mission 3:carrot and …stick? ~赤点と再テスト~
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ダンテは次の言葉に表情を固まらせる。
「それが…補習と再テストになったから……旅行行けない。休暇つぶれちゃうの」
「補習、授業に…再テストぉ?」
そんなものがあるとは知らなかった。
ディーヴァによると、補習授業と再テストの日はちょうど旅行を計画していた日らしい。
「な、な、な…ぬゎんだってぇーーーっ!!!」
ダンテがすごい顔を晒して叫んだ。
その表情を間近で見たディーヴァが怖がって謝る。
「ひいぃっ!ごめんなさい~」
あわてて表情をもとに戻したダンテが静かに聞く。
「ディーヴァ…お前、頭いいんじゃなかったのか?」
失礼極まりないが、確かにダンテよりは頭はいい方だろうと思う。
しかし、学校では理数系に限り、あまりいい結果は残せていないのが現状だったりする。
上級クラスなんてもっての他!と、いまだに中級クラスと初級クラスを行ったり来たりしているのだ。
「はあ…、頭がいいなんてことはないよ。
テメンニグルの事件の時にちょっと休んだでしょ?あの頃って実は一番大事な授業が入ってたの。それを逃したからここまでわかんないまま来ちゃったんだよね…」
しかもその教科はディーヴァの大嫌いな数学だった。
旅行…行けないのか。
いや、行けなくて正解かもしれない。
湖に佇む白いワンピースが揺れるディーヴァ(オレのイメージだよ、悪いか!)、山の中で2人きりのロッジ(魔具?誰もつれていかねーよ)、叫んでも喘いでも誰も聞くものはおらず聞くものと言えば野性動物のみ(現れた悪魔が聞くって?勝手に聞いてろ!)。
行ったら最後、ダンテの理性の糸など簡単に切れてしまう、むしろ自分から引き千切りそうだ。
そうなれば先ほどの割れたイースターエッグの結末そのままである。
ダンテは割れたイースターエッグを心の中で修復し直し、ディーヴァに向き直った。
「うむぅ…。旅行に行けないのは残念だが、仕方ない。それより、オレが言うのもあれだがこんなんで卒業…出来んのか?」
「ゔ…た、多分?」
「………勉強しろ」
側に置いてあった数学のノートを手に取ると、ディーヴァに手渡す。
ディーヴァはため息を吐き出しながら渋々それを受け取った。
「はぁーい。…でもやりたくない。数学とかやる気でない」
「おいおい、やらないとダメなんだろ?」
「そだけど」
開いた数学のノートで顔を隠し、目だけを上から覗かせる。
そして目と目を合わせ、どちらからでもなくため息をつきあった。
「……よし。ディーヴァ、お前が今欲しいものや今好きなもの、されて嬉しいものを言ってみ?」
何を考え付いたのだろうか、ダンテがいきなりそんなことを言い出した。
「え?うーん……。今欲しいのは数学のない世界…無理だけど。
今好きなもの、一番はチーズケーキかな」
少し悩んだが、パッと答えが出てきた。
チーズケーキと言えば…。
「あ、新しくできたケーキ屋さんね、チーズケーキがすぐに売り切れちゃうらしいんだ。いっつも並んでるし…それくらい美味しいなら食べてみたいよねぇ」
チーズケーキを頭に浮かべ、うっとりとした表情で少女は違う世界へとトリップ中。
垂れそうになるよだれをふきふき、ディーヴァはすぐに我に返った。
「ごめんごめん。されて嬉しいのは…ダンテになでなで、かな?
