mission 24:grown-up and alcohol ~酔ったのはどちら?~
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
そうこうしている内に目的地であるゲイツ・オブ・ヘルに到着した。
今回は悪魔だとか天使だとか魔具だとか…そんなことは一切関係なく、バーを利用する一般客として利用する。
マスターであるロダンにも、酒が飲める歳になったらぜひ、と言われていることだし、喜んで行かせていただくことにしたのだ。
廃墟にしか見えぬ扉を開けばそこは、弱いやわらかな明かりを投げかけるバーにかわる。
あいかわらず外観と内装のギャップが激しい。
魔界に近い空間は独特の空気が渦巻き、店内を流れる『魔王』のレコードとは、妙にマッチしていた。
ディーヴァには、こわく感じるその曲。
こちらに背を向ける黒い肌のスキンヘッドの男は、カウンター内で大量のレコード盤を整頓しているようだ。
この男がバーのマスターにして元天使(今は悪魔らしい)のロダンだ。
「こんばんは、ロダンさん」
「ロダン、ウチのお姫様のご来場だぜ」
2人の呼びかけに、こちらを振り向くロダンは、いつも通りトレードマークのサングラスをかけていた。
見た目は厳ついが、悪い男ではない。
「よう、待ってたぜ。よく来たなディーヴァ、ダンテ。まあ、座れ」
コート類をハンガーにかけ、カウンター席に座ると、温かいおしぼりをトンと渡された。
そこからはレモンバームのようなハーブの芳香が香ってきて、気持ちを落ち着かせた。
そしてディーヴァの来店によってか、レコード盤も『魔王』から、心踊るような明るめなワルツに変わる。
それだけでも少しホッとした。
「この通り、ディーヴァがついこの間成人した。つーわけで飲みに来たぜ。良い酒、頼むな」
「ほう…21になったか。そりゃめでたい。おめでとう」
「ありがとうございます」
「予算には糸目つけねぇから、まずは遠しとか適当に見繕ってくれ」
「オーケー」
そう言って待っていると、ディーヴァの首筋に触れるひんやりとした感触。
「ひゃ!」
びっくりして振り替えると、そこには妖艶な深淵の魔女と謳われし、お馴染みのネヴァンが。
「いらっしゃいダンテ、ディーヴァ」
「ぶーっ!!」
「ネ、ネヴァン!?」
ダンテが吹き出し、ディーヴァはすっとんきょうな声を上げる。
「我もいるぞ」
そのすぐ傍には、地獄の番犬と世に知らしめたケルベロスの姿もあった。
ネヴァンはウェイトレスとして、ケルベロスは看板犬代わりに、働かされているようだった。
ベオウルフと双剣もいるみたいだが、今は見当たらない。
「ど、どうして…!」
「へぇ…場末のスナックのママって言われても違和感ねぇな」
「それはどういう意味かしら?」
ディーヴァが来るとわかっている今夜はともかく、普段は悪魔の皆様が飲みに来たりするという悪魔の巣窟には、悪魔の給仕役はぴったり、そう言いたい。
ネヴァンはディーヴァに向き直り、その肩をすぅ…と撫でてため息をついた。
相変わらずボディタッチの多い悪魔だが、ボディトークを得意とする淫魔だからしかたないか。
「ディーヴァの誕生日、祝えなくて残念だわ…」
「ありがと、その気持ちだけでじゅうぶんに嬉しいよ。
…でも、働いちゃってダイジョブなの?ダンテとけーやくしてるとかじゃなかった?」
悪魔の契約とはダブルブッキングの利くような代物だっただろうか?
