mission 26:return to the home and turmoil ~小さな違和感~
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正座した魔具を前に、怒り狂ったダンテが仁王立ちしている。
「あ゙ぁ?これはっ!いったいっ!どういうことだっ!?」
その額にはディーヴァが浮かべていたのとは大違いなほど太い青筋が浮かんでいる。
魔具達は、この時のダンテは、どんな悪魔よりも恐ろしい悪魔ヅラをしていたとのちに語った。
そしてその近くには、真っ赤に目をはらしたディーヴァが。
衣服はまだ血に濡れたままであり、今や真っ白なセーターだったと思えないほどの有り様だった。
「ディーヴァは怪我してるし、ずっと泣いてる。
テメェら何したのか何があったのか、30文字で言ってみろ。言ったあとに胴体を綺麗に数枚に下ろしてやる…」
おいダンテ、それだと言っても言わなくても結局死ぬぞ。
「ダンテ、あんまりみんなを責めないで」
「なんでだ、ディーヴァ」
ディーヴァが後ろからダンテの服の端をちょんと摘まんだ。
振り向いたダンテの鼻むせ返る血の香りが届き、グラと悪魔の心を揺さぶる。
「元はといえばあたしが悪いの…鎌でちょっと怪我しちゃったから…」
小さく怪我した指を見せるディーヴァ。
確かに、親指の根元には真新しい傷が存在していた。
「なんで『外』でそんな怪我を負うような危ないことしたんだ!
鎌なんか使うなよ!!」
「だ、だって…」
外で怪我すれば、ダンテがディーヴァに纏わせてある魔力の守りも、絶対といえなくなる。
なのに、何故…。
ディーヴァは育てているイチゴのことをダンテに話して聞かせた。
「そうだったのか…。怒鳴ってごめんな。
イチゴならまた育てればいいさ、な?」
「でも…」
あのイチゴが収穫できる時期が来たら、きっといろいろな覚悟が出来ると願掛けしていたのに。
その願いは無残に散ったのだ。
ダンテが頭を撫でれば、ディーヴァは余計に涙ぐんだ。
「ちょ…おいおいディーヴァ、大丈夫かよ?…って大丈夫なわけないよな」
「大丈夫…イチゴのこと考えたら泣いちゃっただけだから。
傷は見た目ほど深くないんだよ?出血だって、服にどんどん染みてるだけだし…」
「でも包帯は巻かないとな」
ディーヴァをそっと抱き抱えたダンテが、正座したままの魔具達に声をかけた。
「おう、お前ら悪かったな。もう正座解いて良いぜ」
その瞬間、ホッとしたように足を開放する魔具達。
悪魔といえど、じわじわくる正座のような苦行はつらかったのかもしれない。
ディーヴァは申し訳なさそうな表情を彼らに送り、ダンテによって上の階へと運ばれていった。
ベッドに静かに下ろされたディーヴァ。
「どれ、上脱げるか?」
「うん…」
恥ずかしそうにしながら、ディーヴァは上に着ていたすべてを脱いだ。
衣服を脱いだことによって、さらに血の香りがあたりに漂い、目の前にあらわになるディーヴァの上半身。
「………」
胸の頂きをそっと隠しながら、ディーヴァはダンテをじっと見つめた。
ダンテはあまり見ないように、無言のままわずかに目をそらしている。
「ダンテ?」
「いや、なんでもない。包帯巻く前に、血を拭かないとな。前は自分で出来るか?」
ダンテが渡してくる濡らしたタオルで、ディーヴァはゴシゴシと体を拭く。
自分で鉄臭くてたまらないのだ、ダンテには相当つらかろう。
「…いたッ!…はあ、血がまだ出てる。
……ダンテは血、欲しくないの?」
「……いらないよ。今は腹が減ってるから、普通の食事のがいいな」
「そっか…」
今までのダンテからは、想像できない返答。
ディーヴァの肌に触れぬように、ディーヴァの裸や目を見ないようにしながら、ダンテは背中の血を拭き、包帯を巻いた。
その態度が、ディーヴァを寂しくさせると知らずに。
「ねえ、ダンテ」
「ん?」
「ううん、なんでもない。ありがと」
ダンテに触れようと伸ばしかけた指を、ディーヴァは大人しくひっこめた。
「当たり前なことをしたまでだって。変な奴だな…」
こちらも見ずに、包帯を片付けながら、ダンテが笑う。
「さぁて、飯はどうすっか…買ってきた食材もその腕じゃ使えないな…」
「あー…うん」
「たまにはコレ…いいか?」
ようやくこっちを見たダンテは、いつもの笑顔を浮かべながら、受話器を耳元で持つジェスチャーをしている。
「いいよ。たまにはデリバリーピザ、頼もっか」
ディーヴァは心に燻る思いを隠し、いつも通りの笑顔を返すことにした。
「あ゙ぁ?これはっ!いったいっ!どういうことだっ!?」
その額にはディーヴァが浮かべていたのとは大違いなほど太い青筋が浮かんでいる。
魔具達は、この時のダンテは、どんな悪魔よりも恐ろしい悪魔ヅラをしていたとのちに語った。
そしてその近くには、真っ赤に目をはらしたディーヴァが。
衣服はまだ血に濡れたままであり、今や真っ白なセーターだったと思えないほどの有り様だった。
「ディーヴァは怪我してるし、ずっと泣いてる。
テメェら何したのか何があったのか、30文字で言ってみろ。言ったあとに胴体を綺麗に数枚に下ろしてやる…」
おいダンテ、それだと言っても言わなくても結局死ぬぞ。
「ダンテ、あんまりみんなを責めないで」
「なんでだ、ディーヴァ」
ディーヴァが後ろからダンテの服の端をちょんと摘まんだ。
振り向いたダンテの鼻むせ返る血の香りが届き、グラと悪魔の心を揺さぶる。
「元はといえばあたしが悪いの…鎌でちょっと怪我しちゃったから…」
小さく怪我した指を見せるディーヴァ。
確かに、親指の根元には真新しい傷が存在していた。
「なんで『外』でそんな怪我を負うような危ないことしたんだ!
