mission 25:easy proposal ~太陽はいつか月と重なるもの~
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しかしどんなに弱いとしても悪魔は悪魔だった。
近づくにつれ、その全貌が明らかになっていく。
赤褐色の汚泥のような色をしたスライムの形をしており、中身は本当に液体なのか、絶えずごぼり…ごぼりという音を発している。
それが、ずるーり…ずるーりと、ゆっくりと体を引き摺るように、こちらに向かってきていたのだった。
残り10メートルあるかないか。
目の前に立ち塞がる巨体を前に、ディーヴァは目を見開き、口をあんぐりと開けた。
「お、お、お…」
顔を、体を、全身をすっぽりと覆い隠すほどの巨大な影がかかる。
ひとつの単語を紡ぎ出そうとして、ディーヴァの口から音が漏れゆく。
「おっきい~~~っ!!」
がそう叫ぶほど、悪魔は大きかった。
かつてテメンニグルの外周を飛んでいた、魔鯨リバイアサンに迫りそうなほどに。
ぎょろり。
巨体の端に申し訳程度についていたらしい目が、声の発せられた方を上下左右探し、こちらを向いた。
全体からすれば小さい方だが、ディーヴァの顔ほどもある黄ばんだ白目がディーヴァの目としっかり合う。
「ひぃっ!」
ダンテを待った方がよかったかもしれない、と思った時には遅かった。
緩やかな動きをしていた悪魔の行動がいきなり速くなった。
タコの足のような触手がびゅるびゅる音をたてて悪魔の体から四方八方に伸び、そのほとんどがディーヴァの方へと向かってくる。
「ひ、ひょぇぇぇぇえ!」
捕まえようとして唸る触手を一本目、二本目と避けるディーヴァ。
時折、腕やら横腹をかすっていく痛みを我慢し、ディーヴァはひたすらに逃げつづけた。
ばしっ!
その内、鞭のしなるようないい音が響き、ディーヴァの体がガクン、と引き戻された。
「きゃん!」
逃げ足だけは自慢のディーヴァだが、その速い動きに最後までついていけなかったようだ。
一本の触手がディーヴァの足をすくい、絡めとっていた。
本当のタコの足のように、吸盤が付いているわけでもないのにぐるぐると巻き付いて離れないそれ。
逃れようとするも、更に一本、二本と反対の足、そして体に巻き付いた。
もがけばもがくほどに複雑に絡みつき、ディーヴァをぐるぐる巻きにしていく。
「きもいきもいきもいきもい!!気持ち悪いっっ!!」
粘着質のぬめぬめの体液とぬるい体温の触手が体を這い回り、非常に気持ち悪い。
手で触るのもいやだが、腕や首が拘束されるのも時間の問題と、やっきになって触手と体の間に隙間を作ろうとするディーヴァ。
『sweet、blood…ツゥカ、マ、エ…タァ…』
ぼぼぼぼという変な音と共に悪魔から発せられる声。
ちらと確認すれば、どこに隠していたか目のすぐ下に掃除機の吸い込み口のようなまぁるく開いた穴が。
絨毛突起のようなものがびっしり並んだそこが、小刻みに動いて声を発しているのを見、さらに気持ち悪くなって気を失いそうになる。
なんとか持ちこたえた自分を、ダンテにほめてほしい。
「ふぇぇ、sweet bloodって、何!?ってか、この悪魔しゃべれるの!?」
『sweet blood、オマエノコト。オマエ、オレ、持チ帰ッテ食ベル!オレ、強クナル、オケー?』
悪魔の口元がニタリ、と歪む。
同時に、ディーヴァに巻き付く触手量が一気に増えた。
「オケー、じゃなぁぁぁい!!やーっ!離してーっ!!」
必死で伸ばした腕で街灯のポールに掴まるディーヴァだが、あまり意味はなさなかったようだ。
天使と悪魔の綱引きは、一瞬で悪魔に軍配があがった。
「ひいい!あたしにはちゃんとディーヴァっていう名前があるのにぃーっ!!」
街灯から手を離してしまったディーヴァが、悪魔の触手に包まれる。
すでにぐるぐる巻きの体と足に加え、腕に首にと絡み付く触手により全身触手だらけ。
そのまま服の隙間をまさぐり、肌を這って行く触手に鳥肌がたった。
「や、やぁだぁ…!むぐっ!!」
叫ばれないようにだろう、口を塞がれた。
そして首に回された触手がゆっくり締まり、声のみにあらず意識までもが奪われそうだ。
行き着く先は、悪魔の胃袋か、悪魔の巣窟か、はたまた魔界そのものか。
