだ酔ってるって…」
「酔ってないよ」
「…わけではないみたいだな」
酔った時には本音が出やすくなるディーヴァだが、今は素面。
その吸い込まれそうな瞳には真剣な光をたたえて、真っ直ぐにダンテの目を見つめていた。
「きちんとお話したい…ちゃんと聞きたい。
ダンテが何を考えて何を思ってるのか、そしてあたしの気持ちを…」
ダンテはディーヴァの目から視線をはずせなかった。
「わか…った……でも、まずは…。風呂をでるぞ」
「…ぅん……」
今さらながら恥ずかしいと、2人とも赤くなり、ディーヴァは体を手で覆い隠したのだった。
そして、ディーヴァの叫びはダンテにも届いた。
ここは悪魔がおいそれとは入ってこれぬ、ダンテの結界がはられし住居内。
その結界は浴室にも及んでいるはずで、悪魔が来たとは考えにくい。
…が、何事にも例外はあり、まさかとは思うが、ハイレベルな悪魔が浴室窓から侵入し、全裸で無防備なディーヴァを襲ったとかではないだろうか。
だとしたら何て羨ま…なんという卑劣なやつだ。
何かあってからでは遅いと、浴室へ急ぎ、ダンテはその扉を開けて中に入った。
「どうした!ディーヴァ!!」
浴室には、湯船で気を失い、溺れかけるディーヴァだけがいた。
悪魔はいないどころか、その気配すらない。
それでも悪魔が隠れていないかさっと確認したダンテは、服が濡れるのも構わず湯船に入り、意識のないディーヴァを抱き抱えて呼び掛ける。
「おいディーヴァ、しっかりしろ」
頭を打っていないか確かめ、強く揺さぶって起こせばディーヴァの瞳はすぐに開いた。
「んん…ダン、テ?」
「よかった、起きたか」
「あ、ああぁ…ダンテ……アレがまた来る…!脚が多い、アレが…!すぐ!そこにぃ!!」
「アレ?」
自分は全裸だ、とほんのり頬を赤く染める。
が、次の瞬間にはサアッと青くなるディーヴァの顔。
その表情が、ダンテの背後、湯船の水面を凝視していた。
慌てて後ろを振り返れば、ぷかぁ…黒くたゆたう脚の多い、水場によく出没する虫、ゲジゲジが浮かんでいた。
「なんだ、虫か…」
悪魔でなくてホッとするも、よく考えればディーヴァは虫が大の苦手だ。
ゴキブリが一番嫌いだったが、最近のことを念頭に入れれば胴の長いワーム系がワースト1位、脚が多い物がワースト2位だろう。
ウネウネとこちらへと泳いでくる気持ちの悪いそれを、ダンテは洗面器で掬い、ザバッと窓から捨てた。
「安心しろディーヴァ、もう虫はいない」
「ホン、ト…?よかったぁ…」
裸の恥より、虫の怖さ。
しがみついてくるディーヴァに声をかければ、ホッとしたような顔を見せてくれた。
「さて、オレは出るからな」
どっぷり湯に浸された衣服が重い。
出ようとしたが、その背の服の端をギュ…と摘まれた。
背中越しの会話が展開される。
「ダンテ…あたし裸なんだけど…」
「ああ、風呂場だもんな。知ってるよ」
「なんも、感じないの?なーんにも思わないの?」
「……」
何も思わぬわけがない。
本当のことを言えば、今も襲いたくて襲いたくて、ディーヴァを全身で感じたくてたまらない。
でも、怖がらせたくない気持ちが大きいのだ。
思い出すのはディーヴァの痛がる、怖がるあの表情。
そう、思い馳せていれば、ディーヴァからの悲痛なまでの思いが吐露された。
「ダンテ、あたしが嫌になったんじゃないなら、こっちを見てほしいの…」
「ディーヴァが嫌になんてなるわけねぇだろ。もしかしてまだ酔ってるって…」
「酔ってないよ」
「…わけではないみたいだな」
酔った時には本音が出やすくなるディーヴァだが、今は素面。
その吸い込まれそうな瞳には真剣な光をたたえて、真っ直ぐにダンテの目を見つめていた。
「きちんとお話したい…ちゃんと聞きたい。
ダンテが何を考えて何を思ってるのか、そしてあたしの気持ちを…」
ダンテはディーヴァの目から視線をはずせなかった。
「わか…った……でも、まずは…。風呂をでるぞ」
「…ぅん……」
今さらながら恥ずかしいと、2人とも赤くなり、ディーヴァは体を手で覆い隠したのだった。