mission 26:return to the home and turmoil ~小さな違和感~
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イチゴを買ってきていいとはいったが、ディーヴァはイチゴを育てていたりする。
ただ、今年はこの天気で育ちが悪いため、今は買ってこないと食べられない。
「ダンテがいない間にイチゴのお世話しちゃおっと」
今から作物の世話をするというディーヴァ。
具体的に何をするのか気になったネヴァンは、ディーヴァがスコップや鎌を使って間の雑草を刈り取る様子をじっと見ることにした。
「めんどくさそうね」
「まぁね、でも楽しいよ。
わぁ…。雪に埋もれたままよりマシだけど、ダンテが水浸しにしちゃったから、ビチャビチャだ…」
綺麗になっていくにつれて、まだ色づいていない小さな実がなっているのが目に入ってくる。
この実が食べごろになる頃には、ダンテに体を許しているかもしれない…。
そんなことを考えてしまい、体温が上がってくるのを止められない。
ディーヴァは、パタパタと手団扇を扇いだ。
そんな考え事をしていれば手元が狂うもので…。
「ッ!!……イタタ…」
鎌が親指にサクッと刺さった。
切れた傷口から、ぷくりと玉のように浮き出る血液。
飽和状態を越えたそれは、ツツツーと筋となって下へ下へ、地面へと落ちた。
「………」
そしてそれを目に映す、ネヴァンの赤いルビーのような瞳。
「あーあ、やっちゃった。
ダンテに「また怪我したのか」って呆れられちゃ…ネヴァン?」
血の流れる手を、ガシリとネヴァンが掴んだ。
その目は、ダンテが悪魔の目をした時に見せるそれと酷似しているが、それもそうか…何といってもネヴァンはこちらに友好的な魔具とは言え、『悪魔』そのものなのだから。
「血…確かに甘そう。
前に約束したわよね?機会があれば私にくれるって。ダンテもいない今がその時じゃなくて?」
「え…えーと…」
ダンテに了解を取っていないが、いいのだろうか。
その間にも、ダラダラと流れ落ちてわずかながら失われるディーヴァの血液。
「ホラ、こうして流れ落ちてもったいないわ」
「まあ…そうだね。約束だし、出てる分だけなら別にいいよ…」
ありがとう、と微笑んだネヴァンは、ディーヴァの腕に手を這わせ、絡ませ合ってから、ゆっくりと血の流れる筋にそって赤い舌を這わす。
「ふふ、くすぐったいよ…」
「ちょっと我慢なさい?私が舐めて綺麗にしてアゲル…」
そして、舐めとった血を舌の上で転がして味わって、その感想を述べた。
「ン…甘い……」
「舐めながら言うのはやめてってば…」
「もうちょっとの辛抱よ?」
きゃっきゃウフフな感じが否めない。
見る者が見れば女性同士の絡みにも見られかねない絵面である。
「確かに力がみなぎるわねぇ…でも、やっぱり私には男の精気の方がいい気がするわ。だって私は淫魔ですもの」
しばらくディーヴァの血を舐めとっていたネヴァンは、満足したように微笑みながらその口を離した。
魔具となった今でも淫魔としてのプライドや性質は衰えずと、そういうことらしい。
「ディーヴァ、ありがと。これでベオウルフには勝てそうね」
「…さいですか」
「もちろん、こいつらには余裕で勝てるけど」
「え?…きゃっ!」
挑発的な視線を、ディーヴァの後方へと送るネヴァンにならい、ディーヴァも後ろへ目を向ける。
そこには、ダンテ達からしたら雑魚の部類の、ディーヴァからしたら命を奪う恐ろしい悪魔が揃っていた。
「あ…悪魔…!」
「はぁ…ディーヴァの血の香りに誘われたようね」
長い髪を掻き上げたネヴァンが、息を前に吐きだす。
その息はネヴァンの雷を纏って、バチバチはじけていた。
「血をいただいたお礼に、私が守ってあげる。後ろに下がっていなさい」
「う…うん…」
大人しく後ろに下がったディーヴァを確認し、その身に大量の蝙蝠を纏わす。
しばらく帯電していたそれを、ネヴァンは落雷として、悪魔にブチ当てた。
ネヴァンは思いだした。
遠く遠い昔、今の自分より強かった時代を、スパーダと戦った時のことを、敗北後に魔具として使われた時の最強の自分を…
ダンテも強いが、その強さはスパーダには遠く及ばないのである。
力が内側からあふれて止まらない。
ディーヴァからもらった血がここまで、強い力を生むとは知らなかった。
…何これ楽しい。
「アハハハハハ!!」
瞳孔をかっ開いて、悪魔に攻撃を当て続けるネヴァン。
その電撃の高火力といったら、さきほどダンテが雪の中で振るっていた魔具状態の電撃を超えている。
「ネヴァン、少し落ち着いて!イチゴが…!」
せっかく育てたイチゴがつぶれてしまう!!