「仕事はしても、『力』は貸さないが条件だし、しばらくしたらそっちに戻るわ」
「戻ってこなくてもいいぞ、そうすりゃオレとディーヴァはずっと2人っきりだ」
「こらダンテ」
願望垂れ流しなダンテ。
彼はディーヴァと2人きりの同棲生活を、しばらく堪能していたい様子。
「悪魔との契約も人間の法律のように、抜け穴があるの。ディーヴァも覚えておかないと、魂とられちゃうわよ?」
「あたし悪魔と契約なんて、する気まったくないから大丈夫なんだけど…」
「あら、すでに目の前の悪魔と契約してるでしょ?」
ダンテをちらーりと見て言う。
「おいっ!契約者同士じゃなくて恋人同士だボケ!」
「あ、あはは…」
2人のやりとりに、ディーヴァは笑って流すことしかできなかった。
今回は悪魔だとか天使だとか魔具だとか…そんなことは一切関係なく、バーを利用する一般客として利用する。
マスターであるロダンにも、酒が飲める歳になったらぜひ、と言われていることだし、喜んで行かせていただくことにしたのだ。
廃墟にしか見えぬ扉を開けばそこは、弱いやわらかな明かりを投げかけるバーにかわる。
あいかわらず外観と内装のギャップが激しい。
魔界に近い空間は独特の空気が渦巻き、店内を流れる『魔王』のレコードとは、妙にマッチしていた。
ディーヴァには、こわく感じるその曲。
こちらに背を向ける黒い肌のスキンヘッドの男は、カウンター内で大量のレコード盤を整頓しているようだ。
この男がバーのマスターにして元天使(今は悪魔らしい)のロダンだ。
「こんばんは、ロダンさん」
「ロダン、ウチのお姫様のご来場だぜ」
2人の呼びかけに、こちらを振り向くロダンは、いつも通りトレードマークのサングラスをかけていた。
見た目は厳ついが、悪い男ではない。
「よう、待ってたぜ。よく来たなディーヴァ、ダンテ。まあ、座れ」
コート類をハンガーにかけ、カウンター席に座ると、温かいおしぼりをトンと渡された。
そこからはレモンバームのようなハーブの芳香が香ってきて、気持ちを落ち着かせた。
そしてディーヴァの来店によってか、レコード盤も『魔王』から、心踊るような明るめなワルツに変わる。
それだけでも少しホッとした。
「この通り、ディーヴァがついこの間成人した。つーわけで飲みに来たぜ。良い酒、頼むな」
「ほう…21になったか。そりゃめでたい。おめでとう」
「ありがとうございます」
「予算には糸目つけねぇから、まずは遠しとか適当に見繕ってくれ」
「オーケー」
そう言って待っていると、ディーヴァの首筋に触れるひんやりとした感触。
「ひゃ!」
びっくりして振り替えると、そこには妖艶な深淵の魔女と謳われし、お馴染みのネヴァンが。
「いらっしゃいダンテ、ディーヴァ」
「ぶーっ!!」
「ネ、ネヴァン!?」
ダンテが吹き出し、ディーヴァはすっとんきょうな声を上げる。
「我もいるぞ」
そのすぐ傍には、地獄の番犬と世に知らしめたケルベロスの姿もあった。
ネヴァンはウェイトレスとして、ケルベロスは看板犬代わりに、働かされているようだった。
ベオウルフと双剣もいるみたいだが、今は見当たらない。
「ど、どうして…!」
「へぇ…場末のスナックのママって言われても違和感ねぇな」
「それはどういう意味かしら?」
ディーヴァが来るとわかっている今夜はともかく、普段は悪魔の皆様が飲みに来たりするという悪魔の巣窟には、悪魔の給仕役はぴったり、そう言いたい。
ネヴァンはディーヴァに向き直り、その肩をすぅ…と撫でてため息をついた。
相変わらずボディタッチの多い悪魔だが、ボディトークを得意とする淫魔だからしかたないか。
「ディーヴァの誕生日、祝えなくて残念だわ…」
「ありがと、その気持ちだけでじゅうぶんに嬉しいよ。
…でも、働いちゃってダイジョブなの?ダンテとけーやくしてるとかじゃなかった?」
悪魔の契約とはダブルブッキングの利くような代物だっただろうか?
「仕事はしても、『力』は貸さないが条件だし、しばらくしたらそっちに戻るわ」
「戻ってこなくてもいいぞ、そうすりゃオレとディーヴァはずっと2人っきりだ」
「こらダンテ」
願望垂れ流しなダンテ。
彼はディーヴァと2人きりの同棲生活を、しばらく堪能していたい様子。
「悪魔との契約も人間の法律のように、抜け穴があるの。ディーヴァも覚えておかないと、魂とられちゃうわよ?」
「あたし悪魔と契約なんて、する気まったくないから大丈夫なんだけど…」
「あら、すでに目の前の悪魔と契約してるでしょ?」
ダンテをちらーりと見て言う。
「おいっ!契約者同士じゃなくて恋人同士だボケ!」
「あ、あはは…」
2人のやりとりに、ディーヴァは笑って流すことしかできなかった。