気を失えば、きっと終わりだ。
ダンテ助けて…内緒で買い食いしたのは謝るから……。
ディーヴァの涙がひとしずく、こぼれ落ちた。
近づくにつれ、その全貌が明らかになっていく。
赤褐色の汚泥のような色をしたスライムの形をしており、中身は本当に液体なのか、絶えずごぼり…ごぼりという音を発している。
それが、ずるーり…ずるーりと、ゆっくりと体を引き摺るように、こちらに向かってきていたのだった。
残り10メートルあるかないか。
目の前に立ち塞がる巨体を前に、ディーヴァは目を見開き、口をあんぐりと開けた。
「お、お、お…」
顔を、体を、全身をすっぽりと覆い隠すほどの巨大な影がかかる。
ひとつの単語を紡ぎ出そうとして、ディーヴァの口から音が漏れゆく。
「おっきい~~~っ!!」
がそう叫ぶほど、悪魔は大きかった。
かつてテメンニグルの外周を飛んでいた、魔鯨リバイアサンに迫りそうなほどに。
ぎょろり。
巨体の端に申し訳程度についていたらしい目が、声の発せられた方を上下左右探し、こちらを向いた。
全体からすれば小さい方だが、ディーヴァの顔ほどもある黄ばんだ白目がディーヴァの目としっかり合う。
「ひぃっ!」
ダンテを待った方がよかったかもしれない、と思った時には遅かった。
緩やかな動きをしていた悪魔の行動がいきなり速くなった。
タコの足のような触手がびゅるびゅる音をたてて悪魔の体から四方八方に伸び、そのほとんどがディーヴァの方へと向かってくる。
「ひ、ひょぇぇぇぇえ!」
捕まえようとして唸る触手を一本目、二本目と避けるディーヴァ。
時折、腕やら横腹をかすっていく痛みを我慢し、ディーヴァはひたすらに逃げつづけた。
ばしっ!
その内、鞭のしなるようないい音が響き、ディーヴァの体がガクン、と引き戻された。
「きゃん!」
逃げ足だけは自慢のディーヴァだが、その速い動きに最後までついていけなかったようだ。
一本の触手がディーヴァの足をすくい、絡めとっていた。
本当のタコの足のように、吸盤が付いているわけでもないのにぐるぐると巻き付いて離れないそれ。
逃れようとするも、更に一本、二本と反対の足、そして体に巻き付いた。
もがけばもがくほどに複雑に絡みつき、ディーヴァをぐるぐる巻きにしていく。
「きもいきもいきもいきもい!!気持ち悪いっっ!!」
粘着質のぬめぬめの体液とぬるい体温の触手が体を這い回り、非常に気持ち悪い。
手で触るのもいやだが、腕や首が拘束されるのも時間の問題と、やっきになって触手と体の間に隙間を作ろうとするディーヴァ。
『sweet、blood…ツゥカ、マ、エ…タァ…』
ぼぼぼぼという変な音と共に悪魔から発せられる声。
ちらと確認すれば、どこに隠していたか目のすぐ下に掃除機の吸い込み口のようなまぁるく開いた穴が。
絨毛突起のようなものがびっしり並んだそこが、小刻みに動いて声を発しているのを見、さらに気持ち悪くなって気を失いそうになる。
なんとか持ちこたえた自分を、ダンテにほめてほしい。
「ふぇぇ、sweet bloodって、何!?ってか、この悪魔しゃべれるの!?」
『sweet blood、オマエノコト。オマエ、オレ、持チ帰ッテ食ベル!オレ、強クナル、オケー?』
悪魔の口元がニタリ、と歪む。
同時に、ディーヴァに巻き付く触手量が一気に増えた。
「オケー、じゃなぁぁぁい!!やーっ!離してーっ!!」
必死で伸ばした腕で街灯のポールに掴まるディーヴァだが、あまり意味はなさなかったようだ。
天使と悪魔の綱引きは、一瞬で悪魔に軍配があがった。
「ひいい!あたしにはちゃんとディーヴァっていう名前があるのにぃーっ!!」
街灯から手を離してしまったディーヴァが、悪魔の触手に包まれる。
すでにぐるぐる巻きの体と足に加え、腕に首にと絡み付く触手により全身触手だらけ。
そのまま服の隙間をまさぐり、肌を這って行く触手に鳥肌がたった。
「や、やぁだぁ…!むぐっ!!」
叫ばれないようにだろう、口を塞がれた。
そして首に回された触手がゆっくり締まり、声のみにあらず意識までもが奪われそうだ。
行き着く先は、悪魔の胃袋か、悪魔の巣窟か、はたまた魔界そのものか。
気を失えば、きっと終わりだ。
ダンテ助けて…内緒で買い食いしたのは謝るから……。
ディーヴァの涙がひとしずく、こぼれ落ちた。