鎌なんか使うなよ!!」
「だ、だって…」
外で怪我すれば、ダンテがディーヴァに纏わせてある魔力の守りも、絶対といえなくなる。
なのに、何故…。
ディーヴァは育てているイチゴのことをダンテに話して聞かせた。
「そうだったのか…。怒鳴ってごめんな。
イチゴならまた育てればいいさ、な?」
「でも…」
あのイチゴが収穫できる時期が来たら、きっといろいろな覚悟が出来ると願掛けしていたのに。
その願いは無残に散ったのだ。
ダンテが頭を撫でれば、ディーヴァは余計に涙ぐんだ。
「ちょ…おいおいディーヴァ、大丈夫かよ?…って大丈夫なわけないよな」
「大丈夫…イチゴのこと考えたら泣いちゃっただけだから。
傷は見た目ほど深くないんだよ?出血だって、服にどんどん染みてるだけだし…」
「でも包帯は巻かないとな」
ディーヴァをそっと抱き抱えたダンテが、正座したままの魔具達に声をかけた。
「おう、お前ら悪かったな。もう正座解いて良いぜ」
その瞬間、ホッとしたように足を開放する魔具達。
悪魔といえど、じわじわくる正座のような苦行はつらかったのかもしれない。
ディーヴァは申し訳なさそうな表情を彼らに送り、ダンテによって上の階へと運ばれていった。
ベッドに静かに下ろされたディーヴァ。
「どれ、上脱げるか?」
「うん…」
恥ずかしそうにしながら、ディーヴァは上に着ていたすべてを脱いだ。
衣服を脱いだことによって、さらに血の香りがあたりに漂い、目の前にあらわになるディーヴァの上半身。
「………」
胸の頂きをそっと隠しながら、ディーヴァはダンテをじっと見つめた。
ダンテはあまり見ないように、無言のままわずかに目をそらしている。
「ダンテ?」
「いや、なんでもない。包帯巻く前に、血を拭かないとな。前は自分で出来るか?」
ダンテが渡してくる濡らしたタオルで、ディーヴァはゴシゴシと体を拭く。
自分で鉄臭くてたまらないのだ、ダンテには相当つらかろう。
「…いたッ!…はあ、血がまだ出てる。
……ダンテは血、欲しくないの?」
「……いらないよ。今は腹が減ってるから、普通の食事のがいいな」
「そっか…」
今までのダンテからは、想像できない返答。
ディーヴァの肌に触れぬように、ディーヴァの裸や目を見ないようにしながら、ダンテは背中の血を拭き、包帯を巻いた。
その態度が、ディーヴァを寂しくさせると知らずに。
「ねえ、ダンテ」
「ん?」
「ううん、なんでもない。ありがと」
ダンテに触れようと伸ばしかけた指を、ディーヴァは大人しくひっこめた。
「当たり前なことをしたまでだって。変な奴だな…」
こちらも見ずに、包帯を片付けながら、ダンテが笑う。
「さぁて、飯はどうすっか…買ってきた食材もその腕じゃ使えないな…」
「あー…うん」
「たまにはコレ…いいか?」
ようやくこっちを見たダンテは、いつもの笑顔を浮かべながら、受話器を耳元で持つジェスチャーをしている。
「いいよ。たまにはデリバリーピザ、頼もっか」
ディーヴァは心に燻る思いを隠し、いつも通りの笑顔を返すことにした。