実をようやく結んだばかりの小さなイチゴが、ネヴァンの猛攻の影響で、今にも吹き飛ばされそうだった。
雷を纏った影から出た刃で周りを切り刻むネヴァンにそう言えば、断るとばかりに振られた腕。
そこから飛び出す影の刃に、ディーヴァは斬られてしまった。
「あっ……!」
ザクッ!!肩口を浅めに一閃していった鋭い刃。
着ていた真っ白なケーブル編みのセーターが、じわじわと赤く染まった。
「ディーヴァ、ものすごい音がしているが、何ご…!?」
強い血の香りと、度重なるネヴァンの電撃音に、家の中で待っていたケルベロスがやって来た。
その目に映る、悪魔をいたぶるネヴァンと、怪我をしたディーヴァの姿。
「ネヴァン、お前……!」
鋭い嗅覚が捉える血の芳香にヨダレが口中に滲み、酔いそうになりながらも、ケルベロスは怒りのまま大きく元の魔犬の姿に変化した。
大きなそれに、イチゴには更に被害が。
「ケル!ダメ…そこには…!!」
痛みも桁違い。
ディーヴァは痛む肩口を押さえながら、ケルベロスに向かって叫んだ。
それすら無視して、悪魔を殲滅、そして喧嘩に発展してひと騒動起こすケルベロスとネヴァン。
さらには双剣兄弟を手にしてやってきたベオウルフまで加わり、魔具達みんながみんなして暴れまくった。
結果…。
痛みからではなく、無残に散ったイチゴの苗を前にディーヴァは泣き崩れた。
「あああ…ひどい……せっかく実がなってたのに…」
いつまでもいつまでも、ダンテが帰って来たその時にも、ディーヴァはさめざめと泣いていた。
ただ、今年はこの天気で育ちが悪いため、今は買ってこないと食べられない。
「ダンテがいない間にイチゴのお世話しちゃおっと」
今から作物の世話をするというディーヴァ。
具体的に何をするのか気になったネヴァンは、ディーヴァがスコップや鎌を使って間の雑草を刈り取る様子をじっと見ることにした。
「めんどくさそうね」
「まぁね、でも楽しいよ。
わぁ…。雪に埋もれたままよりマシだけど、ダンテが水浸しにしちゃったから、ビチャビチャだ…」
綺麗になっていくにつれて、まだ色づいていない小さな実がなっているのが目に入ってくる。
この実が食べごろになる頃には、ダンテに体を許しているかもしれない…。
そんなことを考えてしまい、体温が上がってくるのを止められない。
ディーヴァは、パタパタと手団扇を扇いだ。
そんな考え事をしていれば手元が狂うもので…。
「ッ!!……イタタ…」
鎌が親指にサクッと刺さった。
切れた傷口から、ぷくりと玉のように浮き出る血液。
飽和状態を越えたそれは、ツツツーと筋となって下へ下へ、地面へと落ちた。
「………」
そしてそれを目に映す、ネヴァンの赤いルビーのような瞳。
「あーあ、やっちゃった。
ダンテに「また怪我したのか」って呆れられちゃ…ネヴァン?」
血の流れる手を、ガシリとネヴァンが掴んだ。
その目は、ダンテが悪魔の目をした時に見せるそれと酷似しているが、それもそうか…何といってもネヴァンはこちらに友好的な魔具とは言え、『悪魔』そのものなのだから。
「血…確かに甘そう。
前に約束したわよね?機会があれば私にくれるって。ダンテもいない今がその時じゃなくて?」
「え…えーと…」
ダンテに了解を取っていないが、いいのだろうか。
その間にも、ダラダラと流れ落ちてわずかながら失われるディーヴァの血液。
「ホラ、こうして流れ落ちてもったいないわ」
「まあ…そうだね。約束だし、出てる分だけなら別にいいよ…」
ありがとう、と微笑んだネヴァンは、ディーヴァの腕に手を這わせ、絡ませ合ってから、ゆっくりと血の流れる筋にそって赤い舌を這わす。
「ふふ、くすぐったいよ…」
「ちょっと我慢なさい?私が舐めて綺麗にしてアゲル…」