頭撫でられるのとってもすき」
頬を染めて言うディーヴァに、思わずそのままなでなでしてやりたくなる。
しかし、今は我慢の時だ。
ダンテは素知らぬふりでそれをスルーしメモをとった。
「ほうほう、メモメモ」
「で、今の答えがなぁに?心理テスト?」
しばらく口をつぐんでいたダンテだが、固く閉じていた口を開いてきっぱりと言い切った。
「ディーヴァ、お前に試練を与えてやる」
「…は?」
わけがわからずに目が点になるが、続く言葉でディーヴァは一気に笑顔になった。
「再テストが受かったら、そのチーズケーキを買ってきてやる。…朝から並んでな」
「え、ホント!?」
「男に二言はねーよ。ただし、それまでは甘いもの禁止、なでなでもキスも禁止だっ!」
ドーンと言い切ったダンテ。
甘いものを食べられないのはかなしいが、なでなでやキス…これは我慢しようと思えばいくらでもできる。
これを我慢するのがつらいのは自分ではない。
「それ、ダンテのがつらくない?」
ダンテの1日のキスの回数は10回以上、抱き締めてくる回数も同じかそれ以上。
どう考えてもダンテの方がつらいだろうとしかみえない。
「つらいな。でもディーヴァが我慢するならオレも我慢する」
「ん、ありがと。じゃあ、頑張る!チーズケーキのためにもね!」
「そこはオレとの甘いスキンシップのためって言ってほしかったな」
拳を握りしめ闘志を燃やすディーヴァに、ダンテはやれやれと苦笑した。
「それが…補習と再テストになったから……旅行行けない。休暇つぶれちゃうの」
「補習、授業に…再テストぉ?」
そんなものがあるとは知らなかった。
ディーヴァによると、補習授業と再テストの日はちょうど旅行を計画していた日らしい。
「な、な、な…ぬゎんだってぇーーーっ!!!」
ダンテがすごい顔を晒して叫んだ。
その表情を間近で見たディーヴァが怖がって謝る。
「ひいぃっ!ごめんなさい~」
あわてて表情をもとに戻したダンテが静かに聞く。
「ディーヴァ…お前、頭いいんじゃなかったのか?」
失礼極まりないが、確かにダンテよりは頭はいい方だろうと思う。
しかし、学校では理数系に限り、あまりいい結果は残せていないのが現状だったりする。
上級クラスなんてもっての他!と、いまだに中級クラスと初級クラスを行ったり来たりしているのだ。
「はあ…、頭がいいなんてことはないよ。
テメンニグルの事件の時にちょっと休んだでしょ?あの頃って実は一番大事な授業が入ってたの。それを逃したからここまでわかんないまま来ちゃったんだよね…」
しかもその教科はディーヴァの大嫌いな数学だった。
旅行…行けないのか。
いや、行けなくて正解かもしれない。
湖に佇む白いワンピースが揺れるディーヴァ(オレのイメージだよ、悪いか!)、山の中で2人きりのロッジ(魔具?誰もつれていかねーよ)、叫んでも喘いでも誰も聞くものはおらず聞くものと言えば野性動物のみ(現れた悪魔が聞くって?勝手に聞いてろ!)。
行ったら最後、ダンテの理性の糸など簡単に切れてしまう、むしろ自分から引き千切りそうだ。
そうなれば先ほどの割れたイースターエッグの結末そのままである。
ダンテは割れたイースターエッグを心の中で修復し直し、ディーヴァに向き直った。
「うむぅ…。旅行に行けないのは残念だが、仕方ない。それより、オレが言うのもあれだがこんなんで卒業…出来んのか?」
「ゔ…た、多分?」
「………勉強しろ」
側に置いてあった数学のノートを手に取ると、ディーヴァに手渡す。
ディーヴァはため息を吐き出しながら渋々それを受け取った。
「はぁーい。…でもやりたくない。数学とかやる気でない」
「おいおい、やらないとダメなんだろ?」
「そだけど」
開いた数学のノートで顔を隠し、目だけを上から覗かせる。
そして目と目を合わせ、どちらからでもなくため息をつきあった。
「……よし。ディーヴァ、お前が今欲しいものや今好きなもの、されて嬉しいものを言ってみ?」
何を考え付いたのだろうか、ダンテがいきなりそんなことを言い出した。
「え?うーん……。今欲しいのは数学のない世界…無理だけど。
今好きなもの、一番はチーズケーキかな」
少し悩んだが、パッと答えが出てきた。
チーズケーキと言えば…。
「あ、新しくできたケーキ屋さんね、チーズケーキがすぐに売り切れちゃうらしいんだ。いっつも並んでるし…それくらい美味しいなら食べてみたいよねぇ」
チーズケーキを頭に浮かべ、うっとりとした表情で少女は違う世界へとトリップ中。
垂れそうになるよだれをふきふき、ディーヴァはすぐに我に返った。
「ごめんごめん。されて嬉しいのは…ダンテになでなで、かな?
頭撫でられるのとってもすき」
頬を染めて言うディーヴァに、思わずそのままなでなでしてやりたくなる。
しかし、今は我慢の時だ。
ダンテは素知らぬふりでそれをスルーしメモをとった。
「ほうほう、メモメモ」
「で、今の答えがなぁに?心理テスト?」
しばらく口をつぐんでいたダンテだが、固く閉じていた口を開いてきっぱりと言い切った。
「ディーヴァ、お前に試練を与えてやる」
「…は?」
わけがわからずに目が点になるが、続く言葉でディーヴァは一気に笑顔になった。
「再テストが受かったら、そのチーズケーキを買ってきてやる。…朝から並んでな」
「え、ホント!?」
「男に二言はねーよ。ただし、それまでは甘いもの禁止、なでなでもキスも禁止だっ!」
ドーンと言い切ったダンテ。
甘いものを食べられないのはかなしいが、なでなでやキス…これは我慢しようと思えばいくらでもできる。
これを我慢するのがつらいのは自分ではない。
「それ、ダンテのがつらくない?」
ダンテの1日のキスの回数は10回以上、抱き締めてくる回数も同じかそれ以上。
どう考えてもダンテの方がつらいだろうとしかみえない。
「つらいな。でもディーヴァが我慢するならオレも我慢する」
「ん、ありがと。じゃあ、頑張る!チーズケーキのためにもね!」
「そこはオレとの甘いスキンシップのためって言ってほしかったな」
拳を握りしめ闘志を燃やすディーヴァに、ダンテはやれやれと苦笑した。