mission 3:carrot and …stick? ~赤点と再テスト~
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事務所のドアが大きく開いて冷たい空気と光と共に、息を切らせたディーヴァが入ってきた。
「ただいま!!」
顔は寒さでか、それともここまで急いだからか赤く染まっている。
ダンテは近づいてくる気配で、ディーヴァの帰宅がわかっていたようで、ドアが開いた瞬間に抱き留められるよう待機していた。
「おーう。お帰り、ディーヴァ」
ぼすっと音をたててディーヴァを受け止める。
ダンテよりとても背の低いディーヴァがゆっくりと顔を上げた。
その顔には笑顔が浮かんでいる。
「ダンテ、もう依頼から帰ってたんだねっ!!」
「え、あ…えっと。まぁな」
依頼に行ったというのはウソである。
きっと、チーズケーキのことを言えばすぐ許してもらえるだろうが…。
「で、試験はどうだったんだ?」
ディーヴァが笑顔であることから大体はわかっているが、聞いてみる。
「えへへ~じゃじゃーん!!」
通学用のカバンから取り出したるは、満点としるされたテスト結果の紙。
それをダンテによく見えるようつきだす。
「おかげさまで試験はちゃんとパスできましたーっ」
「そーかそーか、よかったな」
なでなで。
抱きしめたディーヴァを、まるで親が子供にそうするように撫でくりまわすダンテ。
たまに大人のような言動をするディーヴァではあるが、時折このように年相応な子どもっぽくもなる。
もう16歳、しかしまだ16歳だということだろう。
子どものように甘えすりよるディーヴァがかわくてしかたないというようにダンテは撫で続けた。
「ダンテダンテ、チーズケーキ、絶対買ってきてね!!」
「フッフッフ、そのへんは抜かりない。そうだろうと思って、ほら、買っといたぜ?」
そう言ってダンテが冷蔵庫をあごでしゃくる。
「えええっ!?早いっ!!よく売り切れてなかったね」
その行動の速さにびっくりしているディーヴァに、ダンテは冷蔵庫からよく冷やされたチーズケーキの箱を持ってきた。
テーブルの上に置かれたケーキ店のロゴ入りの箱。
ひんやりと冷気をまとったケーキの箱は、ディーヴァに開けられるその時を待っている。
「開けていい?」
「お前のだ、開けろよ」
「ありがと!」
そっと上部を開けて確認すると、様々なチーズケーキがぎゅうぎゅう詰めに並んでいた。
まるで宝石のように彩り豊かで、様々な種類様々なソースをまとって輝いている。
「わ、美味しそうっ!!」
スタンダードなNYスタイルのベイクドチーズケーキに、ほんのりピンク色をしたレアチーズケーキ、ダンテが好きそうな苺と組み合わせた苺のチーズケーキにスフレチーズケーキ。チョコレートとチーズのケーキ…フルーツが盛り合わされたチーズクリームのタルトレット。
どれもおいしそうだ。
「よくわかんなかったから、チーズと名のつくやつ全部買ってきたぜ」
「どれもおいしいに決まってるよ~。あたしチーズ大好きだからうれしいな」
どれにしようか一生懸命選んでいるディーヴァにくすり、小さく笑みをこぼす。
「トムとジェリーのジェリーみたいだもんな。さて、テストも終わったならこれから旅行のかわりに…ドライブでも行きませんか、お嬢さん?」
「うんっ!」
「美味しく食べて、楽しいドライブにしようぜ」
「じゃあ、あたしはとっておきの美味しい紅茶淹れるね!」
旅行はつぶれてしまったが、ダンテとディーヴァは美味しいケーキに美味しい紅茶、そしてちょっと遠くまでのドライブデートを楽しむのだった。
●あとがき
carrot and stickは飴と鞭と同じ意味を持つ英語です。
この場合は飴がチーズケーキ、鞭を表す表現は…そんなでもなかったですね(笑)
「ただいま!!」
顔は寒さでか、それともここまで急いだからか赤く染まっている。
ダンテは近づいてくる気配で、ディーヴァの帰宅がわかっていたようで、ドアが開いた瞬間に抱き留められるよう待機していた。
「おーう。お帰り、ディーヴァ」
ぼすっと音をたててディーヴァを受け止める。
ダンテよりとても背の低いディーヴァがゆっくりと顔を上げた。
その顔には笑顔が浮かんでいる。
「ダンテ、もう依頼から帰ってたんだねっ!!」
「え、あ…えっと。まぁな」
依頼に行ったというのはウソである。
きっと、チーズケーキのことを言えばすぐ許してもらえるだろうが…。
「で、試験はどうだったんだ?」
ディーヴァが笑顔であることから大体はわかっているが、聞いてみる。
「えへへ~じゃじゃーん!!」
通学用のカバンから取り出したるは、満点としるされたテスト結果の紙。
それをダンテによく見えるようつきだす。
「おかげさまで試験はちゃんとパスできましたーっ」
「そーかそーか、よかったな」
なでなで。
抱きしめたディーヴァを、まるで親が子供にそうするように撫でくりまわすダンテ。
たまに大人のような言動をするディーヴァではあるが、時折このように年相応な子どもっぽくもなる。
もう16歳、しかしまだ16歳だということだろう。
子どものように甘えすりよるディーヴァがかわくてしかたないというようにダンテは撫で続けた。
「ダンテダンテ、チーズケーキ、絶対買ってきてね!!」
「フッフッフ、そのへんは抜かりない。そうだろうと思って、ほら、買っといたぜ?」
そう言ってダンテが冷蔵庫をあごでしゃくる。
「えええっ!?早いっ!!よく売り切れてなかったね」
その行動の速さにびっくりしているディーヴァに、ダンテは冷蔵庫からよく冷やされたチーズケーキの箱を持ってきた。
テーブルの上に置かれたケーキ店のロゴ入りの箱。
ひんやりと冷気をまとったケーキの箱は、ディーヴァに開けられるその時を待っている。
「開けていい?」
「お前のだ、開けろよ」
「ありがと!」
そっと上部を開けて確認すると、様々なチーズケーキがぎゅうぎゅう詰めに並んでいた。
まるで宝石のように彩り豊かで、様々な種類様々なソースをまとって輝いている。
「わ、美味しそうっ!!」
スタンダードなNYスタイルのベイクドチーズケーキに、ほんのりピンク色をしたレアチーズケーキ、ダンテが好きそうな苺と組み合わせた苺のチーズケーキにスフレチーズケーキ。チョコレートとチーズのケーキ…フルーツが盛り合わされたチーズクリームのタルトレット。
どれもおいしそうだ。
「よくわかんなかったから、チーズと名のつくやつ全部買ってきたぜ」
「どれもおいしいに決まってるよ~。あたしチーズ大好きだからうれしいな」
どれにしようか一生懸命選んでいるディーヴァにくすり、小さく笑みをこぼす。
「トムとジェリーのジェリーみたいだもんな。さて、テストも終わったならこれから旅行のかわりに…ドライブでも行きませんか、お嬢さん?」
「うんっ!」
「美味しく食べて、楽しいドライブにしようぜ」
「じゃあ、あたしはとっておきの美味しい紅茶淹れるね!」
旅行はつぶれてしまったが、ダンテとディーヴァは美味しいケーキに美味しい紅茶、そしてちょっと遠くまでのドライブデートを楽しむのだった。
●あとがき
carrot and stickは飴と鞭と同じ意味を持つ英語です。
この場合は飴がチーズケーキ、鞭を表す表現は…そんなでもなかったですね(笑)