mission 27:cruel kind and patience ~本音と気遣い~
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――ダンテがよそよそしい。
避けられている気がする。
それはまるで、関係に亀裂が入ったカップルのような気分。
ダンテに合わせてこちらまでが、ぎこちない態度になってしまいそうだった。
そんな2人は今、同じソファーに座っていた。
ディーヴァはテレビでやっている映画を、ダンテを気にしながら見ている。
ダンテは、時おりよこされるディーヴァの視線を知ってか知らずか、雑誌を捲って眺めていた。
その間に空いたわずかな…本当にわずかな指数本分の隙間が寂しい。
隙間を埋めたい。
ぴったりとダンテにくっつきたい。
その思いを振り払うように唇をきゅっと噛んで、目の前で放映されている映画に集中するディーヴァ。
見ているのは恋愛物の一種。
喧嘩すらない仲良しのカップルが、浮気の疑いが出たことをきっかけにギクシャクし……別れてしまう、というストーリーだ。
恋愛物とは言え、まるっきりバッドエンドである。
ダンテと自分は、浮気の疑いこそないが、今のままだと行き着く先は、これと同じになりそうな気がする。
胸のざわついたディーヴァは、急いでチャンネルを変えてしまうことにした。
「ダンテ、チャンネル変えるよ」
「ん?ああ。オレはみてないから好きにしろ」
かわりに押したボタンが映す番組は、音楽番組。
部屋の中に、ムード満点のしっとりとしたバラードが流れだした。
その曲に後押しされるように、ディーヴァは、ダンテの傍にゆっくりとすりよる。
空いていた隙間がなくなった。
「ねぇ、ダンテ」
「んー?」
いつもならダンテが言ってくるような言葉を、勇気を振り絞って、言ってみよう。
「たまにはあたしから、キスしたいな」
いや…、ダンテならこんなこと言わずに問答無用でキスしてくるに決まってるか。
言った瞬間、顔が燃えたように熱くなった。
きっと今鏡を見たら、自分の顔はすごく真っ赤だろう。
そして、言われた方のダンテは、ハッと息を飲んで固まってしまっている。
ディーヴァは、ダンテの唇が紡ぐ言葉を待つべく、その手に自分の手を重ねようと伸ばした。
手がわずか触れた瞬間だった。
小さくディーヴァの手を、ダンテがパシッとはね除けた。
「…ダンテ?」
「あっ!……ディーヴァ、すまん」
ダンテからの、初めての明確な拒絶だった。
「ううん、そういう気分じゃない時も、ある…よね、ごめんなさい」
心が落ち着かない。
ドクドクとうるさい心臓をしずめるべく、ディーヴァは話題を変えた。
「そろそろお風呂のお湯、たまったかなぁ~!あたし、先にお風呂入ってきちゃうね!」
「ああ…」
ディーヴァがそこから去った後、ダンテは自分がしてしまった行動を悔やみ、頭を抱えていたことを、ディーヴァは知らない。
避けられている気がする。
それはまるで、関係に亀裂が入ったカップルのような気分。
ダンテに合わせてこちらまでが、ぎこちない態度になってしまいそうだった。
そんな2人は今、同じソファーに座っていた。
ディーヴァはテレビでやっている映画を、ダンテを気にしながら見ている。
ダンテは、時おりよこされるディーヴァの視線を知ってか知らずか、雑誌を捲って眺めていた。
その間に空いたわずかな…本当にわずかな指数本分の隙間が寂しい。
隙間を埋めたい。
ぴったりとダンテにくっつきたい。
その思いを振り払うように唇をきゅっと噛んで、目の前で放映されている映画に集中するディーヴァ。
見ているのは恋愛物の一種。
喧嘩すらない仲良しのカップルが、浮気の疑いが出たことをきっかけにギクシャクし……別れてしまう、というストーリーだ。
恋愛物とは言え、まるっきりバッドエンドである。
ダンテと自分は、浮気の疑いこそないが、今のままだと行き着く先は、これと同じになりそうな気がする。
胸のざわついたディーヴァは、急いでチャンネルを変えてしまうことにした。
「ダンテ、チャンネル変えるよ」
「ん?ああ。オレはみてないから好きにしろ」
かわりに押したボタンが映す番組は、音楽番組。
部屋の中に、ムード満点のしっとりとしたバラードが流れだした。
その曲に後押しされるように、ディーヴァは、ダンテの傍にゆっくりとすりよる。
空いていた隙間がなくなった。
「ねぇ、ダンテ」
「んー?」
いつもならダンテが言ってくるような言葉を、勇気を振り絞って、言ってみよう。
「たまにはあたしから、キスしたいな」
いや…、ダンテならこんなこと言わずに問答無用でキスしてくるに決まってるか。
言った瞬間、顔が燃えたように熱くなった。
きっと今鏡を見たら、自分の顔はすごく真っ赤だろう。
そして、言われた方のダンテは、ハッと息を飲んで固まってしまっている。
ディーヴァは、ダンテの唇が紡ぐ言葉を待つべく、その手に自分の手を重ねようと伸ばした。
手がわずか触れた瞬間だった。
小さくディーヴァの手を、ダンテがパシッとはね除けた。
「…ダンテ?」
「あっ!……ディーヴァ、すまん」
ダンテからの、初めての明確な拒絶だった。
「ううん、そういう気分じゃない時も、ある…よね、ごめんなさい」
心が落ち着かない。
ドクドクとうるさい心臓をしずめるべく、ディーヴァは話題を変えた。
「そろそろお風呂のお湯、たまったかなぁ~!あたし、先にお風呂入ってきちゃうね!」
「ああ…」
ディーヴァがそこから去った後、ダンテは自分がしてしまった行動を悔やみ、頭を抱えていたことを、ディーヴァは知らない。