そして、舐めとった血を舌の上で転がして味わって、その感想を述べた。
「ン…甘い……」
「舐めながら言うのはやめてってば…」
「もうちょっとの辛抱よ?」
きゃっきゃウフフな感じが否めない。
見る者が見れば女性同士の絡みにも見られかねない絵面である。
「確かに力がみなぎるわねぇ…でも、やっぱり私には男の精気の方がいい気がするわ。だって私は淫魔ですもの」
しばらくディーヴァの血を舐めとっていたネヴァンは、満足したように微笑みながらその口を離した。
魔具となった今でも淫魔としてのプライドや性質は衰えずと、そういうことらしい。
「ディーヴァ、ありがと。これでベオウルフには勝てそうね」
「…さいですか」
「もちろん、こいつらには余裕で勝てるけど」
「え?…きゃっ!」
挑発的な視線を、ディーヴァの後方へと送るネヴァンにならい、ディーヴァも後ろへ目を向ける。
そこには、ダンテ達からしたら雑魚の部類の、ディーヴァからしたら命を奪う恐ろしい悪魔が揃っていた。
「あ…悪魔…!」
「はぁ…ディーヴァの血の香りに誘われたようね」
長い髪を掻き上げたネヴァンが、息を前に吐きだす。
その息はネヴァンの雷を纏って、バチバチはじけていた。
「血をいただいたお礼に、私が守ってあげる。後ろに下がっていなさい」
「う…うん…」
大人しく後ろに下がったディーヴァを確認し、その身に大量の蝙蝠を纏わす。
しばらく帯電していたそれを、ネヴァンは落雷として、悪魔にブチ当てた。
ネヴァンは思いだした。
遠く遠い昔、今の自分より強かった時代を、スパーダと戦った時のことを、敗北後に魔具として使われた時の最強の自分を…
ダンテも強いが、その強さはスパーダには遠く及ばないのである。
力が内側からあふれて止まらない。
ディーヴァからもらった血がここまで、強い力を生むとは知らなかった。
…何これ楽しい。
「アハハハハハ!!」
瞳孔をかっ開いて、悪魔に攻撃を当て続けるネヴァン。
その電撃の高火力といったら、さきほどダンテが雪の中で振るっていた魔具状態の電撃を超えている。
「ネヴァン、少し落ち着いて!イチゴが…!」
せっかく育てたイチゴがつぶれてしまう!!
実をようやく結んだばかりの小さなイチゴが、ネヴァンの猛攻の影響で、今にも吹き飛ばされそうだった。
雷を纏った影から出た刃で周りを切り刻むネヴァンにそう言えば、断るとばかりに振られた腕。
そこから飛び出す影の刃に、ディーヴァは斬られてしまった。
「あっ……!」
ザクッ!!肩口を浅めに一閃していった鋭い刃。
着ていた真っ白なケーブル編みのセーターが、じわじわと赤く染まった。
「ディーヴァ、ものすごい音がしているが、何ご…!?」
強い血の香りと、度重なるネヴァンの電撃音に、家の中で待っていたケルベロスがやって来た。
その目に映る、悪魔をいたぶるネヴァンと、怪我をしたディーヴァの姿。
「ネヴァン、お前……!」
鋭い嗅覚が捉える血の芳香にヨダレが口中に滲み、酔いそうになりながらも、ケルベロスは怒りのまま大きく元の魔犬の姿に変化した。
大きなそれに、イチゴには更に被害が。
「ケル!ダメ…そこには…!!」
痛みも桁違い。
ディーヴァは痛む肩口を押さえながら、ケルベロスに向かって叫んだ。
それすら無視して、悪魔を殲滅、そして喧嘩に発展してひと騒動起こすケルベロスとネヴァン。
さらには双剣兄弟を手にしてやってきたベオウルフまで加わり、魔具達みんながみんなして暴れまくった。
結果…。
痛みからではなく、無残に散ったイチゴの苗を前にディーヴァは泣き崩れた。
「あああ…ひどい……せっかく実がなってたのに…」
いつまでもいつまでも、ダンテが帰って来たその時にも、ディーヴァはさめざめと泣いていた。