mission 3:carrot and …stick? ~赤点と再テスト~
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それから約一ヶ月ほど。
待ちに待ったイースターだ。
街はイースター一色で飾り付けられその至るところにうさぎの着ぐるみを着て風船を配る者、パステルカラーのドレスを身に纏う者が見受けられた。
ディーヴァにもパステルカラーのドレスを着せてやりたい思いにかられながら、ダンテは帰路に急ぐ。
明日からは休暇も始まる。
ぽつぽつ灯りの灯る家々では、イースターを祝うごちそうを家族で囲んでいることだろう。
「家族、か」
早くディーヴァと家族になりたい。
…一歩先へ進みたい。
まるで一歩進むごとに二歩下がっているかのように錯覚する歩みの遅さで、いつか待ちきれなくなって理性の糸が切れるんじゃないかヒヤヒヤしている。
…こつん。
「ん?」
足元に何かあたった。
拾って確認すればそれはイースターエッグと呼ばれるもの。
誰かがエッグハントをした取り逃しかもしれない。
ダンテは手にしたそれを割らないように転がした。
「これが割れなかったら、オレは絶対我慢できる!」
エッグハントと共に有名な遊び、エッグロールだ。
エッグハントで見つけた卵を今度は割らないようにして転がすという遊びであるがこれがまた難しい。
ダンテが思うまでもなく、卵は転がる途中でヒビが入って…割れた。
「ま、そういうこった。つまりオレは我慢できない。イコール、我慢する必要ないんだよな?」
一体誰に言っているだろうか。
ダンテは自分に都合のいい理由をつけ、呟いた。
***
「ただいま、ディーヴァ……って、何だ何だ?」
周りの家々の明るさとはうってかわり、事務所の中には黒い空気が立ち込めていた。
その出所はディーヴァだ。
「おかえりダンテ~」
声も低いが、オーラが黒い。
いつからディーヴァは天使から黒魔術師に転職したのだろう。
悪魔を呼びそうな黒いオーラをまとっていた。
明日からは待ちに待ったイースター休暇だと言うのに、何やら落ち込んでいるようだ。
「ど、どうした?」
そっと聞いてみるダンテ。
ディーヴァはこちらを向いて無理矢理作った笑顔で対応してきた。
「いいえ?なんでもないでございますのよ、ダンテ。おほほほほ」
口元に手をやって高笑い。
何かを隠し、ごまかしているのがバレバレだ。
「ございますのよ?ってお前…」
その瞬間、ひらりとディーヴァの手元から舞い落ちる一枚の紙。
「ん?何だこの紙」
「ななななんでもないっ!」
あわてたディーヴァが拾う前に、ダンテが取ってそれを見た。
「あっ!」
「…………」
お互いしばらくの間、無言になる。
顔を上げたダンテの手元は、その言葉共々わなわなと震えていた。
「ディーヴァ…お前……」
「言わないで、わかってるから。あたし…数学……あか、てん……取っちゃったの」
語尾がどんどん小さくなる。
しまいにはディーヴァの言葉も震えていた。
「ごめんなさい、ダンテ…」
不甲斐ない。
申し訳ない気持ちがいっぱいでたまらない。
ディーヴァは瞳を潤ませ、ダンテにしょんぼりと謝った。
「まあ、しゃーないよな。旅行行ってリフレッシュして、また頑張れ」
苦笑して、ダンテはディーヴァの頭を撫でた。
待ちに待ったイースターだ。
街はイースター一色で飾り付けられその至るところにうさぎの着ぐるみを着て風船を配る者、パステルカラーのドレスを身に纏う者が見受けられた。
ディーヴァにもパステルカラーのドレスを着せてやりたい思いにかられながら、ダンテは帰路に急ぐ。
明日からは休暇も始まる。
ぽつぽつ灯りの灯る家々では、イースターを祝うごちそうを家族で囲んでいることだろう。
「家族、か」
早くディーヴァと家族になりたい。
…一歩先へ進みたい。
まるで一歩進むごとに二歩下がっているかのように錯覚する歩みの遅さで、いつか待ちきれなくなって理性の糸が切れるんじゃないかヒヤヒヤしている。
…こつん。
「ん?」
足元に何かあたった。
拾って確認すればそれはイースターエッグと呼ばれるもの。
誰かがエッグハントをした取り逃しかもしれない。
ダンテは手にしたそれを割らないように転がした。
「これが割れなかったら、オレは絶対我慢できる!」
エッグハントと共に有名な遊び、エッグロールだ。
エッグハントで見つけた卵を今度は割らないようにして転がすという遊びであるがこれがまた難しい。
ダンテが思うまでもなく、卵は転がる途中でヒビが入って…割れた。
「ま、そういうこった。つまりオレは我慢できない。イコール、我慢する必要ないんだよな?」
一体誰に言っているだろうか。
ダンテは自分に都合のいい理由をつけ、呟いた。
***
「ただいま、ディーヴァ……って、何だ何だ?」
周りの家々の明るさとはうってかわり、事務所の中には黒い空気が立ち込めていた。
その出所はディーヴァだ。
「おかえりダンテ~」
声も低いが、オーラが黒い。
いつからディーヴァは天使から黒魔術師に転職したのだろう。
悪魔を呼びそうな黒いオーラをまとっていた。
明日からは待ちに待ったイースター休暇だと言うのに、何やら落ち込んでいるようだ。
「ど、どうした?」
そっと聞いてみるダンテ。
ディーヴァはこちらを向いて無理矢理作った笑顔で対応してきた。
「いいえ?なんでもないでございますのよ、ダンテ。おほほほほ」
口元に手をやって高笑い。
何かを隠し、ごまかしているのがバレバレだ。
「ございますのよ?ってお前…」
その瞬間、ひらりとディーヴァの手元から舞い落ちる一枚の紙。
「ん?何だこの紙」
「ななななんでもないっ!」
あわてたディーヴァが拾う前に、ダンテが取ってそれを見た。
「あっ!」
「…………」
お互いしばらくの間、無言になる。
顔を上げたダンテの手元は、その言葉共々わなわなと震えていた。
「ディーヴァ…お前……」
「言わないで、わかってるから。あたし…数学……あか、てん……取っちゃったの」
語尾がどんどん小さくなる。
しまいにはディーヴァの言葉も震えていた。
「ごめんなさい、ダンテ…」
不甲斐ない。
申し訳ない気持ちがいっぱいでたまらない。
ディーヴァは瞳を潤ませ、ダンテにしょんぼりと謝った。
「まあ、しゃーないよな。旅行行ってリフレッシュして、また頑張れ」
苦笑して、ダンテはディーヴァの頭を撫でた。