それはディーヴァに止められた。

「ダンテ、ちょっと待って…！手は…手は、どこにおけば…いいの？」

唇に届く数センチ前。
今か今かと待っていた侵入のタイミングを遮って、ピタッとダンテを止まらせるディーヴァの一声だ。

「…んなことまでレクチャーさせるのかよ。
しゃーねぇな、手取り足取り舌取り教えてやる」
「舌は取らなくていいよ…！」

ディーヴァの手に自らの指を絡ませ、自分の顔へと誘導する。

湯船に浸かっていたとはいえダンテの顔より低いディーヴァの体温。
ダンテの火照りきった顔に、とても気持ちよかった。

「手は顔の横がいい、頬に軽く添える程度だ。反対は腰に回しておいてもいいかもな」
「う、うん…」

そして反対の手を自分の腰に誘導させる。
不安そうにそっと腰を掴むディーヴァの小さな手が、まるで羽毛でも触れているような気になり、逆にダンテの雄を煽った。

ドキドキしながらディーヴァはダンテの体と顔に手を添える。
その鼓動も、ダンテにはよく聞こえていた。

「舌、入れるぞ」

『入れる』と言ってからするフレンチ・キスなんて聞いたことがないが、他でもないディーヴァの教えてほしいというお願いだ。
ディーヴァが望むなら、こんなやり方もありだろう。

好きに動かせよ、そうとだけ言ったダンテは舌を入れるだけでまったく動かさなかった。

「ふ、ぅ……んんん…、」

ダンテに合わせて、おずおずとだが、ディーヴァも舌をつきだす。
動かし方は未だによくわからないが、ディーヴァはゆっくりとダンテの舌をじらすかのように、絡ませた。

角度を変えて舌を動かすと、ようやくダンテの舌も動きを開始する。
くちゅ…、と水音が唇と唇の間で響いた。

「はぁ…ディーヴァ、上出来。よくできました」
「はぁはぁ…ほんとぉ……？」

少しくったりしたディーヴァが、ダンテに嬉しそうな笑みを向ける。

「でも、まだ強張ってる。舌にそんなに力をいれなくていいぜ」

ダンテも笑みを返しながら、アドバイスした。

「うん…ありがと、ダンテ」
「さぁて、ダンテ先生のお勉強タイムはここまでだ」

優しいダンテ先生の顔から一転、ダンテの目にはギラギラした獣の光が宿る。

「今度はオレからさせてもらうぜ。激しいからって意識飛ばすなよ？」
「えっ…ちょ、ちょっと待っ…！」

素早く重ねられた唇。
こじ開けるように侵入してきたダンテの舌が、ディーヴァの口内をメチャクチャに犯していく。

やはりダンテとディーヴァのキスには違いがありすぎた。
まだまだ練習が足りない。

ディーヴァは必死になって、ダンテのキスに応える。
キスに戸惑い固まっているよりは、がんばって合わせようとしているのは、やはり嬉しいものだ。

「…んん、ん…」

ダンテはそのままディーヴァの胸を揉みしだき、イイトコロを攻め立てたい思いにかられた。
もうしばらく、…しばらくの辛抱だ。

ディーヴァの誕生日さえ過ぎて、ディーヴァが準備できたその時こそ…！